ロックンロールな一日
日曜日は、毎年恒例のサンディエゴロックンロールマラソン大会の当日だ。コースはサンディエゴのダウンタウン周辺を大きくぐるりと回る。途中大胆にもハイウェイを閉鎖してランナーを通したり、海沿いを走ったり、ゴールをミリタリーの基地内に設けたりなど、いかにもサンディエゴらしい雰囲気の道のりになっている。
もちろんフルマラソン、26マイル(42.195キロ)だ。そもそもフルマラソンなんていうものは、オリンピック選手とか陸上の英才教育を受けた選手とか、そういう特殊な人々だけが執り行う、自分とは関係のないスポーツだと思っていた。しかし、今回は私の友達が4人も出場する。最初に話を聞いたときは、何かの冗談かと思ったが、どうやら本気だったのだ。本当に身近な知り合いが4人も走る。すごいことだ。ぜひとも応援に行かねばね。
朝、目が覚めたときに、真っ先に思ったのは、「はっ。もうすでにあの人たちは2時間近くも走りつづけているのだ」ということ。急いでカメラをもって駆けつける私とJ。
この格好でフルマラソンを完走するエルビス軍団。 →
ロックンロールというだけあって、各所でバンドが毒にも薬にもならないような、ロックンロールを演奏している。しかし沿道は大いに盛り上がっているのだなぁ。旗を振り、大声で声援を送る応援の観客。給水所ではランナーに水を配るボランティアの子供たち。そういえば、マラソンなんてテレビでも見たことないし、実際に応援にきたのも初めてのことだ。数時間も沿道を走りつづけるひたむきなランナーたちの姿に目頭が熱くなる。しかも次から次へと途切れずランナーが続く様子が感動的だ。世の中にこんなに走りたい人がたくさんいるなんて(※出場者約2万人)。今ここに4人の友人の誰か一人でも現れたら、私泣くかも、と思う。しかし実際に、マルコさんが駆け込んできたときには、立ち止まって、あまりに普通に立ち話ができたので驚いた。笑顔だし。なんというか、倒れこんでくるほど消耗しきったランナーを想像していたので、2時間以上も走ったあげくにこんなに元気な人がいるなんて、本当にびっくりだ。
更にゴール地点に応援に向かう。
厳しい検問。 →
ミリタリーの基地だけあって、ランナーはノーチェックで基地に入れるにもかかわらず、応援する私たちは厳しい検問所のボディーチェックを越えなくてはならない。兵隊さんたちが銃をかかえてにらんでいるし、カバンのポケットの一つ一つを開けて検査している。またもや、検問ゲートを走り抜けたくなる衝動にかられる私。いかんいかん。
ゴールには、ロックンロールっぽいDJがいて、大観衆を盛り上げている。たぶん、各ランナーの靴紐に付いているセンサーで、ゴールをすると誰が入ったのか一瞬にしてデータが表示されるのだろう。
「ひゃっほぅ~~!ジェニファ~~~~!フロム テキサ~~~~ス!!」
などとゴールしたばかりのランナーを、ハイテンションで紹介をしてくれるのだ。観客もみな盛り上がって拍手でねぎらう。一番の盛り上がりを見せたのはこの方。
ゴール直前の77歳ランナー。 →
「セブンティセブンイヤーズオ~~~~~~~~~~ルド」
DJが5回は絶叫していただろう。77歳にしてフルマラソン完走したこの方。すばらしい。しっかりと掲げたアメリカ国旗がかっこいいではないの。
友人たちは4人ともめでたく完走した。このゴールの大歓声と盛り上がりを味わったら、きっと来年も出場するであろう。とっても感動的で楽しかったフルマラソン(観戦)。私もまた来年もぜひとも応援にこよう(応援だけか)。みなさん、お疲れさまでした。