夕陽選抜チーム
元旦の夕方、うちから最も近い、海岸に夕陽を眺めに行くために、車を出した。
別に年始早々飲んだくれていたために、初日の出が拝めず、その代わりにと夕方にしたわけではない(←かなり近いけど)。西海岸のサンディエゴでは、海から昇る日の出を見ることはできない。しかし、贅沢なことにいつでも海に沈む夕陽を見ることができるのだ。
私は海岸を散歩に行くのも大好きなのだが、夕陽を見に行くのもとても好きだ。大晦日はお気に入りの散歩スポットの海岸で散歩をし、元旦は別のお気に入りの夕陽スポットで夕陽を見る。どちらも車で10分足らずの場所にある。しかしながら、こんな近くの気軽な場所に、なかなか二人では行けないんだなぁ。
以前にも書いたが、Jは大の散歩嫌いで海嫌い(←本人曰く好きでも嫌いでもないそうだ)。
昨日は、今年最後の散歩だからと、なだめすかして前日から約束してようやく海岸へ行く。今日は、今年最初の夕陽だからと、再びなだめすかす。うーん、こんなに海嫌いな人がいると、説得するのも一苦労だ。
今頃の時期は夕方4時55分くらいに陽が沈む。うちを出発したのが4時35分。といえば、どんなにぎりぎり、それこそ本当に夕陽をながめるためだけに外出したということが分かるだろう。
今日は人がたくさんいるだろうと予想した通り、海岸には大勢の人がいて、夕陽を待つ。砂浜に毛布を敷いてコーヒー持参でながめている人。高台で本を読みながらその時を待つ人。人それぞれだが、元旦のこの日はいかにもみんな待ちもうけている感じ。日本で行ったら初日の出を待つ人と同じ雰囲気だ。
みんな夕陽が大好きなんだねぇ、と感慨深く見渡す私の横で、Jは言った。
「当たり前だ。今日こんなところにいるやつらは、夕陽好きの選抜チームみたいなもんだ」
そして、ほらあそこにも、ほらそこにも、と指差す先には、確かにいかにも相方に連れられてしぶしぶ来たかのような人たちがいる。例えば本を片手に夕陽を待っていたおじさんは、一人で来ているのかと思いきや、奥さんらしき人は暖かい車の中で座って待っていたりするのですねぇ。おぉ、Jのような夕陽嫌いがここいもいたか。こんなに近くに良い海岸があるというのに、夕陽を見に行かない方がもったいないと思うんだけどなぁ。
陽が沈むと同時に、たちまちあちこちで車のエンジンがかかり、帰ってゆく。この余韻のなさがまるでアメリカの映画館のようではないか。もちろん、早く帰ろう帰ろうというJにつられて、私たちもあーっちゅう間に帰ってきたましたとも。帰宅したのは、5時5分。正味30分の外出だ。今日は夕陽をながめた最短記録かもしれない。
決めた。新年の目標。
『週に一度はゆっくり夕陽をながめる』(←やめてくれー。byJ)
2007年初日の入り →