猫にごはん

 

 

 

 

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2006年2月 アーカイブ

2006年2月 1日

昼間のBBQ

今日はTail Gate Partyだ。テールゲートパーティーとは、ピックアップの荷台などを使ってやるBBQパーティーのことで、フットボールの試合観戦前などイベント会場の駐車場のあちこちで行われている。今週末はスーパーボウルなので、少し早いけど、まぁカレッジの駐車場でやってしまおうというわけだ。
カレッジ内のこのコンピューターのクラスは、企業のスポンサーが複数ついているようで、たまに正規版のソフトが信じられないほど超格安で買えたりもする。今回も食べ物飲み物全部タダ。しかしお金は出してもらえても、準備や設置は生徒がやらなくてはならない。こういう準備はたいへん面倒に思えるのだが、アメリカ人は本当に積極的だ。何人もボランティアが自ら名乗りをあげる。テールゲート用のバンやテーブル、BBQセットなどみるみるうちに提供者が現れ、ちらし(flier)が張り出され、買出しもスムースに行われ、イベントも企画され、あれよあれよと数日のうちに準備ができてしまうのだ。みんな好きだなぁ。
昼間のBBQ。 → 昼間のBBQ。

BBQの食べ物はあっさりこんな感じ。いかにもアメリカっぽい。結局ホットドッグ、豆腐ドッグ(!)、チキン、サラダ数種、チップス(山ほど)の軽いものなのだけど、外で食べると楽しい。今日はとてもいい天気で、陽射しが暑っ。あぁ生ビールがあったなら、と心の底から思ったのだが、こういう場所では残念ながらソーダ類しかないのだった。仕方ないか。みんな車で来てるのだものね。
『パーティーの参加者は、好きなフットボール選手のユニフォームを着てくること』と明示されていたので、ちゃんとサンディエゴ・チャージャースのユニフォームを着ている人もいる。私は持っていないので、関係ないけど、サンディエゴ・パドレス(野球じゃ!)の大塚選手のTシャツを着てごまかしてみた。
※パドレス唯一の日本人選手だった大塚投手は、来期からテキサスレンジャースへ移籍してしまいます(参照)。寂しい。

さて、お楽しみはRaffle。紙に自分の名前を書いて抽選箱に入れ、当たった人が何かもらえるという、いわゆる福引だ。1等賞金が25ドルという、微妙な金額だが、その他の景品も数点用意されている。
自慢じゃないが、私はこういうものに非常に強い(強いといえるのか?)。複数の景品があればたいてい当たる。しかし下位ばかり。こんなところで運を小出しに使っていいものかと思うが、当たってしまうものは仕方がない。毎回こういうのでは、箸にも棒にも掛からないような戦利品を持ち帰ることになるのだ。
今回も予想はしていたが、やっぱり真っ先に名前を呼ばれた。案の定順位は一番下だけど...しくしく。景品は、これまた微妙な柄のTシャツだった。ま、Jにあげましょ。
あたしのかしら? → あたしのかしら?

いいえ、違います。

2006年2月 2日

ドナー登録

「白血病のA氏のために、血液のドネーション(寄付)をやっているんだよ。今日あと2時間だけ、ここでやってる」
と友達からちらしを見せてもらった。見ると、車で5分ほどの距離。時間もちょうど空いている。偶然そのA氏と適合する可能性もほとんどないだろうが、そういえば最近献血もしてないし、病気だったらついでに何か分かるかも。型が適合しなかったら、すぐに帰されるのだろうし、行ってみるか。

その仮オフィスのような場所についてみると、何だか嫌にスタッフがたくさんいる。てきぱきと事務的に、手続きをすすめられ、2ページもある質問表に回答し、血液採取の前に、医師のスクリーニングまであるという。
その医師の説明によると、なんとこれはアメリカの骨髄バンクのドナー登録なのだった。し、知らなかった。今日は友達の知り合いの白血病のA氏のために献血に来たつもりなのですが、とおずおずと当初の目的を話すと、優しく噛み砕くように教えてくれたのだった。
「白血病の患者さんはA氏だけではないのです」
それから、どんなにアメリカに白血病患者がたくさんいるか、日本人だったら日系アメリカ人と適合する可能性がどんなに高いか、またまた懇切丁寧な説明が続く。
骨髄バンクのドナー登録となると、何だかもう少し考えてからにしたいような気もしたのだが、いつでも決心を変えることができるらしいし、いい機会だから思い切って登録することにした。いざ提供するときがきても、ほとんどの場合入院もしなくてもいいし、髄液から採るパターンと、成分献血のように、普通の血管から免疫成分だけを提供するパターンがあるのだそうだ。
スクリーニングの次は、診療室のようなところへ連れて行かれ、組織テスト(tissue test)のための血液摂取。病院とは縁がない生活をしているので、注射されるのは4~5年ぶりだ。もちろんアメリカに来てからは初めて。
血液を抜いたあと、ガーゼで押さえる。そして日本だったら、小さいテープで止められるか、バンドエイドを貼られるところだが、ガムテープのような、青いテープで、腕をぐるぐる巻きにされたので驚いた。それはもうたくましい白人女医が、すごい力で巻きつけたので、そのあと肘を曲げることもできないほどだった。血が止まりそう。な、なにもちょっと注射したくらいで、こんなにぐるぐるきつくしなくてもいいのに。
はげしく腕に食い込むテープ。 → 腕に食い込むテープ。

今日は思いがけず、ドナー登録してしまったが、私のこの結果は61歳になるまでバンクに記録されるのだそうだ。この広いアメリカ、もしかしたら、すぐにでも日系人のどなたかとマッチングするかもしれないと思うと、身が引き締まるし、ちと怖い。
それにしても、クラスでこのちらしを見せられたとき、みんなで行こう!と呼びかけ、みな場所までネットでチェックして、いかにもこぞって行きそうな雰囲気だった。しかし付いてみると、知った顔はたった一人。クラスで私以外の唯一の日本人男性だけだったのだった。そして彼も同じく、今日は血液検査だけだと勘違いして来たのに、思いがけず登録することになったのだった。
アメリカで日本人の登録者はすごく少ないのですよ、と医者が言っていたが、サンディエゴで二人も今日同時に登録者が増えましたね。喜んでくれていることでしょう。いつかお役に立てる日が来たときに、病気などしていなくて、不都合なく提供できますように。

2006年2月 5日

本日の結果

今週末はスーパーボウル。一年に一度のビックイベントなので、間近になると、テレビのニュースもその話題で持ちきりだ。先週友達と別れ際に、「Happy Super Bowl weekend!」とまで言われたぞ。そんなにみんな見ているのかなぁ。
かくいう我が家でも、普段は全然アメフトなど見ないのに、今日だけは家でゆっくりスーパーボウル観戦でもしようと思ったので、まずは掃除掃除。めったに動かさない、机やソファーも移動させて、念入りに掃除機がけをした。そして本日の掃除の結果は次の通り。
発見しました。 → 発見しました。

発見 : ねずみ3匹。ボール2個。
犯人 : すぐに捕獲するも、反省の色なし。

いい加減にしてくださいよ、ソフィーお嬢さん。うちの中で紛失した猫おもちゃは、数限りない。これはそのほんのごくごく一部でしかないが、今日は大漁だった。それにしても久しぶりに見たなー、このオレンジのネズミ。まさかあんなところにあったとは。

さて、掃除も終わり、猫も人もソファーに座ってくつろぐ。トルティーヤ、ナチョチーズ、サルサ、そしてもちろんビールなど用意し、テレビをつける。ハーフタイムショーとCMくらいしかまともには見なくても、雰囲気を楽しめるので、こういうイベントは好きなのだ。ま、昼間からビールも飲めるしね。
スーパーボウルのお供。 → <br />
スーパーボウルのお供。

そして本日の試合の結果は、えーっと、あぁ、遊んでいるうちに見るの忘れてしまったー。

2006年2月 8日

煮干の頭

やられた。
お風呂に入っていたほんの短い間に、犯人が現れ、お風呂からでてみると台所がこんな惨状に。
(頭は撮影用に並べてみました) → (頭は撮影用に並べてみました)

うぅ、日本からわざわざ買ってきた『お魚バラエティーミックス』の袋がびりびりに破られているー。つい先日も、サイエンスダイエットの袋が荒らされたばかりだというのに、またしても。うかつにも、猫のおやつを台所の棚の上に放置してしまったのだった。
あのときは、犯ニャン探しをしたけれど、今回のこの食べっぷりをみれば、誰がやったかは一目瞭然。煮干などを食べるのは、日本生まれのこの猫だけ。
満足満足。 → 満足満足。

ノアはこういうこと(袋を荒らしたりすること)はしない猫だと、前回断言したばかりだというのに、もろくもその信頼は崩れ去った。
それにしても惨状とはいいながらも、あれこれ食べ散らかさず、大好きな煮干だけを5匹分きっちり食べたところが、えらいような気すらしてくる(←ばか)。きらいな煮干の頭を、きちんときれいに食べ残しているのも好感がもてる。まるで、育ちのよいコソ泥を見るような気分だ(どんなじゃ)。
はい、これからはおやつの袋も放置しないで、きちんと冷蔵庫にしまうようにいたします。反省。

2006年2月10日

本を読む人

休み時間に、椅子に座って本を読んでいると、人に話しかけられることが多い。ほんとうに不思議だ。iPodで音楽を聴きながら本を読んでいる人に、普通、わざわざ話しかけるだろうか。よっぽど私が暇そうに見えているのだろうか。
話しかけてくる内容は、たいていたいしたことではなく、もちろん用があってのことではない。よくアメリカ人に聞かれるのは、「何の本を読んでいるのか?」。ねぇ、聞くでしょうかねこんなこと。日本人だったら友達でもなければ、きっと聞かないと思う。でもたぶん彼らは本当に単純に知りたいだけなのだろう、何の本か。
続いてよく聞かれるのは、「それは何語か」「どっちから読むのか」。
縦書きは右から左、横書きは左から右に読むのだというと、どうやって縦書きか横書きか一瞬にして区別ができるのかと問われる。(洋書からすると)裏側が表紙なのも不思議そうだ。そして日本語は3種類のキャラクター(漢字・ひらがな・カタカナ)があって、漢字には文字自体に意味があって、合計で何千種類にもわたる文字があって、日本人なら当然誰もが全部読めて書けるのだ(たぶん)と説明すると、それはすごいといつも感心されるので、まるで自分が発明したかのようにちょっと自慢げになったりもしてしまうのだった。

最近ずっと読んでいて、ようやく読み終わった本は『マオ―誰も知らなかった毛沢東(上・下)』。本当に読み応えがあった。文化大革命を含めて、毛沢東の悪事の限りを記録したこの本は、とてもセンセーショナルだ。著者ユン・チアンの前作『ワイルド・スワン(上・下)』もすごかったけれど、これはまさに前作を上回るパワー。10年かけて調査して多勢の関係者にインタビューしただけのことはあって、ちゃんと事実のソースを明確にしているところがいい。共産党政権下の中国のことを知りたい方にはぜひともお勧めです。

この本を読んでいる最中に、例によって「何の本だ?」とアメリカ人に聞かれたので、中国についての本だと軽く説明していたところ、ふとアジア系の女性が目の前で足をとめた。写真を指差し、「これは文化大革命(Cultural revolution)の写真ではないか」と尋ねてきた。そこには、確かに文革中の虐待されている人の写真が載っていた。う、やばっ。しかし別に私が書いた本でもないので、何も慌てる必要はないのだが、ちょっとあせった。「えーと、あなたはなに人でしょうか?」おそるおそる聞くと、台湾人だというので、ほっとした。
それから彼女はひるむことなく文化大革命のときの中国がどんなものだったのか、アメリカ人と私に対して、熱く激しい口調で、本と同じくセンセーショナルな話を語ってくれたのだった。両親が経験したというだけあって、さすがに生々しい。

ところで以前知り合いになった中国人は、政府から派遣されてアメリカに研修に来ていたDという男性で、ばりばりの共産党員だった。ESLのクラスで一緒だったDは、私の友人中国人Rのことを田舎者だとバカにしてせせら笑うような感じの悪い高飛車男だった。あるとき、尊敬する人物はという教師の質問に対して、マオ(毛沢東)だと堂々と即答していたので、こっちがびっくりして慌ててしまった。さすが教育がよく行き届いていること。

あー、やっとこの本読み終わったから、次はもっと説明が簡単な軽いのにしよっと。
マオ―誰も知らなかった毛沢東 上マオ―誰も知らなかった毛沢東 下

2006年2月14日

Chocolate duty

義理チョコというものをあげなくなって、もう何年経つだろう。働いていたときから、上司に年賀状やチョコレートをあげることを勝手に儀礼廃止していたが、かれこれ十年くらい前には、人並みにきちんとやっていたこともあった。日本の義理チョコ(chocolate duty)については、今日アメリカのニュースでも、イロモノ扱いで取りあげられている(※参照)。これによると、日本の60%の女性がチョコレートをあげるのは嫌だと答えているそうだが、ほんとうかなぁ。私は義理チョコはけっこう好きだった。気楽なお歳暮のようなものだし、そもそも人に物をあげることが楽しい。女性の上司にあげたこともある。何せホワイトデーという素敵な日が日本にはあるしね(もらうのは、もっと好き)。
アメリカでは、男女関係なく贈り物をする。チョコレートなどあげるのは日本だけの習慣かと思っていたが、そういうわけではない。ちゃんとアメリカにもある。もう1ヶ月くらい前からチョコレート売り場は、バレンタインデー一色で、それはそれはド派手なピンクのハートのチョコレートの箱などがどーんとたくさん並んでいた(明日になるとみんなセールになるはず)。
学校では生徒も親も先生にカードをあげたりするそうだ。そして結婚している場合は、旦那さんから奥さんに花やアクセサリーをあげたりするのが一般的なのだという。友人スーザンはちゃんと旦那さんにチョコレートをあげ、プレゼントをもらったと言っていたし、レズビアンのマーサは恋人からお花をもらったそうだ。日本のことをよく知っている彼女から、お前のうちは、アメリカンスタイル(男性から女性へあげる)か日本スタイル(女性から男性へ)かどっちかと聞かれたので、もちろん我が家はアメリカ式だと答えましたよ。Do as the Romans do(郷に入っては郷に従え)というしね。うしし。

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2006年2月15日

猫の標本

先日、Jが毎日のようにノアの顔を小顔にして眺めていると書いたが、実は他にもしょっちゅう猫で遊んでいることがある。それはこれ。
黒猫の標本 → 黒猫の標本

ほらこんなに長いよと、毎日のようにノアを頭上高く持ち上げて、白い壁に掲げて観察してはひとり感心している。標本じゃないっちゅうに。猫を長く延ばして遊ぶのはやめましょう。
あまり頻繁にやっているので、実はダンベル代わりに猫で室内運動しているのではないかとも疑っている。Jはいつもノアばかりやっているが、たまにはこうしてソフィーも伸び伸び。
さび猫の標本 → さび猫の標本

ノアばかり持ち上げるのにはわけがある。
写真を比べてみると分かるが、持ち上げられたときの態度が2匹で明らかに違うのだ。仰向け抱っこの大好きなノアは、そもそも抱かれるのが好きなので、高く持ち上げられるのもけっこう気持ち良さそうにしている。高いところからゆっくり下界を見下ろしたり、天井のにおいを嗅いだりして楽しそうにしている。体中の力をだらんと抜いて安心しきっているのがよく分かる。全く嫌がる気配なし。
それに比べてソフィーは、抱かれるのが嫌い。普通に抱いても、体をよじって回転させて嫌がる。だからこうして高く持ち上げられると、まるで凶悪犯に捕まった人質のように、隙あらば何とか悪の呪縛から逃げ出そうと必死だ。体も緊張しているし、何より目が泳ぎまくり。
「キュ~(←ほんとにこう鳴く。訳:助けて~)」 → キュ~

同じように育てているのにねぇ。どうしてこうも違うものか。子猫のうちから仰向け抱っこ(と水遊び)の訓練を続けているやぶ猫さんのお宅でも、訓練の効果はまったくないという(すずちゃん、水遊びは大好きになったそうです。これがまたおかしくて笑えます)。
生まれついてのものなのかもしれないが、抱っこのときにリラックスするというのはやっぱり人間との信頼関係の証と思えてならない。ソフィーももう少し慣れておくれ~。

2006年2月18日

スパゲティ考その1

ダウンタウンにリトルイタリーというイタリア移民が多く住む(といわれる)、一角がある。そこはイタリア料理店が建ち並び、お気に入りのイタリア食材店もある。その食材店の奥には薄暗いレストランがあり、週末ともなるとイタリア人らしき人々でにぎわっていた。その様子をみれば誰でも思うに違いない。
「アメリカで食べるパスタは超まずいけれど、ここならきっといけるかも」
期待はふくらむ。

話は変わるが、先日友達になったばかりのマーサ(アメリカ人)とニック(イタリア人)とともにお昼ご飯を食べに行った。日本に11年も住んでいたというマーサの希望により、寿司、と中華料理がメインのバフェ(ビュッフェ)だ。そこは従業員がみな中国人で、いちおう寿司カウンターらしき場所もある。念のためそこで握っている板前風の装いをした人に日本語で話し掛けてみたところ、全然通じなかったので、板前さんも中国系と思われる。もちろん寿司といっても、カリフォルニアロールだのフィラデルフィアロールだの、にぎりといったら日本ではついぞみかけないようなおそまつな代物だが、寿司は寿司。みなで楽しく食べた。

そこでマーサが口にしたある言葉はあまりに衝撃的だったので、私は今後一生忘れることはないであろう。なんの話の途中であったか、彼女は突然言ったのだった。
「日本で食べるスパゲティはほんとうにまずい」
?????えぇぇぇぇぇぇ?????
全くあぜんとするような爆弾発言。アメリカに住む日本人なら、100%みな口をそろえていつも言っているではないか。アメリカのパスタはどこで食べてもおそろしくまずいと。それなのに、それなのに。よりによってアメリカ人にそんなことを言われてしまった。がーん。
ニックも、日本料理はこんなに繊細でおいしいから、そんなことないんじゃないのと弁護するが、何せ一度も日本に行ったことはない人だし、この寿司を目の前にしたのでは全然説得力がない。
もちろん私も弁護した。そんなことはない。アメリカで食べるパスタに比べたらぜーんぜんおいしいではないか。何せアメリカのパスタはほら、麺はふにゃふにゃだし。アルデンテとは遥かかけはなれている。横でニックもそうだそうだと笑う。アメリカはパスタもピザもまずいね。スパゲティ・ミートボールなんて笑っちゃうよ。君たちをイタリアに連れて行ってあげたいよ。イタリアならどこで食べても...(長いので以下略)。
しかし言ってて、たいへん低レベルな争いだということに気づいた。アメリカのあんなにまずいパスタと比較しなくてはいけないとは...。東京に帰ったら、おいしい本物の(?)イタリア料理を食べに行きたいと恋焦がれていたというのに、何てことだ。
私 「で、なんで日本のスパゲティまずいと思うの?」
マ 「みんな日本料理(=魚)の味がするから」

そのときは衝撃を受けたが、家に帰ってJにさっそく言いつけると、Jは冷静に言ったものだ。そうかもしれない。もしかしたら、たらこスパゲティとか、和風きのこスパゲティや、きざみ海苔が乗っているようなスパゲティなど見たら、アメリカ人はついていけないかも。そう、それらは確かに魚の味がする。考えたらマーサが日本で長く住んでいたところは、ちょっと東京から離れた地方の町だった。いや、そこが悪いというのでは決してない。しかし日本で、もし外人をおいしいスパゲティ屋に連れて行けと言われたら、連れて行くのは近所の洋食屋やファミレスでは決してなく、きっと東京都心のごく限られた店に違いないと思ったからだった。そうか。外人からしたら、日本もアメリカと同じようにスパゲティがまずいのかもしれないなぁ。がっくり。

スパゲティ考その2

ところで前回書いた通り、今日はリトルイタリーのイタリア料理店、Filippi's Pizza Grottoへご飯を食べに行った。満を持して、Kさんを誘って3人でいざ出陣。隣接の食材店は以前にも紹介した。いつも知らない言葉を話す人々でにぎわっているので、たぶんイタリア人御用達の店だと思われる。
注文したのはシンプルに、チーズのみのトッピングのピザと、トマトソースのスパゲティ。どれどれお味は...。

ここでまたまた話は変わるが、先日買物をした。買ったものはこれ、Pizza peeler。これはオーブンに入っているピザストーンに、ピザを乗せたり出したりするときに使う専用のへらだ。
ピザストーンはピザと同じ大きさのため、この専用へらも、ピザと同じくらい大きい。大きさが分かりやすいよう猫を乗せて写真を撮ってみたかったのだが、巨大なへらを私がにぎりしめるだけで、猫たちは恐怖のあまりクモの子散らしたように逃げてしまうため、なかなか一緒に写真が撮れなかった。
巨大な木製へらにおびえるソフィー。 → 巨大な木製へら。

ピザストーンというのは、家庭用オーブンで焼くピザを窯焼き風に仕上げてくれるもので、温めて熱々になったその平らな丸い石の上に、直接ピザを乗せて焼くと、天板に乗せて焼くときよりも、程よく水分や油分を吸収してくれるのだそうだ。前からピザストーンは持っていたのだが、大きなへらがないと、結局、柔らかい生地に具が乗って重くなったピザをオーブンの中に移動させることは不可能なため、全然使っていなかったのだった。このたびへらを買ったので、初めてピザストーンの上に直に乗せて焼くことができる。
今までと何ら変わりない生地で作ったピザだが、できあがりは全然違う。天板だと焼きすぎると硬くなり、焼きが足りないと歯ごたえがなくなるが、ピザストーンは違う。よく焼いているのに全然焦げてない。なんというか、ほどよい食感。端から端まで、もっちりかりっと、よく焼けている。生地が生地だけでおいしいのだ。いいではないの。パンにも使えそうだ。
へらでらくらくピザを移動。 → へらでらくらくピザを移動。

さて2回にわたり話をひっぱったが、例のイタリア料理屋で注文したものが運ばれてきた。ようやく味見。
まずはピザから。思ったよりも生地が厚い。かりっとは焼けているが、チーズはモッツアレラではなく、アメリカの普通のチーズ。まあまあおいしい。
そして鬼門のスパゲティ。フォークで持ち上げてみた瞬間、あ、これはだめだとすぐに気付く。食べる前から分かるふにゃふにゃさ加減。どうしたらこんなに柔らかく茹でられるものか、不思議でならない。ほれ、ここから3メートルも離れていないすぐそこの食材店で売っている、De Ceccoの乾燥スパゲティを、箱に書いてある時間通りに茹でれば、この100倍はおいしくなるだろうに。もう想像を絶する信じがたいほどの、柔らかさ。トマトソースは悪くないけれど、もしかしたら缶詰めのソースかとも疑わせるような味だった。ひどい。まずい。しかしこれほどとは思わなかった。
奥が噂のアメリカスパゲティ。 → 奥が噂のアメリカスパゲティ。

あらためて混雑している店内を見回す。おまえら、ほんとにイタリア人か、それともアメリカ人かどっちじゃ!
アメリカにある日本料理店もひどい店が多いことだし、イタリアばかりを責めてはいけないが、全く嘆かわしいのだった。Jに言わせれば、ピザは10点満点中の8点。スパゲティは1点ないし2点だそうだ。ちなみに、昨日私がピザストーンで作った自家製愛情たっぷりピザは何点か聞くと、8点だという。採点に愛情分がまったく加味されてないではないか。き、きびしー。

2006年2月23日

ジャスコの同意語

以前にも書いたが、Netflixという郵便で配達してくれるレンタルDVD屋の会員になっている。
そこには日本の映画もある。あまり邦画はみないのだが、今回はどうしても見てみたかった、matthewさんおすすめの『Kamikaze Girls』(邦題:下妻物語)を注文した。
いやー、面白かった。こんなに面白い邦画は、今まで見たことがないかも。オリジナルの『下妻物語』よりも、カミカゼガールズのほうが、タイトルと雰囲気が合っているような気すらする。これは確かにアメリカ人にも受けるだろうなぁ。テンポがいいし、配役もいいし、何より笑えるのだ。サンフランシスコでは映画館で上映されていたのだそうだ。これ、映画館で見たら、周りの反応がわかってもっと笑えそうだ。
しかし、DVDで借りてよかったところもある。難解な日本語がでてきたときに、途中で注釈が入ることのだ。その説明が面白い。例えば『ジャスコで服を買った』というセリフのときに、ボタンを押すと、映画は一時停止状態になり、ジャスコの説明が英語で流れて詳しく教えてくれる。これはもしかしたら英語版のDVDだけのかもしれない。他には『ヤンキー』や『やくざ』についての説明もあった。ちなみにジャスコは、アメリカ版のウォールマートで、cheap and casualの同意語だそうだ。笑える。さっそくNetflixをやっているアメリカ人の友人にも、この映画をおすすめしておいた。受けるといいのだが。

さて、この写真は何かお分かりでしょうか。
車の行列。 → 車の行列。

正解は郵便ポストのドライブスルー。いつ行っても、車がじゃんじゃん来ていて、みんな手慣れた様子でしゃきしゃき投函している。車の停止時間は平均1秒以下。なぜか大きさや形の違うポストが何台も並んでいるので、最初に一人で来たときは、どれに入れようかおろおろしていたら、後ろから追い越されて、前のポストに周られてしまったこともある。急いでいるときにはとても便利だ。
並ぶ郵便ポスト。 → 並ぶ郵便ポスト。

映画を見終わると、添付の返信用封筒にDVDを入れ、郵便ポストに投函しておしまい。次は何を見ようかな。

2006年2月25日

ダブルバトン

Kalakaさんからまわってきた『17歳バトン』と、エミさんからの『夢バトン』。今日はこの2つを書きます。長いので、興味のない方はどうぞ無視してくださいまし。

まずは『17歳バトン』から。
1. 17歳のころ何してた?
洋楽を聞くのにはまっていたので、毎日毎日洋楽ばかり聞いていました。洋楽ならなんでも好きだった。

2. 17歳のころ何を考えてた?
深夜『ベストヒットUSA』や『MTV』を見るのが大好きで、MTVが24時間放送されているという夢の国アメリカにいつか行ってみたいと願ってました。大人になった今、たまたまアメリカに住んではいるが、一度もMTVにチャンネルを合わせたことはない(もうたいして興味がなくなっているため)...。憧れの英語の達人、小林克也さんのようには未だになれず。運命とは皮肉なものです。

3. 17歳でやり残したことは?
学校で英語の授業のとき、もっとまじめに勉強すればよかった。文法も読解力もとても大事。日本の英語教育も捨てたものではないのだった。

4. 17歳に戻れるとしたら?
恥多き青春時代たったため、特に戻りたくはない。今が一番好き。

5. 17歳のときやっていたバイトと自給は?
お歳暮シーズンに、デパートで一日中箱を包装するという地味なバイトをしたことがあります。おかげで今でも箱を包むのが得意です。自給はやたら安かった記憶があるが、社員食堂に行くのが楽しかったことを覚えています。

以上


『夢バトン』
1. 小さいころ何になりたかった?
婦警さん(今でいうミニスカポリス)。

2. その夢はかなったか?
残念ながら。

3. 現在の夢は?
好きなだけ猫を飼うこと。

4. 宝くじで3億円あたったら?
夢のようなキャットハウスを建てて、たくさんの猫と一緒に暮らす。私の憧れのキャットハウスにお住まいの方は、偶然にもサンディエゴ在住のこの方たち。素敵なお家の写真満載の本も出版されております。あぁ、一度遊びに行ってみたい。
The Cat's House (Little Books (Andrews & McMeel))

5. 夢のような世界とは?
不幸な動物が1匹も存在しない世界。

6. 昨晩みた夢は?
ほぼ毎日のように、奇怪な夢をみます。あまりにも変な夢ばかりみるので、以前枕もとにノートを置いて、夢日記をつけていたこともあります。しかし読み返してみると、頭のおかしい人のようなことばかり書いているので、以来自粛するようになりました。
夢も非常にリアルで、色・匂い・味全部備わっています。覚えている中で一番気持ち悪かった夢は次のようなもの。
<恐ろしい病原菌に侵されて、体の内部から腐っていく。手の甲の皮膚をぺろんとむくと、中からすさまじい悪臭とともに、腐った肉片と虫がうようよと出てくる。うちの家族だけがその病魔に侵されているため、その事実は長年(長いな)隠していたのだが、いつかその悪臭から近所の人にも知られることとなり、みなに白い目でみられ、いじめられる。>

以上

次なるバトンは、ここまで長いこと読んでくださったあなたに、バトンタッチ!

2006年2月26日

目覚し時計の気配

最近ノアはすばやい。
人が布団に入ると、ものの1秒もたたぬうちに、飛んできて一緒に寝たがる。1秒どころか、気配を察して先回りして布団の上でちょこんと待っていることもある。なぜそんなに一緒に寝たがる。
前から人の腕枕で寝るのが好きだったが、近頃ではエスカレートして、腕の上に完全に乗って寝る。頭は人と同じ枕に寄りかかっているので、何のために人の腕が必要なのか分からないが、とにかく腕に乗りたがる。
腕にまたがって寝るのが好き。 → 腕にまたがって寝るのが好き。

先日など、目が覚めたとき、完全に伸ばした私の左腕の端から端までノアが乗っていた。どういう状態かというと、私の伸ばした腕の先、手のひらに顔をうずめ、腕の上にまたがり、私の顔のすぐ側にお尻を持ってきて、後ろ足の肉球で首筋を押すという、まったくもって悪夢でも見そうな(私が)ひどい寝方なのだった。なんでこんなことに。おかしいぞ、この寝方。
あまりにも眠いときや寒いとき、私だって腕を布団から出したくはないのだが、どうしても出さずにはいられない。
なぜなら、ノアは黒い頭でぐいぐいわきの下にスペースを作り勝手に入り込み、寝心地を良くするためそこら中を前足でなでつけ(けっこう痛い)、腕を伸ばすまでしつこくやりつづけるので、もう哀れな人間は腕枕を提供せずにはいられないのだった。それでも抵抗して、布団に入れないようにしているとどういうことになるかというと、もっとひどいことになる。布団から出ている皮膚という皮膚をなめ、噛み、髪の毛をシャクシャクシャクシャクシャクシャクとネズミのように齧って、早く布団の中に自分を入れるよう抗議運動を続ける。うぅぅ、枝毛になる...。
こんなことされたら、どんなに深く眠っていても起きざるを得ない。夜中や明け方でも、猫の気配を察すると、無意識に腕を伸ばし、布団を持ち上げる習慣がついてしまった、眠りの浅い自分をかわいそうに思う。
そんなわけで、近頃では毎晩毎晩、猫の重みでうなされながら眠る。ノアは長く寝るタイプなので、ほとんどの場合、朝までそのままぐっすりよく寝て、目覚し時計の音とともに、人間と一緒に布団から飛び出るのだった。
顔は手のひらにうずめる。ときどき噛む。 → 顔は手のひらにうずめる。

ところで私は、目覚し時計の音が鳴る数秒前に、たいてい目が覚める。鳴る前の気配を感じて、それで起きるのだ。そして鳴ったとほぼ同時にスイッチを止めている。Jにはうさんくさがられるが、目覚し時計が鳴る前の一瞬、時計が息を吸い込むような『ふうっ』という音(というか気配)を感じるのだ。これはノアも感じるらしく、いつも一緒にはっ、と気づいて目が覚める。それから鳴るのを確認して、私はスイッチを止め、ノアは布団から飛び出る。
この『ふうっ』という息継ぎの音は、ほんのわずかな小さな音なので、完全に熟睡する目覚めの悪いタイプの方には決して聞こえないであろう。私も寝が足りないときは聞こえない。この話は気味悪がられるので、あまりしないようにしているのだが、さてどなたか同じように、この時計の息継ぎの瞬間を日々感じている方がいらっしゃるでしょうか。