猫にごはん

 

 

 

 

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カテゴリー : volunteer

2007年5月28日

オス猫の好きなこと

こんにちはGatsbyです。 → 猫にごはん
ボランティア先に、数週間前から1匹のオス猫がいる。名前はGatsby。中毛のタビー猫で、この手の毛が長い猫は、よく見に来る人に「オゥ、ゴージャス!」などと表現されることが多いのだが、このGatsbyに限ってはそんなこと言われたことがない。なんというのだろうねぇ、一言でいうと「なんとなく貧相」な雰囲気が漂っているのだよね。いやもちろん、とってもかわいいのは間違いないのだが。さらにこの猫には、一つだけ困った癖があり、それもお客さんを少し引かせてしまう原因でもあるのだ。
『メス猫とみるや、すぐさまマウントしてしまう』
ここにいる猫たちは、全て去勢・避妊手術をしてあるのだが、去勢しているオス猫でも、たまにこういう行動をとってしまうそうなのだ。メス猫の首筋を噛み、上にのしかかり、何やら行動をはじめようとする。それはもう頻繁なので、メスたちは全員Gatsbyのことをたいへん嫌がっている。近づくとウシャーとやられるのだが、それでも隙をみてはまたもやマウント。いいかげんにせいっちゅうの。
ボランティア先にいる猫たちは、できればみんなうちに持って帰りたいと、いつも思うのだが、Gatsbyに限ってはそんな気はおきない。もし連れて帰ったらソフィーが襲われること間違いない。どうか、オス猫だけを飼っている人の家に、早くもらわれますように。
メス猫の中でもいつもいつも狙われているのが、Tofuttiで、誰に対してもおとなしいこの猫が、Gatsbyに対してだけは激しく怒る。なるべく一緒に出さないようにしてやるのだが、どうもメス猫が多いもので、すまぬねTofutti。
狙われるTofutti → 猫にごはん

ところでこの日は子猫が2匹いた。生後8週間の兄妹猫で、柄もそっくり。元気いっぱい走り回っているので、落ち着いていることがないくらいだ。柄があまりに似ているので、どっちがメスだかオスだかすぐに分からなくなってしまう。
そっくりな兄妹。 → 猫にごはん

ところがGatsbyったら、こんな小さな子猫にまでマウントしてしまうのだねぇ。もちろん子猫はミーミー泣いて嫌がるので、すぐさま引き離す。しかしこんなにそっくりな2匹なのに、いつも間違わずにメスにだけ向かうところがさすがは動物だ。おかげで区別がつきやすかったよ。
膝乗り猫Royal。 → 猫にごはん

これは、甘えん坊大将のオス猫Royal。体重が10キロ以上もあるというのに、膝の上に乗るのが大好きなのだ。この日もずいぶん長いこと膝に乗られていた。あ、もしかして足の筋肉痛が治らないと思っていたのは、このせいだったか...。

2007年5月11日

トニーとアレックス

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タキシードキャットのこの2匹は、3歳になる仲良し兄弟だ。たいへん人懐っこく、遊び好きで、元気いっぱい。そんなトニーとアレックスには、他の猫たちとちょっと違うことがある。
それは、この猫たちの経歴書。前の飼い主が書いた手紙が、2枚にわたって添付されている。
内容は極めて詳細だ。名前の由来、それぞれの性格、どんな餌が好きか、朝晩ドライと缶をどれくらいやるべきか、どんなおもちゃが好きか、それらの遊び方。そして数々の思い出も綴られている。猫を海岸に連れて行って遊んだときのこと、キャットニップビデオをはじめて見せたときのこと、どんなにこの兄弟たちが仲良しでかわいらしいか、兄弟の見分け方や、首輪の柄の違いまで、それはそれは詳細な記述だ。さらに、この兄弟たちの使っていた山ほどのおもちゃを箱ごとと、爪研ぎ付き家具まで付けている。
それを読んだ私の感想は、なんて無神経な飼い主だろう、というものであった。いったいどういう神経で、楽しい思い出話を綴りながら、猫たちを捨てられるのだろう。だったら捨てるなよ。
捨てた理由はその手紙には書いていなかったが、インタビューした人が聞いたところ、小さいアパートに引越しをするから飼えなくなったのだそうだ。
ここにいる猫たちはもちろんみんな捨てられた猫ばかりだ。私も今まで何度か、泣きながら猫を捨てに来る飼い主たちと会ったこともある。しかし、こんな手紙をつけてきた人は見たことがない。思い出話に同情して、この兄弟たちだけ特別にかわいがって欲しいとでも思っているのだろうか。おもちゃ付きで捨てられる猫も何匹もいたが、こんなにたくさんのおもちゃや家具を持参してきた猫はいない。これらがボランティア団体への寄付ならまだ分かる。しかし、この兄弟たちのためだけのおもちゃだなんて。しかも遊び方の指示付き。猫をシェルターに捨てるというのは、ペットホテルに預けるのとは訳が違うのだ。動物に対して、残酷なことをしているという自覚が、この手紙からは私には全く感じられなかった。こんなことしたら、ボランティアたちの気持ちを逆なでするとは思わないのだろうかなぁ。
飼い主が、今まで猫たちをかわいがっていたのだろうというのは、よく分かる。兄弟たちはそろって、本当に愛らしく、甘えん坊で、人間の膝にもためらいなく乗ってくる。人間が好きなのだろう。確かにかわいがられていたのだろう。捨てるには理由があったのだろうよ。でもだからといって、許されることではないのだ。どれだけかわいがっていたか証明したところで、罪悪感は軽減できないのだよ。

飼い主の付けてきた長い長いプロフィールとは対照的に、ケージに取り付けられたプロフィールは、ほんの短いものだった。
『ぼくたちは飼い主に捨てられました。兄弟一緒にもらってくれる人を探しています(I was relinquished by my owner with my brother. We need to go together.)』
誰かボランティアの一人が書いたものだ。"relinquish"という単語を普通はプロフィールの欄に書いたりはしない。さらにそこに、別のボランティアが付け足して書いていた。
『ボランティアの人は、ぼくたちのことをすばらしい猫だと思っています!(Volunteer thinks we're great!)』

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2007年4月13日

困ったときは...

ボランティア先には新入りの猫が2匹。生後5ヶ月の子猫兄弟たちだ。兄弟はもちろん、Must go together(一緒にもらわれなくてはいけない)のルールだ。しかもミルクのうちから世話していたフォスターマム(Foster mom/自宅で猫を一時預かりするボランティア)が、ひとしおこの兄弟たちに愛着があるようで、里親希望者があれば事前に話して自分がOKを出したいという。フォスターファミリーの家で、よっぽどかわいがられていたんだね。その人なつっこさと、物怖じしない様子をみればよく分かる。

私のシフト時間が始まるとすぐに、電話がかかってきた。午前中の人が休みだったので、今日は私が最初のボランティアなのだ。今朝店頭でみつけた子猫の兄弟はまだもらわれていないか、と聞く男性の声。もちろんまだいる。ここで遊んでいる。私のシフト時間が終わるまでには、奥さんを連れて必ず店に来るとのこと。この兄弟たちに一目ぼれしたのだ。かわいいものね。すぐにもらわれると思った。1匹150ドル、合計300ドルのアダプションフィーがかかること、カードは使えないことを説明すると、お金など全く問題ないと自信満々だ。数時間後再び電話があり、あと10分で着くからそれまで絶対に待っていてくれ」と念をおされる。と、ここまでは、順調至極だったのだが、その電話を切った直後に、60代と思われる白人女性が私の目の前に突然現れたのだった。
「昨日も見にきたの。この子猫兄弟をもらいたいの」
なんと。もう一人里親希望者が現れてしまった。ボランティアグループのルールは、first-come, first-served(早い者勝ち)が原則だ。そういう意味では、この女性のほうが確かに今ここにいる。しかし、しかし、う〜む。

とりあえず目の前の女性Cに状況を説明しがてら、話を聴く。先月愛猫を亡くしたばかりなのだそうだ。14歳まで生きて、晩年はずっと投薬が必要だったのだという。いかにも優しそうな愛らしい女性。ご主人と二人暮らしで、猫がいなくなり寂しくて仕方がないから、この店にいつも猫を見にきていてたのだ。そして兄弟たちにすっかり心を奪われたのだという。なんて良さそうな里親候補者だろう。さらに聞けば、サンディエゴでもお金持ちの多く住んでいる高級エリアの住人。完璧だ。さっきの電話さえなければ、今すぐにでも猫を渡したい。

しかし物事はそうは甘くない。見ると、50代中頃と思われる夫婦が足早にこっちに向かって、いかにも何かを期待するように目を輝かせてやってくるではないか。自前のキャリーケースまでしっかり持参してきている。あのー、間違いないとは思いますが、先ほどの電話の方で....?
その通り。「猫をもらいにきた」と確信を持って私に告げる旦那R。そしてR妻は、兄弟猫を見るなり声をあげた。
「あぁ、2週間前に死んでしまったルイーズにそっくりな柄だわ!夢みたい!」
これが問題の子猫たち。 → 猫にごはん

こ、これは困った状況になってしまった。焦る私にも気づかず、興奮状態のR夫妻は、2週間前に亡くなったルイーズという猫がどんなにかわいかったか、毎日一緒のベッドで寝ていたので今どんなに寂しいか、兄弟猫を再び飼うことでどんなに慰めが得られることかと、とうとうと話しだす。
まずい。非常にますい。話しながらさりげなく情報を聞き出すと、ご夫婦そろって大学の教授。こちらも超高級エリアの一軒家にお住まいで、子供なし。家は広々。見るからにお金持ちそうな身なりをしている。しかも品がよく、優しそうだし、R妻にいたっては仕事を切り上げて、私のシフト時間に間に合うように飛んできたのだという。なんと理想的過ぎる里親候補者たち。できれば1匹ずつわけてあげたいくらいだ。困ったなぁ。
仕方なくR夫妻に、あちらの女性Cも兄弟たちを欲しがっていることを告げる。Cのほうが早く来た。しかしR夫婦のほうが先に連絡をくれていた。私にはどうしたらいいのか決められないので、みんなで話し合いましょうと打ち明けた。そこで、3者で長い長い話し合いがもたれたのだった。
猫をはさんで約30分。2組ともたいへん穏やかな上品な人たちなので、決して誰も我を張ったり、声を荒げたりはしないのが幸いだ。2組とも状況はそっくりだし、まさに甲乙つけがたい。それはすぐに互いの知るところとなり、出るのはため息と苦笑いばかり。しかし、どちらも決して譲らないのがまたアメリカ人らしい。
そこで私は1つ提案してみた。2組とも申込書をとりあえず書いてもらって、それぞれフォスターマムと後日電話で話して彼女に決定してもらうというのはどうだろう。ボスに電話で相談すると、それがいいだろうと同意してくれた。
しかし、CもRもそれでは嫌だというのだ。決めるなら、今すぐここで決めてくれ。そのほうがフェアだと。お前が今この場でジャッジじろという。そ、そんな無茶な〜。

さて突然ですが、ここで問題です。
結論からいうと、この後どちらか片方に決まりましたが、いったいどういう方法で決まったでしょうか。正解は<続きを読む>にあります。クリック前に想像してみてくださいまし。
幸せいっぱいの里親。 → 猫にごはん

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2007年4月 6日

猫たちの過去

ボランティア先にいる猫たちにはさまざまな過去がある。前回紹介した通り、黒猫Katoは怪我でシッポをなくした。この白猫Corazonは心臓病だ。まだたったの1歳だというのに、これから先永遠に一日一回心臓の薬を飲み続けなくてはならない。この猫は、たいへん大人しく甘えん坊で、人間のされるがままなので、薬をやるのも楽ちんだろう。薬代は月に約10ドル。そんなのなんてことないわ、と思ってくれる里親があらわれることを願う。
Corazonはlap cat(膝乗り猫)。 → 猫にごはん

病気の猫だからといって、あきらめたものではないのだ。長らく残っていた腎臓病のFlowerも先週新しい飼い主にひきとられたし、別のもう1匹の心臓病の猫も、老夫婦にひきとられた。偶然にもこの旦那さんも心臓の具合がよくないそうで、毎日薬を服用しているのだという。それがなんと、猫の薬と全く同じものだったのだ(猫は1タブレットを4分割して服用している)。猫用の薬をもらいにいく手間がはぶけるわーと、喜んでひきとってくれた。こういうのも縁なのだろうな。よかったね、いい人たちがみつかって。
歯がなくても元気です。 → 猫にごはん

その他、交通事故にあった猫が2匹いる。そのうちの1匹Louiseは顔面を怪我して、犬歯が全部なくなてしまったが、顎を手術し、今はドライフードも他の歯をつかって食べることができる。そしてとてもとても性格がよくて優しくて、まさにスウィートな猫なのだ。今日見にきたお客さんたちも、みんな口をそろえて、かわいいかわいいと誉めていた。きっときみは早くもらわれるだろうよ。

まだら猫のRainbowも交通事故の経験がある。足を怪我したが今ではすっかり元気になった。しかしこのRainbowの問題点は足のことではない。とにかく気性が荒いのだ。猫にも人間にもシャーシャーと激しく威嚇し噛みつき引っ掻く。私もこの猫を扱うときは、他の猫たちを閉じ込めたあとに慎重にしている。一匹だけだとそれほど悪くないのだ。ヒモのおもちゃが大好きで、シャーシャー怒りながらもよく遊ぶ。
今日ふらりと立ち寄った白人女性が一人。私はRainbowのFoster Mom(フォスターマム。治療中に一時預かりをした家族のこと)を6ヶ月やっていたのだという。久しぶりに彼女に会いにきたので触らせてもらえるかと。
なんと、気性の荒いこの猫を半年も自宅で世話していたのだ。そして激しくシャーシャーされ、激しく噛み付かれながらも、「あぁなんてかわいいのRainbow。全然変わってないわね」と喜び頬ずりをする。こういうフォスターファミリーは、ボランティア団体にとってとても重要なのだ。店先に並べられない病気の猫の世話を元気になるまで自宅で請け負ってくれるボランティア。しかもこんなにタフな気性の猫も長期に渡って喜んで預かってくれる。他にも猫を飼っているというのに、なかなかできることではない。住宅環境が許せば、いつかこういうボランティアもやってみたいものだと憧れる。
ブラッシングに激しく抗議中。 → 猫にごはん

私がフレンチキャットに育てたのよ、と満足げなこのフォスターマム(彼女はフランス人)。この人もかなり変態猫バカ飼い主の香りがただよう。えーとフランスの猫って、みんなこんなに気性が荒いのでしょうか...。

ここにいる猫たちみな、人間に捨てられたりもしくはレスキューされたりして連れてこられた。さまざまな過去を持ち、それはもちろん暗いものばかりなのだ。しかしそんな猫たちに、新しく温かい家庭を提供してくれる人たちもたくさんいるのは間違いない。みんながんばるのだよ。

2007年3月23日

要注意!

ボランティア先の猫缶ストックをチェックしてみたところ、リコール対象商品などとっくのとうに誰かが処分していた。それどころか、リコールに関してのQ&Aまで作成されていたのでびっくりした。内容は要するに、該当と思われる猫缶をあげていた可能性が少しでもある場合は、猫をよく監視し、少しでもいつもと違うような気がしたらすぐに動物病院へ連れて行くようにというものだった。ボランティアをしていると、猫に関する一般的な質問をしてくる人もけっこういるので、誰かに何か聞かれるかもしれないものね。
ペット用品店側の対応は、もうとにかく対象商品はレシートがあってもなくても即座に返品を受け付け、動物病院を紹介し、返品商品の取扱いには細心の注意を払うようにということであった。これだけの規模のペットフードのリコールは全米最大だそうなので、みんなかなり神経質になっている様子がうかがえる。

こういった注意事項などを貼っておくボードが、スタッフ用の場所にある。そこには他にも、例えばこんなものも貼ってあるのだ。
要注意人物 → 猫にごはん

『Do not adopt list(里親禁止人物一覧)』の一部。このリストに載っている人物が猫を欲しいと申し出てきても、即座に断らなくてはいけないのだ。その中でもこれはかなり強烈な注意喚起で、もはや指名手配ポスターといってもよいくらい。この犬猫虐待常習犯が今サンディエゴにきているので、気をつけろというポスターだ。もちろん顔も名前もばっちり載っているが、いちおう黒塗りにしてみた。私は猫の顔と名前はすぐに覚えられるのだが、外人の顔と名前を覚えるのが非常に苦手なので、毎回このポスターを見ては、記憶を新たにしている。私一人のシフトのときに、この人がほんとに来たらどうしようと、いつもどきどきする。怒りのあまり錯乱して、虐待されたかわいそうな猫たちの復讐をしてしまいそうになるのでね。ほほほ。
かわいい黒猫Kato。 → 猫にごはん

本日は新入りの黒猫がいた。私は黒猫には目がないので、黒がいるとどうにも気になってならない。プロフィールをみると、1ヶ月前にレスキューされた猫だ。尻尾にひどい怪我を負っていたところを発見されたのだ。手術で切り落とさざるを得なかった尻尾は、今は3cmくらいしかない。まだ手術の痕もなまなましく、毛も生えそろっていないというのに、もうかわいらしく元気いっぱい遊んでジャンプもできる。まだ1歳だものね。回復も早い早い。
この黒猫の名前は『KATO』。確かどこかの国の言葉で『猫』という意味だったような記憶があるが、定かではない。アメリカ人的にはこれは「ケイト」と発音するが、どうもカトちゃんという感じなのだ。早く良くなるのだよ、カトちゃん。

2007年3月 2日

猫写真

ボランティアにいくときは、いつもデジカメを持参している。それは、もちろんただ猫の写真を撮ることが好きなことが第一の理由なのだが、ボランティア先のウェブサイト掲載用の猫写真を撮るという名分もちゃんとあるのだ。
このサイトには私の撮った写真も一部使用されている。実はそのウェブサイトの更新係もやっているのだ(臨時に写真係をやることもある)。本当はサイト全体のメインテナンス係のはずなのだが、そちらは事情があってまだ何もしていず、今のところやっているのはただデータの登録のみ。やっていることは、データベースに猫のプロフィールを入力して、写真をアップロードし、データベースの更新をすること。これはまるで黒猫振興会でやっているのと同じことなので、趣味と実益を兼ねている仕事だ。と言いたいところだが、いずれにせよボランティアなので趣味と趣味を兼ねているだけなのだ。

今日ボランティア先に女性から電話がかかってきた。
「ウェブサイトに載っているジーナという猫がとてもかわいいので電話した。まだこの猫はいるか?」
おぉ!なんと本当にサイトを見て電話してくれる人がいた。しかし残念ながらこの猫はもうすでに、もらわれてしまったのだった。サイトの更新さぼっていてすまぬ。
ついでに言うと、そのジーナの写真は私が撮ったのだった。こうしてほめられると(ほめられてないか?)、少しはやりがいもあるというものだ。もっと写真もがんばろう。少しでもかわいく写真に撮れて、それがきっかけで一匹でも多くの猫がもらわれたらうれしいものね。
今ごろ幸せに暮らしているジーナ。 → 猫にごはん

ところで、新しく来たばかりのこの長毛猫はオスカーという。驚くべきことにオスカーの特技は、人間に抱きついてくること。おいでー、と腕を差し伸べると、腕の中に素直にどーんと飛び込んでくる。もう2度と離さないでといわんばかりに、ヒッシと抱きついてきて、ぐりぐりと鼻キスをしてくる。はたから見たら、抱き合っている私たちはまるで恋人同士のようではないか。こんな猫初めて見た。それはそれは甘ったれなのだ。かわいいねぇ。欠点は、人間の顔をみると抱きついてくるため、ちっともいい写真が撮れないこと。すまぬ、オスカー。次回また撮りなおすからね。
ぴんぼけすまぬ....→ 猫にごはん

2007年2月23日

タフな猫

ボランティア先には、今日は新しい猫が数匹入っていた。新しい猫がいる、ということは何匹かアダプションされてケージが空いたということだ。いずれにせようれしい。
新しい猫との出会いはいつも新鮮だ。どんな性格な猫なのか、どんな態度をこちらに示してくるか。資料を読んだり様子をうかがってみて、分かるまではなるべくうかつにケージを開けないようにしている。まずは、古株の猫たちのケージから開けて、掃除したり、遊んだり。他の猫とOKな猫ならば、ケージにしまわずそのまま時間いっぱいまで部屋の中を自由に遊べるようにしてやりたい。それぞれ相性があるから、なかなかその組み合わせが難しいのだ。そして最後に、新しい猫たちのケージを開ける。
新しい猫は大人の猫が4匹。長毛、長毛、中毛、短毛。もう見るからに、おとなしそうな猫たち。そういう猫って、顔を見ればなんとなく分かる。いかにも人に対して危害を加えなさそうな、されるがままになりそうな顔をしているのだ。ケージを開けたとたんに素直にみんな出てきたが、すぐさまケージの下の高さ20センチくらいのスペースにもぐりこんでしまった。この下に入ると、出すのが一苦労なのだ。のぞきこんで居る場所を確認し、床にぺったり寝そべって、手を思いっきり延ばせばなんとかぎりぎり捕まえられるくらいの場所。
実は私、今朝は目が覚めたときから、頭痛がひどく、とりあえず薬を飲んで行ったのだが治らず。
こういう日に限って、お客さんも多く、このケージに入っていた長毛の猫はどこ?などと聞かれるたびに、床をのぞき込み、下から猫をひきずりだしたりしていた。長毛の猫は人気があるのだ。特にペルシャ猫など、こんなところにいるのはめずらしいから、みなが見たがる。おとなしい猫は、ずりずりひきずられても、特に文句も言わないが、何度も出されたりして今日はかわいそうだったなぁ。猫も災難だが、私のほうもその都度下をのぞきこみ、ますます頭に血がのぼって、しまいにはぐわんぐわん外に音が聞こえてきそうなほど、頭痛が激しくなった一日だった。ぐわぁぁぁぁぁ。
こちらが大人気、ペルシャ猫のCyrus。なんで舌がでたままなのかと、10人くらいに聞かれた。なんでなのか、私が知りたいくらいだ。
おとなしいCyrus。 → 猫にごはん

大人しい猫ばかりの中、一匹だけタフな猫がいた。黒猫Rosa。美しい漆黒のミディアムヘア(中毛)はふわふわで、お腹に顔をうずめたくなるほどいい感じ。しかしそんなことしたら、流血騒ぎになることだろう。たぬき顔がうちのノアを彷彿とさせる。嫌なところを撫でると躊躇なく噛むところや、見知らぬ人が抱き上げるとうぎゃーと暴れるところもよく似ている。おまけに遊び好きで強引で自分勝手で引っかくし、もうかわいいったらない。私はこういう気骨のある猫がたまらなく好きなのだ。
4ヶ月前にもらわれたRosaは、今週返品されたばかりだ。理由は飼い主を噛むからだと。そんな理由で返品する人が世の中にはいるのだ。もしうちのノアだったら、100万回くらい返品されそうだよ。
タフな黒猫Rosa。 → 猫にごはん

ところで本日は、例のヒーリングガイは現れず。この頭痛をすぐさま取り除いてくれたら、今なら悪魔でも信じたかもしれないのにね。

2007年2月14日

苦手なヒト

最近ボランティアに行くのに、ちょっと気が重いことがある。ここ2回ほど、私のシフトの時間に必ずやってくる人物がいるのだ。マイクという白人のおじさんで、年齢は60を過ぎている。
マイクは最初から入ってくるなり、かなり慣れた様子で、名札を見ずに猫の名前を呼んだり、自ら自己紹介などして握手を求めてきたりしたので、てっきり私は同じボランティア団体に所属しているのだと思って話をしていたのだった。しかしあとで確認したところ、今も以前もそんなボランティアの人はいない。
何が苦手かというと、まずはとにかくおしゃべりなこと。アメリカ人はおしゃべりな人が多いと常々思っているが、それも度を越してよくしゃべる。前回など2時間余りの間、ずーーーーーーっと自分のことだけを話していたのだ。
でもそれはまだいい。それは許す。中にはそういう人もいるだろう。話し相手が欲しいだけのお年よりも、ここにはよく来る。それはよいのだが...。
本人曰く、現在の職業は"Healer(治療する人)"だという。彼の主なおしゃべりの内容は、どれだけミラクルを起こして、今まで多くの動物や人を助けてきたかということなのだ。それはまぁ事細かに、いくつもの事件を語ってくれる。例えば、交通事故にあって道端で動けない状態だった猫に話しかけて、『気』のようなものを送りこんだとたんに、猫が元気に走れるようになった、とか。
私はまったく信心深くもないし、どんな宗教も好きではないし、霊的な話も、精神論的な話も嫌い。だからといって別に、人が信じているものをとやかく言ったりはしないし、自分に被害が及ばない限り、他人が何を信じようがいっこうかまわない。なので、この日も、ふんふんなるほど、と適当に相槌をうっていたのだった。

すると何を思ったか、おまえは今日は顔色が悪いなと言い出した。そう。確かに2~3日風邪で食欲がない日が続いた。そう聞いたとたん、マイクは私に「自分の『気』を注入してやろう」という。手をかざすだけで、体に触れたりは決してしないからという。

こうなると話は別だ。もうね、私はこの手の話は大嫌いなのだ。もちろん彼は何を売りつけるわけでもないし、何かの勧誘をしているわけでもない。親切に言ってくれているのだろうとは思う。しかし嫌なものは嫌。今まで何時間も素直に話を聞いていた私が、突如としてキッパリと「No,thank you!」と言ったものだから、彼も驚いたのだろう。何だか急に目が険しくなり、またもや自分が今までに人間に対しておこなったミラクルなヒーリングの話をして、私を納得させようとする。いや、もうそれは分かった。もし本当に動物を治せるのならば、どうか世の中のかわいそうな動物たちを治療しによそへ行ってくれ。私もこうなるとあとへはひかない。絶対嫌なのだ。
手をかざして祈ってもらったからって、おまえは何も損はしないじゃないかという。しかし、違うと私は思う。『気』をいれてもらったことで、私はそれに応えようと思ってしまうかもしれない。それだけで負担に感じる。それに『気』なんていれようがいれまいが、私の風邪はもう治りかけているのだ。明日には必ず治るのだ。それなのに、治ったら治ったで、『気』のおかげだ。などと思ってしまうかもしれないではないか。それが嫌なのだ。絶対に損だ。
つたない英語でなんとか説明するが、最後はなんとなく喧嘩別れのような雰囲気になり、捨て台詞を吐いて帰っていった。
「そんなこと言ってても、ほら、こうして話している間に、もう『気』をおくりこんだもーん。ほーら、もうすっかり顔色よくなったよ。」
きーっ、ムカツク。これは怒りで顔が紅潮しただけだわい。絶対に絶対に『気』なんて受け取ってないからねっ!そして次のお前のシフトのときに、またくると言っていた。あぁぁ、ゆううつだー。

こちらはまたたびの木。 → 猫にごはん

ところで今回は、日本からお土産にもらった『またたびの木』を、家から持ってきた。試したところ、半数以上の猫が反応を示した。特に気に入ってくれたのが、Matrix。普段無愛想なので、ゴロンゴロンと転がる様子はいっそう愛らしい。こちらの『き』は大人気だね。

2007年1月21日

豆乳猫

ボランティア先にいるこの白黒猫は、Callaという。8歳になる雌猫だ。体重は9キロもあるが、仔猫のようなかわいらしい声で鳴き、たいへん愛らしい。Callaは膝乗り猫(lap cat)だ。毎回足がしびれるほど、いつまでもいつまでも自分だけ人間の膝に乗りたがる。
大きいLap cat → 猫にごはん

こういう大柄な猫はあまり自分の体を舐めないからなのか、この猫はなぜだかいつもフケだらけだ。今日もたっぷりブラッシングをしてやったが、どうにもフケは取れない。困ったものだ。Callaはいつもこうして扉の前に座り、外を眺めている。きみが早くそこから出られる日がくるといいと心から願うよ。そのためにも、できるだけきれいにしないとね。

この茶色の猫はTofuttiという。3歳の雌猫で、年齢も柄もうちのソフィーに似ている。遊び好きで怖がりなところも一緒だ。
ちょっとシャイなTofutti → 猫にごはん

ところでこのTofuttiという名前、変わった名前だとたずねると、デボラが教えてくれた。元の飼い主がベジタリアンだったとのこと。Tofutti→豆腐→ベジタリアン。以来、誰もいないときは『豆腐ちゃん』と呼びかけていた。日本人には親しみやすい名前だと思っていたところ、試しにネットで検索してみたら、Tofuttiというメーカーがちゃんとあるのだった。れっきとした上場企業ではないか。乳製品を使わない、豆乳でできたフローズンデザートを作っている会社だそうだ。今度からは『豆乳ちゃん』と呼ぶことにしよう。

豆乳といえば、アメリカではたいてい牛乳売り場の横に、でーんと大きいスペースで豆乳売り場がある。むしろ豆乳のほうが種類が多いのではないかと思うくらいたくさんあるのだ。私は今まで一度も豆乳というものを飲んだことがないので、この際(どんな際だ)試してみることにした。チョコ味やら、バニラ味などフレーバーもたくさんあるのだが、まずは基本のオリジナルを購入。
冷蔵庫に入れ、様子をみる。しかし即座にJは、自分は絶対に飲まないと宣言する。嫌いらしい。そう言われると、途端にこちらも気弱になるものだ。1リットルもあるし、どうにも開けられないまま早くも3週間が過ぎようとしている(賞味期限がいやに長いのだ)。やっぱり飲みきれないだろうなぁ...。どうしようこの豆乳。

今日のボランティア中に驚いたことが一つ。掃除中、ふと外を見るとそこに見知った顔がいて、ガラス戸越に手を振っているではないか。おぉJだ。
仕事中抜け出して、見学にきたのだそうだ。今まで友達は何人か突然遊びに来てくれたりしたことはあったが、Jが来たのは初めてだ。何だか身内に、こういう働いている現場を見られるというのは、どうも気恥ずかしいものだ。久しぶりによその猫に触れるJは、まだまだ遊び足りなさそうにしていたが、とっとと掃除を終えて引き上げることにした。なんだか照れるのよね。

2007年1月 5日

はじめの一歩

この猫は7歳の雌猫でMatrixという。通常10〜12匹程度で推移しているボランティア先の猫のうち、最も長くここにいる猫(約3ヶ月)であり、かつ最も重い(約10キロ)。
私はこういう猫がかわいそうでならない。大きな体でこんな小さなケージの中に3ヶ月もいたら、そりゃあ性格も変わってきてしまうだろう。ログブックを見ると、当初は他の猫のようにケージから出て、遊んだりもしていたらしい。ところが、今やケージを開けてやっても自ら出てくることは決してなくなった。掃除中に無理に出されるとき以外、何週間も何週間も閉じこもっている。暗い目をして、全世界を憎んでいるかのような表情が哀れでならない。
確かにケージの中に手を伸ばしても、激しく威嚇してくるし、口も爪も出る。これではなかなかもらわれるのは、難しいだろうなぁ。もう少し社交的になってくれるといいのに。
前回来たときに私がやったことは、他の猫をみんなケージにしまい、誰もいなくなったところで、Matrixのケージを開けて、ついでに私も部屋から出る。10分くらい置いた後、そーっと部屋を覗くと、おぉ!前足だけケージから外に出しているではないの。しかし私と目が合ったとたんに、また元の位置に戻ってしまった。それ以降いくらやってもダメ。
ログブックにその旨を記録しておくと、他のボランティアたちから、それはすばらしい進歩だとお褒めをちょうだいした。それくらいの引きこもりぶりなのだ。
今日は最初から決めていた。絶対Matrixに外に出てきてもらおう。
今回は他の猫を閉じ込めるところまでは一緒だが、私は部屋に留まることにした。部屋の隅から「怖くないよ。大丈夫だよ」と(日本語で)声をかけ続けると、出てきた出てきた。すぐに戻れるようケージの前から離れはしないが、完全に外に出て床のにおいなど嗅いでいる。新年のはじめの一歩だね。ケージの外30センチの距離にさりげなく置いてみた猫草に、恐る恐る近寄って、もりもり食べている。かわいいではないの、Matrix。
その間、部屋の中に入りたそうにしているお客さんたちをも制止し、しばしの散歩時間を与えてやった。こうしてね、かわいらしいきみの姿を見られることによって、里親が見つかるかもしれないのだよ。これからは毎回私のシフトのときには、最初にきみに時間を与えてあげようね。
少しだけ探索中。 → 猫にごはん

その他、むかついたことを2つ。先週もらわれていったはずの、アビシニアン系美猫Bensonがたったの一日で返品されてきていた。理由は、家具をひっかいたから、とのこと。もう1つは、おとなしい猫を探しているという20代と思われる白人女性が、かわいい腎臓病のFlowerに目をつけた。かわいそうなことにFlowerは、捨てられる前に元の飼い主に爪抜き手術(declaw)をされている。「もう爪がないってことは、手術する手間がはぶけるわね」と笑ってのたまわったこのバカ女。帰れー!

2006年12月22日

クリスマスの前は...

今日はクリスマス前の最後のボランティアだった。そしてアダプションも最終日。というのは、クリスマス数日前は猫を渡さない決まりになっているからだ。クリスマスプレゼントとして猫が欲しいという人を断るためと、あわただしい時期に新しく猫を迎えるのは猫にとってもストレスになるからとのこと。
先週から1週間で5匹の猫が里親にもらわれた。そして空いたケージには新しい猫が入っている。入れ替わりがけっこう激しいのだ。今日は念入りに長毛猫をブラッシングし、仔猫たちは遊んでやり、甘える猫は膝に乗せて思いっきりなでてあげる。みんなかわいいねぇ。私の前のシフトのボランティアも、今日はクリスマス前だからと、全部の猫たちにトリート(猫のおやつ)をあげたと書いてあった。
クリスマスはこのペット用品店もアダプションコーナーも休みになる。掃除係り以外は誰もこない。かわいい猫たちを見ていると、この子たちが、誰も人もこないこの小さな部屋の小さなケージの中でクリスマスを過ごすのかと思うと、本当に胸が傷む。

猫にごはん

たぶんこれがクリスマス前最後のアダプションになるであろう。2匹兄弟猫たちは、この優しそうな女性に一緒にひきとられることになった。よかったねぇ。兄弟一緒が一番うれしい。
彼女は買い物途中でこの猫たちに目を留め、ケージの前から離れられなくなっていたのだった。「まさにこういう猫たちが欲しかったのよ!」というこの人、すでに3匹も飼っていらっしゃるというのに、猫を抱いた途端に即決した。すごい決断力だ。ちなみに3匹のうち1匹が、この同じ里親募集コーナーで10年前にもらってくれた猫だそうな。それにしても、仔猫のアダプション費用は1匹150ドル(ワクチン・手術・マイクロチップ済み)。2匹で300ドル。値段の問題だけじゃないのは分かるが、私だったらかなり悩むだろうと思う。
うちで一緒にクリスマスを過ごしましょうね、と優しく兄弟たちをなでて、連れて帰っていた。良い人にもらわれてよかったね。

その後掃除などしていると、ガラス戸の向こうで20ドル札を片手にひらひらさせているおばあさんがいた。何事かと扉を開けると、にっこり笑っておばあさんはお金を差し出したのだった。20ドルをボランティア団体に寄付させて欲しいとのこと。
「あなたは良いことしているから、きっと神のご加護があるわよ。メリークリスマス」
優しい人だ。なんだかうれしくて、うるうるしてしまった私。なんとなく今日はみんな優しい気分になっているような感じがする。
猫たちも人間も、みんな楽しいクリスマスを!

2006年12月 4日

Hug!

久しぶりにボランティアに行く。最後に行ったのはいつかとブログをチェックしたところ、1月だ。もう約1年も休んでいたのだなぁ。どんな猫ボランティアをしているかという詳細はこちら
長年、ボランティアのボスをやっていたミシェルが辞めてしまったのも1月。私はこの頃学校で忙しかったので休みをもらうことにしたのだが、同じ時期に多くのベテランボランティアもいなくなった。新しくボスになったのはデボラという人だ。体も性格も豪快なおっかさんタイプの女性で、恐ろしく記憶力がいい。この人ならよいまとめ役になることだろう。新しいボランティアもたくさん入っていた。いいことだ。
来週以降は週に一度、また一人で担当することになったが、今回は久しぶりなので、デボラも一緒。「Welcome back!」とあたたかい抱擁(hug)を受けた。
私はこの、女性からの抱擁が好きだ。特に両腕が回らないほどたっぷりとした肉厚な女性から抱きしめられると、うわ~とボーっとなってしまう。この人は大柄なので、大きな胸と肉にぎゅーっとうもれる感じがたまらない(←ヘンか?)。あー気持ちいい。

この日は、たまたま1匹の猫が点滴中だった。Flower(花)というかわいらしい名前の雌猫は、8歳で腎臓が悪い。週に一度点滴治療が必要なのだ。おとなしい、はかなげなこの白黒長毛猫は、点滴されている15分くらいの間、じーっとして文句の一つも言わない。長毛なのでふっくら見えるが、抱きあげると、痩せていて羽のように軽いのが分かる。人懐っこく、見知らぬ人間にもすりすりしてくるし、膝に乗せればそのまま素直に丸くなる。かわいいねぇ。こんなかわいい子が捨てられた理由は、トイレ以外の場所で粗相するようになったから、とのこと。前の飼い主は病院にも連れて行かなかったのだそうだ。今この子は、きちんと治療を受けて、まったく粗相もしなくなったそうな。早くもっと良い飼い主がみつかるといいね。
かわいいFlower → 猫にごはん

私がこのボランティア団体を好きな理由は、決して安楽死をさせない団体であることだ。どんなに年をとった猫でも、お金のかかる病気の猫でも、ちゃんと治療し里親を探す。当然それには限界があるため、無制限に多くの猫を引き受けることはできないし、独自にレスキューもしない。その代わり、一旦引き受けた猫には必ず里親を見つけ、何年たっても、どんな状態でも、飼えない事情ができたらその猫を返してもらう。
団体ができたのが、1977年だから、もう30年も歴史があるのだ。裕福なお金持ちからの寄付も多いし、ボランティアの人数も多い。みんなできる範囲で数時間だけでも、無理せずボランティアできるのがよい。私も、また週に1回楽しくやっていこう。

2006年1月25日

使えなかったカメラ

Whineyという名前の黒猫が帰ってきた。この猫は返品されたわけではなく、ひどい風邪をひいたため、少しの間動物病院に入院していたのだ。そのわずか数日の間に、Whineyの身に起こったことは、胸が傷むようなむごいことだった。
遊び盛り、いたずらっ子のWhineyは、具合が悪くて入院したのに、まだまだ遊びたい。ケージから小さい手をいっぱいに伸ばして、遊んで遊んでとみんなにせがむのがいつものくせだった。
その日病院で、Whineyのケージの前を通りかかったのは、やはり具合が悪くて連れて来られた犬だった。運悪く、気の立っていた犬に、前足をがぶりと噛まれ、取り返しのつかない事態になってしまったのだった。慌てて獣医も止めたようだが、残念なことにもうどうにもならず、左前足を付け根から切断しなければならなかったのだ。
まだたったの生後6ヶ月の小柄なWhineyには、そのケージの柵は大きすぎたのではないだろうか。誰を責めても詮無いことだが、病院にいてこんな事故が起きるなんて今でも信じられない。

そのかわいそうなWhineyが、手術を終えて、今日帰ってきた。それは、ただ風邪をひいて入院したときとは比べ物にならないほど、見るも痛ましい姿だった。体半分毛を剃られて、小さい体に十数針もの縫い痕が生々しい。
しかし、Whineyの性格は何ら変わっていなかった。今でも恐ろしくやんちゃで、3本足でそこらじゅうを走り回り、大人の猫のケージに入り込んで勝手に餌を食べ、シャーシャー叱られながらも一人で遊んでいたりする。掃除中の猫トイレに、キャットタワーのてっぺんから飛び乗って、思いっきり砂を流しにひっくり返し、配管をつまらせたりしてしまうし...。でもね、どんないたずらしても全然怒る気にもならないよ。元気なその姿を見て、店の従業員もお客さんもとても喜んでいた。
ただ一度だけ、ガラス窓越しに通りかかった大きな犬を見て、恐ろしそうに震えていたね。かわいそうになぁ。今日はカメラも持っていったのに、何度写真を撮ろうとしても、なんだかどの姿も痛々しそうに写りそうで、どうしても撮れなかった。本当はこんなに元気一杯なのにね。

Whineyは今は毛を剃られてしまっているが、本来美しい真っ黒な長毛の、たいへんきれいな猫だ。今日もボランティア先に、見に来る人来る人が注目し、かわいそうにと同情を寄せる。折りしも、もう1匹交通事故で片足を無くした別な猫が、里親にもられたばかり。大丈夫、こんなにかわいい君だもの。3本足だって、きっとすぐに飼い主が見つかるはずだよ。がんばれ。

2006年1月 4日

首輪のあと

今年初めてのボランティアだ。年末にいっきに数匹の猫がもらわれたので、年明けの今日ケージはがらがらだ。この猫はちょっと難しかろうと、みなが思っていた、専用の特別猫缶を水で割ったものを1日4回与えなければならない肝臓病のトビーも、大晦日の晩に里親がみつかった。たいしたものだ。
Jewel → Jewel

猫が少ないので、今日はゆっくりブラッシングしたり遊んだりできる。この写真の白猫はジュエル(Jewel)という。ジュエルはたいへん大人しく弱々しく、何をされてもじっとしていて、ほとんど動くことがない。まだ1歳の若い雌猫で、年からいうと元気いっぱいのはずなのに、遊ぶこともせず、いつも心なしか寂しそうに座っているだけだ。
しかし、今日ジュエルのケージの前でしばらくじっと座っていると、そろりそろりとやってきた。私の服のにおいをかいだあと、ためらいもなく膝の上に乗り、くるりと丸まったではないか。なで始めると、喉をゴロゴロ鳴らす。人間の膝に乗り慣れていて、いかにも人に飼われていた様子だ。
この猫は本来美しい真っ白の長毛猫だが、ここに来てから2週間くらいの間で、みるみる毛艶が悪くなった。もはや自分で手入れもあまりしていないようで、毛もひどくもつれている。来た当初はもっとずっときれいだったのに。餌もほとんど食べないで、見るからにひどく落ち込んでいるようなのだ。
ボランティア先の猫で、いつも哀れに思うのは、首輪のあとがある猫。これは飼い主に捨てられたという明白な証拠だ。以前はどこかの家の中で首輪をつけてもらい、かわいがられていたはずなのに、今は捨てられて首輪もなくなり、こんな狭いケージの中にいる。それでも長いこと毛皮にうまっていた首輪のあとは、めったなことで消えるものではないのだ。うちの猫たちだって、シャンプーしたあとでも、いつも首輪のあとが残っている。
ジュエルにもしっかりと首輪のあとがある。

私のボランティア先であるFOCAS(Friends of County Animal Shelters) という団体で、昨年度もらわれた猫の総数は562匹。安楽死もちろん0匹。1日平均約1.5匹里親がみつかっているのだ。この数字は前年度と比べると186匹増えているので、大躍進といえよう。

驚くほど軽くて小さなかわいいこの猫が、なぜ捨てられてしまったのかさっぱり理由は分からないが、どんどん元気がなくなって、ただあきらめきったような目をしているこの姿をみると辛い。
大丈夫。きっと新しいもっと良い飼い主が見つかるはずだよ。

2005年12月 7日

空のケージ

今週は2日続けてボランティアをした。昨日いたトラ柄の、ソフィーにそっくりなかわいい(♪)猫の写真を撮ろうと、今日はいさんでカメラを持っていったが、夜のうちにもうもらわれてしまっていた。がーん。いや、もちろんもらわれるのはうれしいのだけれど...。
昨日は忙しかったから、明日ゆっくり遊んであげようと思っていた猫もいなくなった。一日に計3匹も里親がみつかったのだ。こんなに多いのはめずらしい。先週の白猫たちも、あっという間に里親が見つかった。言いたくないが、いつも黒猫よりも白猫のほうが断然早くもらわれる(泣)。
昨日までよく知っている猫が入っていたケージが、今日は空になっている。うれしい反面ちょっと寂しい。猫との出会いも一期一会だ。次のときに、なんていってないで、できるだけ世話して遊んでやろう。
というわけで、今日はたくさん写真を撮った(←自分が遊んでる)。週末から日本に行くので、来週のボランティアは休み。次に出てくるときには、もうこの子たちには、会えないのかもね。それでいいのだ。みんな元気でね。

ちなみにサンディエゴの今日の日中の気温は21℃。あぁ、日本は寒そうだなぁ。行ってまいります。

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2005年11月30日

白猫三昧

先日ハロウィーンのあとに店頭に並んだたくさんいた黒猫たちはみなもらわれた。今ごろみな新しい家で、幸せに暮らしていることだろう。今度はどうか捨てられませんようにと、もわれわていくとき、いつも願ってやまない。
今日はめずらしく白猫が5匹もいた。うーん、白もかわいらしいこと。全部いっぺんに出してみて、黒猫のみならず、白猫もたくさんいるとかなりの迫力だということが分かった。要するに、同じ柄がいっぱいると人目をひくということだ。通りかかる人はみな驚いて、ほう!と足を止める。
しかしこの猫たちは、かわいい外見とは裏腹に、恐ろしく気が強かった。他のどの猫にも、兄弟お互い同士ですら、戦いを挑むし、ウシャーっと小さな体で激しく威嚇する。部屋中のいたるところで、シャーシャーと声がするので、気が散ってならない。シャーシャーを聞きながら、お客さんと話しつつ、ドアを開閉し、つい1匹白猫をドアにはさんでしまったくらいだ。すると店中に響き渡るようなすさまじい声で、うぎゃ~~~~~~~~~~~~~~と絶叫する子猫。あぁぁごめんよー。しかしなにもそんなに大声あげなくても...。
白猫たち! → 白猫たち!

この白猫5兄弟たちは、薄茶色の1匹をのぞいてみな真っ白なのだが、プロフィールには全員『SiameseMix』(シャム猫との混血)と書いてあった。アメリカ人は、なんとかMixと付けるのが好きだ。グレー1色の猫だったら、たいてい『ロシアンブルーMix』だし、色はグレーじゃなくて、ブルーと書かれる。今、ボランティア先には、ちょっと首もとの毛がふさふさしたグレーの大柄な猫がいる。今日見にきたお客さんの一人は、この猫のプロフィールは、ただのDLH(Domestic Long Hair:長毛雑種)じゃなくて、ロシアンブルー&メインクーンMixのほうがいいのではないのかと、マジメな顔で聞いてきた。そんなのいるのか?しかしまぁ、Mixでもなんでも、みな早くもらわれるといいね。

2005年11月 9日

after Halloween

アメリカでは、大きなイベントの翌日には、大きなセールがある。例えば、感謝祭のあとは、After Thanksgiving Day Sale。クリスマスのあとは、After Christmas Sale。
セールというわけではないけれど、ボランティア先では黒猫大量放出があった。前回書いた通り、先月末まで黒猫アダプション禁止令がでていたので、ハロウィーンが終わり、たくさん店頭に並ぶことになった黒猫たち。
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どの子もかわいいのう。
なんというか、黒猫ってたくさんいると、他の色の猫と違って、とっても壮観だ。黒は存在感があり、見ていてほれぼれする。うつくしい!お客さんも、「うわー、今日は黒猫がいっぱいいるわね!」とまず驚く。写真には写ってないが、全部で5匹いたのだ。まさに圧巻です。
この4匹の黒猫たちはまだ子猫なので、みんな元気に走り回り、部屋中をあちらにも、こちらにも、そこかしこに黒猫がいるという感じ。あぁ楽しい。
しかし、考えたら普通に黒猫をたくさん飼っていらっしゃる方がいるのだ。そう、黒猫振興会最多黒猫飼い記録4匹を誇る、『ねこや雑記帳』のあずきさん。このたびまたもや新たな黒猫と出会ってしまったあずきさんの家には、今5匹の黒猫がいるのだ。いつかこの記録が破られることがあるだろうか。そしてこの記録はどこまで更新を続けるか。とても楽しみ♪
それにしても、あー、5匹も黒猫がいるなんてうらやましー。

2005年11月 2日

いろいろあった日

今日ボランティア先であったこと。
寄付金を入れるケースが壊され、現金が盗まれた。透明なプラスチックケースで、お金が透けて見えるタイプの入れ物(カギ付き)の、裏側が割られ、現金がほとんど抜かれていた。お札もたくさん入っていたのに。11セントだけ残して、あとは全て盗まれた。小さな子供が自らお小遣いを寄付してくれたりするかたわら、こんな賽銭泥棒のような真似する人もいる。たくさん入っていたとはいえ、どうせ30ドルそこそこしかなかっただろうに。これからは、ボランティアが不在のときは、寄付金箱は隠しておくようにとのこと。わびしいことだ。

新しくきたばかりの猫3匹から、耳ダニ(ear mites)発見。うぅぅ。耳ダニってはじめて見た。すごく汚い耳だったので、ちょうどそこにいた獣医に聞いたら、即座に「Ear mites!」と断言。他の猫に感染しないよう隔離し、石鹸で手を洗えという。しかし、たまたまハンドソープが見当たらなかったので、水だけでごしごし洗っていたら、そこにある掃除用洗剤を使えと命令するのだ、この人。ひ~。洗うかこんなので普通?案の定、洗ってしばらくすると、両手の指先が全部、がさがさに荒れてしまった(泣)。アメリカの洗剤きつ過ぎる。平気な顔をして一緒に洗剤でごしごし洗っていたが、あの獣医さんの手は大丈夫だったのだろうか。

変わった電話数件。うち1件は、ある年配の女性からかかってきた。死んでしまった猫の生まれ変わり(reincarnated cat)を探しているのだという。片足だけオレンジと白のまだらで、金色の目の猫がいないかと聞くが、残念ながらうちにはいなかった。ダライラマじゃないんだから、猫が生まれ変わってまた猫になるのだろうか。しかも同じ柄になるのか。いろいろ疑念がわいてきたが、しかしこの女性が、いったいどれだけ長いこと愛する猫の生まれ変わりを探して、あちこちむなしく電話をかけ続けているのだろうと思うと、かわいそうでならなかった。お気持ちよく分かります。どうかいつか見つかりますように。

ハロウィーンが終わって、店内は早くもクリスマスの飾り付けになった。猫のケージのすぐ上にも、緑の蔦の葉のようなものをからませ、そこに巨大なオーナメント(直径30cmくらいの球)を飾るという。そんな場所にまで何も飾らなくてもと苦い顔で見物していたら、猫たちもみな興味津々で見ていた。
飾り付けが終わり、満足げに眺める店員たち。が、まもなく、がしゃーんという音とともにオーナメントは落下して、気持ちいいほど粉々に砕け散ってしまった。
あ、危なかった。ほんの3秒前まで、そこには生後2ヶ月の子猫たちが遊んでいたのよ。死んでしまうぞ!あまりびっくりしたので、私も店員も十数匹の猫たちも、皆しばし固まって動くものはいなかった。
飾りつけは部屋の外側にだけ行うようにと、即座に変更が決定されていた。

すごくかわいい子猫もたくさんいたのに、今日は忙しくて一枚も写真が撮れなかった...(T_T)。

2005年10月21日

黒猫の憂鬱

ボランティア先での最近の私のお気に入りは、この猫たち。ButchとSundance。6歳になる兄弟猫だ。
Butch(黒猫)とSundance(オレンジ猫)。 → ButchとSundance。

猫はみなかわいいのだけれど、たくさんいるとどうしてもお気に入りや苦手な猫がでてきてしまうもの。もちろん、みな同じようにブラシをかけたり、同じ時間遊ばせたり、同じように世話はするのだが、この子たちは暇があると、ついかまいたくなってしまうのだ。
顔つきを見ただけで、いかにもおっとりした、いかにも優しいこの兄弟。その通り、他の猫に何をされても、人間がどんなに撫でたり抱いても、たいへんおとなしくじーっとしている。たまにこういう、されるがままの猫がいるものだ。人が近付くだけでぐるぐる喉を鳴らし、人懐こっいったらない。なんでこんなにかわいい猫たちがまとめて捨てられてしまったのか、見当もつかない。お互いすごく愛し合っている仲の良い兄弟なので、まとめてもらってくれる里親を探している。人懐っこいから、新しい里親を見つけるのも、きっとそう時間はかからないに違いない。
いつも一緒。 → いつも一緒。

今年はほんとうに子猫が多く、春も過ぎたというのにまだ9匹もの子猫がいる。うち黒は6匹。このおとなしい黒猫Butchと合わせると、黒猫は今7匹もいる。例年のことながら、ハロウィーンを前に、今ボランティア先では、黒猫のアダプション(里親探し)は禁止になっている。理由はハロウィーンの仮装もしくは飾り付けの一部に黒猫を欲しがる人がいるからだそうだ。
だから、里親希望の申込書を書いてくれても、黒猫の場合は、なぜその猫が欲しいか理由を詳しく問い詰め、ハロウィーンが終わるまで待ってもらうように頼まなくてはならない。もし「黒猫いる?」などといきなり入って来る人がいようものなら、即断るようにとのこと。おまけにその人の名前を聞いて、ブラックリストにまで載せる。そんなことをしなければならないと思うと、気の弱い私はこの時期かなり憂鬱だ。
しかしもちろん、本当にその黒猫を気に入ったのなら、ボスのミシェル(←かなり怖い人です)に直接交渉して道を開くことができる。まぁ、ミシェルに直接電話で話してネゴシエーションしようなどという勇気のある人だったら、たいていは大丈夫なのだ。こういうアメリカ人の融通の利くところ、いいですねぇ。

2005年9月28日

レスキュー猫たちは今

今週はもういないだろうと思っていたら、まだいた。子猫!
ぼくたち来たばっかり。 → ぼくたち来たばっかり。

今年は子猫の当たり年。それはまあ、次から次へと子猫がきれることがなく、ケージに並ぶ。どこでこんなにたくさんの子猫がレスキューされるのだ。普通は春から初夏にかけて子猫がたくさん生まれ、その後はほとんどこのボランティア団体には回ってこないのだが、今年は違う。この2ヶ月だけでも、30匹はもらわれただろう。
今日は4匹の子猫プラス大人猫10匹。先週紹介した、片足が不自由なSadieとCori(←ちゃんとペアでもらわれた)、黒猫小猿のMr.Brownたちは、みな里親が見つかり、いなくなっていた。よかったよかった。このやんちゃな4匹兄弟も、きっとすぐにもらわれるだろう。
と、書いたところで今ボランティア先からメールが着いた。黒猫を除いた、ほかの2匹はもうもわられたとのこと。早っ。そしてまた黒が残る。がーん。
面倒見のよい雄猫Redmond。 → 面倒見のよい雄猫Redmond。

ところで、ハリケーン・カトリーナの被害にあったルイジアナ州へは、サンディエゴからもたくさんのボランティア団体がかけつけている。中でもHumane Societyという全米規模の動物愛護団体は、飼い主と離れ離れになり、残されたペットたちのレスキューをおこなっている。その助けられた動物たちが、今サンディエゴへもたくさん連れてこられているのだ。
Humane Societyのホームページでは、動物たちをレスキューしている様子が、写真やビデオで見ることができます(こちら)。ずぶぬれで助け出される猫や、心細そうな不安な表情をしている犬の姿を見ると、かわいそうでたまらない。
シェルターや受け入れボランティア団体には限界があるため、フォスターファミリーといって、一時的に(たぶん避難されている飼い主の方々が落ち着くまで)動物を預かってくれる人を募集している。うちもやりたいのだが、住宅事情からそうもいかない。その代わり、ボランティア先で寄付を受け付けたり、お客さんにちらしを渡したりなどしている。
ボスのミシェルは、自分の飼っている猫は3匹だったはずなのに、カトリーナレスキュー猫を預かり始めたため、今は全部で17匹も家にいるそうだ。すごいです、この人。ミシェル以外にも、猫を預かっている知り合いのボランティアが数名いる。もちろん無償だし、だいたい、いつ頃、元の飼い主と再会できるかも分からない。
人間の被害者の救済については、今、行政の対応が非難されている。しかし、残されたペットたちに対しては、行政だけに頼らず、このようにボランティア団体が自らすすんでレスキューし、保護し、飼い主が見つかるまで、各個人でもがんばって動物を守っている。こういうアメリカのボランティア精神は、本当にすばらしいし、見習うべきものだといつも感心する。

2005年9月21日

長毛猫の秘密

ボランティア先に行ってみると、先週返品されたばかりの猫たちがいた。2匹ペアでもらわれて、2匹ペアで返品された。この猫たちは姉妹ではないけれど、もともと同じ家に飼われていて、とにかくとっても仲がよいのだ。そろってかわいらしいのに、なぜだ。
もらわれてから3ヶ月も経ってから返品された理由は分からないが、この猫たちのことはよく覚えている。プロフィールのタグは、以前私が書いたものがそのまま貼られている。
DSH, Must go together (DSH:Domestic Short Hair(雑種短毛)。2匹一緒にもらってね)。そのうちの1匹、Sadieは生まれつき左前足が奇形(paralyzed leg)だが、とっても元気いっぱい。やんちゃでよく走り回る。
しかし、今日3ヶ月ぶりにこの猫たちに会ってびっくりした。このプロフィールにあるように、確かに以前は、(ちょい長めだが)絶対に短毛だったSadie。今やすっかり美しい、見違えるような長毛の猫になっているではないか。おまけに尻尾もふさふさゴージャス。まもなく2歳になろうかという猫が、たったの3ヶ月間でこんなに毛が伸びるものだろうか。うーむ不思議。もらわれて行ったところが、よっぽど寒い家だったのか。おまけに背中には、はっきり残る新しい大きな切り傷の痕が。何があった?
これは以前の写真。今はもっともっとふさふさ。 → 今はもっともっとふさふさ。

寒い地方に引越ししたら、猫の毛も伸びたという話を、以前聞いたことがある。ほんとかなぁ、と今までは疑問に思っていたが、もしかしたらそういうこともあるのかもしれない。長毛になったSadieを今日つくづくながめていて、今度引っ越すのなら寒冷地帯がいいと密かに願ったのだった。

たくさんいた子猫たちは、1匹を除いてみなもらわれた。今日残っていた1匹はこの子。もちろん黒猫(悲)。顔の部分だけが白っぽくて、まるで小猿のようだ。何だか挙動も猿のようだと、見に来る人も口々に不思議がる。子猿のMr. Brown、きみも早くもらわれるといいねぇ。
残りものには福がある、黒猫。 → 残りものには福がある、黒猫。

2005年8月30日

猫の多い日

猫ボランティア先では人手が足りないので、シフトを組んで、いつも一人で作業をしている。しかし、たまには誰か他の人と一緒にボランティアをやることもある。先週、シンディーというアメリカ人のボランティアと一つ部屋にいたところ、たいへん驚かれて注意をされたことがある。それは私が、ある猫のケージを開けたとき。
「雄を2匹一緒に出しちゃだめよ!」
いさんでケージから出ようとしていた、アーサーという雄猫を、彼女は慌てて押し戻した。聞けば、雄同士一緒にすると喧嘩するから、同時には出してはいけないという。
そうだろうか?
私はその説については、かなり懐疑的だ。雄だからというよりも、猫それぞれに相性があって、雌同士でも、雌と雄でも、喧嘩するときはする。同様に、仲良くできる雄同士もいれば、雌同士もいる。特にここにいる猫たちは、(子猫も含めて)全て去勢・避妊済みなので、まったく一概にはいえないのだ。だいたい今まで雄同士で喧嘩になってしまったことなど、一度もない。
ただ、なんとなく傾向というものもある。きちんと調べている訳ではないので、単なる感想だが、『雄は概しておとなしく、雌2匹のほうがはるかにもめる』。子猫の面倒をみたり、一緒に遊んだりするのも、なぜか雄のほうが多いような気がする。一般的にはどう言われているのだろうか。
ケージに押し戻されたアーサーと、そのときすでに遊んでいたレドモンドは、特におとなしく人懐っこい雄猫たちだ。しかし、猫飼いにはその人なりの、飼い方も考え方もあるので、自分はいつも違うやり方をしていると話しただけで、その場を終わらせた。

今日はいつも通り自分だけのシフト時間なので、やりたいようにやる。どーんと一緒に遊ばせた。ほーら、大丈夫。もちろん、こんな狭い部屋に、全員(本日は19猫!今までで最多)を同時に出したりはしないが、雄雌取り混ぜて5~6匹ずつ。
まったりする雄猫たち。 → まったりする雄猫たち。

いつも大人の猫が多い中、今日は子猫が11匹もいた。これだけいるととてもじゃないが、名前も覚えられない。お客さんが多くて忙しかったが、成果は1申込→1拒否のみ。拒否の理由は、アパートの大家に電話確認したところ、猫は2匹までしか飼ってはいけないアパートだったため(すでに2匹飼っている人だった)。残念!
遊ぶ子猫たち。 → 遊ぶ子猫たち。 

2005年8月18日

白猫を探せ

久々のボランティアだ。約2ヶ月ぶりの復帰。よっぽど人手が足りないらしく、ボスのミシェルも復帰をとても喜んでくれたのでうれしい。ミシェルに日本のお土産として、またたびの粉末をあげたら、ものすごく不審そうににおいを嗅いでいた。
またたびの粉末は、たいていのアメリカ猫にも良く効く。私が見たところ、キャットニップよりも効き目があると思うのだが、狭いところに多勢の猫がいるボランティア先では、使わないようにしている。興奮するとたいへんなことになりそうだから。

子猫のシーズンもほとんど終わりになったというのに、この日は子猫が4匹もいた。アメショー柄が2匹と黒が2匹。しかし翌日には、このアメショー柄たちはもらわれてしまったので、今残っている子猫は黒のみ。やっぱり黒だけいつも売れ残る...しくしく。
ここでも大人気なボール回し。 → 082005_1.jpg
すぐにもらわれた、アメショー柄2匹。 → 082005_2.jpg

大人猫でもきっちり里親が見つかるアメリカとはいえ、やっぱり子猫がいれば子猫に人気は集まる。特に、入り口の前に子猫のケージだけ出してあるので、こういうときお客さんに質問されるのは、子猫のことがほとんどだ。しかしこの日、ガラス戸越しに話し掛けてきた一人のおばさんは違った。
「白い猫いる?」
一瞬、パー子かと見まちがってしまったほど、恐ろしいど派手なピンクのパンツスーツを着ている。しかしパー子さんと違って、にこりともせず、いかにも感じが悪い。英語のなまりからすると、たぶん中国人のおばさんと思われる。部屋の中に入ろうともしないが、ガラス越しに、片言英語同士では埒があかないので、中に引き入れて話を聞いた。
自分の家白い猫がいなくなったから、代わりを探しているのだという。代わりって、あなた。確かに今、真っ白な美しい猫がここにはいる。しかしreplace、replaceと繰り返すところが気に入らない。猫はみな性格が違うし、同じ色だからといって代わりにはならないのだ。聞けばいなくなったのは、まだ昨晩のこと。なぜ探さない。なぜもう代わりを見つけようとする。聞いてくる質問も、何だかカチンとくることばかり。
「いくらで売ってるの?」
「なんでそんなに高いの?」
「今すぐ持って帰れる?」
「あと何年生きる?」
お前はほんとに猫飼いか?!このままだと、気弱な私は、ピンクおばさんに値切られたあげくに、白猫KCを今すぐ持っていかれてしまいそう。なんとか説得して、帰ってもらうことにした。いなくなった猫など探しても無駄だ、と言い放つおばさんに、無理やりアニマルシェルターの連絡先を渡し、ここに電話して猫がいるかどうか聞くように繰り返し説明した。
電話したかなぁ。しなかっただろうな。もしかしてその猫は行方不明なのではなく、家出したのではないかと、密かに疑ってしまうのであった。
危ないところだった美しい白猫『KC』。 → 危ないところだった美しい白猫『KC』。

2005年6月 3日

性格のいい猫

ボランティア先は、あいかわらず子猫でいっぱい。次から次へともらわれていくが、また次から次へと準備OKな子猫が投入される。
準備OKな猫とは、だいたい生後8週間以上たった子猫で、みな去勢・避妊手術も、1度目のワクチン接種も済んでいる。それまでフォスターファミリーの家で面倒をみてもらっていたので、トイレのしつけもできているし、ドライフードも一人で食べられる。とにかくもう準備万端。さぁもらってくださいという子猫たちばかりなのだ。
なぜか今サンディエゴのアニマルシェルターは、あふれかえる捨て猫で入れるケージがないほどいっぱいなのだそうだ。そこでアニマルシェルターと協力体制のできているこのボランティア団体でも、空きケージがでるたびにシェルターに電話で連絡し、すぐさま追加を受け入れているくらいだ。なので、通常ではやらないのだが、子猫たちは大きいケージに、兄弟ではないものたちも数匹まとめて入れられている。
子猫たちは暴れるのですぐにケージが汚れる。しょっちゅう掃除もしなくてはならない。掃除の際は、開けっ放しのケージからどこかへ行ってしまわないよう、念のために子猫を全部部屋へ避難させることにしている。
この子も舐めなきゃ。 → この子も舐めなきゃ。

すると大人猫の1匹がすぐに反応した。このさび猫、名前はCoriという。大人といってもまだ1歳のメス猫だ。この猫は、それはそれは面倒見の良い猫で、私がよっこらしょと子猫を1匹ずつ部屋へ運び入れるたびに、いそいそと走り寄ってくる。そして即座にグルーミングをはじめるのだ。とても丁寧に1匹ずつ。お尻から顔から、舐めて舐めて舐めまくる。なんて優しい猫なのだ。ためしに、2匹まとめて運び入れると、見るからにあわてるのでおかしい。1匹を前足で押さえ込み、もう1匹を急いで舐める。本当に子猫が大好きなのだ。何匹入れても、忙しそうに全部を面倒みてくれる。はぁ、優しい猫だこと。

今日は忙しいわ。 → 今日は忙しいわ。

たまにこういう面倒見の良い猫がいるものだ。性別・年齢に関わりなく、雄猫でも、とっても優しい猫好きな猫がいる。『1日3ヒゲ。』のunya_sukeさんのところのヒゲのひと(カーブくん)と一緒だ。あぁ~~、うらやましい。ノアも、こうやってソフィーの面倒を見てやるような猫だったら、もっと仲良くなれただろうになぁ。普段、うちにいるたいして仲の良くない2匹を見慣れているので、信じられない思いで、写真をぱちり。きみは本当にいい子だね。

次はあの子ね。(後ろから狙ってる→) 次はあの子ね。(後ろから狙ってる→)

2005年6月 1日

Swimming in Kittens

今日のボランティアは忙しかった。4時間半ずっと立ちっぱなし。休憩する暇もない。なぜなら、ミシェルいわく、「Swimming in Kittens!(子猫でいっぱい)」だったからだ。
外の目立つところのケージ2つに、子猫が8匹。そりゃあもう入れ替わり立ち代り人が来て触りたがるわな。中には兄弟の猫たちもいるが、子猫に限っては兄弟一緒にもらってくれなくちゃだめ、などと固いことは言わない。「First come, first served(早い者勝ち)」だ。
人が見に来てないときは、中にいる大人の猫たちと、いつもの通り遊んだりブラッシングをしてやる。中でおもちゃを振り回していると、ガラス越しに子猫8匹が食い入るように、それを眺めている様子が見える。かわいいのう。でも君たちはすぐにもらわれていくのだから、私が遊んであげるのは大人の猫たちだけなのだよ。
遊んでー。 → 遊んでー。

結局4時間半の間に、もらわれた子猫は2匹。その他受け取った申込書が2通。この分だと2~3日中には、子猫たちは皆いなくなりそうだ。いくら大人の猫でも里親が見つかるとはいえ、やっぱり子猫は大人気なのだ。中でも一番人気が、Buff color(肌色のような薄い色)。1匹だけいたBuffはもらわて行くその時まで、見に来る人ほぼ全員の注目をあびていた。そして、うぅぅ、子猫の中でもやっぱり黒猫は人気がイマイチなのだ。たぶん黒は最後まで残りそうな予感。

大人の猫たちも、最近売れゆきがよい。先日飼主と死に別れたばかりのこの猫も、肝臓病のこの猫も、見分けのつかないさび猫姉妹も、心臓の悪いがら子(エスメラルダ)もみんなもらわれた。よかったねぇ、みんな。幸せになるのだよ。

ところで、アメリカではよく、スーパーのレジで偽札のチェックをしている。すかして見たり、お札にマーカーで何やらしるしを付けたり(←いったいこれで何がわかるのだ?)、20ドル札ですら、客の目の前でいちいち調べるのだ。最初は何て失礼な、と思ったものだが、どこでもやっているし、慣れると別に何も感じない。文句を言う人もいない。それより、本当にそんなに頻繁に偽札が出回っているのかどうかそれが疑問だ。
最近、子猫のアダプション費用は値上げされ1匹150ドルになった。クレジットカードは受け付けないため、現金もしくは小切手での支払いとなる。
今日久しぶりに手にした100ドルの新札。
すかして見るべきか、マーカーでチェックするべきか。しかしどこで偽札を見分けるのかさっぱり分からないので、ついそのまま受け取ってしまった。どうか偽札ではありませんように。

2005年5月18日

ボランティア紹介

いつも行っているボランティア先がどんなところかというと、こんなところ。
店の入り口。 → 店の入り口。

PET'sMARTという大きなペット用品チェーン店の中にある里親探し(アダプション)コーナーで、ボランティアをやっている。どれだけ大きな店かというと、一つの店の中には獣医、グルーミング店、ペットホテル、犬のトレーニング場、そしてアダプションコーナーがついているほどの大きさだ。サンディエゴ近郊だけでも10店も店がある。ペット用品も、犬・猫・鳥・魚・馬・その他と数多い。
広い店内。 → 広い店内。

しかしこんな大手のペット用品店でも、生体を売っているのは、鳥と魚だけ。猫や犬に対しては、ボランティア団体に場所を提供し、捨てられた動物のための里親探しのコーナーを店内にもうけているだけなのだ。純血種や血統書付きの猫を売っている店など見たことがない。アメリカには動物保護団体がたくさんある。それらの場所は、各地の地元のボランティア団体に提供されているのだ。
猫用品売り場。 → 猫用品売り場。

ケージの数は、店によって違うが、ここには常時12のケージがある。もちろん無料で提供されるこれらの場所のほかに、店からは猫の餌、砂、おもちゃ、爪とぎなど与えてもらえる。ほとんどが客からの返品や不良品の商品だったりするが、新品も必要に応じてもらえる。店側は動物の世話は一切しなくていいし、こういう協力をしていることを、CMでもしきりにアピールしているので、良いイメージアップになっているのだと思う。
ここの猫たちはみな、去勢・避妊手術、全ワクチン、マイクロチップ装填済みだ。手術やワクチンは、店に入っている獣医が無料でやってくれる。ボランティア団体に協力した分は、寄付と同じ扱いになり、税金免除になるのだ(グルーミングも同様)。猫をアダプションすると、その里親は、店の商品の他、獣医・グルーミング・ペットホテルでも利用できるクーポン券がたくさんもらえるので、そのまま顧客確保にも繋がる。店にとっても損なことではない。
猫のアダプションコーナー。 → 猫のアダプションコーナー。

私が所属しているボランティア団体FOCASFriends of County Animal Shelter)は、サンディエゴにあるの2つの店の中に入っている。猫のケージ数にすると合わせて30余りしかないのだが、ボランティアの人数はおそらく200名はいると思う。ボランティアをした時間を、一部単位に換算してくれる学校があるそうで、学生も多い。
店で猫の世話をする人のほか、事務だけをやる人、年にいくつもあるイベントを企画する人、シェルターと協力して犬のアダプションをやる人、運搬係などなど。フォスターファミリーといって、病気や子猫など問題のなる猫を一時的に自宅で預かって世話をするボランティアもたくさんいる。猫がもらわれてケージが空くと、フォスターファミリーの猫の中で、準備OKな猫が店頭に並ぶ仕組みになっている。先月中旬の段階では、団体全体で約100匹の猫が世話されていた。
このボランティア団体は、地元で30年近くも続いている古い組織だ。ほぼ全員が無償で働いているが、コーディネーターなど一部給与をもらって雇われている人もいる。運営費は全て寄付でまかなわれている。ぽーんとまとめて考えられないほどの大金を寄付してくれる個人も、大手ペットフード店など企業からの寄付も、多い。寄付金は免税の対象になる。寄付をした人の名は、大々的に会報誌に載る。アダプション費用は、1匹100ドル。これも全部運営費にまわる(これももちろん里親側の税金免除になる)。年間収支決済は、ボランティア全員と大口寄付をした人に開示されている。
猫のケージ。 → 猫のケージ。

はぁ。これだけ書き連ねて、ため息がでる。

よくできた仕組みでしょう。うまく回っているでしょう。非常にアメリカらしい。誰も損はせず、商業主義といってしまえばそれまでだが、かわいそうな捨て猫が少しでも減っていることは事実だ。ボランティア団体側も余裕があるので、猫は一切安楽死などさせられずに、病気であっても最後まで面倒をみてもらえるのだ。一度この団体に来た猫は、何年たってどんな理由があって返されても、返品を受け付ける。そして再び新しい里親が見つかるまできちんと世話されるのだ。
ボランティアが社会に根づいているとは、こういうことを言うのだろう。
それともう一つ。子猫だけではなく(もちろん子猫はいつでも人気があるが)、大人の猫でも100ドルだしてももらってくれる人がたくさんいること。これがうまく回っているそもそもの要因なのだろう。そういう意味では、アメリカ人はほんとうに偏見がなく、大きくても年をとっていても、気に入った猫を、わりと気軽に(そう見える)家に引き取ってくれる。もう2年以上このアダプションコーナーでボランティアをやっているが、これにはいつも驚かされる。だいたい月に30匹は里親が見つかるのだ。

日本でも、いつかこんなことできるといいのに...。