処分される動物
アニマルシェルターの猫のケージはがらがらだ。6つある部屋のうち、2つが空いている状態。昨年末以来、シェルターに連れてこられる猫がぐんと少なくなっていることと、たくさんの猫がもらわれたからだ。いいことだ。
しかし今日のWeb用写真撮影は、猫が圧倒的に多かった。この2日でなぜかたくさん捨てられたそうだ。20匹は撮っただろうか。ペアを組んでいるTracyは、猫アレルギーなのでほとんど一人で撮影をしなくてはならない。犬と比べれば猫の写真は簡単なのだけれど、それでも一人でやると時間がかかる。できるだけいい写真をとってあげたいし、できるだけケージから出して遊んでもあげたい。しかしそんなことをしていると、20匹も撮るとたいへんな時間がかかってしまうので、悩みどころだ。そして時間をかけてナイスショットを撮ったとしても、猫が処分されてしまえば(もしくはもらわれるか)、その写真は不要になる。もちろんもらわれることが目的なので、うれしい反面、処分のことを考えると、やるせない気持ちになるのだった。
今日は写真が必要な犬は少ない。今週捨てられた犬が少なかったのだろうか。それとも…。
20近くある犬の部屋(各10ずつケージが入っている)のうち、2部屋が完全閉鎖されていた。午前中、パルボウィルスに感染している犬が発見されたせいだ。これは強力なウィルスらしく、人間の靴などについて運ばれて他の犬に感染したりもするそうだ。いったんパルボウィルスが見つかると、その部屋全体を完全消毒し、数日閉鎖しなくてはならない。その部屋にいた他の犬たちがどうなるのか私には分からないが、処分されていないことを願う。
たまにこういうことがあるので、シェルターのボランティア後は、靴も外に脱ぎ、洋服もすぐに脱ぎビニール袋に密閉し、シャワーを浴びるまでは、うちの猫たちに触れないようにしている。
ところで、写真撮影が早く終わったので、今日は犬の散歩の手伝いをした。
たまたま手近の部屋にいたビーグルとダルメシアン。資料を見ると、別々に捨てられたと書いてあったので、ビーグルだけまず最初に散歩に連れ出してみた。大きな見知らぬ犬が怖いので、できるだけ小さい犬をいつも選んでしまう私。大喜びでケージから飛び出したはいいが、ものすごく不安そうにするビーグル。裏庭でもなぜか心細そうに絶叫しているではないか。様子がおかしいので、係員に聞いてみると、この犬はとても寂しがりやなのでダルメシアンと一緒でないと散歩にいけないそうだ。一緒に住んでいたわけでもないのに、こういう犬好きな犬がいるものなのだなぁ。
ダルメシアンは巨大で少し怖かったが、一緒にさせるとやっぱりとっても仲良し。ずーっとくっついて歩き回る。それにしても躾の良いダルメシアン。首輪などなくても、私の歩くペースに合わせゆっくり歩く。たまに振り返って進行方向が正しいのか確認したりもする。なんでこんな良い犬が捨てられてしまったのか見当もつかない。無邪気にはしゃぐ、忠実な犬を見ていると胸が痛む。こんなにかわいい犬たちも、しかしケージがいっぱいになったり、時期がくれば処分されてしまうのだ。シェルターの動物たちには全て名前がついているが、ボランティアに渡されるリストには名前は載っていない。それはいずれ処分される運命を感じさせて、とても悲しくなるのだった。
仲の良い2匹。 →
考えれば考えるほど、辛くなってくるので、しばらくシェルターのボランティアは休むことにした。義務でボランティアをやってはいけないのだ。犠牲的精神でやっては驕りがでる。ボランティアなど所詮自己満足なのだから、満足できないのなら止めれば良い。当分来ないことに決めると、すっと胸のつかえが降りた。これでいいのだ。
ボランティアは、FOCASの猫のほうだけ続けることにしよう。この団体の猫たちは、決して処分されることはない。そういう目的で作られた団体なのだ。
シェルターの動物たち、ごめんよ。どうかみんな早く新しい家を見つけて幸せになるのだよ。
ジレンマですよね。助けたいのに処分されるかもしれない。
私もボランティアはやってる人のことはすごいと思う。
でも、noirさんの最後の方のコメントは私も同感です。
ストレスを感じながらするのはボランティアじゃないですよね。
そこに集められたこたちが、処分されずに新しいパートナーとめぐり逢う事を遠い空の下から祈ってます。
noirさんのお気持ち、すごくすごくよくわかります。
私もシェルターを見に行くのはとてもつらいです。
犬や猫たちの顔を見ただけでせつなくなります。
だから本当にボランティアの手が必要なのはシェルターなのかも、と思っていながら、
現実を見つめる勇気がないから、隣りのSPCAのほうに行くことにしたのです。
あんなにシェルターのケージはガラガラなのに、処分されてしまうことがあるのですか?
いつもガラガラなので安心していたのですが。
犬の場合は、忠実すぎて精神的に参ってしまうんですよね。
どんなひどい飼い主でも、主人と慕い、しっぽを振る。
猫ならさっさと家出しちゃいます。そういう性格が気分的に救われます。
バルボはうちの外猫もかかりましたが、ちゃんと手当てすれば助かる率も高いので、処分されてないことを祈ります。
1番悪いのは、捨てる人間。犬猫たちに罪はないのに処分とは。本当に辛いです。
一字一句から、noirさんのお気持ちが痛いほど伝わってきます。読んでいて私も胸が苦しくなりました。
nyaoさんがおっしゃるように、本当にジレンマですよね。
私もnoirさんのいらっしゃる状況にいたら、きっと同じ選択をしたと思います。
いやぁ、すごく分かりますよ、Noirさんのお気持ち。 シェルターはそれがつらくて、ボランティアに踏み込めないでいる自分がいます。 見たらみんな引き取ってあげたくなっちゃう。。。 いつか人間が犬猫の命の責任を、人間の命と同じくらいの重さで持てる日が来る事を夢みております。
>義務でボランティアをやってはいけないのだ…..
ボランティアに対するnoirさんの意見に全く同感です。
僕もNOIRさんの気持ち、手に取るように分かるなぁ・・・。アニマル・シェルターでも仕事は必ずしも楽しいことばかりではないですよね。同じくらい辛いことも多いのでしょう。もし僕も罪の無いかわいい動物達が処分される場に居合わせたとして、どう対処していいのかなど想像もつきませんね。でも平常心ではいられないのは確かだと思います。
不幸な動物の死を減らすということ、イコール、無責任な人間を減らすということですよね。もしペットを飼うなら、最期まで看取る覚悟で飼ってほしいものです。
>nyaoさん
シェルターの処分されるのが分かっているような動物みてる
の、本当に辛いです。だからといって、放っておけばいいわけ
ではないし。誰かが散歩させてあげたら、犬は喜ぶの分かって
るんですけどねぇ。
nyaoさんのおっしゃる通り、ストレス感じてしまうんです。
情けない私…。同感していただいてうれしいです。
ありがとうございます。
>マルコさん
シェルターのケージ、空いてるときは処分されてないと
私も思いたいのですが、たまに大量に写真が削除されること
があるので…。ボランティアには分からないようになって
るのですけど、想像すると辛くなります。
何日もケージから出してもらえない犬がいて、散歩が必要
なのは分かってるのです。でも行かなくては、って思って
ストレスためるのは、間違っているような気がして辞めま
した。分かって頂いて、ありがとうございます。
当分金曜のFOCASだけにします。午前中、よかったらまた
遊びに来てくださいね♪
>piyoさん
パルボは助かる確立、高いのですか?知らなかった。
それを聞いてちょっと安心。シェルターの犬たちも、むげに
全頭処分されることはないでしょうね(そう思いたい)。
捨てた人間が悪いのは分かってるのですが、忠実な犬たち
見てると、ものすごく罪悪感感じます。
piyoさんもいつも辛い思いされていることでしょう。
私は猫ボラだけ当面続けることにします。コメントありがと
うございます♪
>bunnyさん
現実から目をそらしてしまうようで、胸が痛むのですが
今回は自分のために、辞めることにしました。間違って
いないと思いたい。
優しいお言葉ありがとうございます。
>雅子さん
そうなんですよ、みんな引き取りたくなるのは私も一緒です。
シェルターの嫌なのは、処分が目前に控えているのが
分かってしまうことなのです。特にけなげな犬たちを
見てると罪悪感でいっぱいになってしまいます。猫ボラン
ティアの団体は処分しない方針なので、当面そちらだけ
続けようかと思ってます。処分しにくる人間も、よく
見かけますが、全然平気な顔してるんですよ。それがもう
腹立たしくて。
雅子さんの言うように、いつかそんな日が来るといい
ですね。まだまだ、遠い(はぁ)。
>あきこさん
やっぱりそう思う?好きでやれることでないと、いけない
よね。ありがとう。
>matthewさん
ほんとに。無責任な人たちを、目の当たりにすると怒りで
震えますよ。処分する現場は、ボランティアにはさすがに
見せないのですが、捨てに来る人たちはよく見かけます。
全然平気な顔してるんですよ。matthewさんの言うように、飼ったら最後まで看取る、当たり前のことですよね。
なんで平気なのか、理解不能で、やりきれなくなります。
ノアさん・・・この問題は私のエッセーでもちょっと取り上げてるんだけど・・・
処分されてしまう子達の事考えると胸が締め付けられる想いで一杯・・実は私も前にシェルターのボランティアを考えたん
だけどどうしても最後を見る事が出来ないのでやめました。
あのけなげな目でじっと私を見つめるワンちゃんや猫ちゃん達
が明日にはその命が処分されるって考えたら毎回ね?本当
そこに居る全員を連れて帰りたい!って気持ちになってしまうの・・・。みんな命あって生まれてきたのにね・・・。
私の場合、お世話になった猫ボラさんの所属する団体が、安楽死推進派だったんです。
術後の経過が悪いと薦める。てこずる猫がいると簡単に薦める。
で、縁を切り、個人で活動する事にしました。
当然、行動範囲は狭いし、助けてやれる猫も少ない。
でも、自分が納得出来る活動なので、それで良いのだと思っています。
精神的にも、体力的にも、無理しない範囲でやってこそ、長く続けられるんだと。
noirさんも無理しないで下さいね。
>くろねこさん
ほんとうに。くろねこさんの言うように、みんな命があって
生まれてきたのに、捨てられて処分されて、本当にかわいそう
です。特にね、人間が大好きでたまらない!という様子の
犬を見ていると、辛くてなりません。
ボランティアには処分の様子は全く知らされないのですが、
それでも実際に、翌日には居なくなったりするので、
想像してしまうと、やりきれないなります。シェルターの
ボランティアが必要なのもよく分かるのです。私ももしかし
たら、いずれまた復活するかもしれませんが、今は
ちょっと。くろねこさんと同じ気持ちです…。
>piyoさん
そうですか。安楽死推進する団体がやっぱりあるのですね。
どの主義が間違ってるとは言えないですが、自分が納得
できることをやるのが一番です。無理してはいけない。
piyoさんのお気持ち分かりますよー。世界中の猫を救える
わけではないのだから、自分の目の前のこの1匹を救えれば、
そしてそれで自分が満足できれば、一番いいのだと思いま
す。私など団体に所属しているだけなので、個人でやって
いるpiyoさんは、とてもすごいと思います。お互い、楽しく
無理せずがんばりましょうね!