かぎ尻尾猫

昼過ぎミシェルから緊急の連絡が入る。午前中シフトが入っていたボランティアが風邪でダウンしたとのこと(風邪流行っているのか?)。今すぐ替わりに行ってくれないかと頼む。私に頼むなんてよっぽどのことだろう。幸い今朝は熱も下がった。快く引き受ける(というか、焦っているせいか、いつも以上のミシェルの早口英語に、断る単語も思いつかぬままOKと言ってしまったのだった)。とにかく掃除だけ。1時間で帰っていいという。
しかし今日はPresident’sDayの休日。天気も悪い。みな行くところがないのか、店はおそろしく客でごったがえしている。買物する気もなさそうに、ただ猫のアダプション(里親募集)コーナーだけを見に来るような人もいる。掃除だけして帰ろうと思ったのに、入れ替わり立ち代り人が来るのでそうもいかない。家族で狭い部屋に入ってきて、猫をなでまわす人たちもいれば、この猫出して見せてくれと、ようやくケージに入れたばかりの暴れ猫を指差す人もいる。1時間で終わるはずがないのだった。長引く予感。

店に着くとさっそく、アダプションコーナーの入り口に、猫をかかえた親子連れがいる。ま、まさかいきなり猫の返品?それとも捨てる気か?
聞いてみると、しかしこれは自分たちの飼い猫だという。1匹もらいたい猫がいるので、その猫との相性を見るために連れてきたのだとのこと。午前中から人が来るのをずっと待っていたそうな。それは悪いことをした。お目当ての猫はSophieという名の、アビシニアン(mix)。2歳だというのに、恐ろしくやせ細ってがりがりなのだ。前後とも爪抜き手術を施されている。前の飼主に捨てられた理由は、犬アレルギーだからとのこと。爪まで抜いておいて、なんて理由だ。かわいそうに。
がりがりなアビシニアン。 → がりがりなアビシニアン。

結局ガラス越し、ケージ越しの相性テストの結果は×。しかし長いこと騒々しい店の中で待たされたその飼い猫だって、通常の状態ではないはず。もう一度またトライしてくれとお願いして、諦めた。かわいそうなSophie。うちのソフィーと同じ名で、年頃もほとんど一緒というのに、あわれなほどやせ細っている。本当は美しい毛皮のアビシニアンのはずなのに、ところどころ抜けてばさばさだ。早く新しい家が見つかることを祈る。

今日は新入り猫が多い。中でも目を引いたのが、黒猫とさび猫2匹。引越しのため、2匹まとめて捨てられたそうだ。血のつながりはないが、2匹ともとっても仲良し。2匹まとめて引き取ってくれる家を探している。
何が目を引いたかというと、この2匹のプロフィールだ。『虐待されていた可能性が高い』とメモに書いてある。その理由は、2匹とも驚くほど尻尾が短く、途中で途切れており、うち1匹(さび猫)のほうは、尻尾にコブがあるからだという。
ぷぷぷぷっ。
尻尾の短い猫がくると、いつもこういうこと言う人がいる。誰が尻尾を切ったのだ?とマジメに聞いてくる客もよくいるくらいなのだ。アメリカの猫はほんと、長くてすらっとした尻尾ばかりなので、かぎ尻尾などという言葉もないくらい。短い尻尾はいつも不審がられる。
どれどれ。触ってみると、黒猫(Zena)のほうは、確かに短い尻尾。しかしまっすぐ。さび猫(Zoie)のほうは、こちらは確かにかぎ尻尾。しかしこれくらいなら、日本だったらなんてことない。そこらに、よくいる。現に、我が家の黒猫ノアのほうが、もっとずっと激しい天然ギザギザかぎ尻尾だ!(えばってどうする)ノアが万が一、アメリカでレスキューされたら、さぞかしひどい虐待を受けたと疑われるに違いない。
ZenaもZoieもものすごく人懐っこい。こんなかわいい猫が、2匹揃って虐待されてたかも!なんて知ったら、心優しいアメリカ人はすぐにもらってくれるに違いない。かわいいかぎ尻尾猫たち。プロフィールはそのままにしておこう。
たいしたことないかぎ尻尾猫たち→たいしたことないかぎ尻尾猫たち 022205_3.jpg

ここ2~3日ずっと布団に包まっていた身に肉体労働は辛いのだった。しかし、たくさん猫をみたおかげか、風邪はもう全快した様子。
みなさま、ご心配いただいたき、どうもありがとうございました。

12件のフィードバック

  1. noirさん、だいぶんお元気になられたようで、よかったです。
    でも無理は禁物ですよー(特に肉体労働)。
    アビシニアンのソフィーちゃん、見るからにかわいそうな感じ。
    本当はとてもきれいな猫なんでしょうね~。
    早く良い飼い主にもらわれることを切に願います。
    黒猫ちゃんとさび猫ちゃん、仲良く一緒に新しい家に行けるといいですねー。

  2. 復活、おめでとうございます + 早速のお努め、ごくろうさまです。
    昨日のコメントに「やさしいJ?(←ハートマークがうまく入らん!はてなに変換されてまうっ!)」がなかったのは、なぜですか?期待しておったのに。。。(^.^)
    がりがりのソフィ、心なしか顔もノア家のソフィーに似てる気がする。

  3. 上のコメントの「おつとめ」の漢字、自信がない。
    やくざのおやびんが出所してきた時、子分が「親分、おつとめごくろーさまです。」という時の「おつとめ」です。
    J殿、ちごてたら、なおしてたもれ。英語もあかんが、漢字もね。
    「っていうか、根本的な使い方自体がまちがってますね。」とかびしっといわれそー。

  4. 愛称が合うかみるのかぁ。
    人間だって初対面人見知りするんだから、
    猫なんて縄張り意識が強いんだし。
    我が家みたいにしばらく生活してみないと分からないことも
    多いでしょうね。
    アビシニアンちゃん早く家族見つかるように願います!!

  5. この捨て猫ちゃんたち、マモ(まっすぐ約9センチ)とミモ(カギ型)のきょうだいにそっくりです。
    へぇ~こんな毛色のこと「さび猫」っていうんですね。
    初めて知りました。
    あーウチで飼ってあげれたらなぁ・・・。

  6. noirさん、全快されたようで良かったですね♪
    いろいろな境遇でやってくる猫達…
    みんな早く新しいお家に貰われて幸せになって欲しいなぁ。

    カギしっぽの猫ちゃんってアメリカでは珍しいんですねぇ?
    長いシッポと短いシッポの猫との間に生まれた子が
    カギしっぽになる場合があるって、どこかで読んだ気が…。
    ウチではルビーだけ、カギしっぽです。
    フサフサでパッと見はわからないんだけど。

  7. ZenaちゃんとZoieちゃん、人懐こいとの事なので、虐待されたのではないんだろうとは思いますが、その根拠ってただ単に尻尾が短いからってだけなのかなぁ?

    前も後ろも爪を抜かれてるなんて、もう惨すぎです。 そしてその上棄てるなんて。。。 はぁ。。。あたしが引き取りたいです、Sophieちゃん。。。うるる。

  8. >マルコさん
    ご心配おかけいたしました。体はとっても丈夫なので
    すぐ治ってしまいました(笑)。肉体労働がきつかったのは
    普段何もしてない(わはは)からと、年だからかも~。
    情けない…。
    アビシニアンも、カギ尻尾たちも、人懐っこいのですぐに
    もらわれるとは思うのですが、ちょっと気になってならない
    のです。特にソフィーちゃん。名前が同じで親近感がわいて
    しまう~。

    >Kさん
    「やさしいJ?」クエスチョンマークのほうがおもろい♪
    そうそう、このソフィーちゃんも、うちのソフィー同様
    顔が小さくてリスっぽくて、顔似てるのですよ。たぶん体重
    は半分くらいしかないと思いますが…(悲)。

    >あゆさん
    私も猫の相性テストって、すごく難しいと思います。
    特にこんな慣れない環境のテストは…。それでも、ケージ
    の中の猫たちが、相手にどう反応するかはいちおう違いが
    分かります。先住猫がいると、事前に相性見たくなるの
    でしょうね。気持ちはよく分かります。気軽に持っていっ
    て、返品されるよりはマシかなと^^;。
    あゆさんのところも、3団子完成まで時間かかりましたもの
    ねぇ(笑)。みんなが、あゆさんのように気長な目で見て
    あげると、返品なんてなくていいのになぁと、つくづく
    思います。あのあとも、みなニャン仲良しなようでよかった
    ですねぇ♪

    >ゆのさん
    私も『さび猫』っていう言い方、最近まで知らなかった
    です。会員№40のみずちさん(『さびねこ、くろねこ。』
    http://yueruna.exblog.jp/)のところ見て、初めて知っ
    た(^^)。
    おぉ、マモちゃんも短い尻尾でしたか。9センチっていう
    のが、微妙でいいですね!ちゃんと計ったって、感じが
    する(笑)。

    >踊る運び人さん
    あのゴージャス長毛なルビーちゃんが、カギ尻尾ですって?!
    へー。長毛だと分からなくて得だな~(何がだ)。
    長い尻尾と短い尻尾の子供が、カギ尻尾っていうの、私
    初めて聞きました!うちのノアの尻尾触ってると、途中で
    いやにゴツゴツしてるので、出産時に何か問題でもあった
    のかと思ってました(^^)。いずれにせよ、尻尾なんて
    なんだって、かわいいのにはかわりないですよね~(←親ばか)。

    >雅子さん
    私も絶対虐待されてた猫じゃないと思いますよ。だって
    すごーく人懐っこいし、怖がってないし、怪我もしてないし。
    しかしプロフィールによると、虐待の可能性あり!みたいに
    書いてあって、理由は、尻尾がどうのこうのとだけ。でも
    言われてみると、急に自信がなくなってきた(笑)。もしか
    したら私の読解力に問題があったかもしれません。にゃはははー。
    そうだったら、許してけろ~。
    後ろ足の爪を抜くのは、爪とぎの問題ですらなくって、
    ただ単に、爪を切る必要がないというだけなんですよ。
    だから余計に許せません。それもこんな大人しい、楽に
    爪きりできそうな猫なのに…。早くいいおうちにもらわれ
    て、こーのすけのように幸せになってもらいたいです。

  9. 我が家のニャンコ、4匹中3匹はカギ尻尾です。
    確かにいっつも両手両足を持ってブランコ~ってされたり、
    箱が来るとそのなかに入れられたり、プチいじめをされてるかも(笑)

  10. riderさんのところからおじゃましました。
    体調お悪いのににゃんこ達のためにありがとうございます。
    爪までぬいて捨ててしまう人がいるなんて、適正な体形すら保つ努力をしないで。そういうのはかわいがるとはいわず「虐待」といえると思います。それなのに猫たちはそんな飼い主でも慕ってくれるんですね・・・
    Sophieちゃんに早くちゃんとしたおウチがみつかるように祈ってます。

  11. サンディエゴにいても風邪って引くんですね(爆!
    猫猫ぱぅわぁ〜で元気になられてよかったです〜
    昔飼ってたゴエモンという名の♀の三毛猫がカギシッポでした。
    よく、電気コードとかをひっかけてました^^;
    なつかし〜な〜

  12. >でめたんさん
    わははは。それくらいなら、うちでもしょっちゅう
    プチいじめしてるかも~(笑)。無理やり箱に入れるのも
    よくやります(いいのか!)。寝てるのに、いつも写真撮影
    したりして嫌がられてます(笑)。
    うん、きっと、でめたんさんも私も動物虐待って言われる
    可能性大ですね。なんてったって、かぎ尻尾猫の飼主だ!
    でも、両手両足もってぶらぶら…はちょっとすごい(爆)!

    >Gavi主さん
    こんにちは!はじめまして。
    riderさん経由で、Gavi主さんのサイト、おじゃましてま
    した~。コメントいただき、光栄でございます。
    そうなんですよ、がりがりに痩せた猫を見ると、ほんとに
    かわいそうでならないです。性格がいいので、たぶんすぐに
    家は見つかると思うのですが…。大人の猫でも、ちゃんと里親が見つかるところが、アメリカはいいところだと思い
    ます。爪抜くの、ひどいでしょう?けっこう多いんですよ。
    手術が手ごろで安いから、勝手な飼主が、手軽に爪抜いて
    しまうのです。おまけに捨てるなんて、まったくむかつきます。
    Gaviちゃんのように、栄養たっぷりで、おいしいご飯もら
    って、幸せな猫ちゃんの話を読んでいると、心が休まり
    ます~♪
    これからもどうぞよろしくお願いします!

    >くろさん
    え?カギ尻尾猫に電気コードをひっかけてた?それは
    虐待ではなく(笑)?うそうそ。
    うちのカギ尻尾猫は、尻尾が敏感らしく、触ると怒りまくり
    ます(すぐ噛む)。堅いカギなので、低いテーブルの下を
    通るときに、ごつんと音がしたりして、笑えます。
    サンディエゴに来て、最初の1~2年は、全然風邪引かな
    かったのですよ(ほんと!)。電車に乗らなくなったから
    かなぁ。しかし、サンディエゴパワーももう効かない。
    それとも単なる年のせいで、体が弱まってるのかもしれ
    ません(情けない)。
    くろさんのところは、雪が降ったりしているようですね。
    夜中に柵たてたりして(笑)、風邪などひかれぬよう、
    お気をつけくださいませ~♪

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