ここのところ週末に複数の来客が続いている。うちの猫たちは、そのお客さんによってさまざまな対応をとるので面白い。
人間のことが大好きなノアは、たいてい玄関まで迎えに出て、靴や鞄や足のにおいをくんくん嗅いでまわる。そのあと居間で一緒に話に耳を傾け、団らんに加わるのが好きだ。特に最近床暖房がついていると、お客さんがいてもいなくても、いつもと同じように、床の真ん中でごろーんと寝そべってくつろいでいる。寝転がりながらたまに人間の足に触ったりと、自らスキンシップをはかったりなどもして、猫好きなお客さんには非常に好評でよいもてなし役になってくれる。
そもそもノアはたいへんイジリがいのある猫なので、噛み付かれて喜ぶタイプの自虐的なお客さん(Kさん夫とか、U夫とか)にも受けが良い。ところが先日台湾人夫婦が来たときは、めずらしく全く出て来なかった。それどころかなぜか極端に彼らを嫌い、Jに無理矢理連れて来られても、全速力で逃げ惑う始末だ。いったいノアにとって、何がそうも他の人と違うのだろうね。
そして人見知りのソフィーは、誰が来てももちろん全く出て来ない。ひどい時はピンポンと呼び鈴が鳴った瞬間から、ずーーーーっと押し入れの奥で息をひそめて、玄関を出て行くそのときを今か今かと待ちわびている。
ところが最近それでもずいぶん改善されて、押し入れの中ではなく、寝室のベッドの上で気配を殺して普通に寝ていたりするようになった。たぶん、冬になって人間のいる居間の扉を閉めるようになったので、来客の声が聞こえにくくなったせいではないかと思う。
ソフィーにとっては、見知らぬ人の声が一番怖いらしいので、声の大きいお客さんほど嫌う傾向にあるようなのだ。
声のトーンの低い人のことはそれほど嫌わない。いつも逃げずに普通にしているのは、友人Oが来ているときだ。Oはサンディエゴにも2週間ほど泊まりに来ていたので、ソフィーも少しは慣れているのかもしれない。
驚いたのは昨日のことだ。遠方から初めて遊びに来てくれたNくんに対し、ソフィーは隠れるどころか、すぐに居間に自らやって来たではないか。Nくんは普通にしゃべっているというのに、全く怖がる様子はなかった。そう、Nくんの声もとても低くて静かなのだ。ソフィーはNくんの荷物のにおいを嗅ぎ、靴下にちょっと顔をこすりつけて出て行った。すばらしい。初めての快挙だ。
この、OとNくんに共通しているのは、声のトーンだけではない。二人とも動きがたいへん慎重で、一度座ったらずっとそのままの姿勢でいるような、落ち着いた人たちなのだ(性格は除く)。食べ方も静かで、食器の音をたてないような感じ。もちろん突然大声で笑い出したり、騒いだりも決してしない(気をつけましょうね、J)。
ほら、よくいるではないですか。この人のそばに大事なものを置いておいたら破壊されるのではないかと恐怖を与えるタイプのヒト。それとは全く逆のタイプの安心の人たちなのだ。
そしてもう一つ共通している大きなポイントは、この人たちは二人ともたいして猫好きではないということだ。猫が近寄ってきても、決して触ろうとはしないし、むしろ猫の存在に気もつかなかったりするくらいだ。猫はそういうこと敏感に分かるのだね。
私自身は他の猫にどういう目で見られるのか分からない。実家の猫は触らせてはくれるが、出向いて来てはくれない。J兄のところのツクシ嬢には、何も悪いことをしていないのに、たまにシャーとされる。
猫に好かれる人たちになるには、たぶんもっと猫好きオーラを抑えなくてはいけないのだろうね。難しい...。
やっと床暖房でくつろげるわ。 →