朝陽選抜チーム
なんだか最近、近場の遠出をしていない。一日かけてどこかへ行きたい。何かの景色を見たい。そういうとき、さてどこへ行こうかと考えると、思いつくのはやっぱり砂漠だ。南カリフォルニアはどこでも砂漠のような乾いた土地なのだが、たまに本格的な砂漠を見たくなる。
夜中に出発し、朝陽に間に合うよう、ひたすら車で飛ばす。4時間かけてたどり着いたところは、Mojave Desert(モハベ砂漠)。ハイウェイを降りてからは、徐々にすれ違う車の数が減り、最後はとうとう前も後ろも対向車線にも1台も他の車を見かけなくなる。もちろん街灯なんてありもしないので、たよりないうちの車のヘッドランプだけが唯一の文明の明るさなのだ。しかし地平線のすれすれから180度にわたって星が明るく見える。目的地は砂漠の中にある砂丘(Kelso Dunes)。
朝陽を見たときの気温はたぶん3℃くらい。砂漠の朝は寒い。
モハベ砂漠。 →
砂漠と砂丘は何が違うかというと、トレイルを歩いて奥に行けばすぐに分かる。砂丘に入るにつれ、砂がどんどん深くなって足首まで沈みそうになるくらい、柔らかい乾燥した砂だらけになってくるのだ。それでも、どんどんどんどん奥へ行くと、もう草一つ、石一つなくなってくる。砂紋(さもん)には、小動物の足あとが何種類もあるので、生き物が生息しているのは間違いないが、何一つ音がしないので、非常に不安になってくるのだ。その静けさたるや、自分の耳の中の血が流れる音すら聞こえてくるように思えるほどの、完全なる静寂なのだ。
砂の上には何かの足跡。 →
一人で歩いていたので、これはまずいかも、と来た方向を振り返ると、遠くのほうにJの洋服らしき色が見えてほっとする。『おーい』と呼ぶが、あまりに小さい自分の声はたちまち砂丘にすいこまれて、本当に声を出したのか、出したと思っただけなのか区別がつかなくなるような気分なのだ。それはそれは、恐ろしい静けさ。
砂丘の中の植物はまるで誰かが活けた花のように、ひとつひとつ形が違って、とても芸術的だ。
砂丘に生きる美しい草。 →
サボテンも芸術的。 →
奥まった砂丘を出ると、砂漠全体は国立公園になっているので、ちゃんとキャンプ場もあり、バイカーもたくさんすれ違い、みな思い思いに遊んでいるのを目にする。そしてよーく見ると、人っ子一人いないような見捨てられた土地にも、放牧中の牛がいたりして、道から外れた遠くのほうに人家があったりもするのだった。こんなところに住むなんて、よほどのへんくつな変わり者に違いない。こういう土地には、水が一滴もないように思えるが、実は地下水脈もあるのだ。
Hole-in-the Rock(壁の穴?)という場所では、地下の湧き水が飲める。飲料水と書いてあったので飲んでみたら、すごくおいしかった!と言いたいところだが、なぜかだし汁のような味のする、体に良くなさそうな水だった。昼間はTシャツでも暑いくらいの気温だった。いかにも砂漠らしいね。
おいしそうに見える湧き水。 →
私はこのカリフォルニアの、荒涼とした、殺伐としている景色が好きなので、ドライブも楽しい。映画『バグダッド・カフェ』そのままの光景が広がる。ルート66を通って、だだっぴろい一本道をひた走り、ゴーストタウンで一休みする。たまに見かける貨物列車の写真撮り、手を振ると(←こんなことをやるのはJ)、運転士さんも手を振り返してくれ、陽気に鳴らしてくれる汽笛が砂漠の中に響き渡っていた。
これがルート66。 →
みんな大好き貨物列車 →
本日のドライブ、走行距離は616マイル(約1000キロ。東京から九州くらいの距離)だった。砂漠で朝陽を見よう日帰り強行ツアーは、今回は3人(夕陽好き選抜チームのマルコさんと私、そしてJ)で行ったので、運転手が多ければ多いほど、ラクで楽しいというのが分かった。みんな、おつかれさまでした。楽しかったね。
永遠と続くまっすぐ道。 →
食事ももちろんアメリカン。 →
思い切って行ってきたんですね。えらい!私も何処かへドライブしたい気持ち一杯なんだけど中々・・・・
4時間で東京から九州までを走れるなんて、真っ直ぐで渋滞のない道です!って言ってるようなものね。
喉が渇き切っていたら汗臭い水(?)でも美味しく飲めるんだろうね(げぼっ)
やっぱり、たまには出かけて見るべきね
日帰り1000キロ走行って、凄すぎます。
いつもながら、アクティブな御三方には脱帽でございます。よ。
『バグダッド・カフェ』好きなので、あこがれますが、ヒッキーの私にはハードルが高いです・・。
ナイスショットを見て、行った気分になっときまーす♪
風景が横長だわ!
砂丘には行ったことがあるのですが、砂漠って見たことないので、興味津々です。
日本には砂漠ってないですよね?(ちょっと自信がない。)
砂漠って静かなのですね…砂が音を吸い取るのかしら?
砂漠を体験してみたいものです。
(でも東京から九州までの距離をドライブすると思うとちょっと気が引けますが/苦笑)
このたびは、朝陽選抜チームの精鋭メンバーに入れていただき、ありがとうございました。
今になって、砂丘に登らなかったことがとても悔やまれます。
せっかくあそこまで行ったのですから、チャレンジすべきでしたねー。
誘っていただいたおかげで、トムと2人ではなかなか足を運ばないような所へ行くことができ、貴重な体験ができました。
今度は運転手を1人増やして、さらに遠くへ(マンモス?セドナ?)旅立ちましょう。
すごーーーーーいっ!!砂漠だ!砂丘だ!
今まで砂丘も生で見た事が無いワタクシです。
2枚目の写真なんかは、海が見えてきそうに
見えますけど、違うんですよねぇ・・。。。
しかも完璧な静寂が想像できません^^;
車の通る音も風が吹く音も、なんにも聞こえないなんて
不思議極まりないです。
凄いですねぇ!1度は行って見たいな~♪
>Kalakaさん
砂漠までの道は、本当に信じがたいくらいずーーーーっと
まっすぐの道なのですよ。夜中ですからもちろんがら空き
でした。
ハワイだと、島一周楽にできてしまいそうですね♪
ドライブが好きなので、たまに無性に遠出がしたくなります。
Kalakaさんもドライブ好きなのね。思い切って夜中に
出かけてしまうと、気分転換になりますよ〜。
新鮮な水を持って行くことをお忘れなく(笑)。
>あづ。さん
16時間の遠出でした。車に乗っていた時間がほとんど
でしたので、外出と言っても引きこもっているような
ものかも(笑)。
あづ。さんも運転好きではないですか〜。このたびは
運転手が3人もいたので、交代できて楽でした。
バグダットカフェ、いい映画ですよね。あのカフェ
にも一度行ってみたことあるのですが、映画通りの
ひどいコーヒーだった...(涙)。
>がらさん
日本には砂漠ないと思います(除く東京砂漠←ふるっ)。
砂丘というと、鳥取砂丘に行かれたのですか?私一度
行ってみたいと思っていたのですよ。ラクダに乗れる
そうですね。
ここは、一面砂漠でその中に一部砂丘がある不思議な
ところでした。なかなか面白かったです。
東京から九州までの距離ですが、その間信号で止まった
のは、たぶん1度か2度くらい...。高速代もかから
ないところが、いいところですよね〜。日本だと高いか
らなぁ(涙)。
>マルコさん
朝陽選抜チームも夕陽選抜チームも、実は私たち二人
だけだというのをご存知でしたでしょうか(笑)。
みんなで行くと楽しいですね。あんなに何も店がない
ところだと知っていたら、もっと大量に食料やら温かい
飲み物を持って行ったのに!一日まともなものを食べて
なかったので、夕飯はことさらおいしかったです!
次回選抜チームは、どこへ旅立つのか。そしていつ?!(笑)
>ヤヨイさん
そういわれてみると、砂丘の砂だらけの景色はまるで
海岸の砂浜のようですね(笑)。ヤヨイさん、目の
つけどころが違うなぁ。ふむふむ。
私も砂丘に行ったのは初めてだったので、感動いたし
ました。こんな砂丘があったら、日本だと砂丘饅頭が
売っていたり、ラクダに乗って写真が撮れそうですよね。
何もないせいで、音がしない状態というのを感じる
ことができました。なんだか宇宙にいるような気分
(想像)でしたよ〜。
お久しぶりです。
200黒猫達成おめでとうございます~♬
これからもっともっと黒猫の輪が広がるのが楽しみです。
砂漠の静けさ、noirさんの文章からはリアルに伝わってきました!とっても分かりやすく読みやすいから思わず想像にふけっちゃいました 笑♬
それにしても4時間で東京から九州!私はこっちのほうが想像つきませんよ・・・以前山口から大分県の九重へ登山に行ったとき、高速ぶっとばして4時間かかりましたもん(;一_一)
砂漠に道を作った人ってスゴイ。
天気のよい日にドライブしてみたい~(>_
>がちょんこさん
こんにちは~。
ありがとうございます。これからも、もっともっと幸せな
黒猫たちの姿をたくさんみたいものですね!
山口から大分かぁ…。距離的にはとても近そうなのに
やっぱり渋滞があったり、高速まっすぐ道じゃなかったり
すると時間かかっちゃいますよねぇ^^;
なにせ砂漠への道は、定規で引いたように地図で見ても
ずーーーーーーっとまっすぐだったりするのですよ。
ほんとによくあんなところにも、道を作ったものですよね。
ドライブ楽しいですよね。夜中に走ったので分かりません
でしたが(笑)、昼間みたら気持ちよいドライブコースでした(^O^)
いい写真撮りましたねぇ。そこんとこコメントしときたかった。Route 66なんて私だったら額に入れる。
いつかは行ってみたかったアメリカの砂漠、5月の末にNYを去る可能性が出てきたのでちょっとその夢も怪しげなのです。
>ちきかよさん
なんと!日本に帰るかもしれないのですね。5月なんて
もうすぐではないですか。
長年住み慣れたNYを去るのは寂しいことでしょう~。
どうぞ心置きなく、遊びまくってくださいまし。
サンディエゴのこともお忘れなくね(笑)。
まっすぐな道と青い空。
その世界にひたれる写真ですね〜。
現実感を失わせる無音の砂丘、一度体験してみたいです。
noirさん、素敵な写真をありがとう!
しかし、こんな砂ばかりのところに植物や動物が生息しているのも不思議な感じ。
何もかもカラカラに乾燥してしまう気がする・・・。
水を飲みたくなったところで、寸胴鍋に首をつっこむ
ノアちゃんの写真にホッとさせられました。
とうとう黒猫200匹登録!おめでとうございます!
>踊る運び人さん
ありがとうございます!お久しぶりです。
砂漠の砂の上に、小さい4つ足の足跡が、たくさんついて
おりました。砂漠に住む亀とか、さそりやへびなんかが
いるようですが、いったい何の足跡だったのだろうなー。
もう見るからに、カラカラな景色でしょう。家に帰って
お肌にたっぷり水分補給(パック)いたしましたよ~^^;
観光名所だけでなく、こういう砂漠の景色を味わう旅行も
いいものですよね。オフロードバイカーや、ハーレー軍団
などたくさんバイカーがいましたよ。それも含めて(笑)、
ぜひ一度体験していただきたいわ~。
サボテンも芸術的の4枚目の写真に写っているのは、ユリ科の植物(木ではなく草に分類)ジョシュアツリーですよ。
KelsoDunesの写真を探していたのですが、初めて見ることができました、ちょっと感動。ありがとうございます!
>ヤマネコさん
ここは、ジョシュアツリー国立公園の近くなので、ジョ
シュアツリーもたくさん生えておりました。ツリーといい
ながら、草の分類なのですねぇ。知らなかったです!
http://noir.blackcatclub.org/mt/archives/2006/01/post_239.html
その公園もとても広々して良いところでしたよ。
Kelso Dunesの写真を探していらしただなんて、めずらしい!
お役にたてたようでよかったです^^