玉ねぎがたくさんあるとき、うちではいつも炒め玉ねぎを作ってストックしておく。玉ねぎの薄切りを、油でよーーーーく炒めて、冷凍しておくと、好きなときにオニオンスープやシチューなどがあっという間にできるのでたいへん便利なのだ。
大量に玉ねぎの薄切りを作るする作業が一番たいへんなのだが、前回日本に帰ったときに手に入れたスライサーを使えば、楽チン楽チン。日本の玉ねぎの3倍はあろうかという巨大な玉ねぎを、5つもスライスすると、うちにある一番大きな鍋からあふれ返らんばかりになる。これがどんどん小さく縮んで、ほんの一塊の濃いこげ茶色の塊に変わるまでよーく炒めるのだ。5時間くらいかかる。
ついでに残った半端な玉ねぎをフードプロセッサーにかけ、おろし玉ねぎを大量に作り、これは今晩のカレー用に、別鍋でこれまた茶色になるまでよーく炒める。こちらは量が少ないのでそれほど時間はかからない。
うちにあるフードプロセッサーは、いかにもアメリカ製らしく、かさばるし、恐ろしくやかましい。たぶん隣近所にも迷惑をかけていることだろう。長く使っているとそのうち難聴になりそうな予感もする。もちろん猫たちもこの音は掃除機についで大嫌いなので、使い始めると蜘蛛の子散らしたようにいなくなってしまうのも、いつものことだ。
玉ねぎを炒めている間、パンを作ることにした。先日ハンドミキサーの捏ね器(ニーダー、kneader)をはじめて使ってピザを作ってみたのだが、驚くほど簡単に捏ねができたのだ。だいたいパンは捏ねる工程が楽しいし、イーストが発酵して捏ねあがっていくときのにおいも好きなので、捏ねは手でやるものだと思って、今まで機械など使ったこともなかったのだった。しかしニーダーは使ってみると目を見張るほど便利で、それはもうあっという間に捏ねあがってしまうのだ。
1分足らずでこんなにできる。 →
15分かけて捏ねていたところが、ニーダーでものの2分くらい。なんの力もいらないし、ボールの中でできてしまうから捏ね台も汚れない。なんて便利なのだ。進歩の過程を一歩踏み出したかのような画期的さ。今までなぜ何年も使わずにいたのだろう。人の意見は聞いてみるものだよ。ありがとうJ。
出来上がりは、手で捏ねるよりもしっかり硬い感じだが、焼き上がるといつもと変わらず、問題なし。
今日は基本の食パン。 →
静かな玉ねぎの炒め時間に入ると、ようやく隠れていたソフィーもでてきた。いつものように台所の隅に置いてあるごはんへ直行、かと思いきや、台所に足を踏み入れるなり、「うぎゅ」と妙な声をあげ、きびすを返して行ってしまった。どうしたのかと思って見ると、目をしばしばしばしばさせて、うるうると涙目になっているではないか。おぉ、猫も玉ねぎエキスで涙がでるのか。知らなかった。
猫も目がしばしば。 →
かわいそうにソフィー、と抱き上げようと手を伸ばすと、私からもかなり玉ねぎエキスのにおいがでていたようで、近づくだけでさも嫌そうに全力疾走で逃げてしまう。そしてはるか彼方から、非難のまなざしでこちらをにらみつけている。なにもそんなに嫌がらなくても。ちゃんと手も洗ったのにー。怒ったソフィーはとうとうその午後はずっと毛布の中に隠れて、出てこなかった。ごめんよ~。
まだくさいわよっ! →
教訓 : 玉ねぎは猫に食べさせてもにおいを嗅がせてもいけません。