気をつかう日

登録しているボランティア団体から、不定期にメーリングボランティアの招集がかかる。サンディエゴ各地へ送る、寄付金募集やイベント案内の手紙の発送作業をするのだ。私はめったに参加しないが、今日は特に予定がなかったので、お手伝いに行くことにした。
この手伝い、作業自体はいたって単純で、ホチキスを留めたり、宛名ラベルを貼ったりと、まるで内職のような仕事なのだ。だからほんの数時間、別にどうということはないのだが….。平日の午前中といったら、集まってくるのはたいていおばさんばかりだ。中にはおじさんや学生もいるが、ほとんどがアメリカ人のおばさん。いつも白人率は私を除くと100%だ。行ってしまえばどうということはないのだが、行くまでが気が重い。アメリカ人のおばさんたちはおしゃべりだ。弾丸トークがそこかしこで繰り広げられ、会話についていけないこともしばしば。だいたい、全員日本人だとしても、おばさんばかりのこういう集まりに参加するのは苦手なのだ。たいへん気をつかって、そのあと一日ぐったりしてしまう。でも英会話の練習にはなるのよね。と、考え直して重い腰をあげる。
メーリング作業に提供される家はいつも同じ家。もちろんその人もボランティアで、とても大きな家に一人で住んでいる未亡人だ。その家の1階部分が提供されるのだが、それがまたたいへんな広さだ。リビング2つ、食堂、テラスなど開放された場所だけで、軽く50人は作業ができるほどの大きさだ。ちゃんと全員分作業する場所や椅子があることだけでも驚きだ。
少し遅れて家に着くと、聞こえる聞こえる。外までも聞こえる大きな声でみんなが話してる。ひ~。最初にここに来たときは、まるで多勢で喧嘩でもしているのかと思うほどの声の大きさに足がすくんだものだ。
「久しぶりね」「元気?」「はーい」
など一斉に声をかけられる。みな本当は優しい人なのだ。飲み物を与えられ、場所を与えられ、作業開始。
ところで、この人の家には、2匹猫がいる。聞くと、これはトンキニーズという種類の猫だそうな。いつも疑問に思っていたことを、今日思い切って聞いてみた。この猫、どうしたの?すると声をひそめて彼女は言った。
「実はね、買ったのよ。この団体の人たちにはあまり言いたくないのだけど、私こういう血統書付きの猫が好きなのよ」
あまりに素直な答えに笑ってしまった。そうだよね。ボランティアしてるからって、捨て猫を面倒みたい人ばかりではないだろう。いたずらっ子のように、ウインクして困ったような笑顔をみせるおばさんはかわいらしかった。ボランティアをやっておりながらも、悪びれずに自分の欲しい猫を買ってかわいがっているところが、アメリカ人らしい。それはそれ、これはこれなのだ。
久しぶりに見る血統書付きの猫。そういえば、アメリカに来て猫を売っているペットショップは見たことがない。ペットショップで売っているのは猫用品だけで、生体はここのようなボランティア団体と提携して、里親募集の捨て猫を扱っている店ばかりだ。ブリードの猫が欲しい人は、ブリーダーから直接買うのが一般的なのだ。ブリーダーもたくさんいて、新聞の広告欄でよく見かける。ただし、その広告欄の一番上には、必ずといっていいほど、『猫を買う前に、一匹でも捨て猫を減らしましょう」などとシェルターなどの広告が載っているものだ。
おそらくそういったブリーダーから購入したのであろう、血統書付きのトンキニーズ。それにしても美猫だったなぁ。
作業中を隠し撮り。 → 作業中を隠し撮り。

10件のフィードバック

  1. おばちゃまって、どこの国でも一緒なんですね。
    私は日本人のおばちゃまの中に入っても疲れますよっ。

    私はペットショップで狭い檻に入っている動物を見ると、とても辛い気持ちになるので好きじゃないんです。
    アメリカの方法、大賛成かもっ。

  2. アハハ!私も疲れる(疲れさす?)オバサンの一人です(多分)

    毎回楽しみに読んでますよ。
    「トンキニーズ」ってほんと美猫ですね~。

    我が家の近くにかなり汚れた小川があって、その沿道に10匹前後のノラちゃんがいます。固定の給餌する人が居るせいか、人懐こくて通る時にちょっと立ち止まると寄ってきます。
    その場所からちょっと離れた所に黒猫が2.3匹いて、それは私の担当と勝手に決めて、せっせと給餌しています。フェンスに「野良猫に餌を与えないで下さい」と書かれたものが貼ってあるんですが。
    それは見ないことにして(笑)

    ロッタもソフィちゃんと同じで、食事の用意してる時が一番うるさいですよ。又パソコンの前に座ると、必ずどこかのネグラからボトッと降りてきて、膝に乗って腕にあごをのせたりして邪魔をします。お陰でとても姿勢悪くキーボード叩いてます。
    パッチワークしてる時も、作りかけの作品の上に寝っ転がって邪魔をします。遊んで欲しいのかなあ?

    では又。

  3. 外国のブリーターは良い品質を作るのが目的で、商売は二の次と聞いたことがありますがどうなんでしょ?
    日本は営利目的のみの繁殖がほとんどとか。
    しっかりした販売でも、飼育放棄はあるんだから、
    野放し状態の日本のペットショップには、もっと資格や制限を強化して欲しいものです。
    おばさんパワーも凄いけど、中国人同士も相当なものですョ。
    喧嘩か、会話か区別付きません~

  4. こんばんは!

    この猫のことは全然知りませんでしたが、確かにきれいな猫ですね! 僕が子供の頃に飼っていたシャムネコのことを思い出しました。でも、今ひとつ両者の区別がつかない僕って・・・。

    ところで、どこの国でもオバちゃんはパワーがありますよね。あ、そうそう、全然余談ですが、僕ってオバちゃんにもてるんですよー。(まじでっ!)

  5. あはは。本当に余談ですね。
    ところで、某ボランティア団体のMさん家も血統書つきのねこを飼われてるのではないですか?アメリカ人のそれはそれ、これはこれという考え方はあっぱれでおもしろいですね。あっぱれといえば、軽く50人が発送作業のできるスペースの家。びっくりですね。

  6. >riderさん
    おばちゃまはどこでも同じようです。化粧品のにおいが
    ぷんぷんするもの一緒!アメリカのほうがパワー倍増してる
    かも(笑)。
    ブリードの高価な猫がケージに入ってるのは見たことが
    ないですね。しかし通販雑誌とかに載ってます…^^;
    近所の店では、捨て猫の里親が一般的なようなので、私も
    これはとてもいい制度だと思います!

    >ロッタのママンさん
    そうか!ロッタのママンさんは日本で最強といわれる(?)
    大阪のおばさん、もとい、大阪の女性ではないですか(失礼)!
    猫って本当に忙しいときに限って邪魔しにきますよね。
    ロッタちゃんも同じだ~。
    黒猫が担当だなんて、さすが黒猫振興会会員!毎日お給餌
    たいへんですね。これからも張り紙なぞに負けずに(笑)、
    がんばってください。

    >piyoさん
    アメリカのブリーダー事情については全然詳しくないの
    ですが、広告で見る限り、日本で買うよりもずーーーーっと
    安くブリードの猫が売られています。ほぼ1桁違うくらいですよ。
    飼育放棄なんてひどいですね。自分で繁殖させておいて。
    大手ペットショップこそ、もっと捨て猫の里親探しに協力
    してほしいものです。そのほうが店のイメージアップに
    なると思うのだけどなぁ。
    あははは。中国人同士の会話は本当にすごいですよね!
    電話での会話聞いてるだけで、どなりあいみたいに聞こえる。
    ハゲの記事、トラックバックさせていただきました~。

    >matthewさん
    トンキニーズはシャム猫にそっくりでしたよ。シャム猫も
    かわいいですよね。賢くておとなしいし。ボランティア先
    でもシャム猫はとても人気があります。トンキニーズは
    シャムとバーミーズの混血なんですって。
    余談、笑わかせてくれますね~、おばさんキラーのmatthewさん♪

    >Kさん
    素早いツッコミありがとうございます。Jが大受けしてます。
    50人をギチギチ詰め込むことならうちでもできそうなの
    ですが(なぜそんなことをする?)、各自椅子やテーブルが
    あって、飲み物のコップなどもちゃんとした食器がある
    ところがすごい。アメリカらしいー。

    >でめたんさん
    あはは。私も、もしかしたら以前にもこのおばさんに同じ
    質問してたかもしれません。記憶力悪し。
    トンキニーズ…何かの名前に似ているような気がする。
    しかしそれが何かすら思い出せん(泣)。

  7. noirさん、すごーい!
    白人に不慣れな私は、こんな環境に自ら飛び込む勇気がありません。
    この家の主の「本当は純血種が好き」という発言、なかなか良いと思います。
    やっぱり好みというのはあるから私もシーズーやボクサーは飼いたくないし(笑)。
    その代わりに、自分のできることをしているこのおばちゃん、かっこいい。

  8. トンキニーズの飼い主の方、私もいいと思います。そして
    彼女の答えに対するnoirさんの考え方も好きだな。
    どこかに線を引いて、でも助ける部分も忘れず実行して、
    その方が無理がないし、自然な感じがします。

    ところで、ボヨにもかかとにハゲが・・・キャー。
    (こっちのコメント欄ですみません)

  9. >マルコさん
    このおばさん、いいですよね!私もこういう堂々と割り切った
    発言好きです。アメリカ人でとやかく言う人はいないような
    気はしますが、たとえ言われたとしても、「何がいけないのよ」
    と平気でぴしゃりと言い返しそう(笑)。
    私も今でもこの家に入るときは、ちょっとびくびくします。
    しかしマルコさんのボランティアと同様、たぶん入ってしまえ
    ばどうということはない。と、いつも自分に言い聞かせなが
    ら行ってます~(笑)。

    >chickpeaさん
    おぉー、ボヨちゃんにもありましたか、ハゲ。
    やっぱり黒猫ですね~。
    そうなんですよ。chickpeaさんのおっしゃる通り、無理が
    なくて自然な考え方だと思います。そのほうがボランティアも
    長続きするし。のめりこまずに、線をひくことが肝心です
    よね。ご理解いただいてうれしいです♪

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