謎の食材店
約束通り、Rに連れて行ってもらった中華食材店。場所は意外にも、よく行くConvoyというアジア系の店が多く集まる近くではあった。が、こーれは分からんだろ。細い入り組んだ道に入ったところで、偶然見つける可能性は皆無といってよい。そして店構えを見たら、たとえ見つけたとしても入れると思わないに違いない。いかにも問屋という、倉庫そのまま。働いているのも中国人ばかりだし、ちらほらいる客も全て中国人。唯一の共通言語は中国語。この店のありかは、中国人にだけ口伝で代々伝わるという(←うそです)。
「日本人だとばれると、叩きだされるから、私とくっついていたほうがいいよ」
冗談をいうR。雰囲気的には冗談に思えないんだよねー。
これが謎の店の正体だ! →
商品はダンボールでだーんと山積になっている。そもそも本当に問屋で、サンディエゴの中華料理店の人が買いに来るところなのだ。一般の人もそこから勝手に出して買うことができる。野菜も冷凍食品もある。中華食材を普段からよく見慣れていた、と勝手に思っていた私が、見たこともないようなものばっかり。さすが。中国人はこんな店で買物していたのか。
値札もほとんどついていないが、あのケチな、もとい、経済観念のしっかりしたRが、「この店なら値段など気にしなくていいのだ」と豪語する。確かにどれもこれもびっくりするほど安い。
ワンタンの皮を吟味するR。 →
お菓子もいっぱいあった。だいたい、アジア系とくに韓国系の店に行くと、日本のお菓子のパクリ商品ばかりがたくさん並んでいて、日本の菓子製造メーカーの先行きがいつも心配になるのだが、ここは違う。Rが子供のころから変わっていないという、いかにも古風なパッケージの、どう考えても中国オリジナルのお菓子がたくさん。
幸いにも日本人だということがばれなかったため(←しつこい)、楽しくてついいっぱい買ってしまった。
家に帰って戦勝品を並べて楽しみ、Jにも見せた。買物好きなJは、自分も行きたいという。面白い店だった。ぜひ連れて行ってあげたい。のは、やまやまなのだけど...。あぁ、しかし行けるだろうかあの複雑な道を、一人で。非常に自信がない。すまぬねぇ、方向音痴な妻で。
古めかしいお菓子。 →