セミ捕り猫

ベランダの椅子の上で寝ていたソフィーが、ものすごい勢いで部屋に戻ってきた。いかにも興奮のオーラが漂っている。

猫にごはん

ソ「獲物捕ってきたわっ!」

ぎゃー。セミだ!!!
また今年もセミを捕まえてしまった、この猫。マンション暮らしで、しかもベランダに網まではってあるのに(猫転落防止用ネット)、どこでセミを捕まえてくるのだ。

猫にごはん

ソ「ほら、これが今日の獲物よっ」

大事そうに咥えていたセミを、ぽとっ、と落したその後。
ジーッジーッジーッとセミは鳴き、バタバタバタッとひっくり返ったまま暴れ始めたではないか。ひーっ。生きてたのか。てっきりもう死んでいるのかと思った。
のんきにカメラなんぞ構えている場合ではない。セミを救出せねば。

前にも書いたような気がするが、うちのJはセミに対して非常に心優しく親切だ。道端でひっくり返っているセミを見つけると、必ず拾い上げて高い木にとまらせてやったり、大事そうに安全な地まで運んでいる。そして私など一緒に歩いていてもまったく気づかないのだが、夏の終わりになると、Jはひっくり返っているひん死のセミをしょっちゅう見つけるのだ。一度地下鉄の中で、隣の席に座った女性にくっついていたセミを救出したことまであるくらいだ。変質者だと思われなくてよかった。セミに何のシンパシーを感じるのか分からないが、いつもそうなのだ。
だからもし私がここで、「ソフィー、セミを捕える瞬間!」など激写するのにかまけて、セミを家の中で死なせてしまったら、それこそ末代まで何を言われるか分かったものではない。即座にカメラを置いて救出へ向かう。

ひっくり返ってじたばたしているセミをみて、さらに興奮度を増したソフィーは、両前足でセミをドリブルしつつ、廊下を疾走していってしまった。たいへんたいへん。
とりあえずソフィーを別室へ閉じ込め、セミを外に出そうとするが、どうにも手で触ることができない。ちり取りですくって外へ出すしかない。えーっと、ちり取り、ちり取り。
セミは廊下でジーッジーッ鳴いてジタバタし、ソフィーはキャックーキャックーと扉をひっかいて大騒ぎをし、そんなときに限ってちり取りはなかなか見つからない。しかしなんとか見つけて、セミを外へ出すことができた。
ベランダから見事に飛び去って行くセミ。あんなにひっくり返って、猫にいじめられていたのに、すごいものだ。どうか短い余命を無事で過ごしておくれ。

5件のフィードバック

  1. うちの蝉取り猫・大輔、毎日ベランダで待機してますよ。
    が!今年はまだ獲れてないようです。

    毎年捕まえて家の中にくわえて持ってきて
    他の猫と取り合いになり1階まで駆け下りてさらに蝉サッカー
    「ああ、取り上げなくちゃ!!」と思っているうちにいつの間にかセミはいなくなってしまいもしかして猫たちの誰か食べちゃったのか?!

    ということが繰り返される夏です。

  2. noirさんこんばんは。
    ひー、虫全般がダメなのですが蝉は特に苦手です。
    これからの時期うっかり入ってきたら
    嫌なので網戸以外の窓を開けられません…。

    以前、うちの拙猫の写真を見たい、という
    ありがたいおことば頂き
    猫の写真を探していたものの、
    機種変更する前の携帯にたっぷり入っていたため通信手段がなく、
    ブログをさがしてみたところ一枚ありましたので、
    リンクに貼り付けております。
    よりにもよってこんなんなんですが。

    もっとかわいいのですが
    私が撮ると信頼関係のなさからかわいく映ってくれません。

  3. >あずきさん
    毎日ベランダで待機する様子を想像して笑ってしまいます。ちゃんと
    セミがどこから来るか覚えているのですね。大輔ちゃんかわいいわ。
    他の猫たちは、自分のセミ(?)でもないのに、どうして取り合いになって
    しまうのでしょうね^^; セミがいなくなったのは、無事に外へ逃げたのだ
    と思いたいですね(笑)。
    うちはつい数日前も、夜だというのに、ベランダにセミが来たようで、また
    ソフィーがエキサイトしておりました^^; うちに来る危ないから、どうか
    寄り付かないでおくれ~。

    >ふ~みんさん
    ふふふ。実はこのエントリー読んでおりました。ふ~みんさんのブログの
    過去エントリー読んでた時だったか、猫で検索したときだったかで
    みつけたことがあります(^O^) メンチきってる猫たんの顔もかわいい
    ですよ。どことなくはらたいらさんの雰囲気が伝わってきます。
    覚えていていただきありがとうございます。

    先日のセミ騒動の際は、自分がセミを手でつかむことができない、という
    ことに気づきました。触ろうとすると、ジージー暴れるし、肉厚ボディー
    の妙な艶感といい、たまらなく抵抗がありました。あんなものを嬉々とし
    て口にくわえてくる猫の神経が信じられません(*_*)

  4. 蝉が今年は多いですね。
    うちは二人とも蝉に親切です。
    近所の大通りやアスファルトをよたよた歩いているセミをみると木にとまらせます。
    おっちゃんは羽化してまもなそうな蝉をつかまえてきて2匹に見せてました。

    次の日の朝はまだうちのベランダの木にいましたが、
    夜にはいなくなったので、無事飛んでいったのだと思います。

    今年はうちはまだ蝉は捕獲していませんが、もっと大きなものが。。。
    殺生はやめるようこんこんとゆきえちゃんに言い聞かす毎日です。

    それにしても、獲物見てる時、猫はどっから声出してんのかとおもうような
    面白い声出しますよね。

  5. >Kさん
    おぉ、Kさんもおっちゃんもセミ好きだとは。Kさんもセミを素手で持つ
    ことができるのですね!すごい。
    おっちゃん、いくらセミ好きだからって、猫たちにそんな楽しそうな生きてる
    おもちゃ見せたら危険ですがな(汗
    よくゆきえちゃんが、捕まえなかったですねー。
    ゆきえちゃんも、獲物みてるとききゃっきゃと鳴いたりするのですね。
    ほんとどうしてあんな声出すんでしょうねぇ。獲物に気づかれるはずなのに。
    うちはたまにソフィーが、ノアが通り過ぎるのをみて、そんな声をだしたり
    するので、困ったものです。獲物じゃない、っつうに^^;

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