猫にごはん

 

 

 

 

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考えさせられること

コンピューターのクラスで課外授業(施設の見学)がある予定だった日の前日のこと。その予定は前の日になって急にキャンセルになった。そのことを、先生のジョーは授業中に生徒たちに伝えた。
「明日の予定はキャンセルになったから。授業は普通通り教室で行います」
それはそれは、さらりと伝えたのだった。~ has been cancelled. ジョーはぼそぼそと抑揚のない声で話す人だ。英語の不自由な私は非常に心配になったので、両隣のオタクたちに確認した。
「明日課外授業なしになったって、今言ったよね?ね?ね?ね?普通に授業やるんだよね?ね?ね?ね?」
2人に確認して安心した私は、翌日普通に教室に行った。そして教室では、何事もなかったようにいつも通り授業は行われた。生徒も全員出席している。ただ一人を除いては。
この40名程度の生徒のうち、日本人は私ともう一人しかいない。その彼、Hくんがいないのだった。Hくんは今まで一度も欠席したことがない。激しく嫌な予感のした私は、休み時間になるとすぐさま彼の携帯に電話したが、繋がらない。もしかしたら体調でも悪くなったのかも、と無理やり納得させ、その日の授業を普通に終えたのだった。
次の日。Hくんに確認してみたところ、あぁぁ彼はやはり勘違いして、課外授業の予定だった待ち合わせ場所に一人で行き、寂しく1時間も他の生徒たちが来るのを待っていたのだった。しかもその場所は非常に分かりづらい場所にあり、おまけに出入り口にはゲートがあり、施設内でもらえるチケットがないと、出ることもできないのだった。そんなところで一人待ちぼうけにあってしまったHくん。うぅぅ、かわいそうに。気持ちよく分かるよ。こういうミスコミュニケーションっていつ自分に降りかかってもおかしくないものなぁ。もし自分だったらさっそくブログのネタにするだろう(あ、人のでもネタにしてるか)。

という前日の悲しい出来事を教室で話していた私たち。そこに現れたのは、いつものアメリカ人のマーサと、ペルー人のギヤモ。マーサはいつもジョークばかり言って笑っているような人なのだが、このときに限っては非常にマジメな表情で優しく、それはかわいそうだったねぇと同情をよせた。そして続いてギヤモの言った言葉は、あまりに意外だったので、私は何のことやらさっぱり分からなかった。
「課外授業が中止になるとは、ジョーは話さなかったから、Hが分からなかったのは当然だ」
え?何ですと?
何かの聞き間違いかと思ったので、もう一度聞き返すが、同じ事をいう。何を言っているのだろうこの人。だって、ジョーが話したからあんただって、キャンセルだと知って昨日ちゃんとクラスに来てたじゃないのと、いろいろ頭に疑問がうずまく。
そこへふと通りかかった中国人(名前は知らない)男性一人。『間違えて待ち合わせ場所に行ってしまった』という言葉を耳に挟むやいなや、なんと文字通り、その場で腹を抱えて笑いだしたのだった。す、すごい。なんてストレートな反応だ。
すると温厚なギヤモは突然たいへん怒り、「Hを笑うのじゃない!」と中国人を叱り付けたのだった。そこにきて、ようやく先ほどのギヤモの言った言葉を私は理解したのだった。そうか。彼はあんなにバレバレな嘘をついてまでも、Hくんをかばって慰めていたのだったのか。優しいではないのペルー人。あまりの意外な優しさに、私は何のことやら全然理解できなかったよ。そして私はこういう状況で、少し笑い話にしながらも、同情を寄せるという、いかにも日本人らしい中途半端な対応をしていたのだった。
こういうことを言うと、〇〇人はこういう性格だ、などと決め付けているような感じにとられそうだが、そういうわけではない。いろんな性格の人がいろんな国にいるものだ。たまたま今回アメリカ人、ペルー人、中国人、日本人の反応がそれぞれ違っていたので、なんだか面白いなぁと思っただけの話である(でも確かに、なんて中国人らしい率直な反応だろうと、妙に納得してしまったのは事実である)。そして、誰のとった反応が、一番本人にとってなぐさめになったかも、一概にはいえない。

そんな私は、今日アメリカ人から、おまえは日本人らしくないと言われた。その理由は、いつも遅刻してくるからだと。日本人だって遅刻する人はいるっちゅうに。固定観念にとらわれるのはよくないですねぇ。

コメント (10)

「今日の猫」のノアちゃん、久しぶりに「豹柄」の登場でちょっと嬉しい。すぴーの様子も猫さまざまですね。

私もそのクラスをとっていたら、Hくんと同じハメになっていたことでしょう。
ペルー人って優しいですね。そんなに優しくかばってくれる、ペルー人の友達が私も欲しい!


こういうことの積み重ねが、民族に対しての「△△人は○○なタイプ」ということに繋がるんでしょうね。

いやー、面白い話です。

「日本人は時間に正確な人」なんですね(笑)
その点では私は日本人らしいかも。
ウチのネコも朝ご飯の時間には正確ですので、日本ネコだということで。。。


ペルー人のギヤモ、やさしいですね。
わかりやすい中国人を叱ってくれてありがとう。
H君ではなく、利害関係のある人に対してもその中国人が同じ態度をとれるかの検証もしてみたい。

が、H君を知る私は、説明が日本語でも、もしかしたら結果はおなじだったのではないかと。。。
彼は私と同じく天然ぼんくら惑星系所属なので。
がんばれ、H君。


私もよく遅刻するせいか? 日本人ぽくないとよく言われます。。。そう言われると、日本人にだって、いろいろいるんだ、と言い返す自分ですが、自分自身は多少、各国にイメージがあったりして(笑)。だって、ずっと、見てると明らかに傾向ってありますよねぇ。例外もあるけどさ^^

中南米出身の人はとても優しい『イメージ』があります。他人に対して優しい、感じがいい、というのを、とても大事にする価値観(教育)なんだ、って、先生が言ってた。だから、逆に、アメリカの教育現場ではそういう移民の方々に対して、困ることもあるらしい。いいじゃない、いい子なんだから(成績が悪くたって)という親が多いそうで。人としては正しい気もするけども。


noirさん、こんにちは。
庭猫日記のやんすと申します。(黒猫振興会 会員No.112 )
ちび太の件では暖かいコメントをありがとうございました。
登録させていただいたのもつかの間、あまりの突然のことで当時はかなり凹みました。その後自分の入院も重なってしまいご挨拶とお礼がこんなにも遅れてしまい申し訳なく思っています。
ちび太は居なくなってしまいましたが、もう少し会員のままでいさせていただいていいでしょうか・・あの写真はお気に入りで登録ページを拝見すると自分の癒しになるのです。
庭に黒猫がいなくなってしまったのは非常に淋しい思いです・・
また日常の中で黒猫さんとの縁ができるよう今は祈っています。!


確かにお国柄が出て来るだろうけど、それがその人の性格とは決め付けるのは。。。???
私もこう言う内容の時は必ず誰かに聞きなおして間違わないようにしてる(笑)H君はそれをすることが出来ないくらい自信があったのかなぁ~それとも。。。。聞く事すら出来なかった?
どちらにしてお国の違うクラスメート、優しさに平和を感じるね^-^


>マルコさん
ギヤモとてもいい人です。いつも優しいのに、突然
怖い顔で怒ったのでびっくりしました。
あはは。私だって、マルコさんと同じく、いつこのような
ハメに陥るか危険です。そしてもしこんな目にあったら...
マルコさんもきっとブログのネタにするでしょう~(^O^)


>riderさん
うん、まさしくそうですね!
>こういうことの積み重ねが、民族に対しての「△△人は○○なタイプ」
そうなのですよ。誰だってたった一人の人で判断しては
いけないとは思っても、何人か同じようなタイプの人を
みたら、やっぱり『〇〇人は...』と言いたくもなります
よねー。
そこで、日本人のイメージである、時間に几帳面、という
ことを考えると、確かに電車の時刻表ひとつとっても
日本人って本当に時間どおりが好きなんだなーと
あらためて思います。イメージくつがえさないよう、
明日は遅刻しないようがんばります^^;


>Kさん
この話、Kさんなら笑ってくれると思ったのですよー。
わははは。Hくんは確かに、説明が日本語であっても
同じ事をしそうな人ではありますね(笑)。すまぬ、Hくん。
このブログ、Hくんに見つからないようにしなくちゃ。
ギヤモはとても優しい人です。中国人を叱り飛ばす
ところは、胸がすくようでございましたよ(^O^)


>koruさん
わはは。koruさんも遅刻する人なのですね。いけませんよー、
せっかくの日本人のよいイメージを壊しては。明日こそ
気をつけよっと(←今日も遅刻してる)。
あぁぁ、確かに納得しますねぇ。他人に対して恐ろしく
優しいですよね。身に付けたレディーファーストではなく、
根っから優しいの。そして男女問わずに優しい。
でもそういう価値観って、なかなかどの場面でも受け入れ
られるものではないかもしれませんねぇ。


>やんすさん
こんにちは。
お久しぶりでございます。
ちび太ちゃんのことは、本当に残念なことでございました。
心よりご冥福を祈っております。
新しいサイトを始められたのですね~。やんすさんが
元気になられて、まわりの方々も喜んでいらっしゃる
ことでしょう。
もちろん、ちび太ちゃんの写真はそのままにしておき
ましょうね。黒猫振興会の大事な会員さまです(^^)
またサイトにもおじゃまいたしますね!


>Kalakaさん
私もひとつのことで、性格を決め付けたり、お国柄だと
決め付けたりするのは好きではないのですけどね。こう
極端に反応が分かれると面白いなーと思って(^^)
Hくんにとっては、どういう対応が一番なぐさめになった
のでしょうねぇ。実は中国人のように笑い飛ばしてくれた
ほうが、お互い笑って気持ちよく済んだのではないかと
いう気もいたします^^;
おぉ、Kalakaさんでも、聞きなおしたりして注意されて
いるのですねぇ。私も、気をつけるようにいたします~。


ペルー人の方、すごく思いやりのある方ですね。
普通そこまで、相手の気持ちを考えることってできないですよ~。すごいなぁ(*^^*)

ソフィーちゃん、確かに睨みつけているようにも見えるかも(笑)でも、とっても可愛いです(*^^*)


国が違えば考え方も違うんですね。面白いですね。

遅刻したら、日本人らしくないんですか?じゃあ、私も日本人じゃないです。今日から85%はよその血が入っている事にします(笑)
私のイタリア語の先生は、イタリア人なのに時間にきちんとしています。って、これも固定観念ですよね。


>月の輪猫さん
そうですよね。普通はこんなウソまでつかないですよねぇ。
なので、最初はなんのことやらさっぱりわかりませんでした^^;
思いやりの表現方法も人それぞれですね。
ソフィーは写真で見ると、どうもやぶにらみになってしまいます。
実物はもっとずっとかわゆいのですけどねぇ(←猫ばか)。


>うさをさん
あはは。うさをさんも遅刻魔ですか。いけませんよー。日本人の
良いイメージをくつがえしてはっ(笑)。
たしかにイタリア人のほうがどう考えてもいかにも時間にルーズ
そうなイメージです。そうか、こういう固定観念を打ち破るには
うさをさんタイプの人がいたほうがいいのかもしれませんね^^
うふ(←人のこといえない)。


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