実験猫と料理
お客さまが家にくると、必ず隠れてしまう人見知りソフィー。近頃では、人見知り度合いがどんどん増しているようで、人が来るかも、という不穏な気配をなぜか察し、もう玄関が人が現れる30分も前から姿を消してしまうのだ。それは私が、普段しないようなところも掃除したり片付けたり、お香を焚いたりするせいだとJはいう。そうなのか、ソフィー?
お客さまが来ている間中、ベッドの下やクローゼットに隠れ続け、帰ったあとはものの10秒もせずに出てくるのだ。なんという感じの悪さ。そこでこのたび、実験をすることになった。お客さまは、いつものマルコさん夫婦。
「それではまたー」
「じゃあ、おやすみなさーい」
などと演技をし、玄関から靴を外に出す、Jとマルコさん。そのあと一言もしゃべらず、お客さま2人は息を殺すのだった。そして、おーいメシだぞー、とJがいつものように猫たちに呼びかけると、本当にソフィーはすぐさま隠れ家からでてきたのだった。玄関に見知らぬ靴がないことをチェックしたあと、いかにもやれやれやっと帰った(←失礼なやつ)という様子で伸びをして、部屋を見た瞬間にぎょっとした顔をしたところが笑える。
知らない人がいるわ。でも声がしないし、さっき帰ったみたいだったし、どうしようどうしよう。(ソフィー心の声)
それでもなんとか、1分くらいは部屋にいたが、見知らぬ人が動いた途端に飛んで逃げていってしまったのだった。それが第一目。翌日も実験は続く。
二日目のお客さまも、マルコさん夫婦(笑)。前日の失敗をふまえ、今回は「じゃあ、さようならー」の帰る演技のあと、ソファーにふせって身動き一つしないマルコさん(と、床に寝ていたトム)。おまけに膝掛けにすっぽり隠れ、まるで野生動物の定点観測のようなものものしさなのだった。そして、期待にたがわずやっぱりすぐさまソフィーは出てきたのだった。このときは、そう15分くらいは同じ部屋にいただろうか。そのあとひっこんでしまったが、さらにまだまだ実験は続くのだった。
1時間後くらいに、同じく「さようならー」とやると、またもや10秒もせずに出てきたではないか。まさか同じ手に、1日2回もひっかかるなんて。しかも最後はマルコさんの一人芝居であったにもかかわらず、見事な演技にまんまとだまされた。我が猫ながら、なんと学習能力がないのだ、ソフィーよ。でも、この調子で、もっと社交的になろうよね。
もうだまされないわよ! →
それにしても、めったに姿を見せないために、たまに出てくるとかわいいかわいいと言ってもらえるソフィーは得な性格だ。それに比べて、ずーっとお客さまのそばにいるノアって、誰にもほめてもらえないけど、きみもかわいいのはみんな知ってるからね。
ところで、本日の夕飯は『男の辛辛料理』。おやつから、料理から、全部唐辛子入りという、激辛尽くしなのだった。シェフはマルコさんの旦那さんのトムと、J。座ってビールなんぞ飲んでいると、次々に料理が運ばれてくる。あー極楽じゃ。(※どんな料理だったかはこちら)
相談中のシェフたち。 →