猫にごはん

 

 

 

 

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2007年4月 アーカイブ

2007年4月 1日

猫の誕生日プレゼント

4月1日はノアの誕生日だ。今日で7歳になったノア。以前調べた『猫の人間年齢換算表』によると、猫の7歳は人間にして44歳。なんて立派なおっさん猫だ。
この表によると、ノアはこれから1年で人間にして4歳ずつ年をとっていく。人間の3倍近く毎日寝てばかりいるくせに、4倍も早く年をとってしまうのだ。そう考えると、そんな人生(猫生?)もったいないような気もするが、ある意味それだけ悩みも苦しみもなく、静かで平穏な時を過ごすことができるのだ。次に生まれ変わるときは、私も猫になりたい(猫バカの飼い主限定で)。
7歳になりました。 → 猫にごはん

そんなノアの誕生日。全然関係ないが、久しぶりにカジノへ行った。稼いだあとは、ゴージャスなキャットタワーをプレゼントに買ってあげましょ。
うちから車で約30分。インディアン居住区にあるカジノは、中には本当にネイティブアメリカン(インディアン)も働いているのかもしれないが、ラスベガス同様全くそんなかけらも見当たらないのだ。快晴の日曜だというのに、薄暗くタバコの煙でいっぱいで、不健全な人々と雰囲気で満ち満ちていて、足を踏み入れるだけでわくわくする。小市民の私たちは一人50ドルの予算で、2時間弱遊んだ。結果は...、インディアンの人たちの生活向上に微弱ながら役にたったことと思いたい。
本当の誕生日プレゼントはこれだっ! → 猫にごはん

さぁノア。誕生日プレゼントの煮干をお食べ。
ノアは煮干が大好きなのだが、めったにやらないので、たまに出すととても喜ぶ。そしてきちんと頭とハラワタを残して、がつがつときれいに食べるのだ。なんてお利巧なんでしょ(←猫バカ)。
おすそ分けにソフィーにもやったが、アメリカ生まれのこの猫は、煮干なんぞ一口も食べないので、それもノアが完食。
こんなの嫌ーい。 → 猫にごはん

誕生日おめでとう、ノア。あと10年は一緒に暮らしたいね。いつまでも元気で長生きするのだよ。そして万が一早く死んでしまっても、生まれ変わって、間違えずにまた私のところに来るのだよ。

2007年4月 6日

猫たちの過去

ボランティア先にいる猫たちにはさまざまな過去がある。前回紹介した通り、黒猫Katoは怪我でシッポをなくした。この白猫Corazonは心臓病だ。まだたったの1歳だというのに、これから先永遠に一日一回心臓の薬を飲み続けなくてはならない。この猫は、たいへん大人しく甘えん坊で、人間のされるがままなので、薬をやるのも楽ちんだろう。薬代は月に約10ドル。そんなのなんてことないわ、と思ってくれる里親があらわれることを願う。
Corazonはlap cat(膝乗り猫)。 → 猫にごはん

病気の猫だからといって、あきらめたものではないのだ。長らく残っていた腎臓病のFlowerも先週新しい飼い主にひきとられたし、別のもう1匹の心臓病の猫も、老夫婦にひきとられた。偶然にもこの旦那さんも心臓の具合がよくないそうで、毎日薬を服用しているのだという。それがなんと、猫の薬と全く同じものだったのだ(猫は1タブレットを4分割して服用している)。猫用の薬をもらいにいく手間がはぶけるわーと、喜んでひきとってくれた。こういうのも縁なのだろうな。よかったね、いい人たちがみつかって。
歯がなくても元気です。 → 猫にごはん

その他、交通事故にあった猫が2匹いる。そのうちの1匹Louiseは顔面を怪我して、犬歯が全部なくなてしまったが、顎を手術し、今はドライフードも他の歯をつかって食べることができる。そしてとてもとても性格がよくて優しくて、まさにスウィートな猫なのだ。今日見にきたお客さんたちも、みんな口をそろえて、かわいいかわいいと誉めていた。きっときみは早くもらわれるだろうよ。

まだら猫のRainbowも交通事故の経験がある。足を怪我したが今ではすっかり元気になった。しかしこのRainbowの問題点は足のことではない。とにかく気性が荒いのだ。猫にも人間にもシャーシャーと激しく威嚇し噛みつき引っ掻く。私もこの猫を扱うときは、他の猫たちを閉じ込めたあとに慎重にしている。一匹だけだとそれほど悪くないのだ。ヒモのおもちゃが大好きで、シャーシャー怒りながらもよく遊ぶ。
今日ふらりと立ち寄った白人女性が一人。私はRainbowのFoster Mom(フォスターマム。治療中に一時預かりをした家族のこと)を6ヶ月やっていたのだという。久しぶりに彼女に会いにきたので触らせてもらえるかと。
なんと、気性の荒いこの猫を半年も自宅で世話していたのだ。そして激しくシャーシャーされ、激しく噛み付かれながらも、「あぁなんてかわいいのRainbow。全然変わってないわね」と喜び頬ずりをする。こういうフォスターファミリーは、ボランティア団体にとってとても重要なのだ。店先に並べられない病気の猫の世話を元気になるまで自宅で請け負ってくれるボランティア。しかもこんなにタフな気性の猫も長期に渡って喜んで預かってくれる。他にも猫を飼っているというのに、なかなかできることではない。住宅環境が許せば、いつかこういうボランティアもやってみたいものだと憧れる。
ブラッシングに激しく抗議中。 → 猫にごはん

私がフレンチキャットに育てたのよ、と満足げなこのフォスターマム(彼女はフランス人)。この人もかなり変態猫バカ飼い主の香りがただよう。えーとフランスの猫って、みんなこんなに気性が荒いのでしょうか...。

ここにいる猫たちみな、人間に捨てられたりもしくはレスキューされたりして連れてこられた。さまざまな過去を持ち、それはもちろん暗いものばかりなのだ。しかしそんな猫たちに、新しく温かい家庭を提供してくれる人たちもたくさんいるのは間違いない。みんながんばるのだよ。

2007年4月 8日

たまには遠出を

猫にごはん

ロサンゼルスの北、パサデナにある全米最大といわれるフリーマーケット(『Rose Bowl Flea Market』)に行った。月に一度アメフトのスタジアムで開かれるこのフリーマーケットは、2200店以上の売主、20000人以上の買主が訪れるそうな。一度行ってみたいと思っていたのだが、なにせサンディエゴから車で2時間以上もかかるのでついでがないとなかなか気軽には遊びに行けない。
着いてみると、確かにすごい。広々としたスペースに果てしなく露天が並ぶ。主に古着、アクセサリー、古道具、アンティーク家具など。サンディエゴでもフリーマーケットには何度か行ったことがあるのだが、いずれも何も買う気にならないような、どうでもいいようなものばかりだったのだ。しかしここは違う。もう雰囲気がみんな本気な感じだし、物も本当に良さそうな、ちょっと買ってもいいかもと思わせるものが多い。
ここには日本からも買い付けにくるバイヤーがたくさんいるそうで、歩いていると確かにいかにも日本人らしき人々がカートを引きずりながら物色している。日本で売ったら数倍の値段がつくと思われる、アメリカの昔の小物など見ていると、うーん、そういう仕事って楽そう楽しそうだなどと思ってしまう。
果てしなく続く露天。 → 猫にごはん

パサデナに行ってみたかった本当の目的は、ノートン・サイモン美術館(Norton Simon Museum)で、フリーマーケットからすぐそばにある私営の美術館だ。ケチャップ会社の株で大もうけしたユダヤ人のノートンさんの個人コレクションが展示されている。中世以降の絵画が中心。特にドガのコレクションがすばらしかったが、17世紀オランダの絵画も見たかったものがたくさんあって、うっとりする。ジャンルが多岐にわたっていないところが、見やすくてとてもよい美術館だった。

そしてもうひとつの目的地は、ローランドハイツ(Rowland Heights)というところにあるのチャイナタウンなのだ。観光名所のロサンゼルスダウンタウンのチャイナタウンとはかなり離れたところにある。行ったのは香港プラザ(Hong Kong Plaza)というショッピングモールだ。もうその周辺の道路から、見るからに整備が悪く、建物も汚く、環境が悪そうなので、かなり期待がもてる。そして確かに、いかにも現地に住む中国系の方々が買い物される雰囲気むんむんの、ディープな店が建ち並ぶ。私は、こういう店をウインドウショッピングするのが大好きなのだ。
愛想のよい臭豆腐屋 → 猫にごはん

おいしそうだなーと思って屋台をのぞいてみると、あらら、平気で『C』の表示。
Cが並ぶ → 猫にごはん

これはレストランの衛生度合いの評価で、AからD(Dは即営業停止)まであり、Aが一番よい。ちなみにサンディエゴではA以外の店など見たことがない。しかしここでは、あそこの店も、この店もC。ロサンゼルスのコリアンタウンではBばかり目立ったが、ここはそれよりもすごいのだ。
絶品水餃子。 → 猫にごはん

結局食べたのは、エルモンテ(El Monte)というところにある水餃子(評価『A』の店)なのだが、それはもう、いまだかつて食べたことないほどおいしい水餃子なのだった。
特にエビと黄韮の水餃子は、箸で持ち上げただけでわかる、ぷりぷり具合で、もう絶品。香りも高く、皮がすばらしく薄く、きっちりと包まれていておいしい。絶対にこんなの家では作れない。なかなか遠くて行けない店なのだけれど、ぜひもう一度食べたいものだ。

2007年4月11日

マニアックなプール

しばらく前に、気に入った市営プールを見つけたので、ここ最近週2回はそこで泳いでいる。
そこのプールは25ヤード四方の大きさ(約23メートル×23メートル)で、10レーン。つまり1つのレーンがとてもたっぷりしている。そして何が一番気に入ってるかというと、とても深いことだ。浅いところでも胸くらいまでの深さがあり、最も深いところでは4メートルもあるのだ。
そんな深いプールで泳いだことがなかったので、最初は2メートルくらいのレーンを選んでいた。しかし試しに4メートルのレーンを泳いでみたところ、もう気持ちいいのなんのってあなた。文章で説明するのは難しいのだが、例えると、水をぐいんとかいたときに水がたっぷりあり過ぎて、自分の腕ではかききれないような感じ。プールは深ければ深いほど快適だということを、私はここで知った。どっちにしろ真ん中で立ったりしないので、深くても全然怖くないのだ。以来、レーンが空いていれば、いつも一番深いところで泳ぐことにしている。
こんなにナイスなプールが混んでいるかというと、いつもがら空き。まぁ、平日の午前中なんぞ人が少なくて当たり前か。たぶん夜は混むのかもしれない。ちなみに早朝6時から夜7時半までやっている。出勤前にひと泳ぎする人も多いのだろう。

空いているので、いつもひとつのレーンを占領できる。それどころか先日の天気の悪い日など、ふと気がつくと泳いでいるのは私一人だけだった。なんとプールを独り占めだ。しかし、プールサイドに目をやると、いつも一人しかいない監視員がなぜかそのときに限って二人もいる。しかも寒そうにウインドブレーカーを着込み、膝掛けまでしながら、私一人をじっと監視しているではないか。どうしよう。しかしここで上がってしまっては、まるで遠慮しているみたいでヘンだ。そこで、なるべく急いで休まずにがんばって泳ぐことにした。
だいたいいつも、1時間で2キロくらい泳ぐのだが、このときほど緊張しててきぱきと泳いだことはない。私が水から上がるのとほぼ同時に、監視員たちも監視台から降りてきた。すまなかったね。おかげさまで、溺れずに安心して泳ぐことができました。

しょっちゅうプールに行っていると、知り合いもできてくる。ほぼ皆勤賞で毎日プールに通う白人のおばさんは、3時間ノンストップでクロールを続ける。この前、おばさんは更衣室で、私に一枚の写真を見せてくれた。それは一年前のおばさんの写真で、なんとそこには、立ち上がることもままならないと思われる、巨大なおばさんその人が写っていたのだった。今でも決して痩せているとはいえないが、ほぼ中肉中背の体型。推定体重60キロ。いったい一年でどれくらい体重が減ったのか聞くと、なんと約73キロ(160ポンド)落としたのだという。それも水泳だけで。他に一切の食事制限もなく。す、すごい。でもね、おばさん。一日3時間はちと水泳中毒になってやしませんかねぇ。ま別に問題はないか...。

このおばさんもそうだが、ここのプールで泳ぐ人は、道具を使う人が多い。ビート板、足ひれ、シュノーケル、マスク、スイムベルト、アクアシューズ、スイムブイ、リング、何でもありだ。Jに言わせると、そこは特別マニアックなアメリカ人が集まっているプールだそうだが、見ていると私も欲しくなる。そこで、おばさんお勧めのSwim gloves(水泳用手袋)を購入することにした。二の腕の肉を落とすのにいいわよー、とのこと。そう言うおばさんの二の腕は、ちょっとあり得ないくらいの大きさなのだが、まぁそれは良しとしよう。指の間に水かきがついているゴムでできた手袋なのだ。速く泳げそうに思える。
何これ、ゴムくさい。 → 猫にごはん

さっそく試してみると、確かにすごく進む。数えたら、いつも28かきするところが、24かきに短縮された。ひとかきで、すごく前に進むのだ。しかしながら速く泳げるかというと、水の抵抗がその分あるので、腕が重くゆっくりになり、時間的にはほとんど変わらず。
着けて泳ぐといかにも、きてるなーと感じるくらい、二の腕に負担がかかっているのが分かる。効果のほどはまだ不明だが、普段は全然筋肉痛にならないのに、翌日腕だけがだるくなった。むふふ、いいかも。おばさん、ありがと。

2007年4月13日

困ったときは...

ボランティア先には新入りの猫が2匹。生後5ヶ月の子猫兄弟たちだ。兄弟はもちろん、Must go together(一緒にもらわれなくてはいけない)のルールだ。しかもミルクのうちから世話していたフォスターマム(Foster mom/自宅で猫を一時預かりするボランティア)が、ひとしおこの兄弟たちに愛着があるようで、里親希望者があれば事前に話して自分がOKを出したいという。フォスターファミリーの家で、よっぽどかわいがられていたんだね。その人なつっこさと、物怖じしない様子をみればよく分かる。

私のシフト時間が始まるとすぐに、電話がかかってきた。午前中の人が休みだったので、今日は私が最初のボランティアなのだ。今朝店頭でみつけた子猫の兄弟はまだもらわれていないか、と聞く男性の声。もちろんまだいる。ここで遊んでいる。私のシフト時間が終わるまでには、奥さんを連れて必ず店に来るとのこと。この兄弟たちに一目ぼれしたのだ。かわいいものね。すぐにもらわれると思った。1匹150ドル、合計300ドルのアダプションフィーがかかること、カードは使えないことを説明すると、お金など全く問題ないと自信満々だ。数時間後再び電話があり、あと10分で着くからそれまで絶対に待っていてくれ」と念をおされる。と、ここまでは、順調至極だったのだが、その電話を切った直後に、60代と思われる白人女性が私の目の前に突然現れたのだった。
「昨日も見にきたの。この子猫兄弟をもらいたいの」
なんと。もう一人里親希望者が現れてしまった。ボランティアグループのルールは、first-come, first-served(早い者勝ち)が原則だ。そういう意味では、この女性のほうが確かに今ここにいる。しかし、しかし、う〜む。

とりあえず目の前の女性Cに状況を説明しがてら、話を聴く。先月愛猫を亡くしたばかりなのだそうだ。14歳まで生きて、晩年はずっと投薬が必要だったのだという。いかにも優しそうな愛らしい女性。ご主人と二人暮らしで、猫がいなくなり寂しくて仕方がないから、この店にいつも猫を見にきていてたのだ。そして兄弟たちにすっかり心を奪われたのだという。なんて良さそうな里親候補者だろう。さらに聞けば、サンディエゴでもお金持ちの多く住んでいる高級エリアの住人。完璧だ。さっきの電話さえなければ、今すぐにでも猫を渡したい。

しかし物事はそうは甘くない。見ると、50代中頃と思われる夫婦が足早にこっちに向かって、いかにも何かを期待するように目を輝かせてやってくるではないか。自前のキャリーケースまでしっかり持参してきている。あのー、間違いないとは思いますが、先ほどの電話の方で....?
その通り。「猫をもらいにきた」と確信を持って私に告げる旦那R。そしてR妻は、兄弟猫を見るなり声をあげた。
「あぁ、2週間前に死んでしまったルイーズにそっくりな柄だわ!夢みたい!」
これが問題の子猫たち。 → 猫にごはん

こ、これは困った状況になってしまった。焦る私にも気づかず、興奮状態のR夫妻は、2週間前に亡くなったルイーズという猫がどんなにかわいかったか、毎日一緒のベッドで寝ていたので今どんなに寂しいか、兄弟猫を再び飼うことでどんなに慰めが得られることかと、とうとうと話しだす。
まずい。非常にますい。話しながらさりげなく情報を聞き出すと、ご夫婦そろって大学の教授。こちらも超高級エリアの一軒家にお住まいで、子供なし。家は広々。見るからにお金持ちそうな身なりをしている。しかも品がよく、優しそうだし、R妻にいたっては仕事を切り上げて、私のシフト時間に間に合うように飛んできたのだという。なんと理想的過ぎる里親候補者たち。できれば1匹ずつわけてあげたいくらいだ。困ったなぁ。
仕方なくR夫妻に、あちらの女性Cも兄弟たちを欲しがっていることを告げる。Cのほうが早く来た。しかしR夫婦のほうが先に連絡をくれていた。私にはどうしたらいいのか決められないので、みんなで話し合いましょうと打ち明けた。そこで、3者で長い長い話し合いがもたれたのだった。
猫をはさんで約30分。2組ともたいへん穏やかな上品な人たちなので、決して誰も我を張ったり、声を荒げたりはしないのが幸いだ。2組とも状況はそっくりだし、まさに甲乙つけがたい。それはすぐに互いの知るところとなり、出るのはため息と苦笑いばかり。しかし、どちらも決して譲らないのがまたアメリカ人らしい。
そこで私は1つ提案してみた。2組とも申込書をとりあえず書いてもらって、それぞれフォスターマムと後日電話で話して彼女に決定してもらうというのはどうだろう。ボスに電話で相談すると、それがいいだろうと同意してくれた。
しかし、CもRもそれでは嫌だというのだ。決めるなら、今すぐここで決めてくれ。そのほうがフェアだと。お前が今この場でジャッジじろという。そ、そんな無茶な〜。

さて突然ですが、ここで問題です。
結論からいうと、この後どちらか片方に決まりましたが、いったいどういう方法で決まったでしょうか。正解は<続きを読む>にあります。クリック前に想像してみてくださいまし。
幸せいっぱいの里親。 → 猫にごはん

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2007年4月17日

水泳中毒?

つい先日プールの話をしたばかりなのに、また同じネタになってしまうが、今日ははじめての体験をしたのでぜひとも記しておきたいことがあるのだ。

朝起きると空一面の曇り空。あぁ、水泳日和だと思う。
それはなぜかというと、私が行っているプールは実は屋外プールなので、快晴の日に泳いだりすると、それはもうあっちゅう間に日焼けをしてしまうからなのだ。このプール、たいへん気に入っているのだけれど、屋外だというのだけが難点だ。プールは年中適度な温水に保たれているので、冬だってやっている。雨が降らないサンディエゴならではだね。
それにしてもサンディエゴの日差しの強さはハンパではない。プールに通い始めた最初の頃、適当な日焼け止めを適当に塗った状態で泳いだら、一日で顔まで真っ黒に日焼けしてしまったことがあるのだ。そのときもSPF50という数値の高い日焼け止めではあったが、甘かった。ウォータープルーフなんていったって、1時間も水をかけつづけていたら、そりゃあハンパな日焼け止めだったら取れてしまうはず。以来、雑多な知識をネットで仕入れて、評判の高い、ウォータースポーツをやる人向けの強力日焼け止めを、適切に使用している。ちなみに今使っているのは2種類。オーストラリア製Very Water Resistantなスポーツ用日焼け止めクリームと、長時間水泳をやる人用のスティックタイプの日焼け止めをあわせて使用しているのだ。これはかなりよろしい。
なぜずっと泳いでいるだけなのに、顔まで焼けるかというと、快晴だと日差しがプールの底に反射して、表側も焼けてしまうというわけなのだ。だから、曇りの日は背中側が焼けるのは仕方がないとして、顔側だけでも避けることができる。そういう理由で、曇りの日はまさに水泳日和。おまけにプールはいつも以上に空いているしね。

今日は絶好の曇り空だ。泳いでいるのは、ほぼいつもの顔ぶれ。隣のコースの派手な水着のおばさん(日焼けしすぎて、もはや白人だか黒人だか区別はつかない)は、今日の水の温度はとてもワンダフルだと教えてくれた。うん。暖かすぎず、冷たすぎず、確かにいいね。
しばらく泳いでいると、日差しがさーっと差し込んできた。
ぎらぎらした太陽ではない。柔らかくそっと、4メートルの水の底にようやく光が届く感じ。日焼けが嫌いだとはいえ、やっぱり日が差し込んだ水の中はとてもきれいなのだ。プール全体がきらきら光り、自分の立てる波しぶきの光が、水の底に映りこんで、ひとつひとつ形を感じられるほど美しい。水はすばらしく透明で輝き、神々しいとしかいいようのないほどの状態だ。やはりこのプールのいいところは、屋外だということだね(←さっきと反対のことを言っている)。水の中にいるだけでうっとりする。
ターンが同時になったとき、隣のおばさんがまた話し掛けてきた。
「今日のプールは、私のベスト中のベストだわ!」
あぁ、おばさんも同じこと思っていたのね。ちなみにこの人は、冬は週に3回、夏は週に5回プールに泳ぎに来ている水泳中毒。そんなマニアックなおばさんが最高だというなんて、やっぱり今日はいいねぇ。

すると、そのとき。それは、それは、私に訪れたのだった。
体全体がふっと軽くなり、突然泳ぐことが驚くほど楽チンになったのだ。その瞬間、数秒前とのあまりの違いにすぐに気がついた。こ、これが、いわゆる『ランナーズ・ハイ』なのね。あぁ、私もとうとう体験ができた。うれしー。
ランナーズハイ : 脳内麻薬の一種で、マラソンなどで長時間走りつづけると気分が高揚してくる作用。水泳の場合は、スイマーズハイという。

距離にして1.5キロ、時間は45分を過ぎたあたりで唐突にそれはきた。
それはもうエクスタシーとしかいいようがない。息継ぎなどしなくても(←ほんとはしているけど)、いくらでもするする泳ぎ、魚と見まがうばかりに(←妄想)、力強くぐいぐい泳いでいる私。たぶん体半分水の中に溶け込んでいるに違いない。はぁ、気持ちよすぎる。もう私は一生このプールの中で暮らすことに決めた。
ターンの回数を数えるのも、時計をみるのも止めた。この快適な水の中で、日差しをいっぱいあびながら、今は好きなだけ泳ごう。いつもは14かき必要な平泳ぎも、このときは11かきで同じ距離を進んだので、あながち全部が私の脳内妄想だけではなさそうだ。今の私には休む必要など全く感じられない。あぁ、いつまでも続いて欲しいこのトランス状態。
結局それから30分、何かに取り付かれたかのごとく狂ったように泳ぎ続けたが、ふくらはぎに鈍痛を感じてしぶしぶ水からあがらざるを得なかった。その間、完全にノンストップで泳いだ。いつもはターンのときにちょっと休んだりもするのだが、この30分は全く休まず。こんなことは、私にとってはじめてだ。すごかった。

家に帰って、以前マルコさんのブログで読んだ、ランナーズハイを再び読み返す。まさにこれだと思わず膝をたたく。この記事を最初に読んだときは、よっぽどマルコさんは運動オタクの特殊な体質の人なのだろうと思っていたが(失礼!)、まさか自分にも同じことがおとずれるとは。あぁ、カ・イ・カ・ン...。(←ふるっ)
ぼくは水は嫌いですから。 → 猫にごはん

2007年4月23日

店の中の動物たち

動物にふれあいたくなると、買い物がてら近所のペット用品店へ行く。ここでは店内で犬のしつけ教室をやっていたり、ペットホテルもあれば、グルーミングルームもあり、里親募集コーナーもある。もちろん動物連れで買い物もできるので、とにかく店内にはさまざまな犬猫たちがいるのだ。いつもほんとに感心するが、どうしてみんなこういい子なのでしょうねぇ。喧嘩をする犬なんて皆無だし、吠える声もめったに聞かない。よくしつけられていること。
みんな仲良し。 → 猫にごはん

これは、ペットホテルの室内運動場。ガラス張りになっているので外から眺めることができる。ざっと見たところ、10匹以上の大小の犬が一部屋にいて、人間は一人しかいない。おねえさんが投げるボールをみんなで仲良く追いかけ、だれも喧嘩したりしないのだ。アメリカの犬は特によくしつけられているのか、それともペットホテルに預けられるような犬は当然しつけができていなくてはいけないのか、問題のある犬は奥の別室にひっそり閉じ込められてでもいるのか。正解は分からないが、できすぎていて本当に不思議だ。
リコールのお知らせ。 → 猫にごはん

猫餌のコーナーへ行くと、ペットフードリコールのせいで棚がスカスカなのが生々しい。1ヶ月前にも書いたが、あれから更に増えている。アイムス、ユカヌバ、サイエンスダイエット、ニュートロ、おまけに今度はナチュラルバランスまでが対象になった。ナチュラルバランスは素材がいいものを使っていると聞いたことがあるので、以前うちでも買ったことがあったのに、信用ならないものだ。リコール対象商品は増えつづけているので、気をつけてチェックしておかないとね。(※FDA(US Food and Drug Administration)のサイトはこちら
リコールのお知らせ。 → 猫にごはん

そして買い物の際に、必ず立ち寄るのが、この店の里親募集コーナーだ。
約4年前、うちのソフィーはこの店の右端上のケージに入っていたのだ。ソフィーが何日くらいこのガラス張りの部屋で過ごしたのかは知らないが、ここにくるたびに感慨深い思いで同じケージを眺める。はぁ、他の人に目をつけられる前に、かわゆいソフィーをもらうことができてなんて私はラッキーだったのだろう(←猫バカ)。他の猫たちもどうか早く里親がみつかりますように。
里親募集コーナー。 → 猫にごはん

しかしこの店の里親募集コーナーで気になるのが、たまにこうして張られているセールのお知らせ(写真右中央の緑の張り紙)。この写真は少し前に撮影したものだが、毎回書いてある内容は同じ。
『BLACK CAT SPECIAL!! Adopt a black cat or kitten today, save $20 off the regular adoption fee! After all, black cats love you just the same!  (黒猫スペシャル!本日黒猫は通常料金より20ドル引き!黒猫だって他の猫と同じようにかわいいですよ!)』
どうですか、この張り紙のひどいこと。これを見かけるたびに、眉をしかめてしまう。いくら黒猫が人気がないからってねぇ(涙)。ちなみに私のボランティア先では、このような特殊なセールは一度も開催されたことがない。20ドル引きだからという理由で、黒猫を選ぶ人がいたら、そのほうが問題だと思う。かえって逆効果じゃないかと思うのだが、いかがでしょ。
2匹でドライブ中? → 猫にごはん

駐車場にはおとなしくお留守番している犬たちもいる。みんなかわいいねぇ。

2007年4月25日

○○の居ぬ間にスイカ

この一週間、Jが仕事でいないので、私は一人で猫と留守番だ。普通のサラリーマン家庭ではこんなこと日常茶飯事だろうが、我が家ではたいへんめずらしいことなのだ。そう。私はこのたび生まれて初めて、『出張未亡人』になったのだ。なんだかアンニュイな響きではないか。
今週は朝ご飯も、お弁当も、夕飯のしたくもなし。頭に浮かぶ言葉は
FREEDOM!!
いつもは山のように買い込む食料品も、今日はたったのこれだけ。
スイカ2個。 → 猫にごはん

一人で2個も買うなよ、と自分でも思うが、スイカ好きならいてもたってもいられないほど安かったので、つい買ってしまった(2個で約700円)。たったのこれだけとはいえ、家まで運ぶ途中、肩が抜けるかと思うほど重かった。あーこれで好きなだけスイカが食べられる。別にJが居るときだってスイカなんていつでも買えるのだが、好きなものだけを好きなだけ好きな時間に食べられるという安心感が、この際大事なのだ。
まずは半分に切って、大きなスプーンですくって、際限なくわしわしと食べる。わー、幸せ。さらに、真ん中の部分を輪切りにして、皿に乗せてナイフとフォークで食べる。わー、楽しい。(←それにしても我ながら、なんてささやかなフリーダムの過ごし方。人間の器量が知れる)
いまどき一年中、スイカは売っているけれど、どうも冬には食べる気にならない。スイカはやっぱり夏の代名詞なのだ。スイカに包丁を差し入れたときの青臭い、かぶとむしのようなにおいが、夏が近付いてきたという気分を盛り上げてくれる。
毎年たくさんのスイカを食べるので、昨年は何個食べたか数えていたのだが、15個を超えた時点でめんどうになって数えるのをやめてしまった。今年こそちゃんと数えよう。それにしても、暖かくなってきましたねぇ、サンディエゴ。
一週間とはいえ、5年ぶりの一人暮らし。久しぶりに一人だと夕飯の時間が、いやに長いということが分かった。飲んだり、読んだり、観たり、または途中で猫と遊んだりしているので、気がつくと3時間も夕飯を食べ続けているのだった(←長過ぎ)。
外にいるとき、特に車を運転しているときはいつも以上に緊張する。家にいるときは、ちゃんと鍵が閉まっているか何度も確認する。何かあったら、猫2匹連れて一人で逃げなくてはならないのだ。きみたちも大黒柱不在のときは、しっかりするのだよ、と猫に言い聞かせるも、まさに馬の耳に念仏状態なのだった。
なんにも聞いちゃいない猫。 → 猫にごはん

2007年4月29日

○○の居ぬ間に食べる

優しい友人たちが、かわいそうな出張未亡人と一緒に遊んでくれる。映画を同じ日に二本続けて観たり(『Blades of Glory』と『Disturbia』)、夕飯を誘ってくれたり、泊まりにきてくれたり。夕飯など、酒飲みの私を見越して送迎付きである。いたれりつくせり。ありがたいことです。そして合間に泳ぎに行く。

泊まりにきた友人Lは、日本人と結婚し日本に住んでいるはずなのに、年の半分近くをアメリカに里帰りしてきてしまう、ベトナム系アメリカ人なのだ。この人は、ゆいいつソフィーが隠れずにすぐに出てくるお客さんだ。Lは耳が不自由でしゃべらないため、見知らぬ声や音におびえるソフィーも、怖がらない。約1年ぶりにあったのに、やはりすぐに出てきた。要するに知らない人の声が問題なのだな。何かいつもと違うと感じてはいるようだが、逃げはしないのだ。いつも以上に静かな居間に出てきて、同じ空間に存在している。これだけでもこの猫にとってはたいへんめずらしいことなのだ。
夜はうちで手抜きのベトナム料理を作って食べて、パジャマになって女同士で夜通しおしゃべり。まるで修学旅行のようだ。しかし一晩中のおしゃべりは、少しの手話と主に筆談でするので、一日中話していると本当にペンだこができるくらい指が疲れるのだ。
Rice Rolled Noodle → 猫にごはん

手抜きのベトナム料理とは、Rice Rolled Noodle(豬腸粉)というもので、海老や野菜の入った蒸した柔らかい極太麺だ。これを適当な大きさに切って、温め、ベトナムミートローフなどとともに、野菜にくるんで食べるのだ。野菜はミント、レタス、香菜、ハーブ系など、5~6種類山のように食べるので、かなりヘルシーな料理だ。タレはニョクマムベースの甘辛い味で、いかにもベトナム風である。さっぱりしていておいしい。こんなのばかり食べていたら痩せるだろうな。
シンプルなベトナム料理 → 猫にごはん

そしてみなさんにご心配いただいたスイカ2個は、残り2分の1個になった。もう一息!(←食べ過ぎ)