猫にごはん

 

 

 

 

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2004年11月 アーカイブ

2004年11月 1日

野望猫

黒猫振興会会員№19えじさんのところで、『黒猫の野望』に参加すると、こーんなかわいい会員証がもらえます。いいでしょう。へへへ。

黒猫の野望

2004年11月 2日

よく気がつく猫

今まで気にしたことはなかったが、うちの天井はざらざらしている。
髪の毛をしばろうとして、手元がくるい飛んでいってしまったゴムが、しっかり張り付いてしまった。アメリカの家の天井は高い。ジャンプしても届かないのでそのままにしていると、ふと気がつくとソフィーもじいっと天井を見上げている。猫の身長からすると、はるか頭上にあるほんの小さな物体を、1分もたたないうちに見つけるとは恐るべし注意力。
目を爛々と輝かせて、「うきゃ、きゃ、きゃっ」と猿のような声まで上げている。一説によるとこの声、獲物を見つけて興奮しているときに発する飼い猫独特の声だそうな。それはそうだ。外猫でこんな声を上げてたら獲物が捕まるはずがない。
まぁすぐに飽きるだろうとほうって、30分もたっただろうか。まだいる。さすがに首が疲れたのか、見上げたり休んだり。そしてしばらくすると、その場でまるくなって眠ってしまった。そんなに待ちわびているのなら、ゴムはしばらくそのままにしておいてあげましょ。
飽きないソフィー 天井のゴム 

2004年11月 3日

ネコ捕り

シェルターの中のケージから脱走した猫がいた。その部屋の入り口には 『Caution! Run away cat』 の張り紙がしてあり、そこから逃がさないようスタッフに注意をうながしている。
今日用事があってたまたまその部屋に入った私も探してはみたが、逃げた猫はみつからない。そこはたたみにすると10畳はある(もちろんたたみは敷いてない)かなり広い部屋で、物陰もたっぷりあるのだ。呼びかけても一向に反応はない。
ちなみに日本では猫を呼ぶときに、
「チョッチョッチョッチョッ」
という舌打ちのような音をたてる人が多いが、アメリカ人は違う。
「プスプスプスプス」
という破裂音のような音をたてて呼ぶのだ。猫にも犬にも同じ。そういえば以前スウェーデン人もこうやって猫を呼んでいた。所によって随分違うものだ。
ところで部屋の隅には、ネズミ捕りならぬネコ捕りが仕掛けられていた。原理はネズミ捕りと全く同じ。大きさは猫1匹分の長さくらい。奥に餌が置いてあり、中に入ると入り口が閉まるという単純な仕掛けだ。このネコ捕り、自分の家の動物が逃げたときにシェルターで頼めば無料で貸し出ししてくれる(deposit要)。
話には聞いていたが、実際に見たのは初めてだ。見るからに怪しい、罠としか思えないこんな仕掛けに、ほんとうにひっかかる猫がいるのだろうか。しかも中に置いてある餌が、FancyFeastというアメリカの一般的な猫缶で、しかも更に見ると、うちの猫たちがもっとも毛嫌いしていた切れた蕎麦みたいなタイプのビーフ味。しかもしかも、猫缶の蓋をただ開けただけで皿にも盛っていやしない。なんとアメリカ人らしいのだ。しかしこれでは、もしノアだったらたとえどんなにお腹を空かせていても、決して捕まることはないだろうと確信したのだった。
ネコ捕り

2004年11月 4日

be loved cat

黒猫振興会の大事なメンバーの一員である黒猫ちゃちゃちゃん11月3日亡くなった
いつか誰かからこういうお知らせがくることがあるだろうとは覚悟していたが、黒猫振興会を始めてから1ヵ月、こんなに早く悲しい別れに接するとは思わなかった。
動物を飼ったことのある方なら、必ず一度は経験がある悲しい別れ。私も過去に何度かある。その都度涙にあけくれた。別れが辛いからもう動物は飼わない、という人もいる。うちの父親がそうだ。その気持ちはよく分かる。しかし動物はそれ以上に、長い長い年月かけがえのない愛情を与え続けてくれる生きものなのだ。そしてあえていうなら猫は特別だ。
お気に入りの場所でまるくなる猫。
帰ってくると出迎えてくれる猫。
好物を見つけて弾むようにいそいそとやってくる猫。
呼ぶとたまに返事をしてくれる猫。
気が向くと遊んでくれる猫。
寒い冬に膝の上で暖をとる猫。
我が物顔で布団に入ってくる猫。
お気に入りの場所でまるくなる猫、猫、猫...。
長年一緒に暮らした猫がいなくなった家はどんなだろう。物陰からこっそり出てくる姿が見えやしないかと家中目で追ってしまうことだろう。好物の竹輪やおかかを手に取るたびに、もっとたくさん食べさせてあげればよかったと思うことだろう。掃除中に猫の爪のさやを見つけるたびに涙が出ることだろう。冬は寒さがこたえることだろう。
ちゃちゃちゃん享年21歳。やすらかにおやすみ。
会員№16ちゃちゃ

2004年11月 5日

目ばちこの原因

寒くなってきたので猫たちは最近人とぴったりくっついて寝たがる。今や一瞬でもソファに座ったが最後、たちまち2匹(計約10キロ)に乗られて身動きできなくなること間違いない。
相変わらず微妙な距離を保ち、くっついて眠ることは少ない2匹だが、本当はノアが大好きなソフィー。人とくっつきたいのではなく、ノアの近くにいたいのだ。人の膝に乗るノアの横によりそってくる。嫌がるノアに、たまに逆切れして襲い掛かり、追いかけっこが始まり、平和な一夜は乱されるという連鎖反応がおこるが、たいていは少し離れた位置で落ち着く。
落ち着いて、少ーしずつ、少ーしずつ近寄る。そしてペロペロ。そう、本当は舐めたり舐められたりしたいだけの猫好きな猫なのだ。ペロペロペロペロ。いつまでもいつまでも。ん?どうも目の近くばかり舐める。いつまでも目の周りだけ...。あ、そういえばノアの原因不明の目ばちこ。もしやソフィーのせいだったか?!
舐めたがる猫
ところで明け方寒いので、最近寝室のブラインドを閉めて寝るようになった。それが気に入らない日向マニアのソフィー。日差しが差し込むと、「早く開けて~」と催促する。毎朝ぬぼーっと光の隙間から人を見下ろす猫の顔。怖いよー。
ちょっと怖いソフィー

2004年11月 6日

黒猫振興会会員募集中!

黒猫振興会現在会員数41猫39人間(会員№38)まで増えました!黒猫写真集はこちらです。
新規会員希望の方はここにコメントのうえ、写真とプロフィールをメールでお送りくださいませ。お待ちしてまーす(実は、以前の日記のコメント欄がいっぱいになってしまいましたので、新規募集はこちらでおこなうことにしました。みなさまたくさんのコメントありがとうございました)。
click me to be a member!


PS. 副会長、がんばって更新作業続けてますよ~。ほめてやってください!

油っぽい中華たち

久しぶりに中国スーパーでご飯を食べた。スーパーの中にあるフードコートのような店だが、味はなかなか。ボリュームもたっぷり。2人で分けてもお腹いっぱいになる。数多くのおかずの中から3種類選んで、スープ、ご飯、なぜかバナナがついて$4.99。安い。今日選んだのは、茄子とひき肉の炒め物、いんげんの炒め物、鶏肉のオレンジ味の炒め物と、炒め物尽くし。油もたっぷり。ダイエットの天敵のような食べ物ばかりだが、これがうまい!
こってりした中華たち

しかしなぜかこの店例の衛生ランクが表示されていない。おかしいなーと周りをきょろきょろしていると...。あぁ発見してしまったすばやく動く黒い醜悪な虫1匹...。Bだ!ここ店は絶対Bに決定!

いつもみんなこっちを向いている、不思議ななまずたち→なまず

2004年11月 7日

タコスそしてまたタコス

タコス三昧でいこう!ということになり、またメキシコへ遊びに行くことにした。友人Kさんも一緒だ。Kさんはメキシコ初体験なので、今日はガイド気取りで今まで食べたおいしいタコスの店を案内する。
まずはティファナで必ず行く、豚肉タコスの店とホセ兄弟(仮名)の屋台の2軒。ホセのところへは人がくれば必ず、人が来なくてもただタコスを食べにだけ行ったりするので、ホセ弟とはすっかり顔なじみになった。いつも行くと愛想良く手を振ってくれる。ここのカルネアサダ(牛肉)はジューシーでとても柔らかい。豚肉タコスのほうは、燻製のような濃い味の香ばしい肉。これもまたおいしい。
次のそのまま車でテカテまで周り、Los Amigos という覚えやすい名前のホセ家族(仮名)経営のタコス屋へ行く。この店も以前A夫妻と一緒に行ったことがあるお気に入りのタコス屋だ。いつ行ってもホセ家族の結束は固い。10人余の従業員誰ひとりメンバーが変わらず。こちらのタコスはまたボリューム満点。どの部分の肉か、いやいったい何の肉なのかすら見当がつかないような歯ごたえのある好い焼き加減の肉をはさんだタコス。この店ではいつもチーズ入りケサディーヤを食べる。うまい!
ケサディーヤ
途中、揚げ菓子のチュロスを食べ、スーパーでKさんが買った焼きたてトルティーヤを食べ、ヤクルトまで飲み、もうお腹一杯。3時間余でかなり食べ過ぎだ。
テカテの国境が混んでいたので、オタイメサの国境へ回ることにした。ゲート直前に2列隣の白人カップルの車がなぜか国境警備隊数名に取り囲まれていた。麻薬犬らしき犬まで動員されている。すわ、何事ぞ!と一瞬緊張に包まれる。かなり長いこと尋問され、ふてくされた様子の運転手。どうやら薬の売人だったようだ(憶測)。よかった同じ列じゃなくて。行列は長く、売人と同じ列じゃなくても国境を越えるまでに30分近くかかった。
2004年9月30日以後は、アメリカへ入国する場合、陸路のメキシコ国境でも指紋スキャンと顔写真撮影がされるようになったと聞くが、全員ではなく怪しい人だけがピックアップされているようだ。当然思いっきり地味な日本人である私たちは免除された。おまけに今回ゲートの管理官は日系人で、ますますスムースに再入国することができた。家から車で20分足らずのところにある近いタコス屋だが、やっぱり毎回帰りは緊張するものだ。
怪しまれる薬の売人たち(憶測) → 薬の売人たち(憶測)
愛想のいい見知らぬタコス屋 → 町のタコス屋

2004年11月 8日

ごぼうとは?

先日、中国スーパーで買ったごぼう。きんぴらごぼうにして食べた。アメリカで売っているごぼうは、日本のものよりも香りが少ないような気がするが、大きさ・形・味ともにまさしく懐かしの日本のごぼう。袋にも入っていないので見当がつかないが、いったいどこからアメリカに輸入されているのだろうか。
1本85セントで山積みされていたごぼう。どれにしようか物色していたら、それは何かと計3人(中国人1人、白人2人)に尋ねられた。『Gobo』としか書いてないし、果物売り場でブドウの隣に置いてあったので、そりゃあ何だか分からんだろう。
これは野菜だと教える。すると、当然どうやって食べるのか聞いてくる。皮をむいて、薄くスライスして、しばらく水にとって...。
「Why?」不思議そうに聞く白人のおばあさん。
あくを取るためになんだけど...。頭の中で日本語の答えならすぐさま出てくる。しかし英語でなんと説明したものか。う~ん。そうしないと食べれないからだ、と苦しまぎれに説明すると、おばあさんますます不思議がる。青い目をむき出して驚く。
「Ooooh???」
あく。いくら考えてもそんな英語思いつかん。家に帰って辞書引いたらあくは『scum』としかでていない。これは水に浮かぶあくの皮膜のことなので、ちょっと違う。正しくはなんて説明すればよかったんでしょうねぇ。どなたか知ってたら教えてください。
結局あのとき分からなかったので、「smelly(臭い)」だからだとウソつきました。
ゴボウサラダの作り方ときんぴらごぼうの作り方は教えたものの、結果見ていたところ、誰ひとりごぼうを買った人はいなかった。営業向きではありません。すまぬ中国スーパー。
あく抜き後のきんぴらごぼう

2004年11月 9日

かゆい日

家の近くにトレイルがある。久しぶりにここをマウンテンバイクで通ってみた。
前回来たときに、ここで腕がかゆくなったので、今日は長袖にした。ところがやはりトレイルに入ったとたんに、今度はなぜか耳たぶがかゆくなる。続いて、袖口と時計の間の5ミリくらいの肌露出部分もかゆい。そこだけだんだんほてってくる。別に何かに触ったわけでもないし、足すらついていないというのにどうしたことだ。うるしのようなかぶれる木がたくさんあると聞いたことがあるが、触れもしないのにかぶれたりするものだろうか。アレルギーだとしたらくしゃみなど出そうなものだが、全く症状はない。ただかゆいだけ。そしてトレイルを出たとたんにそのかゆみも治まった。いったいどの草がいけないのだろう。怪しそうなのは、この群生しているふさふさした雑草だ。以前都会に住んでいる友人が、ブタ草アレルギーだと診断されたことがある。ブタ草とは何ぞ?と二人で首をかしげたのものだが、もしやこれがブタ草か。
怪しい雑草
ところでここはハイウェイのすぐ脇にある州立公園だが、トレイルが複数あるだけなのであまり人には会わない。たぶん一度もあったことがないような気がする。こんなところで埋められたらなかなか発見されないに違いない、といつも思う。そしてもし埋められるとしても、こんな痒いところはできれば嫌だと思う。
人気のないトレイル

2004年11月10日

いまどきの

『いまどきの若者は』とか『若い子はしょうがないよね』とかいう言い方は好きではない。自分がイマドキの若者だった頃、そういうことを言う大人に限って、何も分かってないヤツだと思ったものだ。しかし、もしかしたら本当にいまどきの若い子ってダメダメなのかも、と思うこともある。
今日から新しくペアを組むことになったR。白人。女。若い。たぶん20歳そこそこ。シェルターのWeb用動物写真撮影は二人組でやることになっている。新しくアシスタントをやりたいと立候補してきた新人で、今日はトレイニングを頼まれたのだ。
こちらがにっこり笑って挨拶しても、にこりともしない。握手する手も力なくふにゃらとしている。そもそも待ち合わせ時間に10分遅刻してきているが、そのことについては何も触れない。こういう初対面の印象って大事なものだ。

まずは当り障りのない会話をする。
私「何か動物飼ってる?」
R「猫」
私「じゃあ猫が好きなんだ」
R「犬」
(なんじゃそれ。まぁいいか)
私「犬と猫どっちからやりたい?」
R、返事なし。はぁ...。別にいいけど。しかしまったく打っても響かない感じ。

二人組で写真を撮る場合、一人が動物を押さえて注意を引く、もう一人が撮影する。
手順を説明し、犬のケージに入る。まず私がカメラを持って入る。しかしRは外で見ているだけ。入って、というと素直に入ってくる。犬を押さえて、というと押さえる。こっちを向かせるようにして、というとやってくれる。まぁいいか。じゃあ次(どうでもいいけど、ドアは閉めない。閉めるよう私が言わなかったからだ)。
私がカメラを持って入る。しかしRは外で見ているだけ。何じゃそれ。もう一度説明するが、あまりわかった様子ではない。それからも毎回毎回同じことが繰り返される。こちらの英語力にかなり問題があることは間違いないのだが、それを差し引いても機転の利かないことはなはだしい。ここまでくると言葉の問題ではなかろう。この人もしかしてバカ?と思いたくもなるが、何をしているのか聞くと獣医の勉強をしているという大学生だという。別に頭が弱いわけではないのだ。ただ気が利かないだけらしい。
こういう人は行動の端々に性格が現れる。ドアを開けない。閉めない。押さえない。質問しない。ありがとうと言わない。メモして、といっても分からない。こういう言葉をその紙のその部分に書いて、と全部説明しないと書けないのだ。そして嫌に素直。とにかく、言われたことはやる。しかし言われないことは何もできない。
ボランティアで来たのだろう。少なくともやる気はあるのだろう。しかし自分で考えて行動できないのならボランティア(志願者)の意味はない。相手を思いやるという精神に全く欠けている。若いからか。いや違う。この人に問題があるのだろう。
それにしてもこうも自分とずれていると、もしかしたら年齢差があるから行動を理解できないだけなのかもと疑いたくもなる。しかしだんだんこちらも相手を理解しようと努力する気が失せてくる。めんどうだから「若い子だからしょうがないよね」と十把ひとからげにして、もうこんな人を記憶のかなたに追いやってしまいたくなるのだ。自分も若い頃こうだったのかと思うと、今若くなくて本当によかったと心から思う。
来週も来る?と聞くと、Yesと答える彼女。う~ん。

2004年11月12日

腹筋男

この辺りの海岸沿いには豪邸が多い。海岸沿い、といったら本当にもう海に面していて、各豪邸から海岸に降りるのに梯子がついているくらいなのだ。まるでプライベートビーチ状態。それに引き換え、道路から海に直接繋がる道は非常に少なく、私のような一般市民に開放されている海岸へのアクセスは限られている。
もうこの季節になると海は空いていて、サーファーや散歩の人々がまばらにいる程度だ。
この海岸は私の気に入っている散歩コースで、たまにお弁当や本を持って一人で散歩に行く。お弁当を食べるのに適している場所はいくつかあって、暑いときは木の下のベンチ、机がいるときは入り口の芝生のテーブル、そして少し涼しい今の時期、よく陽の当たるある豪邸の梯子の下の階段になっているところが良い。
その梯子の下で今日はおにぎりを食べていると、半裸体の白人男がきた。上半身裸、下はトランクス1枚で砂浜を遠くから走って近寄ってくる。この広い砂浜、まさかこっちは来ないだろうと眺めていると、確信ありげにまっすぐこちらに向かってやってくる。アメリカでよく見かけるナルシストタイプの、いかにも鍛えてまっせという日焼けした筋肉質な肉体。体中汗びっしょりで、はぁはぁしている。へ、変質者か...。
裸男は私の目の前1メートルの近さまで来ると、にっこり笑って言った。
「階段を一緒に使ってもいい?」
こ、これは私の梯子。なぜ他にいくらでもあろう別のところへ行かない?!こわばった笑みを張り付かせる私を尻目に、裸男はさっさと梯子の下に持参のタオルを敷く。そして寝そべる。げっ!な、何を...。
と次の瞬間、裸男はもくもくと腹筋を始めたのであった。梯子の段の上に足を上げた状態で。それはそれは熱心に運動を続ける。続いて腕立て伏せまでやり始めた。もちろん段の上に足を上げた状態で。すぐ側で自分を凝視している、米を食むアジア女のことなど気にも留めない。こちらが意識してすぐさま席(階段だけど)を立つのもいかがなものかと思い、そのまま座っておにぎりを食べつづけたがどうも気になる。何せ広々した砂浜、にもかかわらず腹筋男と私との距離は50センチくらいしかない。はぁはぁしてるし。まぁすぐに終わるだろうと思って我慢しているが、なんと20分近くも運動を止めないではないか。
仕方がない。こちらの負けだ。今日はこの梯子は譲ろう、腹筋男よ。君もお気に入りの場所だったのだろう。さらば。
広い砂浜。右が豪邸と梯子。→広い砂浜。右が豪邸と梯子。

2004年11月13日

いわし

この時期いわしが大漁だそうな。オイルサーディンにしたらすごくおいしかったという友人Sさん。そんな話を聞いたら、いわし釣りに行かずにはいられない。昼過ぎ急に思い立ったので、オーシャンサイドのピアに着いたのはもう4時近かった。
釣り人たち
魚が比較的よく釣れる朝の時間帯を朝まづめ、夕方の時間帯を夕まづめというそうだ。今日は夕まづめの勝負!さびき(疑似針をたくさん付けた胴付き仕掛けのこと。さびく→竿を上下させ、仕掛けを躍らせて誘いをかけること)で釣る。
シーズンとあって釣り人は多い。海面を見ると魚の背がきらきら輝いているのが見えるほどたくさんいる。しかし同じく大量の魚を狙ってあざらしはいるは、ペリカンはいるは、水鳥はいるは、カモメはいるは、サーファーまでたくさんいるというごちゃごちゃぶり。ピア周辺の海はものすごく混んでいる。普段あざらしはかわいいやつなのだが、今はかなりうざい。あざらしが通るたびに糸がからまないよう避けねばならないし、魚はみな逃げる。しかし仕方がない。邪魔者はこちらなのだ。
釣り糸を垂らすと、おぉ!すぐに引く。入れ食いとはこのことか。いわしやスメルトがばんばんかかる。30分足らずで8匹釣れた。あっという間に日が暮れて終わりになってしまったが、次はもっと早くから来ることにしよう。
本日の獲物はすぐさま夕飯に並ぶ。いわしの生姜煮といわしの姿寿司。釣れたては透明に近かったウロコが、料理するころには黒っぽく変わっている。しかし新鮮なのには変わりない。うまひー。
いわしの姿寿司
生のいわしは猫たちにも少しおすそわけ。初めて新鮮な生魚を見るソフィーは、アメリカ生まれの猫とは思えないほどがっつく。まるでもう猫夢中。しかしけしからんことに日本生まれのノアは見向きもしないのだった。どっちがグルメなんだろう。
生魚好きなソフィー

2004年11月14日

1周年

ソフィーがうちにきてからちょうど1年たった。早いものだ。そして大きくなった。ノアとの比較写真を見るとよく分かる。来たときの体重は1キロ程度。今は4倍にはなっただろう。
来た当時と今の大きさ比較 → 猫比較

1年前の昨日、うちにきたソフィーは生後3ヶ月の子猫だった。
最初から物怖じしない猫だった。ケージから出したとたんに、家中かけまわって探検した(ノアが来たときは数日ソファーの裏から出てこなかった)。おもちゃで一人激しく遊び(これはノアも一緒)。餌をばくばく食べ(ノアは最初から好き嫌いが多かった)、全く吐かず(ノアは常日頃吐く)、教えなくてもトイレは一度も失敗したことのない(ノアは嫌がらせをする)、本当に手のかからない子猫だった。
眠くなるとごろごろ喉を鳴らして、小鳥のように人間の肩の上にとまって寝たものだ。ノアが喉を鳴らさない猫だったので、この声にまずやられてしまったのだ。あぁあこがれのごろごろ。一言でいうとかわいいという以外にいいようのないかわいい猫(バカ?)。こんなにかわいい猫だから誰かに持っていかれてしまうのではないかと心配したものだ(誰が?)。
1年前 → 1年前のソフィー
今やこんな → 今ではこんなに大きくなった

ところが今や立派な成猫で、誰にも盗まれず、家ではノアを追い回し、外ではおびえる内弁慶猫になった。そしてあんなにあこがれていた、ごろごろ喉鳴らしは、最近ではなぜかノアもごろごろ鳴らせるようになり、すっかり価値が下がってしまった。それでもかわゆいのには変わりがないのだよ、ソフィー。1周年祝いのプレゼントは白ねずみのおもちゃと、たっぷり猫ミルク。何のことだか分かってないだろうが、めでたいめでたい。
白ねずみで激しく遊ぶソフィー → 激しく遊ぶソフィー

2004年11月15日

映画鑑賞

『Bridget Jones (The edge of reason)』。前作『ブリジット・ジョーンズの日記』の続編だ。この手のハッピーエンドの映画は見終わって楽しいから好きだ。
レニー・ゼルヴィガーは、この間のアカデミー賞のときにはあんなに痩せていたのに、この映画のためにまた太ったそうな。こんなに太ったり痩せたりができるものだろうか。二重顎やたぷんとした二の腕はいったいどうやったら元に戻せるのだ!そしてヒュー・グラントは相変わらずいい男。
館内、圧倒的に女性が多いなか、近くに座った白人のじいさんはポップコーン食べながら大笑いしてた。かわゆい。
こんな単純な映画だから内容はつかめるものの、ブリティッシュイングリッシュは聞き取り難いのぉ。情けない。
bridget jones.jpg

2004年11月16日

猫の頭

寒がりの猫たちは、ソファーの近くで狙ってる。人間がくるのを今か今かと。そんな中、うかうかソファーでうたた寝でもしようものなら、まるで死体にむらがるハイエナのようにあっという間に猫たちに蹂躙されてしまう。ところかまわず、時もかまわず、遠慮仮借なく。
今日も苦しくてふと目を開けると、胸の上に猫2匹乗っている。しかも2匹とも後ろ向き。君たち、少なくとも顔くらい見せたらどうだね。声をかけても耳しか振り向かない。感じ悪いったらないのだ。
IMG_4756_sn.jpg

2004年11月17日

scratch

今日店にやってきた白人親子連れ。子供は、3歳くらいの女の子と6歳くらいの男の子。かなりやんちゃそう。猫の里親募集コーナーは16歳以下の子供は保護者と一緒でないと入れないことになっている。20代と見られるNavyのTシャツを来たお母さんは、買物に忙しそうだったが、子供たちが猫を見たがるので、しょうがないわねといった雰囲気で部屋に入ってきた。
入ってくるなり、「どの猫が触れる?」と聞いてきた。ちょうどケージから出ていた猫たちはみな一癖も二癖もあるつわものばかり。この黒猫Vixenはひっかくからだめ。このロシアンブルーのSashaは触られるのが大嫌いだからだめ。RainbowとMissyも怖がりだからだめ。説明してると、「どれも触れないじゃないの!」と切れそうになる母親。だいたい猫は知らない人に触られるのが嫌いなものなのだ。ましてや大騒ぎしている子供たち。触られたい猫がいるはずがない。
するとシャム猫のRoxieが自らすすんでケージから飛び降りてきた。この雌猫は10歳。比較的おとなしいし、人懐っこい。これならいけるかもと思い、「この猫はフレンドリーだからそっと触ってみてもよい」というと、子供らすぐにわーっと群がる。驚いたRoxieは、あぁ、シャッと爪をたててしまったのだ。かわいそうなRoxie。びっくりしただけなのだ。いつも決して爪など出さないのに。
「うわ~ん」と大声で泣き喚く女の子。つられて男の子も怯えだす。母親と私は急いで怪我の具合を確かめる。幸い血は出ていない。女の子もびっくりしただけなのだ。しかし何事かとマネージャーも飛んでくる。女の子はますます大声で泣く。やばい。突然の修羅場。
同じようなケースで過去2回、お前を訴えてやる!と脅されたことがある。いずれも訴えられはしなかったが、アメリカ人なら本当にやりかねない。そしてこのきつい母親。これは非常にまずいパターンだ。どうしよう、とおろおろしていると、なんと母親はこう言ったのだ。
「猫はひっかくもなの!傷も無いんだから泣かなくていいの!」
いい人だったのだ。あんたは話の分かる人だよ、Navyのお母さん。
「騒がしてごめんね」と素直に帰っていく親子連れ。あぁ今日は訴えられなくてよかった。
上がRoxie。下のお尻がRainbow。 → ほんとはおとなしい猫たち

2004年11月19日

朝の海

めずらしく早朝に仕事に行くJを車で送り、ついでにめずらしく早起きしたので、近くの海まで足をのばした。
早朝の海岸は静かで人気がなく...。といいたいところだが、嫌に人出が多い。むしろ、未だかつてないくらい混んでいる。
何ゆえ混雑しているかと言うと、とにかくサーファーがたくさんいる(朝は波がいいのか?)。とにかく犬の散歩をしている人がたくさんいる(犬は早起きなのか?)。とにかくジョギングしている人が多い(マゾか?)。とにかく掃除をしている人が多い(これは仕方がない。ごくろうさまです)。朝6時半。暖かいサンディエゴとはいえ、朝の海はさすがに寒く、息も白いというのに何たること。
ついでに借りてた本を、海の近くの図書館へ返却。しかし図書館への道路が事故でこれまた大渋滞。事故現場はダウンタウンに程近く、コーヒーショップなども多いせいかやじうまだらけ。
アメリカ人の朝は早いのだった。
人の多い朝の海 → 人の多い朝の海
ピアの下は空いてる → ピアの下は空いてる

2004年11月20日

釣り過ぎ注意

先週のいわしに味をしめて、再びいわし釣りにチャレンジ。先週の日記にコメントを寄せてくれたにゃ~んmamaさんによると、『アメリカはイワシがすごく捕れていて、日本は全然捕れない』、と日本のニュースで特集していたそうな。これならまた今週もいけるはず(ほんとか)!場所も同じオーシャンサイド。釣竿も新調し、友人Kさんも誘い、やる気まんまんだ。
夕まづめ近い海岸は、またもや釣り人も多く、あざらしも多く、海鳥も多い。いわしが押し寄せているに違いない。果たせるかな、ものの数秒ですぐさまいわしがかかる。続いて3人ほぼ同時に釣れ、初めて釣れたKさんも喜ぶ。まさに入れ食いだ。2匹一緒にさびきにかかったりもする。そして程なく、

釣り糸たらす → ひく → いわしかかる → 釣り針からはずす → 釣り糸たらす → ひく

といった連続作業が始まった。最初は3人で喜んでいたものの、だんだん会話も少なくなり、いわし釣り作業は仕事と化す。もはや互いの成果を誉めあうことすらしない。数を競いあうむじゃきさのかけらもない。ただただもくもくと釣るのみ。
日暮れまでの1時間半。成果はなんと計62匹。やった今日こそいわし三昧だ!健闘をたたえ合い家路を急ぐ3人は、今宵の夕飯に大いに夢を膨らませる。これから何が待っているとも知らずに....。
大漁のいわし
そう待っていたものは、この大漁のいわしの処理だった。うろこ取り係、はらわた取り係、さばき係とすぐさま役割分担が決まり、作業を開始する。生でも食べたい。オリーブオイル炒めも食べたい。あれこれ夢を語り合う空腹の3人。しかし62匹のいわし。時間のかかることかかること。楽しいどころか、辛い労働としかいいようのない単純作業が続く。ボールの中の冷たい水に漬かる手は、魚のはらわたが絡みつき、気のせいか赤切れができているよう。もうまるで気分は蟹工船。
代わる代わる休憩を取る3人。ひもじさのあまり、途中ポテトチップを手にするふとどき者までいる(おい!)。そしてこの作業、なーんと終わったのは夜10時。夕飯の支度も含めて、4時間近くもかかってしまったのだった。釣ってる時間の2倍以上ではないか!

夕飯のメニューは、いわしのニンニクオリーブオイル炒め、なめろう、いわし姿寿司、つみれ汁。仕込んだオイルサーディンを除いて、3人で40匹を全部きれいに平らげたのだった。ゆずも大葉もないが、新鮮さでカバー。おいしかったー。疲れたー。
おいしいつみれ汁 → つみれ汁

2004年11月21日

猫の予防注射

年に一度の猫の予防注射。うちの猫たちを連れて行く獣医はmobile vetだ。mobile vetとは月に1~2度、近所のペットショップにバンでやってくるお手軽獣医のことで、各種ワクチンなど注射だけを簡易テーブルの上でやってくれる。やっている人は白衣を着ているので、多分獣医の資格はあるのだろうと思う。
この獣医、バンで各地を回っているだけあって、仕事がやたら速い。健康な動物のみ、と注意事項に書いてあり、診察は一切しないのだ。

猫出して → ぶすっと注射して → 猫仕舞って → はい、おしまい。

ノアは今まで別の獣医に行っていたので、このお手軽獣医に行くのは初めてだ。ノアの獣医嫌いときたらそれはそれはひどいもので、どこのどら猫かと思うようなすさまじい声を張り上げやたら凶暴になる。この黒い悪魔を診察しなければならない獣医がそれこそかわいそうなくらいだ。たいてい飼主に見えないよう別室送りになり、きっと押さえつけられて診察するのだろう。毎回行くたびにひどくなる一方だ。そして一旦怒り狂うとこの猫、見境がなくなり、飼主のことすら分からなくなって凶暴になってしまうのだ。今回はどうだろう。
ケージから出す前に、いちおう断りを入れる。「この猫は病院ではいつも暴れます」
するとペットショップの入り口を閉めるよう指示をする獣医(指示されたのはJ)。続いて猫を出すよう指示をする(指示されたのは私)。更に耳の両側からぐっと押さえるよう指示(またもや私に)。客に向かってえらそうなやつなのだ。あぁ、ノア。どうか私に凶暴になったりしないでおくれ。
押さえた瞬間、ぶすっと注射。「はい、とっとと猫仕舞って」とまたもや命令された私。ノアがケージから出ていたのは、ものの5秒程度。さすがのノアもあっけにとられたのか、怒る間もなくあっという間すらなく終わった。やるではないか、お手軽獣医。
次はソフィー。予想通り何の問題もない。いつも家ではソフィーがノアを追いまわして、喧嘩をうっているというのに、こういうときは借りてきた猫のごとくおとなしい。
2匹あわせて26ドル。非常に格安だ。ちなみにアメリカの予防接種は、4-in-1という、4種類のワクチンが1本になっているもので、内容は次の通り。

1.猫汎白血球減少症(Feline Panleukopenia)
2.猫ウイルス性鼻気管炎(Feline Viral Rhinotracheitis)
3.猫カリシウイルス(Feline Calicivirus)
4.猫クラミジア感染症(Feline Chlamydia vaccine)

最後のクラミジア以外は日本の3種混合予防接種と同じだ。


ところで海外から日本に猫を持ち帰る場合の検疫制度が、この11月から大きく変わった。これはサンディエゴに住むtomoさんから教わった。必要なのは次の3つ。

1.マイクロチップ
2.狂犬病注射
3.抗体検査

1のマイクロチップはヨーロッパで多く使われている国際基準ISO11784及び11785のみとな。アメリカで一般的な種類とは違う。2、3はさておき、まずはマイクロチップが必要だ。獣医に聞いてみると、ここでは『 Home Again』という種類のマイクロチップを使っているそうだ。これはどうやらISO基準にも適合しているらしい。
まだ変わったばかりの日本の検疫制度で、各掲示板でも情報が錯綜し、本当にこのマイクロチップで検疫を通過できるのかどうか、入れてもらう前には検疫所に確認をとらねばならない。しかしどうやらこのHomeAgainは使えそう。これならアメリカで猫が万が一迷子になっても認識してもらえるし(マイクロチップの種類によってはスキャナーで読み取り不可能な場合がある)、日本の検疫も通過できそうだし、とりあえず一安心。

2004年11月23日

陶芸セール

陶芸のクラスでは年に2回セールをやる。生徒が作った作品を売って、運営資金の一部にあてるのだ。生徒は、1学期に最低1個の寄付が義務付けられている。しかし私を含めてたいていの生徒が、何個も寄付する。まぁ、いわゆるうちにもって帰りたくないような、言っちゃなんだが失敗作品などを寄付してしまうのだ。なぜなら寄付した作品の大きさに準じて、ポイントが稼げる仕組みになっているからだ(ポイントによってより大きな作品を作ることができるのだが、この説明はまたいずれ)。一石二鳥。三方一両損といったところだ。
セールは3日がかりで行われる。セールの手伝いをすると、これまたポイントがかせげるので、生徒たちは率先してボランティアをする。またまたよくできた仕組みだ。
しかし、この作品というのが本当にすごいのだ。すごいといっても良い意味ではない。箸にも棒にもかからないわけの分からないものがごちゃまんとある。今回見つけて面白かったのは、巨大なクッキージャー(猫の2倍はあるくらいの大きさ。しかも蓋は入れ物よりふたまわりは大きい)、お面数個、猿の置物、リスの置物、象足プランター数十個、寿司プレート数十個などなど。
その他山ほどある器。どうにもならないようなのは花器となる。スポンジを中央に配置し花を生ける。生花や緑は、どこからか調達される。多分大量なので卸しからの買い付けか寄付。緑の葉数十種は数人からの寄付だ。庭から取ってきたものも多い。
値付け風景。陶芸教室というよりもまるで花屋。 → 値付け風景。陶芸教室というよりもまるで花屋。

今回私がボランティアをしたのはこのフラワーアレンジメント係。大きい声では言えないが、花をいじるのは初めての経験。なに、こつはただ一つ。いかに器を隠せるか。花は好きなのを好きなだけ使って良い。
まず適当に生けて、パメラに見せてみると、すぐさまダメだしされた。小さな花器を使うときは、ブーケのように360度同じように見えるようにしろという。何となく私は頭の中で、床の間、もしくは玄関の隅にでも飾るような、片側から見るタイプの花の配置をしていたのだった。アメリカ人は違うのだ。大きなテーブルのセンターに置く花をイメージしなくてはならなかった。そうかそうかとやり直し。全部で4つ作り、4つともすぐさま売れた(1個は友達が買った)。
よく売れる。開店前にも人が群がる。 → よく売れる。開店前にも人が群がる。

何しろこの陶芸セール、案外人気があるのだ。特にフラワーアレンジメントはすぐに売れる(私のだけでなく全部)。器だけでは絶対誰も買わないだろう、どうしようもないものが、花付き(小)で2ドルから5ドル程度しかしない。材料費や労働力にほとんどお金がかからないので、こんなに安く売れるのだ。非常によくできた仕組みだ。
私も1個買った。アメリカ人のおばさんが生けた花。みごとに花器はほとんど見えない。これで$3.50。安いものだ。花が枯れたら、誰が作ったか知れないこの器、うーんどうしよ。
みごとに隠れる器。 → みごとに隠れる器。

2004年11月24日

慈悲深いひととき

明日(11/25)は感謝祭(Thanksgiving Day)。なんとなく町はもうホリデーモードだ。別れ際には、「Happy Thanksgiving day!」「Happy holidays!」など声をかけあう。クリスマスに並ぶ大きな祝日のため、みな何だか楽しい気分なのだ。町角に立つホームレスたちも今日はよく小銭がもらえるよう。あちこちの車からひらひらと1ドル札が振られる。
ボランティア先でも寄付客が連続した。洗いたてのバスタオル数枚、犬の餌数十個、リッターメイド(自動掃除猫トイレ)専用ゴミ捨てプラスチック2箱。そしてお金。
一人の中年白人女性がやって来て、ここのボランティア団体に寄付したいという。入り口にある寄付金箱を指し示すと、もっとまとまったお金だそうな。小切手で大金預かれないので郵送してもらうことにした。
慈悲深い人たち。今週末だけかもしれないけど、それでもいいではないか。日本人だって赤い羽根の時期だけ募金する。それと同じだ。ありがとうおばさん。小切手待ってるよ。

2004年11月25日

Party料理

今日は感謝祭。今年は友人4人を招待しうちでご飯を食べた。4人(+子供1人)のうちわけは、中国人2人・ベトナム人1人・日本人1人。事前に聞いてみたが、七面鳥など好きな人はひとりもいない。中国人は中華とビールを持ってくるというし、ベトナム人は生春巻きを作るというので、必然的にアジア風のパーティー料理になってしまった。全然感謝祭と関係ないな...。
感謝祭っぽくない料理ばかり

うちで作ったのは次の6つ。
巻き寿司(太巻き・フィラデルフィアロール・かんぴょう巻き・鉄火巻き)
鶏の唐揚げ
あさりの酒蒸し
サラダ
ナチョ&ガガモレ
トン汁

最後のトン汁など日本人のパーティーでも見かけないような、らしからぬ料理。
しかしさすがアジア人。テイストがみな近いのだ。どれを出しても問題ない。これがアメリカ人だったらいちいち食べられるかどうか気にするところだが、今日のお客さまたちは全然大丈夫。当然のことながら、当たり前のように箸を使い、当たり前のように疑問をもたずにどれも食べてくれる。楽だ。
デザートは日本人代表Kさんの持って来てくれたカーボダイエットアイス。そして中華を持ってくるはずだった中国人が、なぜか持ってきたパイナップル。しかしこのパイナップル切りパフォーマンス、めちゃめちゃ面白かった。中国から持ってきたというパイナップルナイフを使って、あざやかにパイナップルの周囲の茶色のいぼいぼ部分を取り除き、これまたあざやかに一口大に切り分けてくれる。あぁうちに丸太のような中華まな板があったら、もっと見栄えがしただろうに残念だ。
このパイナップルナイフ、中国でしか売っているのを見たことがないという。私もはじめて見た。茶色の部分が完璧に取られたパイナップルは、見た目もきれいで、非常に食べやすく、歯に詰まることもないから不思議だ。今度買ってきてもらおう。
パイナップル切りパフォーマンス中 → パイナップル切りパフォーマンス中

2004年11月26日

豪華な猫部屋

猫を飼おうとしている友達と一緒に、いくつかアダプション(里親募集)をやっているボランティア団体を回った。自分がいつもボランティアをしているアダプションコーナー以外は、どこも新鮮。ところによって随分雰囲気が違うものだ。
シェルターを含めてたいていは写真をWebで公開しているが、猫は実際見てみないと分からない。更に言えば、実際触れて感じを確かめてみないと分からない。そして大事なことは、ケージが汚れていたり、すさんだ雰囲気の里親募集コーナーだったりすると、もういけない。どの猫か選ぼうとするよりも、見ていることが辛くなってしまうのだ。
豪華な猫のケージ → 豪華な猫のケージ

今日いくつか回った中で、最も贅沢な猫のケージはこの写真。これが猫のケージだと誰が想像するでしょう。うちのアパートよりもはるかにゴージャスではないか。これなら貧乏な家にもわられるよりも、この豪華なケージにいたほうが猫は幸せなのではないかとすら思ってしまう。大きさにすると6畳くらいのこのケージの中にいた猫はたったの2匹。広すぎだってば。
このボランティア団体(Humane Society)では、里親希望者はケージに入って猫に触れてみることができる。家のような広い空間でくつろぐ猫はナーバスにもならず、いい雰囲気で、見ていた数分の間にも大きな茶トラの猫が1匹もらわれていった。これはこれで効果的なのかもしれない。
寄付でまかなわれているこの団体。入り口の壁には、100万ドル以上の寄付金提供者の名前がずらりと並ぶ。アメリカはお金持ちがたくさんいるのだ。

キャットタワーもゴージャス → キャットタワーもゴージャス

2004年11月27日

猫決定!

昨日に続いて猫を見に、別のシェルターに足を延ばしてみる。サンディエゴの南にあるシェルターで、ここは昨日のところとは違い、バラックのような質素なシェルターだ。猫のケージは建物の中にあるが、犬のは外なので寒そうに見える。一周してみると、しかしケージの中はとてもきれいで、よく世話をされている様子がすぐ分かる。働いている人たちも雰囲気が良い。
特によかったのは猫担当のこの黒人女性。15年もシェルターで働いているというデビーは、希望の猫をケージから出して詳しく紹介してくれる。自身7匹もシェルターから猫をもらったというだけあって、猫のことなら何でもござれという感じ。迷う里親希望者に、1匹ずつたっぷり時間を取って猫に触れさせてくれる。
初めて猫を飼う私の友人に、デビーが一押しだったがこのタキシードキャット。
5歳のこの雄猫、前足だけdeclaw(爪抜き)されている。そして前の飼主は引越しするから猫を捨てたそうだ。爪抜きはアメリカではめずらしいことではないが、猫にとっては本当に残酷な手術だ。爪を抜くくらいなら、一生きちんと面倒をみろ、と言いたい。しかしそんな飼主でも猫はかわいがられていたのだろう、驚くほど人懐っこく警戒心がない。名前を呼ぶと、「うにゃん」とだみ声で返事をし、初対面の人間の前でもごろんごろんと激しくお腹を見せる。かわいいやつよ。
そしてめでたくこの子は、私の友人にもらわることが決まったのだった!おめでとう、オマリー(仮名)。幸せになるのだよ。

デビーに抱かれるオマリー(仮名) → デビーに抱かれるオマリー(仮称)

2004年11月28日

ダイエットが必要な猫

ソフィーのお腹が、ぱっつんぱっつんだ。横から見るとまるでめだかのお腹のように膨らんでる。触るとたっぷり実が詰まっている感じ。先日のノアとの大きさ比較でも分かる通り、この1年で驚くほど大きくなったのだ。そしてこの猫は顔が小さいわりに、特に下半身が太い。このままではアメリカ人でよくいるような、洋ナシ型のデブ(猫)まっしぐらではないか。
『さびねこ、くろねこ。』みずちさんの記事によると、猫の標準体型は次の通り。

『触って肋骨と背骨が判るくらいが標準体型。』

どうよ。うちの2匹たちよ。君たちはいくら触っても肋骨などないではないか。絶対にダイエットが必要だ!
猫缶の好き嫌いがあまりに激しいので、最近ずっとドライフードだけを適当な量あげていたが、それではいかん。おやつも全面廃止。今日から食べる量をさっそくしっかり管理することにした。
まずは1日に必要な猫のカロリーの計算から。体重計がないのではっきり分からないが、うちの猫たちはたぶん2匹とも5kgは超えているだろう。ほぼ5㎏で計算することにしよう。すると必要カロリーは246kcal。
ドライフードは種類によってカロリーが違う。うちは数種類使っており、一日2種類ずつやってるので計算が難しい。サイエンスダイエットを参考にすると、100g=407kcal なので、40gで約160kcal。
手近にあった猫缶を見ると、1缶160kcal。半分で80kcal。
よし。1匹あたり、猫缶を1日半缶+ドライフードを40gにしよう。これで合計240kcal。嫌いな猫缶は食べないだろうから、少なめになってちょうどダイエットによいだろう。さぁみんな、がんばろうね!
朝ご飯、さっそくドライフードを量ってみると、40gなんてほんのちょびっとしかない。うちは今までこの1.5倍以上はやっていただろう。サイエンスダイエット40gと、MAX Cat40gをそれぞれ皿に盛る。いつものように勢いよく食べ始める2匹。夕方まで持つだろうか。
夜ご飯、猫缶1つを半分に分けて皿に盛る。
そこでふと気がついたのだが、きちんと量った2匹の餌、果たして彼らは等分に食べているのだろうか。観察する。

まず各々の分け前を食べる。 → IMG_5156_sn.jpg

次にお互いの皿を味見する。 → IMG_5157_sn.jpg

ここで、ノアはごちそうさま。毛づくろいを始める。しかし、ソフィーはまたもや自分の皿に戻って残りを食べつづけているではないか。
まだ食べるソフィー。 → IMG_5159_sn.jpg

これではノアだけがスリムになっても、ソフィーはぱっつんぱっつんのままだろう。多頭飼い家庭でのダイエットへの道は、一筋縄ではいかないのだった。

そしてもう一つの問題。台所にやってきて、今にも飢え死にしそうな切ない声で『うにゃぁぁぁぁん』と鳴かれると、もう私はめろめろになってしまうのだ。この(本当は違うけど)哀れな声に誰が抵抗できるであろう。ソフィーの大好きなミルクやバターを、ほんの少しだけ分けてあげたくてたまらなくなる。かつおぶしや煮干の匂いを嗅ぎつけてすりすりしてくるノアを、どうしても振りほどくことができない。がんばらねばならないのは、こちらの方も同様であった。

1年前はとかげのようにスリムだったソフィー。 → 177_7702_sn.jpg

2004年11月29日

隠れる猫

先日友人Kさんの家にもらわれたばかりのオマリー(仮名)。実はかなり個性的な猫だということが分かりつつある。
新しい家に着いたばかりのオマリー(仮名)は、それはそれはごきげんな猫だった。呼びかけると、ごろんごろんお腹を見せて転がり、頭が痛くなるのではないかと思うほどの勢いで、頭を人間の手に擦りつけてきた。常にごろごろ大きな音を立て続け、膝をたたけば膝に飛び乗る。なんと人懐っこい猫!と思いきや...。
翌日Kさんから電話がかかってきた。オマリー(仮名)がいなくなった!いや、実は居たのだが、隠れていたのだった。その隠れ場所といったら多彩なもので、台所の下の棚、洗面所の下の棚、棚という棚を開けて、ほんのわずかな隙間に入り込むことができるのだった。隙間がない場合は、ものの上でも平気で座る。最初トイレを使わなかったため、バスルームに猫トイレとともに閉じ込めたところ、なんとバスルームの扉も開けて出て来てしまう。さらに閉まっていた寝室の扉も開けて、勝手に飼主に寄り添って寝てしまうとのこと。恐るべしオマリー(仮名)。
何が恐るべしかというと、その扉は全て取っ手をひねって内側に引かないと開かない扉なのだった。棚(取っ手なし)ももちろん引いて開ける。どうやって?信じがたい。
Kさんが外出先から帰るたびに行方不明になっているオマリー(仮名)。呼んでも探しても見つからない。そして諦めかけた頃、のそりとどこかの棚から出てくるのだった。かくれんぼか!絶対人をおちょくっとるな、この猫。
そこで、うちで余っていた鈴つき首輪を進呈することにした。お渡しがてら、オマリー(仮名)の様子を見に行く。家に入るが、香箱座りのまま、ちらりとこちらを見るだけで何の反応もしない。あれ?先日はあんなに大歓迎だったはずなのに...。手を差し伸べれば、頭をぶつけてはくる。しかし、もはや呼んでも無視だし、ちっともお腹なんぞ見せてくれないのだった。愛想が良かったのは初日だけか?こやつはもしや、かなりのクセモノでは?密かに疑惑がよぎる。
鈴つきの首輪を付けてみるが、嫌がる様子はない。というか全く無視。多分以前も首輪が付いていたのだろう。そしてその後のオマリー(仮名)ときたら、なんと2度と棚に隠れることはなくなったそうな。鈴がついたせいで、もうつまらなくなったのだろう。やっぱりかなりのクセモノだ~。
ところで、完全に真っ黒な猫と違い、少しでも白い部分が入っていると、写真映えがして良いものだ。どんな姿を撮ってもちゃんと猫だということが分かる。ノアだったら黒い塊にしか見えないのになぁ。そのうち、どんな扉でも開けられる猫としてFunniest Videoにでも投稿しましょうか、Kさん。
食べ方も変わってる(写真では分かりづらい)。 → 食べ方も変わってる
隠れる猫 → 隠れる猫