猫にごはん

 

 

 

 

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2005年5月 アーカイブ

2005年5月 1日

モンゴルBBQ

メキシコとの国境の町San Ysidroの大きなアウトレットがある。あまり買物に興味がないので、メキシコへは何度も遊びに行きながら、ここはいつも素通りしていたが、たまには服でも買おうではないかと、出かけることにした。
だいたい日本でも買物など好きではなかったが、アメリカのモールはどこも巨大過ぎて、店に入ることを考えただけでも疲れてしまう。ましてや巨大な店がたくさん集まるアウトレットなどもってのほか。思いたったはいいが、どんなに疲労するかは容易に想像がつく。アウトレットに着くと、まずできるだけ店の近くに駐車場を確保し、地図を見て、行きたい店の最短距離を探す。目当ての店など2~3軒しかないのだが、途中で休憩するフードコートの場所までしっかり覚えて、いざ出陣。
ここは広々して気持ちのいいアウトレットだ。人も少ない。メキシコ人率は80%くらい。Gパン、シャツ、夏物セーターなど手早く買物を済ませた後、目当てのフードコートへ。きっとタコスがあるに違いないと思ったが、意外にアジア料理とアメリカ料理しかない。中で一番目立っていた、モンゴル料理の店に入る。モンゴルBBQといっても、かなりアメリカ向けにモディファイされているように見える。
これでも普通の盛り付け。 → これでも普通の盛り付け。

丼程度の大きさのボールに、肉、野菜など好きなものを自分で入れ、最後にソフト麺のような黄色い麺を乗せる。その乗せ方がまたすごい。先人たちの様子を見ていると、もうこれでもかというほど山盛り。それは盛りすぎでちょっと恥ずかしくはないだろうかと、傍目で心配になるほどじゃんじゃん盛る。こぼれてもへっちゃらだ。うーん、すごい。そこでこちらも同じように山盛りに麺を乗せる。更にたれや調味料を指定し、全部まとめて、店の人が巨大な鉄板で焼いてくれるのだ。見た目焼きうどんだ。ほんとにモンゴル料理なのか?
カメラ目線のモンゴル人(たぶん)店員。 →カメラ目線のモンゴル人(たぶん)店員。

食べてみると、意外や意外。おいしいではないか。それにしてもすごい大盛の焼きうどん。よかった二人で1つにしておいて。しかし周囲を見回してみると、メキシコ人の若い女の子も、家族連れも、みな一人1つ食べている。すごい人たちだ。
見た目も味も焼きうどん。スープはなぜか味噌汁。 → 見た目も味も焼きうどん。

買物を終えてふと見ると、アウトレットのすぐ向こうに黒いフェンスが広がる。高さ10メートルくらいはあるだろうか。これが国境だ。国境の向こう側には、崖っぷちにまで小さな家がひしめき、人がたくさんいる様子が分かる。それに比べて、アメリカ側は広々とした空き地にぽつんとアウトレットや駐車場があるだけで、人家など見渡す限りない。こちら側でブランド物を買っているのは豊かなメキシコ人たちで、向こう側には物乞いをするメキシコ人たちがいる。向こうからはこの黒いフェンスがどのように見えるのだろうかと、しばし物思いにふける。
国境の黒いフェンス。 → 国境の黒いフェンス。

2005年5月 4日

祝 開通!

うちの前の道路が今日の夕方めでたく開通した!これが何で喜ばしいことかというと、この道路はかれこれ8ヶ月の間工事中で閉鎖されていたのだ。去年の夏、近隣住人宛に届いた工事の案内によると、雨季の洪水対策のため1ヶ月間工事のため道路は全面閉鎖すると書いてあった。ところが、工事が始まったのが、そもそも1ヶ月遅れ。工事事態も遅れに遅れ、なんとこんなに長期にわたってしまったのだ。当然目的の雨季にも間に合わず、雨が降るたびに道路は洪水のように水があふれていた。

ところで、先日日本でおこった大きな列車事故のニュースは、アメリカのニュースでも何度も取りあげられている。知り合いのアメリカ人に、電車が数分遅れたり、ホームを少し越えて止まったりすると日本では非常に厳しく責任追及されたりするのだと話すと、とても驚いていた。電車のダイヤなどあってないがごとくのアメリカでは、そんなこと考えられないのだろう。何せアムトラック(大陸横断鉄道)は数時間は遅れるものだと、誰もがあたりまえのように思っているような国だから。
事故の直接の原因はまだ分からないようだが、ネットで日本のニュースを見ていると、事故とは関係なさそうなことでJRが責められているようでますます驚く。今回の事故とは全く関係のない、誰にも被害がなかったようなミスまで、まるで鬼の首でもとったかのようにニュースで取りあげている。JRトップの記者会見では、何の権利かどこかの記者が罵倒したりしている。まだ原因も分からないのに。非番の人がボウリングに行ったら、何がいけないというのだろう。JRに勤めていたら全員反省して家で謹慎していなくてはいけないのだろうか。そんなことまでニュースにして追求し始めたら、一挙手一投足に怯えて何もできなくなる。もちろん事故をおこしたJRをかばうつもりはないが、ニュースの報道の仕方がおかしいように思えてならない。
重箱の隅をつつくように、直接関係のないことまでしつこくしつこく追求するような日本のマスコミは、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いという感じがして、見ていてたいへん不愉快だ。

話は戻るが、この道路は5車線もある広い道路だが、工事期間中は両側歩道も含めてもちろん全て閉鎖。おかげで、うちなどどこへ行くにも毎回1キロは大回りをせざるを得なかった。往復2キロだ。ガソリン代を返せといいたい。しかし誰も文句を言わないところが不思議だ。
そんな道路がようやく開通した。さっそく通ってみると、おぉ!なんて便利なのだ。いやもちろん工事前までは、当たり前のように使えていた道路なのだが、不便だった期間が長かったせいで、使えるようになると驚くほどありがたく感じる。今ならさんざん遅れた工事の人にも、文句の代わりに、ついありがとうと言ってしまいたくなるほどだ。Jなど、めでたいから市長でも呼んで開通式でも大々的にやってもらいたいものだと喜んでいる。

全く関係のない二つの話だが、アメリカのいいかげんで適当なやり方のほうが、不便ではあってもずっと健全な気がして私は好きだ。
祝 開通! → 祝 開通!

2005年5月 5日

カーネーションと毒花

今日は年に一度の陶芸セールだ。売っているのはもちろん生徒たちの作品ばかり。これはいったいなんぞ?と首をかしげるようなものから、どこへ出しても恥ずかしくないような大皿までかなりレベルの差が激しい作品がたくさん並ぶ。寄付した作品の大きさによって、生徒にポイントがたまるようになっており、生徒たちはこぞって失敗作を、もとい、大作を寄付するのだ。今回のセールで売れなければ次のセールまで持ち越しするので、その数もう数え切れないほどたくさんある。
いびつな器が並ぶセールの様子。 → いびつな器が並ぶセールの様子。

この時期母の日にちなんで、カーネーションを中心に、そのまま売るにはあまりにもいびつな、もとい、大作の花器に花を生けて、花付きで売る。けっこう安いので、いつも花付きの器からどんどん売れる。花は、市場で安くまとめ買いしたり、誰かが庭で育てているものを寄付したり、そこらから手折ってきたりする(いいのか?)。種類はそう多くはないが、シダやハーブなどの緑も豊富で案外充実している。
今回私は、花を生ける手伝いをした。フラワーアレンジメントをやるのはまだ2回目。こんな機会でもなければ花などめったに手にすることがないので楽しい。値段も気にせず好きなだけ花を使えるのもうれしい。自分でも1個買った。もちろん自分で生けた花だ。新鮮なローズマリーがあったので、あとで料理に使おうと思ってそれもたっぷり入れてきた。うっしっし。
フラワーアレンジメント2度目の挑戦。 → フラワーアレンジメント2度目の挑戦。

家に帰ると、さっそく花好きなソフィーがチェックする。そしてなぜかローズマリーに興味津々。しきりに匂いをかいでいたかと思うと、噛んだり、ごしごし頭をこすりつけたり、まるでキャットニップのようだ。同じハーブだから猫に何らかの効果があるのだろうか。
ローズマリーに興奮中のソフィー。 → ローズマリーに興奮中のソフィー。

ところで、あとで聞いたところによると、今回の花の中に毒花が含まれていることが発覚して、あわてて回収作業をしたそうだ。毒花!誰だ持ってきたのは。紫の小さな花だったそうだが、幸い私が買ったものには入っていなかった。よかった、ソフィーが食べなくて。
Kさんのフラワーアレンジメント。外人に大人気。 → Kさんのフラワーアレンジメント。外人に大人気。

2005年5月 6日

返品の理由

ボランティア先で、ふと入り口をみると、猫のキャリーケースをかかえた人がいる。その人の物問いたげな様子から、猫の返品に違いないとすぐに思った。たいへん品の良い白人のおじいさんだ。めずらしい。猫を返品しに来る人には今まで何度も会ったが、過去の経験から、お年を召した方には会ったことがない。
話を聞くと、やはりこの猫を引き取って欲しいという。その理由は、猫の飼主が先日亡くなってしまったからだというのだ。この猫は、近所のおばあさんが飼っていたのだそうだ。亡くなった方とは仲のよいお友達であったに違いない。おじいさんは小さく折りたたんだ布で涙をおさえながら話してくれた。
そして飼主であったおばあさんがアダプションをしたときの書類を差し出す。確かにここでもらわれた猫に間違いない。日付は1997年。8年前だ。書類は当時のアダプション申込書から最近の獣医の書類まで、きちんと日付順に整理されている。ゴムの代わりに、猫の首輪で書類がとめられていた。かわいらしい首輪には住所・電話番号が刻まれたIDタグ(迷子札)までついている。
おばあさんは猫をずいぶんかわいがっていたのだそうだが、亡くなって、誰も世話をすることができないから、ここに持って来ざるを得なかったのだ。書類の他にも、猫用ベッド、餌、おもちゃ、タオル、トイレ、猫のものは全て持ってきていた。
もちろん猫を受けとる。このボランティア団体は、返品は理由の如何に関わらず、いつでも即座に受け付けるのだ。一旦この団体で世話した猫は、どんなに時間がたっていても、どんなことがあっても最後まで面倒をみるというのが団体の趣旨なのだ。
これが大好物の餌、これが大好きなおもちゃ、などと涙をぬぐいながらも、私に丁寧に一つ一つ説明してくれる優しいおじいさん。亡くなったおばあさんは最後まで猫を気にされていたそうだ。大事に飼われていたのだと思われるこの猫は、きれいでたいへんおとなしく、一緒に説明を聞いているかのようにじっとしている。2歳だった猫は、10歳になって戻ってきた。がんばって新しい飼主を見つけるまで、この子はここできちんと世話をするので大丈夫。心配しないでとなぐさめると、おじいさんは頷きながら帰っていった。
猫を掃除したてのケージに入れ、置いていった荷物を整理した。その中に、ヒモと何かの蓋で作ったような、明らかに亡くなったおばあさんの手作りと思われる小さなおもちゃを見つけて、私も涙がでてしまった。かわいがられていたんだね。かわいそうにね。愛する飼主を亡くしてしまった不運な猫。随分前におばあさんが買ってくれたのであろう、よく使い込んだ自分のベッドの中で、くるりと丸くなった猫の頭を、今朝はずっと撫でてやった。

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2005年5月 8日

いちご狩りの1日

今日は念願のいちご狩り。アメリカの、でかいばかりで酸っぱいいちごではあるが、一度はしてみたいと思っていたいちご狩り。Kさんを誘って、車で20分ほど北にあるいちご畑(Carlsbad Strawberry company)へ向かう。暖かく晴天で、まさに絶好のいちご狩り日和だ!
いちご畑の入り口。 → いちご畑の入り口。

いちご畑の入り口で、バスケットを買って、そこに摘み放題。バスケットは大8ドルと小4ドルがある。少ないような気もしたが、とりあえず2人で一つ大を買った。バスケット売りのスタンドが駐車場近くにぽつんとあるだけで、畑にもどこにも監視する人などいない。のんきなものだ。見ると、摘みながら、食べながら歩く人々。人はたくさんいるが、畑が広いので、全然混雑している雰囲気はない。
真っ赤に熟したいちご! → 真っ赤に熟したいちご!

いちごは真っ赤なものから、まだ緑のもの、大きさも巨大なものから、小粒のものまでさまざまある。良さそうなのを選んで一つ食べてみると、あっま~い。こんな甘いいちご、アメリカにもあるんだ。すごくおいしい。摘みたては太陽で温まってまるでジャムのよう。せっせと食べたり、摘んだり、写真を撮ったりしたが、バスケット一杯のいちごを摘むのは、思いのほか時間がかかる。いちごを摘みは、かなりたいへんな作業なのだった。みんながんばって、山盛り摘んでいる。
子供も山盛り。 → 子供も山盛り。
おっさんも山盛り。 → おっさんも山盛り。
食べながら畝の中を歩く小さな女の子。かわいい。 → 食べながら畝の中を歩く小さな女の子。かわいい。


帰りの車の中は、Kさんが摘んだいちごと、Jと私が摘んだいちごでむせ返るような甘いにおいでいっぱいだ。家に帰って量ってみると、バスケット1つで2キロも入ってた。誰だ、少ないかもなんて言ったの。それにしてもいったいどうやって食べればいいのだ、こんなに大量のいちご。いちご畑ですでに食べ過ぎたので、少なくとも今日はもう見る気にもならない。とりあえず冷蔵庫にしまって。うーん、どうしよ。
本日の収穫。 → <br />
本日の収穫。

2005年5月10日

現金の威力

Nielsenという会社から一通の郵便が届いた。どこで調べたか、ちゃんとJのフルネームと住所が書いてある。この会社は、アメリカの有名な視聴率調査会社だ。おぉ、我が家が全米視聴率のリサーチ対象になったかと、感心して郵便を開けると、入ってる入ってる。なんと現金!5ドル。そしてアンケートの分厚い冊子。1週間家族の誰がどの番組を見ていたか、もしくは見ていなかったか、それを15分おきに記録せよと。ひー。細かっ。
それにしても現金を郵便で送ってくるかね。別にこれは義務ではないので、回答する必要はない。お金だけしっかりいただいて、アンケートはこのままゴミ箱へ捨ててしまっても一向にかまわないのだが、そこは人の子。5ドルとはいえ、先にお金をもらってしまうと、どうも捨てるのが心苦しい。いったいどれくらいの人がこんな細かいアンケートに答えて回答するんだろうなぁ。5ドルというのはこの会社にとって割に合っているのだろうか。
アメリカはたくさんテレビのチャンネルがある。それぞれ加入しているケーブル会社によっても違うが、うちのケーブルテレビでも、チャンネル数は80近く。多い人だと、300もあるだろうか。ケーブルに加入していない地上波だけでも15くらいのチャンネル数があるのだ。これだけあれば、人気の傾向などさっぱり分からないかと思いきや、案外そうでもないのだ。
Nielsenのサイトを見ると、人気のある番組の中には、アメリカンアイドル(昔のスター誕生みたいなオーディション番組)、CSI(刑事ドラマ)、Everybody Loves Raymond(コメディ)など、うちでもたまに見るような番組も入ってる。けっこう信憑性ありそうだなぁ。
アメリカのどんなアンケートでも、ほとんどいつも聞かれるのは、『人種』。なんでも人種別に統計とりたいのね。確かにこういう視聴率調査なんかでは、人種別に見る番組が違うだろうから、聞きたくなるのも分かる気がする。
うちでよく見るチャンネルは、ニュース番組のほかは、なんといってもAZN(一日中アジアの番組。毎朝日本のニュースを1時間やっている)。 Food Network(一日中料理番組。『料理の鉄人』の再放送も毎日やっている)。 Animal Planet (一日中動物番組)。 History Channel(一日中歴史番組)など。80もチャンネルがあったって、結局いつも見るのは決まってしまうのだ。アンケート、答えるの案外簡単そうだ。
それにしても1ドルの新札、久しぶりに見たなぁ。
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2005年5月11日

マダムと犬

知り合いの日本人女性の家にお昼によばれた。この方はいわゆる駐妻(=海外駐在員の妻)という人種で、世界各地に転々と長いこと住んでいる。駐妻の夫は、日本の大手企業の海外駐在員として働いているので、高給取りの方が多いのも特徴的だ。
駐妻に対して、ミリ妻(ミリタリー=軍人の妻)というのもある。軍港の街サンディエゴでは、ミリ妻も多い。互いにあまり仲がよくないという話も聞いたことがあるが、どちらでもない私はこの手の興味深い情報がさっぱり入ってこないので残念だ。
さすがに広い庭付きの豪邸。高級住宅地。うーん、こういう生活もあるのね。
このお宅には犬が2匹いる。ダックスフンド(mix)の10歳になる兄妹だ。2匹はマレーシア生まれで、赴任中のご主人とともに今はサンディエゴに住んでいる。聞くところによると、マレーシアでは犬は不浄の動物と見なされており、外を散歩させてはいけないのだそうだ。ゆえに、犬を飼っている人たちは広い庭を持つお金持ちが多いのだそうだ。庭から一歩も出たことのなかったこの犬たちも、サンディエゴに来て初めて外を散歩することができた。他の犬を見たことがないから、今でもすぐに喧嘩になってたいへんなのだそうだ。
南国育ちの犬たちは、昼間はいつも洋服を着て日向で寝そべり、夜は夏でも布団にしっかり包まって寝る。非常に寒がりなのだ。かわいがられて育った、大人しい犬たち。どちらも人懐っこくかわいらしい。
甘えん坊のダックスフンド。 → 甘えん坊のダックスフンド。

初めて会う客に喜ぶ犬たちは、それぞれお気に入りのおもちゃをくわえてきて見せてくれる。そのうち、ボールをくわえて、ちゅっちゅっとやりだした。その目は宙を泳ぎ、肉球を広げてもみもみしている。おぉ、これは猫と同じ仕草だ。うちの猫たちもそれぞれお気に入りの毛布で毎日やっている。うちではこれを自慰行為と呼んでいるが、人さまの家ではもちろんそんな発言はしない。かわいいですねぇ、と何枚も写真を撮ってきた。あぁ犬も欲しいなぁ、と憧れる。
自慰行為中。 → 自慰行為中。

ところで、この家に着くなり、犬たちに体中においを嗅がれた。猫のにおいがするのだろう。
そして家に帰ると、今度は猫たちに体中においを嗅がれた。犬のにおいがするのだろう。これはマレーシアの犬のにおいなのだよ、と説明してみたがそんなこと猫たちにはわかるはずもないのだった。マレーシア生まれの犬、日本生まれの猫。本来なんの接点もないはずだったのに、みんななんの因果かこんなところに連れてこられて、かわいそうにねぇ、と猫の頭を撫でながら、他人事のように感慨深く思うのだった。
マダムの膝でご満悦。 → マダムの膝でご満悦。

2005年5月12日

まねき黒猫

サンディエゴの有名寿司店へ行ってたいへん不愉快な思いをしたと、先月のエントリーに書いたところ、そんな寿司屋ばかりではない、雪辱戦をやろうと、Kさんからお誘いがあった。そもそも我が家はめったに外食をしないので、寿司屋どころか、和食の店はほとんど行ったことがないのだった。こういう機会でもなければ、寿司屋など特に不快で2度と行く気にもならなかったが、Kさんの旦那さん(いわゆる『駐在さん』です)は、たくさん店を知っている。行きつけの寿司屋Toshi-sanへ連れて行ってもらうことになった。
カウンターに座り、ご主人ににぎってもらう寿司。うーん、こういうの久しぶりだ。ひらめに始まり、最後の山盛りうにイカ手巻きまで、かなりたくさん食べた。どれもおいしいー。特に新鮮なうにが絶品なのだ。
店を見渡すと、外人の一人連れもけっこう多い。私の隣でカウンターに座って本を読みながら食べていたアメリカ人も、よく来るらしく実に渋く一人で寿司を食べていた。あんきもや、ホタテ、エビの刺身を切ってもらった後、少しにぎりを食べ、残ったエビの頭はフライにしてもらっていた。ご主人に聞いたところ、アメリカ人でも詳しい人は日本人以上に、マニアックにおいしいネタをよく知っていて、毎日一人で食べに来る常連さんもいるそうな。最後に頼んだ味噌汁をれんげですくって飲んでいたところがかわいらしかった。
それにしてもどれも、めちゃくちゃうまいっ!おいしいお寿司屋さんもあるではないの。同じ寿司でもこうも違うかと驚くほど、おいしい。前回と店も違うので、比較するのもどうかとは思うが、ぜーんぜん味が違う。あのとき一緒にまずくて高い寿司を食べたアメリカ人たちに、食べさせてあげたいなぁ、こういう寿司。

ところで、帰りがけにこの店で有名人に会った。ご家族連れで来ていたこの方とは、明日も、全然違うある場所で会うことになるのだった。<続く>

カウンターには黒猫のまねき猫。 → <br />
カウンターには黒猫のまねき猫。

2005年5月13日

昨日の続き

寿司屋で見かけたサンディエゴの有名人といったら、やはりパドレス唯一の日本人大リーガー大塚選手。帰り際に、寿司屋の主人と何やら合図していたのを見逃さなかったぞい。

-アシタ、ナゲル?-
-ウン。ナゲル。-
(たぶんこんな感じだった。かなり想像入ってる。)

というわけで、突如行くことに決めたサンディエゴ・パドレス対フロリダ・マリーンズ戦。場所は地元PETCO Parkだ。当日だったので手ごろな席がなく、Park passという一番安い5ドルのチケットを買った。これはもうほとんど場外のような場所で、広々とした芝生があるだけで、椅子もない。
ほとんど外。 → ほとんど外。

行ってみると芝生では、子供たちが野球をしており、家族連れがシートの上で寝そべっていたり、まるで野球場とは思えない。広いので遅れていった私たちも、楽に座る場所を見つけることができた。
芝生にもフロスティー売り。 → 芝生にもフロスティー売り。

パドレス優勢で試合は8回表。でたっ。大塚選手!昨日のおいしい寿司の成果がでたか、無難に中継ぎの役割を終えた。日本人の選手が活躍しているのを見るのはうれしいものだ。
そして9回。パドレスの押さえの守護神Trevor Hoffmanが、テーマ曲(この人だけ)にのってでてくると、観客は一斉に、"Trevor Time"のデザインが入った白いTシャツを大きく振り回す。このTシャツは入り口で全員がもらえる。今日はTシャツプレゼントの日なのだ。プレゼントの日はパドレスの公式サイトに載っていて、サンバイザーやクーラーボックスなどいろいろある。もちろん大手スポンサーの提供で、Tシャツにも広告が入ってる。
総立ちでTシャツを振り回す。 → 総立ちでTシャツを振り回す
芝生でも大騒ぎ。 → 芝生でも大騒ぎ

アメリカのプロスポーツ観戦をしているといつも思うが、観客がよーく盛り上がるのだ。球場側も、盛り上げるためにずいぶん企業努力をしている。場内の大画面には、暇さえあればランダムに観客がアップで大映しにされ、手拍子タイム、足拍子タイム、クイズ、ゲーム、プレゼントタイムなどなど。同じことを日本でやっても無理だろうなぁと思うのは、アメリカ人は大人も子供もノリが違うからだ。みんな素直に盛り上がる。大リーグ名物、7回のセブンス・イニング・ストレッチといわれる野球の歌(『Take me out the ball game(私を野球に連れてって)』)のときなど、ほとんど観客全員が立ち上がって、大きな声で振りまでつけて歌うのだ。本当にノリのいい人たち。パドレスのような毎年成績もぱっとしないチームであっても、盛り上がる盛り上がる。
試合結果は、3-2でパドレスの勝ち。やった!

車椅子用の席もいっぱい。 → 車椅子用の席もいっぱい。

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2005年5月16日

驚異の土

以前にも書いたが、うちのベランダは何を植えてもみんな枯れる。唯一育つものといったら、猫草だけ。しかし春にもなり、先日訪問したお宅の、花が美しく咲き乱れる庭を拝見して、これではいかんと決心した。テレビのCMでしきりに宣伝している、Miracle-Groという、植物が驚くべき成長をとげるという土を買ってきた。CMを見る限り、この土さえ使えば何を植えても失敗しないし、驚異的な早さで花も野菜もぐいぐい成長するようだ(ほんとか?)。
さっそく、プランターの土を入れ替え、種をまいた。数日後、おぉ、さっそく芽が出た。と、思ったら芽が出たのは、やっぱり猫草だけなのだった。
猫草だけが成長する呪われた不毛地帯。 → 猫草だけが成長する呪われた不毛地帯。

しかし猫草の成長具合は、確かにいままでの土よりも良いよう(な気がする)。気のせいか、いつもよりも緑も濃くて太くて立派な猫草(のように見える)。ま、いいか。うちには猫草が大好物な猫が1匹いるのだ。ソフィーおじょうさまが1日10本は軽く食べてしまうので、いつも猫草が足りなくなってしまうのだ。
ささっ、おじょうさま。できたての新鮮な猫草をお召し上がりくださいまし。 〈好評につき、猫草を食べるソフィーの写真を再び〉
猫草ちょうだーい。 → 猫草ちょうだーい。
あーん。 → あーん。

あぁ、そのうち他の植物も成長してくれるかなぁ...。

2005年5月18日

ボランティア紹介

いつも行っているボランティア先がどんなところかというと、こんなところ。
店の入り口。 → 店の入り口。

PET'sMARTという大きなペット用品チェーン店の中にある里親探し(アダプション)コーナーで、ボランティアをやっている。どれだけ大きな店かというと、一つの店の中には獣医、グルーミング店、ペットホテル、犬のトレーニング場、そしてアダプションコーナーがついているほどの大きさだ。サンディエゴ近郊だけでも10店も店がある。ペット用品も、犬・猫・鳥・魚・馬・その他と数多い。
広い店内。 → 広い店内。

しかしこんな大手のペット用品店でも、生体を売っているのは、鳥と魚だけ。猫や犬に対しては、ボランティア団体に場所を提供し、捨てられた動物のための里親探しのコーナーを店内にもうけているだけなのだ。純血種や血統書付きの猫を売っている店など見たことがない。アメリカには動物保護団体がたくさんある。それらの場所は、各地の地元のボランティア団体に提供されているのだ。
猫用品売り場。 → 猫用品売り場。

ケージの数は、店によって違うが、ここには常時12のケージがある。もちろん無料で提供されるこれらの場所のほかに、店からは猫の餌、砂、おもちゃ、爪とぎなど与えてもらえる。ほとんどが客からの返品や不良品の商品だったりするが、新品も必要に応じてもらえる。店側は動物の世話は一切しなくていいし、こういう協力をしていることを、CMでもしきりにアピールしているので、良いイメージアップになっているのだと思う。
ここの猫たちはみな、去勢・避妊手術、全ワクチン、マイクロチップ装填済みだ。手術やワクチンは、店に入っている獣医が無料でやってくれる。ボランティア団体に協力した分は、寄付と同じ扱いになり、税金免除になるのだ(グルーミングも同様)。猫をアダプションすると、その里親は、店の商品の他、獣医・グルーミング・ペットホテルでも利用できるクーポン券がたくさんもらえるので、そのまま顧客確保にも繋がる。店にとっても損なことではない。
猫のアダプションコーナー。 → 猫のアダプションコーナー。

私が所属しているボランティア団体FOCASFriends of County Animal Shelter)は、サンディエゴにあるの2つの店の中に入っている。猫のケージ数にすると合わせて30余りしかないのだが、ボランティアの人数はおそらく200名はいると思う。ボランティアをした時間を、一部単位に換算してくれる学校があるそうで、学生も多い。
店で猫の世話をする人のほか、事務だけをやる人、年にいくつもあるイベントを企画する人、シェルターと協力して犬のアダプションをやる人、運搬係などなど。フォスターファミリーといって、病気や子猫など問題のなる猫を一時的に自宅で預かって世話をするボランティアもたくさんいる。猫がもらわれてケージが空くと、フォスターファミリーの猫の中で、準備OKな猫が店頭に並ぶ仕組みになっている。先月中旬の段階では、団体全体で約100匹の猫が世話されていた。
このボランティア団体は、地元で30年近くも続いている古い組織だ。ほぼ全員が無償で働いているが、コーディネーターなど一部給与をもらって雇われている人もいる。運営費は全て寄付でまかなわれている。ぽーんとまとめて考えられないほどの大金を寄付してくれる個人も、大手ペットフード店など企業からの寄付も、多い。寄付金は免税の対象になる。寄付をした人の名は、大々的に会報誌に載る。アダプション費用は、1匹100ドル。これも全部運営費にまわる(これももちろん里親側の税金免除になる)。年間収支決済は、ボランティア全員と大口寄付をした人に開示されている。
猫のケージ。 → 猫のケージ。

はぁ。これだけ書き連ねて、ため息がでる。

よくできた仕組みでしょう。うまく回っているでしょう。非常にアメリカらしい。誰も損はせず、商業主義といってしまえばそれまでだが、かわいそうな捨て猫が少しでも減っていることは事実だ。ボランティア団体側も余裕があるので、猫は一切安楽死などさせられずに、病気であっても最後まで面倒をみてもらえるのだ。一度この団体に来た猫は、何年たってどんな理由があって返されても、返品を受け付ける。そして再び新しい里親が見つかるまできちんと世話されるのだ。
ボランティアが社会に根づいているとは、こういうことを言うのだろう。
それともう一つ。子猫だけではなく(もちろん子猫はいつでも人気があるが)、大人の猫でも100ドルだしてももらってくれる人がたくさんいること。これがうまく回っているそもそもの要因なのだろう。そういう意味では、アメリカ人はほんとうに偏見がなく、大きくても年をとっていても、気に入った猫を、わりと気軽に(そう見える)家に引き取ってくれる。もう2年以上このアダプションコーナーでボランティアをやっているが、これにはいつも驚かされる。だいたい月に30匹は里親が見つかるのだ。

日本でも、いつかこんなことできるといいのに...。

2005年5月19日

髪を切ったあとは...

最近頭が重くて肩もこる。もうこれは絶対伸び過ぎた髪の毛のせいに違いない。
今までカンボジア人のビッキーに髪の毛を切ってもらっていたが、久しぶりなので今日は思い切って、日本人経営の店へ行く。初めてだ。予約の電話も日本語。店の雰囲気も日本。美容師さんも当然日本人。微妙な注文もできる。なんて楽なのだ。
「かゆいところはありますか?」
と日本のように聞かれるかな-と楽しみにしていたのに、残念ながら聞かれなかったが、それ以外は全く日本の美容院と一緒だった。
30cmは切った髪。床に落ちた髪を掃除しながら、カツラがひとつ作れそうですねと言われた。これで1キロは体重も減ったような気がする。軽くなったー。値段は36ドル。ビッキーのところと比べると倍以上だが、仕上がりはかなり満足なのでうれしい。これからはもっとひんぱんに切るようにしよっと。

家に帰ると、さっそくチェックが入る。猫たちはなぜかすぐに髪を切ったことに気がつくのだ。こんなに身長差があるのに不思議なことだ。ノアは全身を伸ばして、髪のにおいを嗅ぎたがる。かわいい子だね。
今日は髪のにおいが違うね。 → 今日は髪のにおいが違うね。

そしてソフィーは...、逃げた。きー、失礼なっ。
何だか、怖っ。 → 何だか、怖っ。

2005年5月20日

仰向け抱っこ

ノアは仰向けに抱っこされるのが大好き。それは子猫のころから、Jにそうやって抱かれ続けていたから。Jは仰向けにしか猫を抱くことができない。そしてJはノアで(と?)遊ぶとき、いつもいつも仰向けに抱っこするのだ。


やぶ猫さん
(『猫のやぶにらみ』)の記事によると、
『猫と飼い主の美しい関係の証(あかし)として、人も羨む姿と言われているのが、おとなしく「仰向け抱っこ」されている猫です。』

見よ、この美しい関係の証を! → 見よ、この美しい関係の証を!

そんな仰向け抱っこにすっかり慣れてしまったノア。今では仰向けのまま腕の中でうとうと寝てしまったり、ほおっておくと、ふがふが言いながらいつまでも抱っこされたままでいる。大好きなのだ、この抱っこが。美しい証ですなー。

子猫の頃も仰向けで爆睡。→ 子猫の頃も仰向けで爆睡。

それなのに、同じように育てたはずのソフィーは、仰向けが大嫌い。仰向けに抱きかかえられると、まるで罠にかかった小動物のようになってしまう。目が宙を泳ぎ、罠から逃れようと全身をつっぱって硬くする。5秒と抱いていられたためしがない。何もそこまで嫌がらなくても...。
それでもソフィーは仰向けにさえされなければ、抱っこが嫌いではないのだ。胸に抱きかかえて、肩に猫の上半身を乗せるような感じで抱けば、おとなしくしている。しかしJはこの抱き方ができない。だからソフィーを抱くことができるのは私一人なのだ。うっしっし。
た、助けて~。 → た、助けて~。

しかし、上記やぶ猫さんの記事を読んで以来、これではいかんと決心。毎日少しずつ、ソフィーを仰向けに慣れさせるようただいま訓練中。早く美しい関係を築きましょうね。

ひ~! → ひ~!

2005年5月21日

薄餅

今日は友人L(ベトナム系アメリカ人)が夕飯を作ってくれるという。メニューは、Banh Xeo(バインセオ)という、ベトナムのお好み焼きのようなものだ。
作り方は、薄餅粉というバインセオの素を使う。この粉に、カレーパウダー、ココナッツミルクパウダー、卵黄、その他調味料などを入れて水で溶き、フライパンで焼く。具は、玉ねぎ、エビ、豚肉、もやし。生のもやしが入るところがいかにもベトナム料理らしい。
具を焼いた後、液体を流し入れる。 → 具を焼いた後、液体を流し入れる。

薄く焼き上げ、これを、サニーレタス、ミント、香菜で包んで、たれにつけて食べるのだ。たいへんシンプルな料理だが、これがまたおいしい。油で焼いているのに、生野菜と一緒に食べるので、全然脂っこく感じないのだ。たれは、にんにく・とうがらし・酢・砂糖・ニョクマム(魚醤)などで作る、甘酸っぱ辛い、さっぱりたれ。このたれが生野菜と本当に良く合うので、ミントや香菜などのハーブ類を普段は考えられないほど大量摂取できるのだ。
最初は、これだけでは量が足りないかな?と思ったが、バインセオ2枚も食べれば、もうお腹いっぱい。ベトナム料理は本当にヘルシーだこと。
今日の夕飯。 → 今日の夕飯。


2年近く前のことだが、里帰りするLと一緒にベトナムへ遊びに行ったときに、食べたバインセオ。写真を比べると、今日作ったのはパリパリ感に欠けるが、これはガスコンロを使っていないので仕方がないのだ。ベトナムでは超強火の直火で、あっという間に焼き上げていた。
ベトナムで食べたバインセオ。 → ベトナムで食べたバインセオ。

この写真は、ホーチミンでとても人気のあるバインセオ専門店(Banh Xeo 46A)だ。あぁ、おいしかったなぁ、ベトナムで食べたご飯の数々。お腹さえこわさないなら、また食べに行きたいものだ。
強火で焼き上げる本場のバインセオ。 → <br />
強火で焼き上げる本場のバインセオ。


ところでLは2ヶ月前に結婚したばかり。新婚の旦那とはビザがおりるまでしばしの別居生活ではあるが、左手の薬指にきらめく新しい結婚指輪のせいか、何だか人が変わったように素直で性格が丸くなった(ような気がする)。かわいいのう。

2005年5月22日

手作りな人たち

知人Iの家でお昼ごはんをごちそうになった。この家は、サンディエゴのダウンタウンから程近いところにあるのだが、とてもそうは思えないほど野性味あふれている。
本当に飼っている動物はハゲタカだけで、その他勝手に庭にいついてしまった猫十数匹(ちゃんと避妊手術・ワクチンはやっているそうだ)。夜な夜な猫の餌目当てにやってくる、スカンクそして、オポッサム
おとなしいハゲタカ。 → おとなしいハゲタカ。

オポッサムというのは初めて聞いた。これはアメリカで唯一残る有袋類で、カンガルーのようにお腹の袋に子供を入れて育てる生きものだそうだ。一見めずらしそうだが、ここではよく出現するらしく、ネズミ捕りの罠で仕掛けて、野生の土地に捨てに行くとのこと。彼が言うにはものすごくugly(醜い)で、気持ち悪いのだそうだ。見た目はねずみのようで、猫くらいの大きさがあるそうな。想像するだけでかなり怖い。
オポッサムの罠。 → オポッサムの罠。

帰りがけに、味噌をもらった。手作りの白味噌だ。
最近なぜか手作り味噌をもらう機会が多く、今うちの冷蔵庫には、いただいた手作り味噌だけで3種類もある。手作り味噌なんて日本にいたときは、誰からも一度ももらったことがなかった。アメリカに長く住んでいる日系移民の方は、昔はいい味噌など手に入りにくかったのだろう。その習慣が残ってなのか、今でも手作りをしているのだそうだ。先日味噌をくれた人は、味噌を作ったときにできる『たまり醤油』も分けてくれた。うーん。渋いではないか。とてもアメリカにいるとは思えん。
その他、年配の方からの最近の渋いいただきものとしては、手作りのつきたて『のし餅』。手作りの『高菜漬け』など。こんなものばかり冷蔵庫に入っていたら、そりゃあ毎日和風な食卓にもなるわな。
どれも個性的なアメリカの手作り味噌。 → どれも個性的なアメリカの手作り味噌。

2005年5月25日

皮の日

タイ料理を食べた。場所はHillcrestという、サンディエゴのダウンタウンよりはもう少しにぎやかな街中にあるレストラン『Taste of Thai』だ。ここはサンディエゴの中ではゲイの人々の多く集まる街といわれる。初めてきたときは、なんてガラの悪いところだと怖かったものだが、慣れてくるとなんてことはない。少しおしゃれな、ただの騒々しいところだ。
Hillcrest → Hillcrest

この店はアメリカで食べるタイ料理にしては、かなり辛いほうではないかと思う。思い切って辛く、思い切って甘い。かなり私好みだ。注文したのは、トムヤムクン、青いパパイヤのサラダ、豚肉のバジルソース炒め、シーフードの甘辛炒め。どれもおいしい。
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普段ほとんどいつもうちでご飯を食べているというのに、めずらしく外食したのは、今日は結婚記念日だからなのだった。二人で軽くお酒を飲んで、ご飯を食べて、コーヒーを飲んで、しかし最後にスーパーに寄って牛乳を買って帰る。3年もたつとだんだん所帯じみてくるものよのう。
結婚記念日の一覧を見てみると、3年目は皮婚式だ。ということは、妻が革製品をもらえるということか?それともお互い贈りあうものなのだろうか。うーん、ダイヤモンドまでの道程は長い。

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2005年5月27日

出かける前には...

週末小旅行に行ってきます。
出かける前には忘れずに、猫のトイレの準備。こういうときだけ出番がくるLitterMaidMega。これは以前偶然人からもらったもので、買えば200ドルくらいする。大雑把なアメリカ製品らしく、砂が周囲に激しく飛び散り、自動で動くスコップに、うんこがこびりついたり、猫が飛びついて遊んだりして、使いにくいったらない。しかしそれでも、人がいないときにはもってこいなのだ。1週間くらいはこれでOKだろう。たぶん。そうに違いない。そうだといいな。ま、留守にするのは週末だけだし、Kさんが応援に来てくれるというので問題なかろう(Kさん、よろぴく♪)。
新しいトイレを設置する間もなく、すぐに入りたがる猫たち。まだだめっ!

私が一番乗りよ! → 私が一番乗りよ!

それでは行ってきま~す。

2005年5月28日

アリゾナⅠ

週末の小旅行の行き先は、カリフォルニアの隣の州、アリゾナだ。車で片道約400マイル(650キロくらい)、金曜の夜出発して明け方前には着いた。二人で交代で運転し、5時間くらいだ。計算すると平均時速130キロ。夜中のハイウェイは空いてて走りやすくて良い。
夜中は暗くて分からなかったが、朝陽が昇って見ると、一面のサボテンに驚く。ハイウェイの左右どこを見渡してもサボテン、サボテン。地平線に見える山のふもとまで続くサボテン。こういういかにも西部劇に出てくるような、先が十手のようになっている背の高いサボテンのことを、サワロサボテン(柱サボテン/SaguaroCactus)というそうだ。初めて本物をみたのと、あまりの量の多さに圧倒される。
果てしなく続くサボテン。 → 果てしなく続くサボテン。

最初の目的地は、アリゾナ・ソノラ砂漠博物館(Arizona Sonora Desert Museum)。ここは自然そのままのサボテンや、砂漠に住む生き物がたくさんいる。見どころ満載で楽しい。特にお勧めはCat Canyon。数種類の山猫たちが、広い檻というか自然風の仕切られた場所で元気に遊ぶ様子は、全く猫そのもの。あぁ、うちの猫たち今ごろどうしてるだろうかと早くも寂しくなる私。
食事中のプレイリードッグ。 → 食事中のプレイリードッグ。

そして、ツーソン(Tucson)の町へ(ツーソンといえば、思い出すのは『マザー2』。あぁ、なつかしひ。←このネタ誰か分かる人いるだろうか...)。サンゼイビア・デル・バク伝道教会(Mission San Xavier del Bac)とサワロ国立公園Saguaro National Parkを見学する。ここはサボテン公園なので、またもやサボテンばかり。さすがに見飽きてくる巨大なサボテン。アリゾナは地平線までサボテンだらけなのだ。
比較の対象がないと分かりづらいが、近付くとかなりでかい。大きいもので高さ15メートルくらいあるそうだ。ちょうど花が咲く時期だったのか、どのサボテンもてっぺんに白い小さな花を付けている。こんなにきれいだと思えない異様な花の咲きようが、他にあるだろうか。まるでイソギンチャクか、虫の触角のようで、むしろ気持ち悪いくらいだ。大きすぎるからいけないのかなぁ。
サボテンの花盛り。 → サボテンの花盛り。

さらに北へ進んで、オラクル(Oracle)にあるBiosphere2へ。ここは早い話が、巨大な密閉空間の中で人が住めるかどうか実験した場所で、地元の投資家が巨額のお金をつぎ込んだにもかかわらず、実験はたったの2回で終わってしまったという跡地なのだ(詳細はこちら)。最長で8人の男女が2年間この実験施設の中で暮らしていたのだそうだ。ガラス張りの建物の中には、人工の海もまだ波を作っている。しかし見た感じ、大量にあリ過ぎる植物は手入れがされないままになっており、いったいここが、これからどうなってしまうのか気になる。今は観光にのみ使われ、売りに出されているそうだ。こんな辺鄙な場所で、誰か買う人がいるのだろうか。ツアー付きで19ドル。案外面白かった。
もてあまし気味の巨大な施設。 → もてあまし気味の巨大な施設。

2005年5月29日

アリゾナⅡ

アリゾナ2日目はフェニックス(Phoenix)。
サンディエゴは冬も夏も適度に暖かい。真夏でもめったに汗はをかかないし、さらりと快適で日陰に入ると涼しく感じるほどだ。それに比べてアリゾナったら。もう暑いこと暑いこと。まだ初夏だというのに、平気で96°F(約36℃)にもなってしまうのだから、普段やわな気候に慣れている身では、外に出るだけでぐったりする。真夏に来たら死んでしまいそう。毎日ここに住んでいる人はたいへんだなぁ。
フェニックスでご飯のおいしい店を事前にチェックしたのだが、どうも見つからなかった。こうなったら野性の勘で適当に走って、地元の人で混んでいる店を探すしかない。ダウンタウン近郊を走ること30分。見つけた!この店だけ超混雑してる。駐車場の車もアリゾナナンバーしかない。ここだ、ここだ!
入ってみるとオムレツの店だった。うーん、卵とバターのいい香り。見た目全然楽勝に見えるが、食べるとすごい。オムレツを半分まで食べたところで、もう無理だと実感する。このボリュームを出すには、一人前卵6個以下ではとうてい作れまい。なんて高カロリーなのだ。近くに座った常連風のアメリカ人のおばあさんたち、ぺろりと食べていた。年配の人の、こういうこってりした朝ご飯を食べなれている様子を見るといつも感心する。しかしアリゾナの暑さを乗り切るにはこんなパワーブレックファストが必要なのだ。
バターもチーズも卵もたっぷりオムレツ。 →バターもチーズも卵もたっぷりオムレツ。

今日の目的地はインディアン博物館(HeardMuseum)だ。ここは知り合いのゲイの人類学者一押しの所だ。インディアンの工芸品ばかりではなく、各部族の現在の人口や主な産業など詳しく紹介してある。主な産業のほとんどがカジノ運営だというのが悲しい。西部にだけかたまっているのかと思っていたインディアン居留地(Indian Reservations)は、全米各地に存在していており驚く。中でも数が多いのがニューメキシコ州だが、居留地の大きさはアリゾナが広い。
ラグマットとしてだけでなく身につけたりもするらしい。 → ラグマットとしてだけでなく身につけたりもするらしい。

インディアンが名前を変えられ、髪を切られ、消毒され、学校に行かされるようになった成り立ちが分かる。全体的なトーンは、その文明化の様子を、皮肉な調子で紹介しており、インディアン側の立場である。しかしアメリカ政府を責める様子も、政府側の反省や謝罪の態度も、ここでは感じられない。これだけ広い全米各地にある居留地の中、アメリカの税金も法律も及ばない地域で行われている、カジノ経営やタバコ販売。アメリカ人が、今のインディアンたちのことを実際どう思っているのか、本音のところが知りたくなる。入場料10ドル。なかなかみごたえのある博物館だった。確かにお勧めです。

帰り道、アリゾナ州とカリフォルニア州の間にあるユマに立ち寄った。休憩がてら町中をぶらぶらしていて見つけたペットショップ。大手チェーン店ではなく独立系の小さな店だった。中に入ると猫の鳴き声がするではないか。奥のケージに、みると猫、それも子猫ばっかりがぎっしり。全部で30匹はいる。犬も仔犬ばかりいる。ま、まさか売っているのだろうか。先日の日記で、生体を売ってるペットショップなど見たことがないなどと書いたばかりなのに!
さっそく聞いてみる。
私「この猫たちアダプション?それとも売ってるの?」
店「もちろん売ってるのよ!」
がーん。
私「去勢手術とかワクチンとかしてあるんだよね?」
店「してるわけないじゃなーい!」
再びがーん。ケージの横にはでかでかと、『返品不可』の張り紙まである。さすがアメリカ、隣の州でもこれだけ違うか。アメリカは~、などと一般化して物を言うことはできんな。ちなみに子猫の値段は1匹19ドル。初診料+初回ワクチン込みだと。儲けているわけではなさそうだ。みんな無事にもらわれることを祈る。
売られてる子猫たち。 → 売られてる子猫たち。

不思議なことに、カリフォルニアに入ったとたんに、サボテンなど一つも見かけなくなる。同じハイウェイ沿いの道なのに、ずいぶん景色が違うものだ。サボテンを見たくなったらまた行こう。さらばアリゾナ。
見慣れたカリフォルニアの風景。 → 見慣れたカリフォルニアの風景。