居候先の一人娘つくし嬢と、うちの猫たちの関係は、相変わらず平行線だ。最初から仲良しになれると思っていたわけではないが、まさかこんなに緊迫感のある状態が長く続くとは予想外であった。
ボランティア先にいた猫たちも、狭い部屋の中では他の猫と仲良くなれなくても、だいたい家に引き取られたあとは、なんとかなったりするものだ。それは家の中だったら、各猫隠れ場所がいくらでもあり、互いに戦いを避けようという意思が働くためだと思う。
ところが、つくし嬢は違う。自分のなわばりを守るため、自分の愛する飼い主を独占するため、それはそれはアグレッシブに戦う生まれながらの闘士なのであった。
ノアとソフィーがいる部屋の扉を、そろりと開けると、まずは好奇心あふれるノアが偵察に踏み出す。この猫は、それはまぁ無防備に、にゃーん、などとすりすりしながら人間のところに走り寄ってくる。そのとき、つくし嬢との距離は、約3メートル。間に立つのは私。しゃーしゃーやるだろうとは想像していたが、次につくし嬢のとった行動は、まったく驚くべきものであった。
怪しい黒猫の姿を見るやいなや、なんと、ノアに向かって全力疾走していったのだ。そして迷わず飛びかかり激しい猫パンチ....の直前に私が間に割って入ることができた。あーびっくりした。それにしてもこんなほっそりした小さな体から、どうしたらこんな大声がでるのかと思うほどの、雄叫びをあげるつくし嬢。すごい、すごすぎる。
びっくりしたなぁ、もう。→
ノアはどちらかというと、あわてて走り寄る私の姿に驚いたようで、ひと呼吸たってから、急いで逃げ去った。遅い、遅すぎる。なんちゅうのんびりした猫だ。しかしさすがにショックだったようで、家具の一番上まであわてて飛び上がり、どきどきしていた(想像)。その後、部屋からでるときは(もちろん人間の監視付き)、恐る恐る周囲を確認してから一歩踏み出すようになったので、少し学習した様子。
そんなふがいないノアを尻目に、気配を殺し安全地帯に身を潜めるソフィー。一度だけつくし嬢がジャンプして飛び込んだ場所が、ソフィーの目の前だったことがあったが、そのときつくし嬢は、シャーとはいったものの、特に攻撃はなし。対ノアのときとはずいぶん違う。いいね。もしかしたら、メス同士なら仲良くなれるのかも(超楽観的希望)。
ちなみにつくし嬢は、たいへんなおしゃべり猫だ。人間と目が合ったり名前を呼ばれたり、もしくは人間が台所仕事をしていたりすると、いつでもにゃーんと鳴く。そのときお嬢さまのご機嫌がよければ、「うにゃ〜ん」と甘いかわいらしい声が聞けるし、お刺身など切っている最中の人間であれば、「みゃ〜ぁぁぁおぉぉぉん」という身悶えするほどのセクシーボイスを聞くことができる。しかし運悪く、ご機嫌の悪いときのお嬢さまに出会ったりすると、何も悪いことをしていないのに「うしゃーっ」と叱られ、においをかいでいただこうと差し出した指は、激しく噛み付かれ猫パンチの洗礼を受ける。お体をなでさせていただくときも、細心の注意が必要である。ご機嫌のよいときと悪いときの違いは、見ただけでは全く分からない。なんという複雑な性格の猫だ。つくし嬢と比べると、うちの2匹はそれは単純でのんびりしていて、声ひとつたてない静かな猫だ。
そんなつくし嬢を、今を去ること数年前に公園で見つけたのは、何を隠そうこの私だ。ノミだらけだったあわれな子猫に、産湯をつかわし、名付け親になったのもこの私(自慢)。あのとき激しく引っ掻かれた血だらけになった両腕は、さすがに何かに感染するのではないかと恐れ、抗生物質なども密かに手に入れて怯えていたものだ。あんなに悲惨な状態だった子猫が、まさかこんなに気が強い、しかし美人な猫になるとは思わなかった。懐かしいねぇ、覚えているかい、つくし。
あのときよくもお風呂に入れたわね(怒)。うしゃー!→
ひー、ごめんなさい。
それにしても、日本の猫餌というのは、なんて和風味のものが多いのだろう。あらためて探してみると、どれもこれも、かつお節味だったり、煮干し味だったり。肉系が好きで、かつお節も煮干しも大嫌いなソフィーには、いったい何をやったらいいのだ。せっかくだから(?)、和食好きな飼い主同様、本場の和風を味あわせてやりたいと思うのだが、いっこうにお気に召さない。困ったねぇ。
もうひとつ驚いたことがある。猫餌に限らず、最近の食品には、「日本産」「国産」「Made in Japan」もしくは国内の産地など明記されているものが非常に多いのですねぇ。これも時代の流れだね。
コメント (10)
NOIRさん!日本にお帰りになったのですね!お帰りなさーい、というか、行ってらっしゃーい、というか、なんだか挨拶の仕方が難しいんですが(当方、まだベルギーなので)、
皆さんご無事のようでなによりです。さて、ノアちゃんとソフィーちゃんがどのように飛行機の旅をされたのかとっても気になるところです。もしかして、もしかすると、うちの野枝も日本にいくことになるかもしれないですし(まだわかりませんが)、NOIRさん、もし気が向いたら猫の海外旅行のページも作ってくださいな!お願いしまーす。野枝も肉派で、ベルギー育ちの猫なので、魚のありがたさがいまいちわかっていないようです。ソフィーちゃんがどうやって魚に目覚めていくのかも興味があります。。。ともあれ、長旅お疲れ様でした!
投稿者: Karine-K | 2007年6月21日 02:09
確かに…日本の餌はお魚系が多いですね。
やはり飼い主も自分にとってにゃじみの深いものをあげてしまうのでしょうね(笑)
おじさんは相変わらずヒルズのシニア猫用缶詰+野菜の餌を嬉しそうに食べていますニャ。洋酒漬けドライフルーツにゃんかにも口をつけるのですよね…彼の味覚は謎ですニャ。
つくし嬢の襲撃にあったノアちゃんの反応がにゃんだかおかしい。
その場に居合わせたかったです(笑)
ノアちゃんかわいいぞ。
投稿者: がらにゃん | 2007年6月21日 09:49
noirさん、日本に帰ってきたのですかーーーっ!!
お帰りにゃさ~い^^
ノアちゃんもソフィちゃんも日本にいるんだ~。嬉しいにゃぁ♪
本当お魚味は多いですね。
うちのニャンズも、どっちかというとお魚派だと思いますニャ。
武蔵に限っては鰹節命!ですからね(笑)
ノアちゃんの反応、おもろい~!
つくしちゃん、キレイにゃにゃんこですね♪
でも、どうかお手柔らかに(笑)
投稿者: ヤヨイにゃん | 2007年6月21日 15:47
三毛猫なので複雑な性格は致し方ないのでしょうね。
身体を張ってノアちゃんを守るのはさすが!noirさん!母ですねー。
とろいのはうちの娘も一緒です。(黒猫だから??)
もしもノラ生活を続けてたら、カラスにめんたまつっつかれていたりとか、ワルガキに捕まってこの世にいなかったのではないかと思ってしまいます。
早くソフィーちゃん好みのごはんがみつかるといいですね。
モンプチ缶詰はいかがですか?
人間の私が見てもおいしそうだなあーと思うのですが。。
うちの娘は肉には関心がないようで魚主義です。
投稿者: えりぼの | 2007年6月21日 16:29
猫のご飯でお勧めにゃのはナチュラルチョイスとロイヤスカナンですニャ。
日本のはあまりお勧めしません。
理由は日本には猫のご飯の品質保持という意識があまり高くありませんし、検査もレベルが低いですニャ。
だので我が家ではナチュラルチョイスとロイヤスカナンをあげていますニャ。
つくし嬢はにゃかにゃか複雑にゃ性格のようで。
うちの神奈とそっくりだわ。神奈さんも機嫌の良い時と
悪いときを見極めるのが一苦労ですニャ。
悪いときに手を出すと…同じ目にあいます(涙)
お風呂にいれるのも大変ですTT
投稿者: 水樹にゃん | 2007年6月21日 17:38
お帰りにゃさい!サンディエゴ情報がにゃくにゃるのは
寂しいけれど、新鮮にゃ日本の生活情報を期待していますニャ。
快適にゃプールとか、サイクリングの場所とかも
見つかるといいですね。
泳げにゃいとストレス多いと思いますし。
つくし嬢は強いお嬢さんですね。ちょっと恐そう。
でも、お互い慣れて、そのうち仲良しににゃるのかにゃ。
投稿者: クロpapaにゃん | 2007年6月21日 20:53
>Karine-Kさん
あはは。ただいまー、というか、さようならー(?)とい
うか、こちらも挨拶がむずかしい(笑)。アメリカにいた
ときよりは、少しは距離が縮まりましたかね?
野枝ちゃんもいつか帰国するかもしれないのですねー。
ぼちぼちと、引っ越しの際の話を書いていこうか、どうし
ようかと考えております^^
案ずるよりうむが易し、という感じで、けっこう大丈夫な
ものでしたよ。
目下のところ、ソフィーのフードについてが一番悩みどころ
ですねぇ。野枝ちゃんと同じく、魚系、とくに煮干しと
かつおぶしが嫌いなもので、困っております。日本の
フードには思ったよりも、よく使われているのですよ〜。
うーむ。
>がらにゃん
魚系のごはんが多いですよねぇ。鶏肉だけ、とか、七面鳥
だけ、のドライフードがあればいいのになぁ。せっかく
日本にきたのだから(?)、日本のおいしい(と思われ
る)出汁味にもなんとか慣れてくれるといいのですが。
おじさんの食の好みは、ほんとに不思議ですよね。
栗とかお芋なんかも好きなのですよね?それならどこの
国でもやっていけるかもしれませんねえ(笑)。
ノアは昨日も油断して歩いていて、またうしゃーっと
やられておりました^^; 弱すぎ...。
>ヤヨイさん
ただいまー。猫ともども帰ってまいりました。
魚味のドライフードがすごく多くないですかね。昔から
こんなだったかなぁ...。いざ肉系のドライフードを
探そうと思うと、輸入ものしか見つからなかったのです
よねぇ。どなたかいいのご存知でしたら、教えていた
だきたいです。
武蔵ちゃんはかつお節好きなのですね。いいですねぇ。
ソフィーはかつお節のことを食べ物だと認識しないようで
目の前に差し出しても、ふんっと鼻息で飛ばしてしまう
ばかり(笑)。
つくし、美人でしょう〜。よそものが突然テリトリーに
入ってきて、とまどっているようで、かわいそうです〜。
>えりぼのさん
三毛猫って複雑な性格なのですか!柄だけではなく(笑)?
体をはって守ったおかげで、足にひっかき傷ができて
しまいましたよ〜(涙)。なんというかノアは、黒猫
だからなのか、もしくはメス猫に嫌われやすいのか
どうもみんなにシャーシャーやられてしまうことが
多いです。うぅぅ、不憫なやつよのぉ。
ソフィーは缶詰はもともとそんなに好きではないので
ドライフードがメインのごはんなのですよ。日本の
ドライで、七面鳥味とか肉系のみのものがあるといい
のですが...。人間の私から見ると、日本のドライの
ほうがおいしそうに見えるのですけどねぇ。うーむ。
>水樹にゃん
ナチュラルチョイスは以前あげてみたことがあるのです
が、うちの猫たちは嫌いだったみたいです。日本でも
売っているのですね。
ほんと最近は、どこのブランドのものでも、危険が
いっぱいで怖いですよねぇ。先日のペットフードリコール
問題でも分かったように、結局製造メーカーは同じだ
ったなんてこともありますから、選ぶの難しいものです。
神奈ちゃんも、複雑な性格の猫なのですかー。飼い主
でも見極めが難しいなんて、相当のものですね〜(笑)。
早く仲良し、とまではいかなくても、穏やかな共存が
できるよう願っております。
>クロpapaにゃん
ただいま〜。サンディエゴ情報が途絶えてしまい、どうも
すみません〜(笑)。
快適なプール!はい。早く見つかるよう心から願って
おります!いや、ほんとストレスたまるのですよ。
あぁぁ思いっきり泳ぎたい。さすがクロpapaさん、よく
お分かりですねー。
つくし嬢は人間に対してもかなりの気の強さですが
またそこが新鮮でかわいかったりして(笑)。
お互い慣れてくれることを祈るばかりです。
投稿者: noir | 2007年6月23日 11:23
きゃぁ 日本にお帰りだったのですね、お疲れ様でしたニャ。
蒸し暑かったりの日本ですが、少し落ち着かれましたかニャ?
水が変わるとお肌を傷めたりしますが大丈夫ですかニャ?
美人(猫)つくしちゃんってば、びっくり! にゃかにゃかしっかりしてますね(^^;
それに比べて、おっとりノアちゃん(笑)
はやく仲良くにゃれますように。
noirさん、あまり無理して頑張らにゃいでくださいね。
投稿者: 黒糖にゃん | 2007年6月26日 17:01
おかえりにゃさいませ〜。noirさん。
つくしちゃん強気のお嬢にゃのですね。
先週、我が家でも友人宅のコを4日ほど預かりましたニャ。
プチバトルもありましたが、2日目から基本的には適度にゃ距離を保ちつつ、表面的には、平和。って感じ。
つくしちゃんほど積極的に戦いを挑むコって珍しいわ〜。
それもこれも、飼い主さんと自分の愛ある生活を守るためにゃのね〜。かわいいよ!
人間だったらお友達ににゃりたくにゃいタイプでも猫だとかわいいから不思議ですね。
投稿者: ソレイユ@レッツゴー!3匹にゃん | 2007年6月29日 13:20
>黒糖にゃん
そうなのですよー。日本に帰ってまいりました〜。
ほんと蒸し暑いですねぇ。しかし、これからが夏本番です
ものねぇ。いったいこれ以上暑くて、どうなってしまうの
でしょうか〜。
つくし嬢、美人でしょう〜。目がとーっても色っぽいの
ですよ。今私のすぐそばにいて、美しい緑の瞳で、にらみ
つけられながらパソコンしております(笑)。
>noirさん、あまり無理して頑張らにゃいでくださいね
ありがとうございまーす!全然がんばってないので
大丈夫でございます。がんばってない証拠に、コメントの
返信がすっかり遅くなりましたが、これに懲りずにどうぞ
よろしくお願いいたします♪
>ソレイユにゃん
ただいま〜。帰ってまいりました。
おぉ、ソレイユさん宅にもよそ猫ちゃんがおりましたか。
表面的に平和だったなんて、うらやましいですねぇ。
もうこんなに日にちが経つというのに、つくし嬢と
きたら、いっこうに懐柔されず(涙)、相変わらず
怒りまくって、襲いかかろうとしておりますよ(笑)。
猫も性格さまざまですねぇ。感心しております。
>人間だったらお友達ににゃりたくにゃいタイプでも猫
>だとかわいいから不思議ですね。
あははは。確かに!人間だったらかなり怖いタイプ
ですよねー。近寄りたくないかも〜。こんなつくし嬢
ですが、一匹だけだととーっても愛らしいのですよん♪
投稿者: noir | 2007年7月 4日 09:29