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北極星の見つけ方

先週まで、夜空を見上げてもどんな星も全然見分けられなかった星音痴の私だが、今はカシオペア座などというむずかしげな星を見つけることもできる。カシオペア座が分かれば、北極星も分かる。北斗七星のひしゃくも見つけられる。ひいては、方角までが分かるのだ。こんなことは太古の昔から世間の常識なのかもしれない。しかし私はついこの間までは、何一つ知らなかったのだ。
ペルセウス座流星群が一年で一番よく見える日。それがこの土曜日(12日)だった。流れ星といえば、数年前しし座流星群が話題になっていたとき、一度だけ見たことがあるだけだ。今回は、『とことん真っ暗闇の中で寝そべって心ゆくまで流れ星を愛でる会』を開催し、星に詳しい友人Hくんとマルコさん、そして私の3人で、サンディエゴから遥か東の山の中へ分け入って星を観測することにした。
だいたい車で10分も走れば、もう充分だと思われるくらい真っ暗になるのだが、星を愛でる会はそんなことでは満足しない。飽きるほど東へ向かい、ハイウェイを降りてからも、ハイウェイの明かりが徹底的に見えなくなるまで30分も南へ向かう。周りは本当に真っ暗闇だ。人っ子一人いない。あまりに暗すぎて怖いので、車からは離れないようにする。いくら田舎とはいえ、アメリカで真っ暗の中道路に寝そべるのはかなり勇気がいる。遠くに聞こえる車の音も怖いし、草がざわざわと風で揺れる音ですら、誰か隠れているのではないかと恐怖を誘うのだった。
しかし思い切って、寝そべって空を見上げると、それはそれは美しい一面の星空。草むらで隠れる地面近くを除いて、180度見渡す限り、上から下まで全て星・星・星。普段見えないような小さい星もたくさん見え過ぎてしまうので、星座など見つけることができないのではないかと心配になる。
そもそも星座の、線で結べば、みずがめの形になるとか、こぐまの形になるだとか、かなりこじつけで、そんな形になど見えるはずがないと思っていた。ところが、そう言われて見つづければ、本当にそんな形に見えてくるから不思議だ。「あのWの形がカシオペア座だ」とマルコさんに教えてもらったあとは、ちゃんと夜空に『W』だけが浮き上がって見える。天の川は、本当に巨大な白い川のように大きく空一面にうねっている。そうか、星座ってこういうものだったのね。こういうの全部分かるようになったら、さぞかし楽しいだろう。しかし星座初心者はいきなり無理せず、今日はWだけを眺めることにする。その近くにある、ペルセウス座というところが放射点(流星が放射状に飛び出してくるように見えるところ)なのだ。
待つほどなく、一つ二つ流れ星が見える。上へ下へ流れる。あまりに長く、すうぅぅぅぅっと線を描いて流れるときは、願いごとを10回は繰り返し言えたに違いないとあとから思うが、美しさにうっとりしてそんなことはすっかり忘れて見入ってしまうのだった。きれいだ。しかし夜がふけるにつれ、次第に月が上がりはじめ、それにともない星の見える数もぐんぐん減ってしまうのだった。残念だ。
帰り仕度をする私たちに、近づいてきた一台の車。それはまさしく巡回中のパトカーであったが、星を眺めに来ただけの私たちに、何らやましいことは無い。何をしているのか?という警官の尋問にも、「今夜はたくさんの美しい流れ星を見ることができた」ときらきらと純粋な瞳を輝かせて(←たぶん)、どうどうと答える。よくよく考えれば、暗闇の中で道路にビーチマットを敷いて寝そべっている東洋人3人組というのも、かなり異様な光景ではあるのだが、私たちの純粋さにほだされた警官は(←たぶん)、気をつけて早く帰れと優しい言葉をかけてただ去って行っただけなのだった。
4時間半のドライブで、走行距離は往復213マイル(約350キロ)。今年の星を愛でる会はこれでおしまいだ。あぁ楽しかった。
今宵ばかりはにっくき月。 → 今宵ばかりはにっくき月

コメント (6)

いいな~流れ星。
恵太郎が6ヶ月のとき、しし座流星群(だったかな)を見に行ったよ。ラスベガスに遊びに行ってる時でした。砂漠のほうへしばらく走ったが、けっこう車来てたよ。流れ星が流れるとき、音が聞こえるはずなどないのに、なんだかひゅっという音が聞こえる気がした...。
暗闇で寝そべる3人の東洋人>
それはほんとにあやしいな~、ジャックバウアー的観点からすると.....!?


流れ星☆ロマンチックですね。
しかし、そのロマンチックの背中合わせに、かなりの勇気が必要ですね~。
星空を満喫できたようで、うらやましいです。
うちはイナカの割にはたいして星も見えやしない。。。
思わず、千恵子になって『空がない』と言いたくなります。

暗闇に寝そべる東洋人3人組。。。
この警官の東洋に対する神秘度は、ますます深まったに違いありませんね^^


ステキですね~地面に寝そべって心行くまで星空を鑑賞。
男の人ってそういうところ行動力あって羨ましいです。
誰か計画立ててくれないかな~って思ってるだけじゃ何も楽しめませんね(汗)

純朴な東洋人3人とこれまた純朴なおまわりさんとの出会い、ちょっとウケました。


こちらはマウナケア山での星空観測が有名、スバルの天文台や世界各国の天文台があるんですよ。
星を見ていると不思議ですよね、だって、今私達が見ている星は本当はもう存在しないものだったり、お爺ちゃんのお爺ちゃんのお爺ちゃんの時代よりず~っと前に輝いた星を見ているんだもんね。
お疲れ様の神秘な旅でしたね
素朴なポリスでホッ!!


本当に満天の星空でしたね~。
あんなたくさんの星を見たのも初めてだし、
あんなに東のほうに行ったのも初めて。
色々な意味でとってもエキサイティングでした。
暗がりで車から降りるのは怖かったですが、
3人いればなんとかなるものですね。


>Akiさん
こんなにたくさん流れ星を見たのは生まれて初めてです。
しかし星の数でいうと、Akiさん同様、ラスベガスの近く
デスバレーでみた星空にはかなわなかった。月がでて
いないというのが、かなり星の観測に影響を及ぼすの
だということを知ったよ。でもきれいだったよ~。
ジャックに見つかったら、あっという間に皆殺しか、
激しく拷問されて自白させられていたかも(何をだ?)^^;
国境の近くだったので、メキシコ系の顔つきじゃなくて
よかったと、心から思いましたよ。


>モモねこさん
日本では田舎とはいえ、完全な暗闇でひらけた場所を
探すのは難しそうな気がいたしますねぇ。流れ星が
一番よく見える日は過ぎてしまいましたが、それでも
まだまだ少しは見えるはず。月の出る前にご覧になって
くださいまし。
もしかしたら、警官には頭のおかしい東洋人と思われた
かもしれません。日本人のイメージダウンにつながったか!^^;


>がちょんこさん
いやー、なかなか私もこういう計画は自らは立てない
ですねぇ。だってねぇ、家の近くでも星なんていくらで
も見えそうな気がするし^^ わざわざ何時間もかけて
車で行こうと努力するところがすごいです(笑)。
おまわりさん、最初は警戒してなかなか車から降りて
来ませんでしたが、様子を見て危ないやつらじゃないと
判断したのでしょうね。別の意味で、頭のへんな東洋人と
思われたかもしれませんが...(T_T) 


>Kalakaさん
あぁ、マウナケアの天文台はとても有名ですよね。
すごく高いところにあるから雪が降ったりするのでは
なかったでしたっけ。一度行ってみたいです。
ほんとですねぇ。見ている今はもう存在していない星
なのかもしれないなんて、とても神秘的だわ。
昔の人が、これはひしゃくの形、などと決めたことも
ロマンがあってよいですよねぇ(^O^)


>マルコさん
かなり東へ行きましたよね。なぜにあんなに東へこだわる
Hくん。
しかし誘ってもらって、本当によかった。楽しかったです。
次に行くときは、もう少し西北をめざしてみましょうね(笑)。
いろいろ教えていただきありがとうございました~。
おかげで、にわか天文ファンになりました(^^)


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