猫にごはん

 

 

 

 

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2006年7月 アーカイブ

2006年7月 1日

果物あれこれ

果物のおいしい季節になってきた。
最近よく見かけるのは、日本で見かけるような、きちんと丸くて皮の薄いスイカだ。アメリカの楕円形の皮の厚いのよりも、比較的甘くておいしいような気がする。スイカの値段は日本に比べるととても安く、1個3ドル(約350円)くらいで売っている。もう今年になってすでに2個完食した。私は全ての食べ物の中でも一番スイカが好きなので、冷蔵庫にスイカが入っているとあっという間に食べてしまうのだ。食べ過ぎないよう気をつけなくてはね。
果物いろいろ → 果物いろいろ

先日店先で見たことのない形の桃を発見した。それがこの写真手前の平べったい形をしている桃で、Saturn Peachという。わざわざ嗅いでみるまでもなく、甘い匂いが店の中にぷ~んと漂っていて、いかにもおいしそうだったので買ってみた。6個で約2ドル。今までアメリカで買った桃で、そのまま食べておいしいものなどほとんど見たことがないが、これは違った。んまいっ!
ここ何年も、日本の高級桃を食べていないので味を忘れてしまったが、このSaturn Peachはもしかしたら日本の桃に勝てるかも。なんだアメリカでもこんなにおいしい桃が手に入るではないか。
調べたら、蟠桃(ばんとう)という中国原産の桃だそうだ。『西遊記』に登場する孫悟空は蟠桃園の中でも9000年に1度実る桃を食べて不老長寿になったといわれているとのこと。店の中では、全然めずらしいものの扱いではなく、片隅にひっそり置かれていただけだったのだが、これはいけます。お試しあれ。

湖と砂漠

暑い。年中春と秋のようなの気候のサンディエゴでも、今が一番暑い時期だ。からっとしているので汗はでないものの、つい口をついて「暑い」といいたくなる日が続く。猫もだらける(これはいつものことか)。

避暑を求めて、サンディエゴから、車で1時間程の場所にある、Lake Cuyamaca という湖へ行ってみた。ここは標高約6000フィート(約1800メートル)もある山だし、湖だし、森だし、涼しいに違いない。車に自転車を積み込み、いざ出発。
着いてみてびっくりした。随分前に来たときよりも、湖が半分がくらいしかないのだ。地図で確認しても、水色になっている地域に全然水がない。110エーカーもある大きなダム湖のはずなのに、水が干上がって、湖の大きさが小さくなってしまったのだ。
そして周囲の森も、焼けてしまったところがたくさんある。2年前サンディエゴ一帯に発生した山火事のために燃えてしまったのだ。あのとき消防車ではとても間に合わなくて、この辺りには飛行機で消化剤を撒いていたが、こんなに森が燃えてしまったのだ。まだ生々しい。これだけ広い森ができるまでに長い年月がかかかっただろうに。焼け落ちた木をみると痛々しくてならない。
一面焼けている。 → 一面焼けている

湖の東側、山の頂上あたりに行くと、森はそのまま残っている。下り坂に差し掛かったので、自転車にも乗ってみる。車もほとんどいないし、人にも合わないし、店もないし、とにかく何もなくてとても静かだ。あー、気持ちいい。しかしながら、湖と森があるのに、何なのだこの暑さは。熱風吹き荒れるオーブンの中を走っているような感じ。
自転車に乗る私。 → 自転車に乗る私。

湖のあとに立ち寄ったのは、インディアン居留地。
インディアン風オブジェ。 → インディアン風オブジェ。

の、中にあるカジノ(Viejas Casino)だ。自然の中から、いきなり思いっきり俗な場所に来てしまった。Jと二人で少しだけ賭けて、まんまと負けて帰ってきた。しかしカジノの中は冷房ががんがんきいていて、涼しく快適だった(←負け惜しみ)。ここは砂漠の真中にあるので、一歩外に出ると脱水症状で倒れそうになるほど暑いのだ。
地面から飛び出る噴水の水と戯れる子供たち→噴水の水

家に帰って調べたところ、砂漠のカジノと、湖の日中の気温は36℃。そしてそして、うちのアパート周辺の最高気温は28℃だった。一番涼しいのは家だったのかー。

2006年7月 4日

水着でBBQ

アメリカの独立記念日の今日は、プールサイドでバーベキューパーティーをやることにした。アパートには、プールとBBQグリルが数個付いていて、誰でも勝手に使うことができるのだ。二人だと、わざわざプールサイドまで肉だの持っていって焼くのは面倒で、今まで一度も使ったことがなかったが、人がきてくれるならいい機会だ。
プールの脇にはいくつかテーブルがあるが、屋根つきのテーブルは二つだけ。今日は祝日だから争奪戦になるかもと激しく嫌な予感。午後になって見に行ったところ、やっぱり二つとも埋まっている。しかし一つには人がいなく、荷物だけおいてある。場所取りか。折りしもサンディエゴの空は晴れ渡り、ぎらぎらした日差しの中、ひさし無しではとてもではないが、10分と外にはいられない。ましてや炎天下のもとで、熱い肉など食べたくない。何度か見に行くが、テーブルは依然埋まったままだ。BBQパーティーは夕方からだが、夕方といっても最近では8時ごろまで日があるのだ。何とかせねば。
そこで、プールサイドの人々に声をかけることにした。
「あっちの荷物置いてあるテーブル、誰か使ってる?」
しかし誰も使ってないという。もう一つの屋根つきテーブルを占領しているグループの人々は、「きみたちが使っても大丈夫だ。たとえ誰かがあとから来てもあれは君たちのものだ」と、何の根拠でか、自信を持って口々に勧めてくれる。しかし見ると、隠してはあるもののビールの空き瓶が転がり、かなりお酒も回っている様子。子供のごとく、激しくプールに飛び込んではしゃいでいる。あまり信用ならないが、この際ありがたく使わせていただくことにした。
BBQの野菜。 → BBQの野菜。

用意したBBQの食べ物は、塊のポークリブ、ソーセージ数種、野菜の串、つまみなど。大人6人で足りるか心配だったが、フライドチキン・スパムむすび・デザートなど大量の差し入れもあり、無事BBQは終わった。ポークリブはジューシーでボリューム満点で、すごく食べでがあった。ずっと肉を焼いていてくれたJ、ありがとう。
みんなでプールで泳ぎ、ジャグジーに入り、そのあとは部屋で遊んだ。友達の水着姿を見るのはなんだか新鮮だ。写真は撮ったけれど、さすがに公開したらまずかろう。水着写真をご希望の方はこちらまでご連絡を(←うそ)。
崩れる瞬間のJENGA。 → 崩れる瞬間のJENGA。

2006年7月 5日

再び絶望する猫

ソフィーに猫にきびができてしまったのは、もう4ヶ月近く前のこと。あのとき、悪化して病院で毛を剃られてしまった痛々しい顎は、毎日の洗顎の結果飛躍的に回復し、今では真っ白でほんのちょこっとピンク色のかわいい顎にすっかり戻った。
しかし、ある朝Jが気がついた。
「IDタグの部分がかぶれているようだ」
慌てて首輪(首輪にIDタグが付いている)を外してみると、タグの形、ハート型に毛がむけているではないか。それも地肌がでるくらい赤むけになっている。ひ~。ちっとも気がつかなかった。
顎がきれいになったと、前日マルコさんに見てもらったばかりなのに。胸元の毛がふさふさしているから見えなかったのか。いや、こんなにひどく毛が抜けているのだから、もしあのときこんな状態だったのなら、前の日に気づかなかったはずはあるまい。ということは、一日で毛が抜けた?見ると、まるで火傷したかのようにそこだけ毛がない。暑い日だったから、金属のタグが火傷するほど熱くなって、毛が焦げてしまったのか。いや、一日中家の中にいるのだから、いくらなんでもそれほど熱くなるはずはない。となると、考えられるのは突如として金属アレルギーになってしまったということ。もう長いこと首輪もIDタグも付けているのに、なぜ突然こんなになってしまったのか不思議だ。とにかくもう付けるのは止めよう。
幸い、猫にきびのときに動物病院でもらった炎症止めの塗り薬がある。それを塗って、と...。すると、舌をめいっぱい延ばして、薬を舐め取ろうとするではないか。ひー。こんなに地肌がでている傷づいた肌、ざらざらの舌で舐めたら、血が出るのは目に見えている。ダメダメ。もうこうなったら、あれしかない。

エリザベスカラー

前回も、あんなに絶望してしまったソフィーだが、仕方あるまい。やるしかない。カラーを装着し、薬を塗り、ソファーにソフィー(←早口言葉か)を置く。すると....。
またもや絶望する猫。 → またもや絶望する猫

またもや動けない。一歩も動けない。呼吸は荒く、瞳孔も開いている。まるでソファーに同化して、このまま消え入りたいと願っているかのように、微動だにしない。前回は24時間で飼い主のほうが見るに耐えずに外してしまったが、今回はそうはいかないのだ。心を鬼にする私。
もうダメだ...。 → もうダメだ...。

出先から帰っても、まだそのままソファーの上。ひー。一歩も動いてない。夜になっても、ずっとずっとそのままだ。水を飲ませようとしても、大好きなドライフードを目の前に置いても、全く無反応。気のせいか、呼吸が浅く弱々しくなっている。
あずきさんのところの小太郎ちゃんは、何度もエリザベスカラーの経験をし、今も2ヶ月近くもカラーをつけっぱなしなのに、普通に生活している。過去の小太郎ちゃんの様子なども、何度も写真をながめ、慣れれば大丈夫なのだと自分を納得させてみる。しかし目の前で、まるで息耐えようとしているかのような小動物を見ると、どうしても放っておけないのだ。仕方なく、夜になってトイレ休憩を設けた。
パチンとエリザベスカラーを外すと、今まで動かなかったのが嘘のように、全力疾走して走って逃げるソフィー。まるでパチンと何かのスイッチを入れたかのようだ。そして、もりもりと餌を食べ、ごくごくと水を飲み、ばりばりとトイレに行く。そ、そんなに我慢していたのか。しかし、一息つくとすぐに赤むけの傷口をペロペロと舐めだしてしまう。あぁぁぁ。
すまぬねソフィー。再びカラーを装着する。すると、またもやパチンと電源を切られたかの如く、その場でぴたりと動かなくなってしまうのだった。ソフィーよ、きみも辛いだろうけど、見ているこちらも辛い。他の家はみんなどうしているのだろう。いったいどうすればよいのだ。
がんばれソフィー!
大丈夫か? → 大丈夫か?

2006年7月 9日

いつもよりはしゃぐ猫と人

あんなに絶望してしまうソフィーを見ていられなくて、結局エリザベスカラーを外すことにした。もうあきらめた。この猫にはカラーはむいていないのだ。仕方がないのだ。2度とつけないからねソフィー、安心をし。
かといって、そのまま放置しておくのもどうかと思い、あまっていた布で首周りを覆うようにしてみたがそれもどうもうまくない。カラーほどひどくはないのだが、やっぱり動かずじっとしている。こちらを見る目が、人間不信の塊のようになっているのが悲しい。まるっきり虐待しているみたいだ。
ペット用品店で、子犬用の洋服を物色してみたが、いやに派手でごてごてしているし、生地も悪そうだ。いずれにせよ首周りの布だけでもだめなのだから、こんなに硬い洋服も無理だろう。柔らかいガーゼでぴったりした洋服を作れるといいのだけれど、そもそもガーゼなど売っているのか?そして針と糸を持つことを考えるだけで頭痛がしてきてしまう、裁縫のできない私。あぁ日本だったらいい介護用の服が売っているのになぁ。 ※参考サイト(←こんな服が欲しかった!)。
悩んだ結果...。
自然治癒に任せることにしたのだった。あぁぁひどい飼い主だ。ごめんなさい。
幸いなことに、一時のひどい状態のときほど、かゆくもないようで、そこだけ舐めて舐めて、ということもない。赤むけだった皮膚にも驚くほど早く毛が生えてきた。すごい治癒力だ。結局最初から何もしないほうがよかったのか。それともあのときがんばって短い期間でもエリザベスカラーをつけていたのがよかったのか。どちらがよかったのかは分からないが、明らかに急速な回復にむかっている。あぁよかった。ごめんよソフィー。次のときには、ちゃんとガーゼの服を用意しておくからね(まだ次があるのか?)。
はしゃぐ猫(だんだん毛が生えてきた)。 → はしゃぐ猫。

ひどい目にあったソフィーは、カラーをつけていなければ元気いっぱい。はしゃいで遊びまわる。いつもより余計にボールも回しております。おめでとう(by 染の助・染太郎 ←古いな)。

はしゃぐイタリア人。 → はしゃぐイタリア人。

ところで、サンディエゴのダウンタウンには、リトルイタリーというイタリア人街がある。優勝で盛り上がるイタリア人たちも、いつもよりはしゃいでおります。おめでとう。道端で太鼓を打ち鳴らし、踊り狂う人々。さすがワールドカップは違う。一度でいいから、自分の国が優勝するという感激を味わいたいものだと、うらやましく横目で眺めつつ、お祝いに景気良くクラクションを鳴らして、通り過ぎたのだった。

2006年7月11日

鯖・さば・サバ

先週で学校も終わり、夏休みになった。休みになったら、あれをしたい、これをしたいといろいろ考えていたが、真っ先にやったことはこれ。
じゃーん。釣りだ。
ここはベトナムか? → ここはベトナムか?


アメリカでは釣りはライセンスが必要だが、海の突堤(pier)など決まった場所からなら勝手に釣りができる。網・投げ釣り・撒き餌は禁止になっている。今はサバが時期なようで、群れをなしてサバが泳いでいるのが上からでも見える。サバの背中はきらきらと水面によく映えるのだ。そのサバを狙って、ペリカンも群れをなして海面へ飛び込んでいる。迫力のある狩だ。
実は前日も同じ場所に、朝から偵察を兼ねて釣りに行ったのだが、さびき(餌なし)でやったため、一匹しか連れなかった。そんないかにも素人くさい私を見ていた、USA柄のTシャツを着た白人おじさんは、「よくそれで釣れたな」と驚いていた。そもそも平日の午前中だというのに、釣りをする人の多いこと。それもほとんどが男性なのが驚きだ。みんなこれで生計立てているのか。釣り人の大半はメキシコ人だが、ベトナム人比率も非常に高い。どう考えても、ここにいる人たちは今日の夕飯のおかずを真剣に捕ろうとしているように見える。近くのスーパーへでも売りに行くのではないかと思うほど、大量に機械的に釣っている人もいる。それほどよく釣れるのだ。竿も餌もみんないい加減なものを使っている。折れた竿だったり、餌もビーフジャーキー、エビ、ルアー(疑似餌)など好きなものを適当に付けているが、みんな同じく同じ魚がたくさん釣れる。
今日は餌(鮭の皮)を用意して行ったので、短時間でたくさん釣れた。このまま何時間でも釣りをしていたいほど、楽しかったのだが、これ以上釣っても食べられないのであきらめた。周囲にいたのメキシコ人たちは恐ろしく大漁で、帰ろうとする私に、「足りなかったら好きなだけ持っていきな」と声をかけてくれる。いらないっちゅうに。釣り人はみな優しいのだ。
本日の獲物。 → 本日の獲物

昨日と同じUSA柄Tシャツのおじさんは、今日はよく釣れたなと誉めてくれた。USAおじさんは親切にどうやって食べるのがいいか教えてくれたが、それはあまりにも日本人好みでないので、聞くだけにしておいた。だってね、新鮮な捕れたてのサバを、お湯で時間をかけてゆでて、身と骨をばらばらにし、塩・こしょうをして食べるのだと。こんな食べ方、おいしいのかなぁ。
帰るとき、周りの人から「See you tomorrow!」などと声をかけられる。確かに毎日来たくなるなぁ。あー楽しかった。
鯖尽くし。 → 071206_1.jpg

試しに、さばいている間、残りの魚をそのままテーブルに放置してみたが、猫たちはちょっとにおいを嗅いだだけで、すぐに寝室へひきとってしまった。無視だ。つまらんなぁ。
日本人宅の我が家では、思いっきり日本風にしてみた。鯖寿司!鯖の味噌煮!鯖の竜田揚げ!どうだー、サバ尽くし。このまま何日もサバを食べ続けると、飽きてきそうだが、しばらくはいろいろバリエーションが楽しめそうだ。せっせと食べてまた釣りにいくぞー。

2006年7月14日

釣り友達

先週はよく釣りにいった。ほぼ毎日、週に5日も通ってしまった。一番よく釣れた日が計9匹で、全然釣れなかった日ももちろんある。釣れた日のほうが楽しいいのは言うまでもないのだが、釣れなくても楽しくて仕方がない。
釣りの場所は突堤(ピア/pier)の先で、ピアへの階段を登っている途中から、もうどきどきし始める。釣りだ釣りだ釣りだー。竿がぐいっと引かれる瞬間、リールを巻き取る瞬間、深い海の中から魚の背中が見えてくる瞬間。もう胸が高まりっぱなし。あー楽しい。
これが世界一長いピア(たぶん)。 → これが世界一長いピア(たぶん)。

ピアはこんな感じ。ここはカリフォルニア一長いピアだと聞いたことがあるが、このサイトによると、たぶん世界一長いピアだろうとのこと。全長1971フィート(約600メートル)。駐車場、トイレ、真水が使える流し台が数箇所、釣具屋、カフェなどもあってとっても便利だ。そして平日はがら空き(←当たり前か)。
最近釣れた魚の『血抜き』のやり方を覚えたので、釣ったらすぐにその魚をしめるようにしている。しかしアメリカ人でそんなことをやっている人はみたことがない。バケツやビニールに釣れた魚をそのまま放りこんでいる人が多いのだが、すごいのがベトナム人だ。何しろ立派なまな板と包丁を持参している。そして何匹か釣れた魚がまとまると、流し台ですばやく頭と内臓を取り、洗ってきちんと並べる。絶対そのままスーパーに売りに行っているとしか思えんな。
カフェはペリカンの休息場所でもある。 → カフェの上はペリカンの休息場所

こんなに毎日通っていると、顔見知りもできる。まぁ私のような暇人がたくさんいるということだ。USAおじさんはレイという名前で、今では一番の仲良しだ。一緒に釣りをし、釣りの話をし(主に過去の自慢)、今日は釣り日和だぞ、などと朝から電話までかけてくる。
サンディエゴ出身の感じの悪いアロハシャツ白人男もよく来ている。ある日そいつに嫌に『アタリ』がきてたくさん釣れているなーと横目で見ていたら、急に近づいてきた。私のリールや糸をじろじろ見て、もっと細いのを使ったほうがいい、こっちも変えたほうがいいと、聞いてもいないのにコーチしてきた。次回また教えてやるなどと言い捨ててご機嫌な様子で帰ってゆく。きー。
基本的にアメリカ人は教えるのが大好きなので、聞けばたいてい何でも手取り足取り教えてくれる。餌がなければ、釣れた魚を分けてくれるし、道具も何でも貸してくれる。優しいのだ。ただし、当たり前だがよく釣れている人のほうが気前がいいのだった。
写真を撮るレイ。 → 写真を撮るレイ。

2006年7月15日

再び乗り物三昧コース

炎天下のサンディエゴ、今日は久しぶりに乗り物三昧コースで自転車に乗る。このコースを走ったのは、一年以上前のことだ。つまり、あのときはまだ盗まれた私の黄色い愛車だったのだ。そういえばあの自転車、今ごろどこにいってしまったのだろう。しくしく。
気を取り直して、このコースを説明しよう。まず、車に自転車を積み、ダウンタウンを更に南下し、適当なところに車を停める。そこで自転車に乗る。コロナド半島を南から北へ一時間程度走り、そこから船に乗る。船といってもフェリーのような小さいもので、コロナド半島とダウンタウンをつなぐ遊覧船のようなものなのだ。サンディエゴ観光にもぴったり。
ダウンタウンに戻ったら、またひたすら南下し、疲れたら途中で電車に乗り、駐車場まで戻るのだ。題して『乗り物三昧コース』。ぎらぎらする晴天の午後、走り出してから3時間半の道程だ。あー暑かった。疲れた。しかし変化があって、このコースはとても楽しい。何よりほとんど坂道のないのがいい。
船には適当に自転車を積む。 → 船には適当に自転車を積む。

船に自転車を載せるのは、通常よりも50セント増しの$3.50。電車は通常料金で、$2。自転車で乗り物に乗る人が多いので、周囲からヘンに見られることもないのがいい。いちおう自転車用のスパッツ(股に分厚いパット付き)を履き、ヘルメット、手袋、自転車用サングラスのものものしいいでたちだが、こんな姿の人はそこらにたくさんいるので、誰も気にしない。アメリカのこういうところが良いところだ。
おそろしく揺れるフェリー。 → おそろしく揺れるフェリー。

2006年7月18日

本のおすすめ

最近読んだのはこんな本。
Dave Barry Does Japan『Dave Barry Does Japan』

これは日本語が表紙に書いてあるが、中身は英語。日本に長く住んでいた経験のあるアメリカ人のマーサが、この本は絶対に面白いと教えてくれたので読んでみた。
日本語訳の本もでているようで『デイヴ・バリーが日本を笑う』というヘンなタイトルに変わってる。原作の表紙通り『デイブ・バリーが”日本をする”』でいいのに。この本はジョーク満載だが、決して日本をバカにして笑っている本ではないのだ。日本をみる視点もいいところをついているし、いい観光をしている。
アメリカ人のユーモア作家、デイブ・バリーが、家族3人で3週間の日本取材観光旅行をした際のエッセイで、観光したところは、東京・京都・広島・別府・箱根・富士山バスツアー・相撲観戦・高校野球観戦・プロ野球観戦・原宿路上ライブ見学・ハトバスツアー・健康ランド・歌舞伎・落語などなど。いろいろ回っている。
ジョークだらけなので、話がすぐに脱線してしまうのがたまに傷だが、面白いところに目をつける人なのだ。例えば、商品の過剰包装なところとか、数種類ある旅館のスリッパとか、新幹線のトイレとか(←知らなかったけれど、新幹線の男性用小トイレは、通路から、している最中の後姿が見えるそうだ。ほんとか?)、ガソリンスタンドの店員のこととか。日本人でもなんとなくヘンだと思っているようなことだ。
しかし、特におすすめなのが、HIROSHIMA(広島)の章とConclusion(まとめ)の章で、つくづく納得する。広島について、非常に公平に書いていると思うし、言いにくいことをよくまとめている。『二度と起こらないで欲しい』とお経のように同じ事を唱えつづけるのではなく、なぜ怒らないのか。なぜ意見を言わないのか。なぜ知らぬふりをするのかと。とっても正しいではないか。
そう。アメリカ人ははっきり意見をいう。

そういえば折りしも、数日前にプールで会ったジャネットというおしゃべりおばさんと話していた際に、ジャネットはふとこんなことを言っていた。「戦争中アメリカは、アメリカ市民であった日系人を収容所に入れて、彼らの資産を没収したことを知っているか、あれはとても恥ずべきことであった」と。こういう話題、日本人同士ではあまりしたことがない。例え英語でなくとも、日本語でも、こういう微妙な話題を、日本では大きい声で言ってはいけないような雰囲気があるからなぁ。自分の意見を持つのは本当に大事だ。そして言うことも。見習わなくてはね。

『日本人はいつも我々に礼儀正しく接してくれるが、温かく接してくれることはめったにない』とか、『日本はテクノロジーで先を行ってるかもしれないが、ジェームス・ブラウンを生み出すにはまだ長い道程がある』とか。言われれば、いちいち納得してしまうことばかりなのだ。この人の良いのは、アメリカ人にとってヘンだと思うところは大いに面白おかしく書き、アメリカのダメなところ(サービスの悪いところとか)もちゃんと書いていること。
とにかくね、彼が特にヘンだと思ったのは、日本のピザにはコーンがのっているということだそうですよ。
外人が読むよりも、日本人が読んだらもっと笑えると思う。おすすめの本です。

2006年7月21日

ベランダでしていること

うちのアパートは築30数年にもなるが、たいへん手入れが行き届いている。毎日メキシコ人のおじさんたちが、掃除をし、植え込みの手入れをし、プールのごみを取り、そこら中でまめまめしく働いている。ベランダや階段の柵を作り変えたり、定期的にペンキを塗りなおしたり。
先月のことだが、アパートの建物全体のペンキを塗り替えることに決まったと手紙が届いた。ついてはベランダにある荷物を、作業期間中は撤去するようにとのこと。ひー。そんなこと突然言われても。何がたいへんってあなた、うちはベランダにたくさん荷物があるのだ。テーブルやら椅子やら棚やらプランターやら、そして自転車やら。撤去といわれても、それらはとりあえず部屋へ入れるしかない。あとは一日でペンキ塗りが終わってくれるよう祈るばかりだ。
ところが予定通り始まって、何もかもビニールで覆われたと思いきや、突然ペンキ塗り作業は途中で中断してしまった。見るとおじさんたちは、遠く離れた建物でなにやら別の作業をしている。どうやら途中で作業の優先順位が変更になってしまったようなのだった。なんと中途半端な。
待つこと10日余。ようやくうちの建物の作業が再開されたと思ったら、ほんとにあっという間に終わった。それなら先に終わらせてくれたらよかったのに。その間、雑多な荷物であふれかえった薄暗い部屋でじっと我慢していた私たち(なぜ薄暗かったかというと、いつ人がベランダに入ってきてもいいようブラインドを締め切りにしていたため)。しかし実はこっそりテーブルだけベランダに戻しておいた。というのも理由がある。
(塗り替え前)柵とおそろいの青いテーブル。 → 柵とおそろいの青いテーブル

このベランダ用青いテーブルはJの手作りで、ペンキは随分前に私が塗った。青く塗ったのは、わざわざベランダの柵と同じ色にコーディネートしたくて選んだのだった。なのに今回のペンキ塗り替えで、もう青い色は使わなくなってしまった。新しい色はぱっとしない茶色。なので、この青いテーブルだけベランダの柵の近くに出しておいたら、もしかして一緒に新しい色に塗り替えてくれないかなーなどと、密かに期待していたのだった。
しかしペンキ塗りが終わってみると、やっぱりテーブルは青いままだ。ちっ(当たり前か)。おまけにところどころ、新しい色のペンキがついてしまい、ますますさえないテーブルになってしまった。
ところが先日気づいたのだが、このテーブル、以前から台の部分が一部外れて壊れていたのが、そこがいつの間にやら直っている!メキシコ人たち、ペンキは塗ってくれなかったけど直してくれたのね。いつベランダで修理なんてしてくれていたのだろう。親切な人たちだ。素直にお願いしたら、もしかしてテーブルも塗りなおしてくれたかもしれなかったな(←未練がましい)。
(塗り替え後)ソフィーとおそろいになったかも。 → ソフィーとおそろい

晴天の暑い夏の日が続くサンディエゴ。暑いせいか、一日何度も何度もベランダにでたがるソフィー。その都度、網戸を開けろと催促をする。虫が入るから、網戸を開けっ放しにはしたくないのだ。前にも書いたが、ソフィーは部屋に戻ってくるときだけは自分で開けられる。毎日大声で絶叫して網戸を人間に開けさせ、ベランダにでたソフィーが何をしているかというと...。
こっちを見てるだけ。 → こっちを見てるだけ

部屋の中を監視。
おい!それだけかっ。そして開けたらきちんと閉めてくださいねっ。

2006年7月24日

涼しいものあれこれ

いやー、暑い。蒸し暑い日本の夏をお過ごしの方々には申し訳ないような、サンディエゴの湿気のなさとはいえ、本当に暑い。何せ連日30℃を越えている。こんな暑い日が続くと、涼しいところに行きたくなるものだ。

まず一つ目の涼しいスポットはこちら。
心地よい空間。 → 心地よい空間

まるで誰かの書斎のような、本に囲まれた心地よい空間だが、これはれっきとした本屋の中の一角だ。日本の本屋の『立ち読み禁止』なんていう概念は、アメリカ人に説明するのは難しいだろう。何せアメリカの本屋は、『立ち読みだなんておっしゃらずに、どうぞ座って好きなだけゆっくり読んでくださいまし』という場所なのだ。こうして座りごこちの良い椅子やソファが各所に配置されている。この店のような大きい本屋になると、カフェも中に設置されており、冷たいアイスコーヒーなぞ飲みながら、それこそ好きなだけ座り読みができる。おまけに、読み終わったあとの本置き、みたいな棚もあるので、わざわざ本を戻しに行かずともよい。涼しくて、至れり尽せり。むしろ図書館よりも快適だ。あー、自分の家にこんな書斎が欲しい。

そして二つ目の涼しいもの。
ベトナムデザート → ベトナムデザート

El Cajon Blvd に新しくできたばかりというベトナムレストランで食べた。ベトナムの夏のデザートだ。帰ってきてネットで検索したらどうやら日本語読みで『チェー』という名前らしい。この店のメニューにはベトナム語の名前しかなく、英語の説明には『3色シェービングアイス』と書いてあった。
食べてみるとまさに、日本のカキ氷。あずきミルクの味にそっくりだ。中に入っているのは下から、黄色いのがマングビーン(緑豆)のペースト。茶色い豆がブラックビーン(←たぶん)。緑の寒天状のものが、BayThoyLeaf(香蘭草)で色付けした、何かコリコリしたもの。白いのがたっぷり練乳&ココナッツミルク(ん?4色じゃないか)。そしてたっぷりのカキ氷。冷たくて甘くておいしー。おまけに安い($2.25)。
ベトナム系アメリカ人の友人Lによると、これはベトナムでも人気のデザートなのだと。ベトナムに行ったときに食べればよかった。あぁ、でもあの土地で氷なぞ食べたら、お腹がどんなことになるかは火を見るより明らかだ。残念じゃ。

ところで『猫にごはん』読者のみなさまの中には、この友人Lのことを覚えていらっしゃる方もいるかもしれませんが、Lといえば昨年3月に8年越しの恋愛を実らせて感動的な結婚式をあげた彼女。そして昨年8月に嫁ぎ先の日本へ涙の旅立をした彼女。この人は実は数ヶ月前から、またサンディエゴに戻ってきているのだった。あれやこれやの複雑な事情によるもので、私ともほとんど絶交状態だったのだが(←子供かよ)、今日久しぶりに会った。彼女は来週にはまた日本へ旅立つ。二度と帰ってくるんじゃないぞ!

三つ目の涼しいもの。

海辺でビール! → 海辺でビール!

やっぱりビールしかない。夏はビール、ビール、ビール。ここは海のすぐ横にあるSouthBeachというバーで、釣りに行くたびに気になっていたものの、入ったのは初めてだ。いつも人でいっぱいだし、入り口で怖そうなお兄さんがIDチェックとかしてるし、とっても入りにくかったのだ。しかしこの日はJが一緒なので大丈夫。入ってみればとっても健全な雰囲気だ(たぶん昼間だったからだと思われる)。ここには、友人Nさんお勧めの絶品フィッシュタコス(Mahi)が食べたくてきたのだ。ついでにビールも頼み、暑い日差しに一息つく。うまひー!

2006年7月28日

健全な夜遊び

いやもう暑いのなんのって。風通しがよくて、涼しいのだけがとりえの我が家でも、座っているだけで汗がじんわりでてくる。サンディエゴでこんなに暑いと感じるのは今年が初めてだ。昨日の気温は32℃。日本の夏だったらこんな気温当たり前だが、何せ普段涼しいものだから、このへんのアパートはどこもエアコンなんぞついてやしないのだ。もちろん扇風機もない。床はどの部屋も全てじゅうたん。あー暑苦しい。猫たちは涼を求めて、各々クローゼットの棚の上(プラスチック製)、ベランダの床の上(コンクリート)などでぐったりと寝そべっている。暑いよねぇ、毛むくじゃらなんだもんね君たちは。

夜になっても暑いので、夕飯後に海に散歩に行くことにした。
と簡単にいうけれど、行くまでに時間がかかる。なぜならJが、大の散歩嫌い、大の海嫌いなので、誘うのが一苦労(←本人曰く、好きでも嫌いでもないそうだ。しかし誘っても毎回必ず断られる)。最近どんなに海に行ってないか、最後に散歩をしたのがいつだったか、ほんの少しの時間でいいから、帰りにアイス買いに行くから(←子供か)と、あれやこれやで説き伏せてようやく散歩に行く。
時刻は夜8時前、ちょうど日の入りの時間だ。静かな涼しい海岸をゆっくり散歩して、と思いきや...。
超混雑。 → 超混雑。

ものすごい人ごみ。普段ガラ空きの駐車場は停める場所もないし、砂浜はいたるところに人・人・人。こんな夜だというのに、そこら中でたくさんの人が海につかっている。なんてことだ。みんな家にいると暑いのか。試しに海水に触れてみると、信じがたいくらいぬるい。まるでお湯だ。この熱波によって、カリフォルニアで死者が100人を超えたとニュースでもやっていた。ひー。いったいどうなっているんだ。
場所取り中の薪。 → 場所取り中の薪。

海岸で涼んでいる人たちが他にやることといったら、たき火。こんなたき火スペースが、海岸のあちこちにもうけられていて、ここなら火を燃やしてよいのだ。この暑いのに、たき火をしたい人たちが世の中にはたくさんいるようで、たき火スペースは全て埋め尽くされていた。私たちも、先週スーザン一家にたき火パーティー(Bonfire)に誘われていたのだが、あまりの人ごみでとうとう彼らを見つけることができずに帰ってきたのだった。暑いから海でたき火。なんだか不思議な感じがするが、とっても健全な夜の遊びだ。
女子太鼓楽坊。 → 女子太鼓楽坊

その他、海岸には変わった人たちもいる。この女性太鼓5人組は、各自さまざまな形の太鼓を果てしもなく永遠に叩きつづけていた。ただやみくもに叩いているだけのように見えたのだが、リーダーらしき人が突如指揮をとり、ドンドコドーン!と一斉に叩き終え、次の曲(?)にうつったりしていたので、どうやら何かを演奏しているようなのだった。昔はヒッピーでもやっていたのではないかと想像させる年配のこの女性たち。この一角だけ不思議な宗教っぽさを発揮させていたのだった。
あーそれにしても暑い。

2006年7月29日

脱ぎたがる人々

今日はサンディエゴのゲイパレード(The 32nd San Diego LGBT Pride Celebration)。ちなみにLGBTとは ( Lesbian, Gay, Bisexual,Transgender)のこと。ゲイの方々、その家族、サポートする企業、応援する政治団体・宗教団体などが、パレードをおこなう。
政治家はゲイに理解があるという態度をアピールし、シールやステッカーを配りまくる。選挙活動そのものだ。こういう場では、もちろん民主党(Democratic Party)支持が圧倒的なので、保守の共和党(Republican Party)はパレードでは完全に嫌われものだ。反ブッシュ大統領はもちろんのこと、ここカリフォルニアでは、共和党のアーノルド・シュワルツネッガー知事のアンチキャンペーンもとても多い。すぐに政治に結びついてしまうところがいかがなものかと思うが、しかし『Terminate Arnold』『Bad Actor = Bad Governor』など、にやりと笑わせてくれるポスターが多いところが、アメリカらしくユーモアがあってよろしいではないか。
反共和党の方々。 → 反共和党の方々。

沿道の観客もパレード参加者も、互いにHappy Pride!と声を掛け合いながら陽気に行進する。みんなとても楽しそうだ。このパレードはかなり長い距離があるが、私たちが見ていたのはバルボアパークの一角で、ここは例年一番盛り上がる場所だという。去年も見に来たという友人Hくんの手引きで、パレード開始数10分前から場所を確保。他はがらすきなのに、確かにこの周辺だけが異常な盛り上がりをみせている。こういうのは知り合いの手引きでくるのが一番いいものだ。ありがとうHくん。確かにいい場所だったよ。
ハーレーに乗るレズビアンの方々。 → ハーレーに乗るレズビアンの方々。

まず最初に登場したのが、レズビアンのバイカーたち。男性かと見まがうようなたくましい立派な体形で、そろってハーレーにまたがり爆音を響き渡らせる。みなさんおそろしくかっこいい。続いて男性ゲイのバイカーたち。こちらはそろいもそろって、日本のバイクに乗っている。この違いは何なのだ。
美しい裸体のお兄さま方。 → 美しい裸体のお兄さま方。

そしてゲイの男の人たちって、なぜこうかっこいい人が多いのでしょうねぇ。もったいないったらない。これだけ裸体が美しければ、そりゃあ人に見せたくもなるでしょうよ。みなさん惜しげもなくじゃんじゃん脱いで、美しい体を見せてくれる。ついつい、裸の人たちがでてくると、バシバシと写真を撮っていたので、あとで見てみると、私のカメラの中はそんな裸体写真ばかりなのだった。あー目の保養じゃ。
衣装が衝撃的だったので顔は見忘れた。 → 衣装が衝撃的だったので顔は見忘れた。