ニューメキシコ旅行その1

4日間の旅行の目的地はニューメキシコ。同じ道を行って帰ってくるのが大嫌いなJがたてた旅の計画は、行きはレンタカー、帰りは飛行機というものだった。これだと帰りの空港まで車をずっと使えてとても便利。ただし、時間はものすごくかかるのだ。
まず夜中にサンディエゴを出発し、初日の宿泊予定地テキサス州のエルパソまでは864マイル(約1400キロ)、休憩含めて13時間もかかったのだ。まるで長距離トラックの運転手の方々のように、交代で仮眠を取りながら、ひたすら東へ向かって走る。実際たくさんのトラックと平行してハイウェイを走りつづけた。しかし、どんなに乗用車がスピードを上げて追い越しをかけながら走ったところで、休憩をほんの数分取ってしまうと、たちまちさっき追い越したトラックたちに追い抜かれてしまうのだ。そうなのだ。長距離のコツはスピードを出すことではなく、どれだけ停まらずに走りつづけられるかなのだ、ということを今回のドライブ旅行で私は学んだ。
平原の中にいきなりミサイル。 → 猫にごはん

まずは初日の観光はミサイル博物館(White Sands Missile Range Museum)。もちろんJの趣味だ。博物館は残念ながら閉まっていたのだが、ミサイルパーク内の見学はできた。Jの説明を聞きながら、写真をぱちり。
果てしなく白い砂漠。 → 猫にごはん

続いて、今日の目玉のホワイトサンズ国定公園(White Sands National Monument)。ここは石膏を含んだ水が長い年月をかけて自然に作り出した、世界最大の白い砂漠だ。白い砂の正体は、豆腐に使われるにがり成分の塩化マグネシウム。塩のように見えるが舐めてみたところ、ぴりりとにがい。
雪山のような白い風景が一面に広がり、写真でみると寒そうにも見えるが、気温は30℃を越す暑さで、おそろしく乾燥している。白すぎてサングラスをかけていても、目が痛くて涙がでてくる。靴下を脱いで裸足になると、白い砂は身が引き締まるほど冷たく、たっぷりと足首まで沈み込んで、もし水虫だったらあっという間に完治しそうな清潔な雰囲気なのだ。
しかしこんなところにもBBQグリル。 → 猫にごはん

世界中の音が止まったかのように、静まり返っていて、気が遠くなるほど果てしなく白く、たいへん美しい。遠くに停めた車が小さく心細い。
右端中央の小さいのがうちの車。 → 猫にごはん

このあたりはメキシコとの国境に近い。車で走っていると何度もボーダーパトロールの検問に停められ、パスポートの提示を求められた。サンディエゴにも検問はいくつかあるが、今まで一度もひっかかったことがないのに、なぜかニューメキシコとテキサスでは毎回必ず厳しくチェックされた。その理由は、この辺ではアジア人が少ないせいか、もしくは他州のナンバープレートのためかと最初は思ったが、どうも違う。レンタカーとして借りた車(Dodge/Charger)の人相(車相)がものすごく悪く見えたせいではないかと推測される。
この車は、やたらバカでかくて、やたらガソリンをくい、やたら窓が小さく見通しが悪く、いかにも悪いことしそうに見える。しかしパワーだけはあるといういかにもなアメ車なのだ。中は無駄に広々し過ぎているので、確かに長距離ドライブには向いている。それにしてもガソリン高いこと。石油がとれるテキサス州に入ったらきっと安いだろうと思ったが、それでも1ガロン$3.20程度。高いのぉ。
Welcome to Texas。 → 猫にごはん

テキサスでは、こんな道路標識をよく見かける。『Proud Home of President George W. Bush(誇りあるブッシュ大統領の故郷』。さすがはテキサスだ。
さびれ具合がいい感じのモーテル。 → 猫にごはん

夜になってたどり着いたエルパソのメキシコ国境は、あまりにもすさんだ雰囲気だったので、国境越えは断念した。適当なモーテルを見つけて、倒れこむようにチェックイン。あー疲れた。
本日の食事。朝ホットドッグ、昼ハンバーガー、夜ローストビーフサンドイッチ。野菜少なし。
これがTex-Mex。 → 猫にごはん

6件のフィードバック

  1. 13時間ドライブ?!1400km?!とびっくりしてしまいましたニャ。
    肩凝っちゃいそうですね。お疲れ様でしたニャ。

    白い砂漠に真っ青にゃ空。
    にゃんだかこの世のものとは思えませんね(笑)
    こういうところにもBBQグリルがあるというのが、ちょっと日本人の感覚としては意外かも(笑)でもこういう不思議にゃところで食べるBBQはいつもと違う味に感じそうだわ。

  2. ううむ・・・すごい旅行。
    まさに体力がにゃくてはできませぬ・・・それと運転できるパートナーがいにゃくちゃだめね。

    ミサイル博物館にゃんてモノがあるのにびっくりして白い砂漠に憧れて、世界は広いのよね・・と独り言を言ってみる。(笑)
    しかし砂漠でBBQっていったい誰がやるんだろ(・・?

    続編も楽しみにしてますニャ。

    日本に帰国にゃさったらぜひねこやにもおいでくださいませ(^^)

  3. ニューメキシコ! 行って見たいところの1つです。 エキゾチックな感じでいいなーーー。

    ↓のソフィーちゃん、めっちゃ可愛い~。 私も拓の食事、減らした方が良いと思いつつ、あの可愛いお目目で、お手手で、声で責められたら、もう駄目です。 ノーって言えないです。 健康のことを考えると、やっぱり太りすぎだと思うんですが、ま、私もあまり人の事言えないので(笑)、いっかーと(笑)。 でも、勝手に人間の食べ物に手を出さないって、賢すぎです~~!

  4. 楽しそう。。。うちも車でサンタフェに行くというのが渡米前の夢でした(遠い目)。
    テキサスにも行ってみたかったにゃー。すごい色の美しい砂漠に、アタマの中でコーリングユーが回ってしまいましたニャ。続きを楽しみにしてますね。

  5. 昔々の大昔、1983年に、ロスからエルパソ行きのグレイハウンドバスに一人乗り込みました。行き先は、メキシコ。職場の先輩がスペイン語留学していたので、18日間の休みをとり、NYシティマラソン出場の前に立ち寄りました。英語ももちろんスペイン語もままならないのに、若いとはこんなものです。
    エルパソまでは特急バスで17時間。段々景色が、メキシコに、そして乗客はスペイン語に。エルパソではYMCAに泊まり、国境を越え、シウダードファレスにも行きました。アメリカ側は大きな銀行のビル。メキシコ側は、バラックの住まい。国境のリオグランデリバーを越える橋のメキシコ側には、ホームレスの人の群れ。その頃から変わっていないのでしょうか?あれからもう24年です。

  6. >がらにゃん
    交代で運転したのでなんとか13時間でたどり着きました。
    一人で運転するトラックの運転手さんはさぞかし退屈で
    たいへんだろうなーと思います^^;
    このBBQグリルの写真、よく見ると一つには車椅子マークが
    ついているのですよ。車椅子優先社会はこんなところにも!
    BBQグリルはここ以外にも、道端にもたくさん見かけました。
    たぶんキャンピングカーで旅するひとたちには便利なの
    でしょうね。白い砂漠の中でBBQ、ちょっと試してみたかった
    です~。

    >あずきにゃん
    実は私は初日の運転は、かなりへろへろになっていたの
    ですよー(涙)。しかも夜になって宿が決まらず、お腹が
    空いて、街は荒んで…。一人では絶対やりたくない
    強行軍でした(笑)。
    ミサイル博物館に飾られているミサイルは全部本物なの
    ですって。この近くでは、ミサイル実験も行われている
    ので、実験の日は、白い砂漠への道は閉鎖されてしまう
    のですよー。ほんと、世界は広いですねぇ。
    >>日本に帰国にゃさったらぜひねこやにもおいでくださいませ
    うふふ。本当に行ってしまいますよ~♪

    >雅子さん
    ニューメキシコって、他の州とはなんとなく違うロマン
    チックなイメージがありますよね~。
    とても素敵なところでしたよ。ぜひご旅行くださいませ。
    って、拓ちゃん置いて行かれないか~(笑)。
    拓ちゃんがおやつをもらっていたときの様子を思い出して
    しまいました(^o^)丿 かわいかったなー。
    確かにあんなに真剣にねだられたら….そりゃああげずに
    いられないですよー。ソフィーもかわいいでしょ♪

    >こるにゃん
    あはは。砂漠というとコーリングユーがかかる、というの
    分かるなー。私もですよ(笑)。
    ここはしかし、コーリングユーのモハベ砂漠よりも
    ずっと広大ですごい景色でございました。
    ニューメキシコ広いですねぇ。そして、サンディエゴから
    遠かったー(@_@) 

    >クロpapaさん
    なんと!グレイハウンドでカリフォルニアからエルパソ
    まで行かれたのですか!しかも一人で。すごーーーーい。
    そしてそのあとNYマラソンに出場したというのも、びっ
    くりです。体力ありました、もとい、ありますねぇ(笑)。
    でも考えたら自分で運転するよりも、バスに乗ってしま
    ったほうが同じ長時間なら楽なのかもしれませんね。
    エルパソの国境は見た感じ、サンディエゴの数箇所の
    国境よりもずっと荒んだ感じがいたしました。
    お一人ですごいですねぇ。危険なことなどなかったので
    しょうか~。
    国境の向こう側だけ、道路が荒廃して、家が荒れている
    のは今も一緒です^^; 24年前ですか…。いい思い出
    でしょうね♪

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