電車に乗ろう!
めったにこのbikeカテゴリーに新規追加がないが、ほんとうにたまにしか乗っていない自転車。そうだいたい月に2回くらいだろうか。いつも乗っている最中はとっても楽しいので、あぁこれからはもっと頻繁に自転車に乗ろう、などと反省したりするのだが、どうも乗り始めが面倒でならない。というのも、うちの近所は坂道だらけなので、自転車に乗りに行こうと思うと、車に積んでどこか平らな乗りやすいところに行きたくなってしまうからなのだ。車に積むには、自転車用のキャリアをまず車に取り付けねばならないし、あー面倒くさい。
しかしこの日は、マルコさんご夫婦とともに遊びに行ったので、マルコさんちの大きいバンに自転車丸ごと4台積んで、あっという間に出発準備完了。いいね。
SolanaBeachの駅に車を停めて、自転車に乗りかえ、そのまま海沿いの道を北上。走行距離約30キロ、時間にして約1時間半、高低差ほとんどなしのとっても楽チン、ファンライディングコースなのだ。Oceansideから南へ戻る帰り道は、電車(Coaster)に乗る。駅で降りて、また車に自転車を積んでおしまい。こういうコースは同じ道を往復しなくていいし、何より乗り物にたくさん乗れて、遠足気分だ。
ところで、電車に乗るには当然切符を買う。そもそも一日に4本しか走っていないような電車なのと、どうも電車に乗りなれていない(と思われる)休日のサンディエゴの住人たち。切符を買うのも一苦労だ。時間のかかること。20分も前についたので余裕があるだろうと思っていたのが甘かった。1台しかない切符の自動販売機(もう1台は壊れている)の前には行列ができ、ただ切符を買うだけだというのに、一人ずつにかかる時間の長いこと長いこと。なぜなら、ある人のせい。
混乱する切符売り場 →
この車椅子に乗るおばさんは、本人いわく駅のボランティアなのだと。みんなになんだかよく分からないがIDを見せていたので、たぶん本当に駅の関係の人なのだろう。この人が、それはもう大きな声ですごく人を混乱させるアドバイスをしてくれるのだ。
切符を買おうとする私たちにもどこへ行くのか尋ね、SolanaBeachまでと答えると、次の電車は2時間先だという。
???
下調べ万端のJは、絶対違うとムキになるが、その後おばさんは、「2時間先というのはこっちに帰ってくる電車のことだもーん」と(←こんな感じで)のたまうではないか。きーっ。そんなこと誰も聞いてないっちゅうに。おまけに20ドル札で切符を買おうとすると、20ドルは使えないと大声を出す。あわてて列から離れ、もう一度並び直し。仕方なくカードで買ったが、あとで考えたら、あれは20ドル札のおつりは出てこない、と教えてくれたようなのだった。当たり前じゃっ!
こうして切符を買おうとする人々すべてを混乱に落としいれてくれたおばさんのおかげで、待ち時間ほとんどゼロで電車が到着したのだった。危ないところだった。
切符を買ったあとは、自動検札機にがしゃんと切符を通し、電車に乗る。ホームにも車内にも駅員はいない。降りたホームにももちろん駅員はいないので、これならキセルやり放題だと思うのだが、みなマジメに切符を買う。なぜなら、ごくごくたまーに抜き打ちで切符の検査を行うらしく、そのときに切符を持っていないと恐ろしく重い罰金が科せられるらしいのだ。これなどいかにもアメリカらしい。
自転車と一緒に車内へ →
この駅が始発で、終点のサンディエゴのダウンタウンまでおそらく1時間足らず。それなのに、さっそく車内ではすでにコロナビールで乾杯する人々や、クアーズの缶ビールを1ダースもかかえて乗り込む人までいる。クアーズを抱えていたおじさんなど、電車が動き出すやいなや、「誰か車内にスナックの自動販売機があるかどうか知らない?」と周囲の人々に聞いて回っていたのだった。ビールを1ダースも買う暇があったら、つまみも用意しようよねぇ。
残念なことに私たちを含めて、誰も自動販売機があるかどうか知らなかったが、すぐ隣に座っていたおばさんは、これでよかったらあげるわ、と飴1個とピーナッツの袋をハンドバックから取り出してあげていた。こういうときに、屈託なくサンキューと受け取るところがアメリカ人のかわいいところだ。しかしいつまでも長々と立ち話を始めるおじさんに、早くしないとビール飲む時間がなくなるぞ、と私一人はらはらしていたのであった。
たまに乗る電車は楽しい。