猫にごはん

 

 

 

 

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2005年3月 アーカイブ

2005年3月 1日

不毛地帯に育つもの

うちのベランダは不毛地帯だ。何を植えてもみな枯れる。日当たりはいいし、肥料もやるし、適度に雨も降っているのに(水やれよ)、何も生えない。
そんな中、一昨年のクリスマスからほったらかしで、何一つ手入れもされなかったというのに、シクラメンが咲いた。枯草ばかりのプランターが並ぶ不毛地帯に、唯一美しく咲く、ピンクのシクラメン。よくやった。
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しかし、こんなうちのベランダでも、何も問題なくすくすく育つ植物もある。それは猫草。
猫草だけは、水をやらなくても(水やれって)、一向に問題なく、種を植えればすぐに育つ。
そろそろ食べごろね。 → そろそろ食べごろね。

ノアはほとんど食べないのだが、ソフィーが猫草大好きなので、欠かさぬよう植えている。ソフィーのお気に入りの食べ方は、1本ずつ手で食べさせてもらうこと。
これは、『猫草をすうっと、1本ずつきれいに引き抜くと、2度収穫ができて、長持ちする』と人から聞いて以来、うちで実行しているやり方だ。
毎朝、ソフィーは猫草のところへ行って、食べさせるよう召使(私)に命令する。しもじものように、鉢から直接食べるような真似は決してしない。
「食べさせてえぇぇぇぇぇぇ。にゃぁぁぁおぉぉぉん」
今にも飢え死にしそうな大声で絶叫する。仕方なく召使も一緒にパジャマ姿のままベランダに行き、10本余すうっと引き抜く。そしてその収穫したての新鮮な猫草を、1本ずつおじょうさまに差し出すのが、朝の日課となっている今日この頃。おじょうさまは、それはそれは猫草が大好きで、はぐはぐと品の無い音を立てつつ、瞬く間に食べてしまうのだ。
どれどれ。 → どれどれ。
あーん→030205_2.jpg あーん→あーん。

サンディエゴで犬猫と暮らす』のマルコさんちのうめこちゃんは、食べたらすぐに吐くそうだ。とってもえらい。こんなに食べても、一向に毛玉を吐かないソフィー。サラダじゃないのだから、ただただこんなにモリモリ食べてしまって大丈夫なのだろうか。

今日のはなかなかいいわね。 → 今日のはなかなかいいわね。

2005年3月 3日

回る猫

ソフィーが大好きな遊び、それはレーザーポインタ。
レーザーポインタが入っている引出しを開けるだけで、期待に目を輝かせる。そのため、本当は同じ引出しに入っているハサミを取りたかっただけなのに、熱い視線に負けて、気が付くとついついレーザーポインタで遊んでいることもしばしば...。
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壁にレーザーを当てるだけでも飛びついてくるが、一番お気に入りなのが、床に円を描くこと。ソフィーはそれはそれは素早い速度で、レーザーを追いかけて回転するのだ。あまりにも何回転もするので、そのうちバターになるのではないかと、心配になるほど(←『ちびくろサンボ』より)。
さすがに、同じ方向ばかりだと目が回るらしく、たまにふらふらになるので、逆回転にもしてやる。しかしその速さが写真ではうまく表現できないのが残念だ。
目にも止まらぬソフィー(真ん中の茶色いかたまり) → 目にも止まらぬソフィー(真ん中の茶色いかたまり)
違いは分からないが逆回転するソフィー → 違いは分からないが逆回転するソフィー


<※猫の目に当てないよう注意しましょう>

2005年3月 4日

カニ・カニ・カニ

カニがおいしいと評判のベトナムレストランがある。その店には過去何度も行ったが、フォー以外食べたことがなかったのだ。店の中には生簀(というか水槽)があり、魚やカニがたくさんいる。
4人で2匹のカニを注文。ガーリックと胡椒でたっぷり味をつけたカニを、そのままから揚げにしたもの。かぶりつくように食べて、手がべとべとになるが、うまひ~。さすが評判だけはあるなー。
カニの上にはたっぷりと揚げニンニク → カニの上にはたっぷりと揚げニンニク
カニ以外にも、中華かベトナム料理か区別がつかないような料理を数品食べて、おなかいっぱい。残った料理は当然お持ち帰りにして、明日もカニだ~。
ミントとレタスに包んで食べる揚げ春巻き → 揚げ春巻き
カニのスープ → カニのスープ
牛肉とうずら → 牛肉レモングラス風味 鶉のロースト


ところで、今日のメンバーは、Jと私の他、友人Lとその彼氏。
友人Lの話をすると長くなる。簡単に説明すると、Lはベトナム系アメリカ人。お母さんはベトナム人。お父さんはアメリカ人だが、子供の頃生き別れて以来会ったことがない。Lは子供の頃に、里子に出されベトナムからアメリカに移民してきた。そして耳が聞こえない。会話は、手話(ASL)と、英語もしくはベトナム語の筆談ができる。あまりにもドラマチックな人生なので、彼女に代わって伝記を執筆する権利を申請中(ほんとか!)。
彼女は自分では思ってないようだが、苦労してきた人だ。強くてたくましい人だ。太平洋を挟んで8年間待ちつづけた彼と、明日結婚する。カニを食べながら見せてくれた、買ったばかりのペアの結婚指輪。証人になる私は、明日泣かずにいられるだろうか。

幸せいっぱい結婚指輪

2005年3月 5日

結婚する人たち

いよいよ、友人Lが結婚する。
8年越しの超遠距離恋愛。初めてLから話を聞いたとき、このカップルが結婚にこぎつけるのはとうてい無理だろうと思っていた。実はつい最近までそう思っていた。というか、おとといLと一緒に彼を空港まで迎えに行き、実際に彼が空港にいたのを確認して、ようやくこれは本当の話なのだと実感したくらいだった。
8年間、彼を思い続けたLをほったらかしにした男。耳の聞こえないLにとって唯一といってよい接点のE-mailすら、コンピューターが故障した(!)といって送ってこなかった男。家族の反対に言い返すことすらできない男。そんな男に私はずっとむかついていて、Lにも何度も何度ももうあきらめろと言い続けてきた。結婚の約束をしたのだからと、8年も前の口約束(正確に言うと、『口』約束ですらないではないか!)を頑なに信じ続けてきたLに、どんなにやるせない怒りを覚えてきたことか。
私は信じられなかった。空港に本当に来るとも思えなかった。しかし来たのだ。はるばる飛行機に乗って、Lと結婚するためだけに本当に来たのだ。そして今日、結婚する。意志の強いLは当然のことのような冷静な顔をしているが、私のほうがいまだ驚き覚めやらず興奮してしまう。

結婚の届けは、County Clerk という、日本でいうと市役所のようなところでおこなう。土曜日もやっているのだ。やることは、届けを出すことと、宣誓をすること。
休日の役所は混んでいる。結婚する人の窓口と、固定資産税を払う窓口がすぐ隣に並んでいる。ウエディングドレスを着ている人のすぐ横で、子供を何人も連れた機嫌の悪そうなメキシカンが書類を書いていたりするのが、何だか笑える。結婚する人たちの着ている服も、正装の人からGパンの人までさまざま。国籍も年齢もいろいろで、とってもアメリカらしい。まさに人生いろいろだ。
人生いろいろ風景 → 人生いろいろ風景

書類仕事は特に問題なくあっという間に終わった。あとはceremony(宣誓式)。係員には、彼が手話で通訳をすると事前に伝えておいた。「I do.(誓います)」とだけ答えればよいのだと思っていたので、まぁ適当に通訳しているふりでもしていればいいのだろうと誰もが軽く考えていたが、これが大きな間違いだったと後に判明する。
黒いずぼっとした衣装を着たおばさんがあちこちにいて、忙しそうに執り行っている。なぜかみな同じような太った白人中年女性ばかりなので、最初はクリスマスシーズンのサンタクロースのような、バイトの一種かと思っていたが、よく考えたら、こんなところにバイトなどいるはずもなく、本物の判事に決まっているのだった。黒い衣装は法衣なのだ。そういう目でみると、とっても威厳のある判事たち。この人の前で宣誓を行う。
宣誓式は、アメリカ国旗が堂々と掲げられた小部屋で、判事を正面に、結婚する2人を挟んで証人2人(Jと私)が並んで行う。ここにいる5人は、判事を除いて、誰もが英語が母国語ではない。むしろ片言しかしゃべれない。
結婚の宣誓は、耳が聞こえなくてももちろん何の問題もない。ただし、完璧にすべての言葉を手話で通訳しなければならないという。考えてもみて欲しい。ただでさえ、外人には理解し難い宣誓文。英語で聞いた単語を、全て手話に直すのはとってもたいへんな作業なのだ。該当する単語の手話がない場合、もしくは分からない場合は、Finger Spelling(指で一文字ずつ 『P_L_E_D_G_E』 などと綴ること)をやらなければならないのだ。たいへん時間がかかる。プロの通訳でなければ、できるはずがない。途中で、紙に書いたのを見せるのではダメかと聞くが、自分たちの言葉で彼女に一文字ずつ伝えろという。
柔和な表情の判事は、しかし、一言たりとも抜かすことを許さない。忍耐強く、何度も何度も同じ単語を繰り返し、単語一つずつ、間違いなく手話をやっているかどうか、Lが理解しているかどうか見守る。
彼は必死だった。
がんばって、何度も聞きなおし、Finger Spellingを綴る。Finger Spellingは、例えば1字でも途中で間違ったスペルを綴ってしまったら、やり直して最初から綴りなおすのだ。気が遠くなるほど時間がかかる。我々の前にいたカップルなどものの数分で終わった宣誓式が、永遠とも思えるほど時間がかかる。
それでも2人はがんばっていた。
手話での宣誓風景 → 手話での宣誓風景

必死で手話を続ける2人の様子をみて、涙がでないはずがない。写真を撮らなくてはと思うのだが(写真はいつでも撮り放題)、涙でくもってどうしてもファインダーが覗けない。会うまでは、この男は嫌なやつだと思っていたが、がんばっているではないか。Lのために、がんばって理解しようとして、がんばって通訳している。
最後に「I do.」と手話ではっきりと答えたLを見て、本当にうれしかった。
おめでとうL。よかったねL。幸せになるのだよ。

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ところで、心配していた証人の仕事は、何一つ質問もされず答える必要もなく、ただただ見守って最後にサインするだけだった。ふ~、よかったー。

2005年3月 6日

無視する方々

あれからレーザー・ポインタをさっそく購入したKさん。こーのすけ(黒猫振興会会員№50)には果たして効き目はあるや否や。お宅におじゃまして遊ばせてもらった。
サンディエゴで犬猫と暮らす」のマルコさんの家では、うめこちゃんがモモンガのように激しく遊んだそうだ。しかし、普段から『四つ足で立っているところを見たことがない』と評判のこーのすけ。この猫はいつ会ってもごろごろしてばかりいるのだ。うーん。どうだろう。
スイッチオン。
いちおうにおいは嗅いでみるこーのすけ。 → いちおうにおいは嗅いでみる。

じーっと見て、においをかいで、そして...無視だ!がーん。こんな子供だましのおもちゃでは、こーのすけは回ってくれないのだった。
ふぁ~、たいくつ。 → ふぁ~、たいくつ。


ところで、昼間用事があってバルボア・パークへ行くと、日曜日のためものすごい人出だった。ジャグラーや、子供のバイオリン弾き、シャンソン熱唱おばさん、宗教団体などなど熱演中の広場を、さっそうと歩く黒人カップル。ウエディングドレスとタキシードの白がまぶしいほどあざやかだ。最近結婚づいてるなー。
周囲の喧騒を無視して、熱い視線をかわしながら、2人だけの世界を歩くカップル。周りが目に入っていない2人があまりに自然なためか、誰一人カップルに注目していないところがおかしい。
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2005年3月 9日

豪快くん

アメリカ人は大きいものが大好き。牛乳はガロン(3.8リットル)単位で売ってるし、サラダ油もオレンジジュースもまるで灯油缶のような大きさのものがある。当然ゴミもたくさんでる。
一軒家の人は、ゴミ箱の容器によって毎月お金を払ってゴミを引き取ってもらうが、アパートは違う。もう好きなだけどんな大きさのゴミでもいつでも捨て放題。うちの近所では、ゴミの分別も一切ない。ペットボトルだろうが缶だろうが、なんでもかんでも、アパート共通のゴミ箱に放り投げておけば毎日回収してくれる。ちなみに生ゴミは、台所に備え付けのディスポーザー(生ゴミ粉砕器)のスイッチを入れれば、そのままがーっとどこかへ流れて行く(どこへ?)。とっても環境に悪そうだが、分別嫌いな私にはたいへん楽ちん。
たまに、マットレスがそのまま投げ捨ててあったり、家具や鉢植えなどの大物も放りこまれている。そんなゴミ箱は当然巨大だ。ちょっとした物置といっても良いほどの大きさなので、人間なら10人は楽に入るだろう。
そしてもっと巨大なのが、ゴミ回収車。こんな巨大なゴミ箱を人が持ち上げられるはずがないので、回収車の前方にクレーンのようなものがついている。まるでクワガタムシのような形なのだ。作業するのは運転手一人。
そのクレーンで、ゴミ箱を脇からがっと挟んで持ち上げ、運転席を乗り越えて、そのまま後ろにどーんと放り投げる。ほんとにどーんと派手な音もして楽しい。全くもって豪快そのもの。あまりにも大胆なそのやり方は、見ていてすがすがしい。私はゴミ回収風景を眺めるのが大好きなので、見つけるとわざわざ車を停めて見物し、日本から遊びに来る人には、必ず見せて感心させることにしているくらいだ。
がっと持ち上げ → がっと持ち上げ

しかし、ゴミ捨て場の近くに車を停めるのは止めましょう。今日はモールの駐車場で写真を撮りつつ眺めていたが、終わってみると、ゴミ箱のすぐ脇に停めておいたうちの車は、いつもに増して埃っぽくなっていたのだった。おまけに周囲にもゴミは散らばっている。ほんとに大雑把な人たち。
どーんと放り投げる → どーんと放り投げる

2005年3月10日

お姫さまと黒猫

うちの近所のスーパーでは、入り口近くに小さなスペースがあって、いろんなことをやっている。今日は、6歳くらいの子供がクッキーを売っていた。ガールスカウトの伝統的な資金集めのクッキーだ。保護者らしき人が近くに座ってみているが、呼び込みも説明もみんなその子が一人でやっている。
この手のちょっとした資金集めは、アメリカではよくやっていて、アパートにもキャンディーを売りに来たりするが、親がでしゃばらず、ちゃんと子供に自分でやらせているところに感心する。お金を稼ぐのがたいへんだということを、小さなうちから学ばせるのにも役立つのだろう。
見ていると、(私は買わなかったが)数分のうちに、何枚かのクッキーが売れた。自分たちも子供の頃こうして苦労した思い出があるのであろうアメリカ人たちは、気軽にクッキーを買ってあげている。優しいなぁ。
Krispy Kremeのような大手ドーナツチェーン店でも、子供の資金集めのために、ドーナツを安く提供する支援をしている。子供が定価で売ったドーナツとの差額が資金になるのだ。店側もいい宣伝になるし、子供もドーナツを作る手間もないし、買う人もこれならいつものおいしいドーナツだし、とっても簡単。よく出来ている。

クッキー売りの横では、子供が書いた絵が展示されている。子供らしいお姫さまの絵と...
お姫さまはみな白人 → お姫さまはみな白人

お!猫の絵もあるではないか。
いろいろな柄のかわいらしい猫がいる中、なぜか黒猫の絵だけ夜の風景で、おまけに牙と尻尾はなぜか血がしたたっている。だから黒猫はこんなじゃないっつうの。まるで悪魔の使いだ~。
黒猫のイメージ → 黒猫のイメージ

2005年3月11日

猫と四十肩

数日前、首を寝違えて目が覚めた。以来左側の首と肩が痛くて、いつまでも治らない。首を前に倒すことができないし、左腕は肩から上に上がらない。疑惑がよぎる。

これは、もしや『四十肩』というやつではなかろうか?

首が曲がらないことから、これは『むちうち』か?とも思うが、ただ寝て起きたらむちうちになっているとも思えない。四十肩という線がかなり濃厚だ。がーん。まだ30代だというのに、なんてこと。
普段肩こりなどぜんぜんしないので、肩がこるというのはこういうことだったかと、今さらながらよく分かる。かなりつらい。肩こりなど気のせいに違いないと思っていたが、肩こりのみなさん、疑ってすまなかった(実は、花粉症のことも気のせいだと以前暴言を吐いていたという、ご指摘を受けた。あきこさん、許して~)。

肩こりなので今日はパスとも言えず、1ヶ月前から全員のシフトが組まれている猫ボランティアへ行く。先週新しくきた巨猫Dexterは体重21ポンド超(約10キロ)もある。そんな重い猫を片手で運んだりできるだろうか。とっても不安。
大きいDexter → 大きいDexter

このボランティア団体は、ボランティアの人数はたくさんいるので、もちろん休んでもいいのだが、突然の休みの場合は、自力で代わりの人を見つけねばならない。英語で電話をかけまくってお願いするのが苦手な私は、それくらいなら自分で行くしかないのだった。
行ってみると、わざわざ私のシフトに合わせて来てくれたという親子連れがいた。それは以前熟女コスタをもらってくれた人たち。あの落ち着いた熟女は、実はやんちゃで甘えん坊の猫だったそうで、そのお宅でとってもかわいがられているそうだ。
「コスタをくれてありがとう。私たちみんなとってもHappyだわ」
と私の目を見てにっこりと微笑んでくれたおばさん。うぅ、ありがとう。今日無理しても来た甲斐があったというものだ。
話してみるとおばさんは、コスタのほかにも3匹猫を飼っているだけではなく、近所の野良猫30匹余りにも毎日餌をやっているのだそうだ。ありがたいことだが、なぜそんな人が、わざわざ100ドルものアダプションフィーを払って、ここでコスタをもらっていってくれたのか本当に不思議だ。世の中いろいろな人がいるものだ。
巨猫Dexterは、後半手伝いに来てくれた友人Kさんが、無事ケージに運び入れてくれた。あまりの重さに四十肩でもないのに、肩が抜けそうになったというKさん。ありがとー。
とってもかわいいMilton → とってもかわいいMilton

2005年3月12日

ニューヨークの銀紙

先月紹介した、『ニューヨークでのヨガ生活』の雅子さんが送ってくれた銀紙、もとい素敵なプレゼントの包み紙。うちの猫たちがたいへん気に入ってしまった。
それを知った優し~い雅子さんが、またもや送ってくれたのだ。追加の銀紙!ニューヨークから再び届いた小包には、新品の銀紙数枚と、おぉ、おまけに飼主にまでまたまたプレゼントを!やった!
実は前回の銀紙はあまりの酷使に、もうボロボロで破片が飛び散りだしたので、処分してしまったところだった。よかったねぇ、猫たちよ。
新品の、前回よりもひと回り大きい銀紙を敷くと...。もうソフィー大興奮。またもや、
ざざざざざっ。
ずざざざざっ。
と激しい音をたてて夜中じゅう一人で遊んでいるのだった。うるさいって...。このひんやり感と、しゃりしゃりする音がたまらなくいいようだ。
楽しい銀紙 → 楽しい銀紙
何してるんだよ。 (by noa) →何してるんだよ。 (by noa)

ソフィーに至っては、一日の大半の時間をそこで過ごすほどの気に入りぶり。落ち着かないのではと思うのだが、この上でいつも寝ている。あまりに気に入っているので、居間の真ん中にでかでかと広げている銀紙。あのー、しまってもいいでしょうか?
片付けないでよね! → 片付けないでよね!

ありがとう、雅子さん。大事に使いまーす。

大好き、銀紙。 → 大好き、銀紙。

2005年3月13日

週末の無駄遣い

今週末特に遠出はしなかったが、いろいろ買った。まずは、近所のアンティークショップで見つけたこの置物。これは以前買った赤いソファーに座る黒猫と同じメーカーのものだ。かなり種類がたくさんあり、悩んだ末に買ったのがこのピアノの鍵盤をのぞきこむ茶とら猫。蓋を開けると、でたっ。中のおまけについてきた猫は、前のと同じ三毛猫(やっぱりうめこちゃんに似てる!)。こんなに安くていいのかと思うほど安い$6.98。
031505_2.jpg 蓋を開けると... → 031505_3.jpg

そしてやかん。今使っているやかんがあまりに底がデコボコなので新たに購入することにした。ル・クルーゼのかわいい赤いやかん。笛吹きケトルが多い中、笛のないやかんを探してようやく見つけた。使ってみると、以前のやかんがどんなにやかましかったか良く分かる。水を入れてコンロに乗せただけで「ぐぉぉぉぉぉぉっ」と大げさな音をたてつつ、沸くのにたいへん時間がかかっていたのだ。お湯が沸くまで音がしないなんて、当たり前だけど静かでうれしい。2リットル用、$38。やかんにしてはちょっと高いような気もするが...、いえいえ、決して無駄遣いではない(と思いたい)。
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そして最後にこれが一番の無駄遣いに終わった、猫のおやつ。Roasted Chicken $5.99。アメリカで売っているCat Treat は安いものが多い中、これは破格の高価さ。
「このおやつは大人気で、中毒になってる猫もいるくらいだ。ついさっきも1ダース買っていった人がいる」
との店員の言葉につられて、つい買ってしまった。写真では受けてるように見えるが、このあとノアもソフィーも見向きもしなかった。こうやって無駄になっていく猫のものが、うちにはどれだけたくさんあることか。しくしく。
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2005年3月15日

いちご畑

車で20分ほど行ったところにあるいちご畑。そろそろいちご狩りができるかと週末行ってみたが、まだ少し早かった。畑にはいちごが実ってはいるが青いのも多く、まだ白い小さな花がいっぱい咲いている。いちご狩りは来月からだそうだ。そういえば去年もいちご狩りに行こうとはしてみたが、とうとう行けずじまいだった。今年こそやるぞ!
広々としたいちご畑 → <br />
広々としたいちご畑

しかしアメリカのいちごは、日本の栃乙女のような粒ぞろいの甘さはない。大味で、どちらかというと野菜を食べているかのような甘味の少なさだ。練乳なしでは、ちょっと食べにくい。もともと私は練乳が、そのままなめたいくらい大好きなので(たまになめる)、これでもかというほどたっぷり付けて食べる。いちご狩りに行くときは、練乳持参せねば。
そしてアメリカのいちごは、とっても粒が大きい。ノアの肉球と比較すると(比較の対象間違ってるか?)、大きいのがよく分かる。うーん、こんな大きいいちご、いくつ食べられるだろうか。今から心配。
巨大ないちごと肉球 → 巨大ないちごと肉球

今日はまるで初夏のような暖かさだった。公園の芝生やプールサイドでは、そこかしこに水着で寝そべる人の姿を見かける。金髪美女(?)も数人見かけたが、写真を撮るのははばかられたので、関係のない写真で失礼。

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2005年3月17日

コーンビーフ

今日はSt. Patric's Day。アイルランド最大の祝日だそうだ。もちろんアメリカでは休日ではないが、週末パレードをやったり、緑の服を着ている人がたくさんいたり、アイリッシュパブではかなりにぎわっている。
そしてその日に食べるのがコーンビーフ&キャベツ。
コーンビーフというと、缶詰に入った油っぽい繊維質の肉の塊を思い浮かべるが、ちゃーんと生肉がある。Corned Beef。brisketという肩バラ肉の塊が、マリネされた状態で売っているのだ。アメリカの良いところは、旬のもの、時期の食べ物がとっても安いところだ。果物でも何でも出盛りは安いし、感謝祭が近付けば七面鳥は安くなる。そしてSt. Patric's Day前はコーンビーフの時期。どの店でもとっても安い。
知り合いのアメリカ人に聞いてみたところ、アイリッシュじゃなくてもみんなコーンビーフを食べるのだという。残ったら翌日サンドイッチにできるし、とってもおいしいとな。調理方法を聞くと、いたって簡単。『ゆでるだけ』。ほんとに?続けて味付けを聞くと、『一切不要』。マリネされた肉なのでそのままでいいという。
では、キャベツはどうなのだ。食べ方を聞くと、やはりただ『ゆでるだけ』。別の鍋で塊のままゆでるのだそうだ。こちらも味付けはしない。そのゆでたコーンビーフとキャベツを一緒の皿に盛って、味が薄ければ塩こしょうをして食べろという。うーん、なんてそそられない食べ方だ。
しかし一度は試してみたかったコーンビーフ。小さめのを選んで買ってみた。2.6ポンド(約1.2キロ)で$3.87(約400円)。安い。ちなみにキャベツは1個15セント(約20円)しかしなかった。キャベツもシーズンなのだ。
これが生のコーンビーフ。 → これが生のコーンビーフ。

コーンビーフを3時間余り、一緒にじゃがいもとにんじんを入れてゆでた。キャベツはただゆでた。皿に盛ってみるが、見た目ひじょうにぱっとしない。全くおいしくなさそう。牛肉とキャベツがあれば、中国人ならもっとずっとおいしい料理が何品か作れるだろう。なぜこんな味も素っ気もない食べ方をするのだアイルランド人たちよ。
ゆでただけ。 → ゆでただけ。

塩・こしょう・粒マスタード・マヨネーズ、いろいろつけてみたが、やっぱり見たまんまの味だった...。確かにコーンビーフだ。缶詰のと雰囲気は近い。しかし感心したのが、肉と一緒にゆでたじゃがいも。ただの水でゆでたじゃがいもとは違い、ねっとりしてこっくりして、それはそれはおいしい!さすがは、じゃがいもの国だ(ちなみに英語の手話では、『アイルランド人』と『じゃがいも』は同じ表現であらわされる)。
そっけない料理。 → そっけない料理。

細かくしたコーンビーフをマヨネーズで和えて、サンドイッチにもしてみた。
このパンは昨日焼いたパンの残り。『Kの食卓@台湾』のけいすけ(人)さんのレシピで作った、黒ゴマがたっぷり入った黒ゴマ食パン。ゴマが香ばしく、上新粉が1割入っているためか、トーストしてもさくさくでとってもおいしい。油分ゼロでとってもヘルシー。これしばらくうちの定番になりそうなおいしさ。
黒ゴマたっぷり →黒ゴマたっぷり 031805_2.jpg

2005年3月18日

寄付する人たち

猫ボランティア先では、いろいろな寄付をもってくる人がくる。いままでに受け取ったもので、一番多いのが自分の家の猫が食べなかった猫缶やおやつなど。その他バスタオル、おもちゃ、もちろん現金。一度、ほとんど新品の電動猫トイレ(LitterMaid)の寄付もあった。これはここではケージが狭く使えないため、ボランティアに先着順お下がりになった(ので、私がありがたくちょうだいした)。
今日行ってみると、今まで私が受け取った中で一番大きな寄付があった。それはこのキャットタワー。私が着いたときにはもう寄付主はいなくて、ただキャットタワーがメモ付きでぽつんと入り口に置いてあったただけだった。
「もう使わないので寄付します。少し傷がついています」
どなたなんでしょ。このさらりと簡単なメモには、ファーストネームすら書いていなかった。
キャットタワー順番まち。 → キャットタワー順番まち。

見たところ傷も全然分からない。においもなく(嗅いでみた)、新品といってもいいくらいきれい。タワーは真ん中がVの字にくぼんでいて、脇に筒状の丸い穴がついている。安定もよく見るからに楽しそう。
部屋の真ん中に置いてみると、もうさっそく猫たちが入れ替わり立ち代り寄ってくる。抵抗なく、みなVのくぼみに飛び乗る。
Vでくつろぐ黒猫。 → Vでくつろぐ黒猫。

それにしても、使った品でも平気で店に返品できるし、中古でもいい値段で引き取ってくれる場所がいくらでもあるというのに、ほいっと気軽に寄付してくれるのはありがたいことだ。自分だったら、なかなか寄付する気になれないので(ケチ)、いつも感心する。どなたか知らないが、みな喜んでます。ありがとう。
それにしてもこれ見た目も悪くないし、いい感じ。あとで調べてみたところ、値段は約80ドル。だいたい猫のものを買って使ってくれなかったりするととてもショックなので、あまり大物は買わないことにしているのだが、これはちょっと欲しくなった。うちも買ってもいいでしょうか、J...?

2005年3月19日

いちごの食べ方

先日いちごを食べたと書いたが、そのときハワイ在住のKalakaさんが教えてくれたいちごの食べ方を試してみた。
それは、いちごにサワークリームと黒砂糖をかけて食べるというもの。げ!と思ったけれど、食べてみたら、それはそれはとーってもおいしいではないの。まるでコクのある、かつさっぱりしたいちごクリームを食べているかのよう。こんな食べ方考えたこともなかった。サワークリームは今まで料理にしか使ったことなくて、いつも残って使い道に困っていたけれど、こういう消費のしかたがあったか。さすがアメリカ人の発想だわ。当分はまりそう...。ありがとうKalakaさん!
新鮮ないちごの食べ方。 → 新鮮ないちごの食べ方。

2005年3月20日

暖まる黒猫

暖かい日曜日。まさにアウトドアびより。近くの公園にサンドイッチとコーヒーと本をもってでかけた。ふと思いついて、ついでに猫ももっていくことにした。
うちの猫たちはハーネスを付けると腰が抜けたようにかたまってしまうので、いつか猫と外を散歩したいものだと夢みて、首輪に付ける長いリードを買っておいたのだ。これなら(たぶん)大丈夫。
ソフィーを連れて行くことは、そもそも問題外なので(ケージに入れただけで心臓麻痺をおこしかねないくらいのびびりんなのだ)、散歩にはもちろんノアを連れて行く。ノアを散歩に連れ出すのはたぶん1年ぶりくらいだ。車に乗るのが嫌いなノアも、近くなら大丈夫だろう。
公園に着いてケージを開けると、最初は怖がってでてこなかったが、すぐに慣れてきた。だんだんと外の世界に興味を示し、鼻をぴくぴくさせてにおいを嗅ぎまくる。
外の様子に興味津々 → 外の様子に興味津々

しかし、慣れない芝生の感触が気持ち悪いのか、足を下ろすのを極度に嫌がる。人がいると人の上、物があると物の上と、飛び石のようにぴょんぴょん飛んで、なんとか芝生を回避しようとする。
芝生、嫌い。 → 芝生、嫌い。

そのうち少しずつ歩けるようになったが、どうもへっぴり腰のまま。芝生に触れた足をいちいち振り払って汚れを落とそうとする、たいへんきれい好きな猫なのだった。
芝生、汚い。 → 芝生、汚い。

1時間半余り過ごした日向の公園で、ノアの毛皮はすっかりぽかぽかになった。だんだんと風が吹いてきて少し肌寒く感じたくらいだったのに、さすがは黒猫。陽射しを吸収するする。毛皮は暖かくなりすぎても大丈夫なものなのだろうか。ちょっと心配になる。
家に帰ると、さっそく餌場に直行するノア。この猫、ストレスでやけ食いするタイプなのだ。飼主と一緒かも。いつまでもいつまでも食べてすっかり2つの皿を空にしてしまったのだった。おつかれさま。楽しかった...?
リードをはずす間もなく、やけ食いするノア。 → やけ食い中。

2005年3月21日

たどりついた言葉

今日観に行った映画は『Hitch』。ウィル・スミス主演のラブコメディーで舞台はNY。デート・ドクターのウィル・スミス、とーってもかっこいい。スタイルもいいし、おしゃれだし、言うことなし。内容自体はとっても軽く、あぁNYに行きたいなーと気軽に見れる楽しい映画だった。

ところで、NYのラブコメディーといったら思い出すのが人気ドラマ『Sex & the city』だ。街並みといい、出てくる人たちのおしゃれさ、小洒落た店といい、ここサンディエゴとは大違い。全く別の国の話のよう。このドラマ、数年前HBO(有料ケーブルTV)で放送されていた再放送権をTBSが買い取って、再放送しているので、今は普通の地上波で見ることができる。火曜と水曜に、同じ話を2日続けて繰り返しやっている。都会の人たちは早口だから1回では聞き逃しているところが多いのだ~、という言い訳の元に、ついつい火曜も水曜も見てしまう私。日本でも有料テレビでやっていて人気だと知り、何とか手に入れて一度だけ日本語でも見たことがある。うーん、生々しいこと。ドラマではそんなにキワドイ会話ばかりしているわけでもないのに、日本語に吹き替えて、しかもまた日本人の声優さんの声が色っぽすぎて、見ていて恥ずかしくなってしまった。実際は、もっとさばさばとテンポ良く軽い会話が進んでいるだけなのだけど…。というか、日本語だと生々しいと感じてしまうということは、英語だと完全に聞き取れていないということに他ならない。がっくし。

ところで再び話は変わるが、『猫にごはん』のホームページにどんな検索ワードでたどり着いたか見ることができる。なかなか楽しいめぐり合わせが多いなか、今までで一番驚いたのが、これ。

SEX・姉妹・写真

ご期待を裏切るただの猫ブログで申し訳なかったです。以前にもこのドラマ『Sex & the city』の話を書いたため、キーワードにひっかかってしまったのでしょう。あぁ、またこんなこと書いてると、新たな方が来てしまうかもしれない。騙してるわけではないのです。紛らわしくてスミマセン~。

2005年3月22日

ベトナムを喰らう!

今日のお昼はベトナム料理。『サンディエゴで犬猫と暮らす』のマルコさんと待ち合わせ、El Cajon Blvd.沿いにある"Pho Hoa"というレストランへ。この店はベトナム人Lのお勧めのフォー専門店で、レストランというよりも大衆食堂といったほうが似合う雰囲気。店員は全員ベトナム人だし、混みあっている店内の客もみたところほとんどがベトナム人。値段も安くて気軽な店だ。
各々の注文したフォーが出てくると、当然のことのように各自デジカメを取り出し写真を撮る私たち。さすがはブロガー同士。そう。マルコさんとは、ブログを通じて初めて知り合ったご近所のお友達なのだ。今日はオフ会だったか!同じ写真が、違う角度でマルコさんのブログにUPされている。ご覧あれ
こうしてみると同じ大きさの丼。 → こうしてみると同じ大きさの丼。

ところで、牛骨スープがたっぷり入ったフォーには、たくさんの種類があるが、具はどれも牛肉ばっかり(もしかしたら全部か?)。レアの牛肉、良く焼いた牛肉、牛肉団子、牛筋、牛胃袋などなど。
その中で見つけた、『brisket』。おぉ、これは先日作ったコーンビーフと同じ、牛肩バラ肉ではないか。あの筋ばったコーンビーフの肉が、さすがに筋は残りながらも、よくよく煮込んでこんなにとろりんとなるのだ。同じ肉を使って、アイルランド人はあんなにそっけないゆでただけの料理を作り、ベトナム人はこんなにとろける麺の具を作る。やっぱりアジア料理のほうが断然私の味覚に合っている。柔らかくてうまうま。
とろける牛肉。 → とろける牛肉。

2005年3月23日

本日のデザート

いちごがまだたくさんある。先日紹介したサワークリーム&黒砂糖いちごが、今大流行だが(うちで)、まだ食べきれない。『High Five! 子連れ旅』のあきこさんはいちごアイスクリームを作ったと言っていたが、以前凍らせた固いいちごをミキサーにかけて、ミキサーが壊れそうになった過去に恐れをなし、今日は柔らかいいちごのブランマンジェを作った。ゼラチンで固まらせるお菓子はいつもあまり上手くできないが、さすがに今日は簡単。ちゃーんと固まった。アメリカの酸っぱいいちごも、いちごソースにしてしまえば甘くておいしい。今度はいちごアイスも作ってみよう。
食後にブランマンジェの皿を目の前に出されたJは一言。
「おっぱいプリンみたいだ!」
何それ?!検索したら、おっぱいプリンってこんな形なのね。確かに似てるかも。知らなかった。有名なお菓子なのだろうか?しかも大阪限定?うーん、いつか食べてみたいものだ。
一応いちごのブランマンジェ → 一応いちごのブランマンジェ

ところでもう一つ食べたデザートはぶどう。緑の種無しぶどうが今とっても安くてシーズンなのだ。おいしい。一人でばくばく食べていると、緑のぶどうに興味津々なやつがうちにはもう一人いた。
ぶどうじゃないの。あ、もうちょっとしか残ってない(怒) → 032405_3.jpg

取られないうちに、早くこっちに引き寄せて、っと → 取られないうちに、早くこっちに引き寄せて、っと

いただきまーす。 → いただきまーす。

そう、この猫草好きのソフィーは、ぶどうの茎も大好きなのだった。しゃくしゃくしゃくしゃくしゃくしゃくと噛んで、よだれまで垂らし始めたのでさすがに取りあげたが、放っておいたら全部食べかねない勢い。試しにぶどうを小さく切ってあげても全然食べようとしない。何でこんなのばっかり食べたがるのだろう。あんまり体にいいとも思えないし。
食べ終わったぶどうの茎を放置するのはやめましょう。

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2005年3月26日

おっさんと観光

知り合いSがうちに来た。Sは東京で働いていた頃の元上司だ。私は2回転職経験があり、計3社で働いていたことがあるが、そのうちの2社で上司だった人だ。だからといって別に特に恩があるわけでも、特別親しかったわけでもない。しかし、何となく縁があり、この人のことはよく思い出すことがある。たいへんマイペースな、しかしおっちょこちょいな所がある、なんとなく憎めない人なのだ。今回、彼はアメリカ出張のついでに遊びに来た。
そんな人とサンディエゴで会うなんてとっても不思議だ。違和感ありあり。思えば遠くまで来たものだと我ながら感慨深くなる。今日はラホヤの海を案内し、メキシコに遊びに行き、うちで一緒にビールを飲む。あぁ、なんて、なんてヘンなのだろう。東京のサラリーマンの香りをむんむん漂わせたこのおっさんと、サンディエゴを観光するのは異質以外の何ものでもない。だいたい、Sとはプライベートで会ったことなど一度もなく、多々一緒に飲みはしたが、仕事帰りに一杯飲み屋で大勢で飲んだことがあるだけなのだ。
怪しいおっさんと海岸。 → 怪しいおっさんと海岸。

海岸を一緒に歩いていても違和感は増すばかり。メキシコに行ってみたいというSのために、Jと3人で国境越えをする。国境近くのいつも行くホセ兄弟の立ち食いタコス屋でタコスを食べ、コロナビールを飲む。久しぶりに聞く日本の元同僚の話や会社の話はとても楽しかったが、また何かとても不思議な感じがしてならないのだ。あぁ、なぜこのおっさんとこんなところで日本の話を...。ふと我に返ると違和感で笑いたくなる。
そういえば、この人は私の知人の中でも、最もよく食べ最もよく飲む人だ。日本にいた頃、たいへんな巨漢だと自他ともに認める人であった。しかし今日久しぶりに見たSは、なんだかとても普通だったので驚いた。単にSが年をとって縮んだのか、それとも私がアメリカ人の巨漢に見慣れたためか、思いのほか普通サイズ、というか案外小柄なほどに見えたのだった。
怪しいおっさん国境越え。 → 怪しいおっさん国境越え。

ロサンゼルス近郊での1ヶ月の出張期間中、2週間目にして早くも日本食が恋しくなってしまったSのために、ご飯、味噌汁、梅干、厚焼き卵など素朴なごはんを出し、お土産におにぎりまで持たせてあげた。
夜がふけて送り出したSは、しかしそのあとたいへんな目にあっていたのだったが、そうとは知らず無事の帰宅を祈りつつ、私はすぐに寝てしまった。翌朝、興奮覚めやらぬ様子で電話をくれたが、実は車で帰る途中いろいろトラブルに巻き込まれていたのだった。
サンディエゴからロサンゼルスまでのハイウェイでは途中検問がある。それはメキシコからの不法移民を取り締まるための、国境警備隊の検問なのだが、それにまずSは捕まってしまった(普通はめったに捕まらない)。警備隊の一時停止警告に気付かず検問突破を図ろうとした疑いで捕まったSは、パスポート提出を命じられ、さんざん怪しまれた。たぶんこの人ももともとの怪しい風貌も疑惑を増したことと推測される。その後ハイウェイの出口を通り越してしまったSは、ハイウェイを降りてUターンしようとして気付いた。運転席側のサイドミラーが折りたたまれている。どうやら国境警備隊の尋問中に折りたたまれたらしい(もっと早く気付けよ)。人気のない小さなモールで、いったん’車を降り、ミラーを直したSはまたもや気付いた。ドアをロックしてしまった。そうインキーをしてしまったのだった。車はエンジンかかったまま。ドアは開かない。財布もメモも、何もかも車の中。助けを呼ぶこともできない。2時間後警備員に発見されたSはようやく鍵屋を呼んでもらい、なんとかホテルに帰り着くことができたのだそうだ。
なんてことだ。相変わらずだこの人は。Sよ、もう当分会うことはないだろうが、どうか元気で無事に日本まで帰っておくれ。

2005年3月27日

猫のごはん

最近猫に手作りご飯をやっているという話をよく聞く。ものぐさな私は、毎日猫のために手作りをする気はない。だってうちの猫たちときたら(特にノア)、2日と続けて同じものは食べないし、たいへん飽きっぽい好き嫌いの多い猫なのだ。手を変え品を変えしても、食べてくれないだろうと容易に予測できるので、無駄な努力はしたくない。
しかし、もしも、もしも手作りが好評だったら、週に2回、いや1回くらいなら作ってもよいと思う。『ニューヨークでのヨガ生活』の雅子さんのところではオーガニックの鶏胸肉の生食がお気に入りのようだ。手作り食を実践しているJ兄が日本から送ってくれた本にも、生肉をあげている人の話が書いてあった。生肉のほうが猫の体に良いと言う人もいる。生肉....、新鮮な刺身すら口にしようとしないノアが食べるとはとうてい思えないのだが、一度くらいなら試してみてもよかろう。
さっそく日系スーパーで地鶏の胸肉、Henry'sでオーガニックの鶏ささみ肉を買ってきた。なんと1ポンドあたり9ドルもする。たかっ!人間がいつも食べている肉と比べると5倍以上もする。ひ~。買えない、こんな肉とても毎日は買えない、と強く確信する私。しかし今日はお試しなので思い切って買ってみる。
さすが地鶏もオーガニックもどちらも色がピンクで、いかにも新鮮そうだ。ほんの少しだけ、包丁で叩いてミンチにしてみる。ささっ、どうぞ召し上がれ。
何これっ?!(疑) → 何これっ?!
こんなの食べられないっ! (拒否)→ こんなの食べられないっ!

いきなりたいへんな不評だ。一口も食べない。鰹節を混ぜ込んだり、必殺またたび粉末をかけたりしても、全然だめ。ノアはどんなに具合が悪くても、嫌いな餌でも、人間の手に乗せてあげると、お義理にでも食べてくれるものなのだが、今回に限っては一向に効果がない。生肉なんて食べたことがなければ、自分の食べ物だと認識することができないのだろう。ちっ。せっかく高い肉買ったのに。生肉1回目にして完全挫折。
仕方がないので、煮干と鰹節で丁寧に出汁をとり、鶏肉をゆでてみた。
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これは普通のささみ肉があるときに、たまにあげているので、これなら2匹とももちろん食べる。いつものささみと同じようにもりもり食べている。じゃぁ何も地鶏じゃなくたっていいじゃん。きー、むかつく。
最初からゆでて出してよね!(怒) → 最初からゆでて出してよね!(怒)

というわけで、猫用に買った高級地鶏とオーガニックささみは、もったいないので翌日鶏のつみれ鍋となって、人間様の胃袋に入ることになったのであった。うーん、さすが地鶏。うまひ~。
地鶏のつみれ鍋(人間のごはん) → 地鶏のつみれ鍋(人間のごはん)

2005年3月30日

がら子

ボランティア先に、12歳になるメス猫がいる。心肥大のため2日に一度ニトログリセリンを投与しなくてはならない。ドライフードも特別食だ。
このボランティア団体(FOCAS)の良いところは、一度この団体に保護された猫は決して処分されないことだ。ここにいる猫たちは、アニマルシェルターで処分寸前だった猫たちばかり。シェルターにいたら、こんなに治療費のかかる猫はすぐに処分されてしまったことだろう。しかしここでは、里親が見つかるまでどんなに治療費がかかっても(獣医が見放さない限り)、手がかかっても、きちんと世話をしてもらえる。
今までの傾向からすると、年をとって病気の猫は案外早く里親が見つかる。最後の安住の地を与えてあげたいと、心優しいアメリカ人たちの気持ちを動かすのだろう。先週もOpieという7歳になる生まれつき耳の聞こえない猫がきたが、3日とたたずに里親が決まった。里親になった高齢のカップルは、なんとご両名とも耳が聞こえない。お二人はすぐにこの猫を気に入ってもらってくれたのだ。きっととっても上手くいくことだろう。
ところで、心臓の薬が必要な12歳のメス猫。彼女が来たときのことをよーく覚えている。ミシェルから連絡があり、新しい猫を今から持っていくので準備をするよう言われて、電話でざっと経歴を教えてもらった。良くしゃべる猫で、名前はエスメラルダというそうな。エスメラルダ...、以前メキシコ人にでも飼われていたのだろうか。すごい名前だ。どんなにかわいらしいひ弱な子がくるだろうと思って準備していると。来た、これがエスメラルダ。
私がエスメラルダよ。なんか文句ある? → 私がエスメラルダよ。

かなりの迫力。他の猫たちの威嚇もなんのその。いきなりの番長出現。お世辞にもかわいらしいとは言いがたい、すさまじい柄。地獄の底からわきあがるようながらがら声で、『ぐぶぶみゃぁぁぁぁぁぐ』と鳴き叫ぶ。あまりにも名前負けしてると思われるので、勝手にがら子と呼ぶことにした。
しかしがら子はおじょうさま育ちらしく、たいへんな好き嫌いでドライフードを食べようとしない。缶詰を開けても食べないが、人間の手のひらからなら食べる。お腹がいっぱいになると満足げに、『ぐぶぶみゃぁぁぁぁぁぐ』と一声叫んだあと寝床に入った。案外かわいいやつなのだ。大丈夫。きみはすぐにもらわれていくよ、がら子。

2005年3月31日

恐怖の青空

ここ数日何かおかしいおかしいと思っていたが、やっぱりおかしかった。駐車場からアパートまでの道すがら、いやにひらひらしたものが目に付く。今日玄関を出たときにはたと気付いた。

ちょうちょがやたら多い!

そして空を見上げると、もう尋常じゃない数のちょうちょ、チョウチョ、蝶蝶。もう空一面わーっとちょうちょが飛んでいて、その恐ろしいこと。ひ~。(←なんて文章だ...)
私は特別ちょうちょが嫌いな訳ではないが、同じ場所でたくさんうごめいているようなものが非常に苦手なのだ。例えば大量のアリが何かにたかっていたり、大量のハトが頭上を飛んでいたりするのが大嫌い。むしろ1匹しかいないゴキブリのほうがまだしも許せる。
このゴミみたいなのがちょうちょ(分かり難いか...)。 → このゴミみたいなのがちょうちょ(分かり難いか...)。
この飛んでいるやつ!(まだ分かり難いか...泣) → この飛んでいるやつ!

なんとか駐車場までたどり着き、車を走らせるが、それからが怖かった。車に向かってわーっとちょうちょが飛んで来る来る。うちのアパートだけで異常発生していたわけではないのだ。うちから一番近いハイウェイの入り口辺りから、次のハイウェイへの乗り換え口辺りが最も大量で、恐ろしくてもう目を閉じてしまいたくなるほど。たまに、べちゃっ、べちゃっ、とちょうちょがフロントガラスにあたって潰れる音が車の中にまで届く。ひ~。気がつくと黄色いちょうちょ色の染みが点々と...。今日はものすごく天気の良い晴天の一日だというのに、狂ったようにウォッシャー液を振り撒きながらワイパーを最速に動かす私。
気持ち悪いよ~。あまりのことに耐え切れずに、目に付いたガソリンスタンドに飛び込み、必要もないのにガソリンを満タンにし、ガソリンスタンド備え付けのガラス拭きでゴシゴシこすって掃除した。
拡大するとこんな感じ。蛾か? → 拡大するとこんな感じ。蛾か?
関係ないがその隣にいたトカゲ。かわいい。 → 関係ないがその隣にいたトカゲ。かわいい。

気がつくともうその辺りではちょうちょなど全くいない。ほんの一部の地域だけだったのか。用事を終えての帰り道、恐る恐る大群地帯にさしかかると...。ひ~。数を増している。もう絶対これは異常。異常気象か異常現象で突然ちょうちょが大量発生してしまったのだ。なんとか家に帰り着き、さっそくローカルニュースをつける。きっと、これはトップニュースになっているはず。
スイッチオン。あれ...?いくら待っても全然やらない。なぜ?なぜ?誰かこの異常事態に気がづいて~!と思ったら、ようやく夕方の渋滞情報のときに取りあげられていた。「ちょうちょがそこら中に飛んでるから運転注意するように」、だって。知っとるわ!早く原因追求せい!
ソフィーもびっくり。 → ソフィーもびっくり。